○岩井
政府参考人 お答えを申し上げます。
まず、この
法律では、
エネルギー管理指定工場に対しまして、燃料種別ごとの
エネルギー使用量でございますとか、具体的にどのような設備を使ってどういうふうに動かしているのかというようなことを、年に一度定期
報告の形でお出しいただいているわけでございます。
これは何のためにやっているかということになりますと、まず、企業に
自分の
エネルギーの使い方を客観的にきちんと
把握をしていただいて、みずから
エネルギーの
合理化計画をつくっていただくというある種自主
管理的なものとして企業にまずつくっていただいて、その上でそれを国に御
報告をいただく。国の方では、それを見せていただきまして、仮に必要があれば例えば改善命令を国の方からお出しするというような形で、国の方で、省
エネルギーの達成率が悪ければ、必要があれば必要な
措置をとる、こういうことが必要でございますので、企業の自主
管理と国が追加的にすべきことについて必要最小限のデータをお出しいただいているということがあるわけでございます。
恐らく、議員御指摘の点は、CO2の排出量その他が非常に重要になってきていて、それぞれの個別の企業でどんなCO2を出しているのか、
エネルギーを使っているのかというようなことを広く開示することが要るのではなかろうかと。今申し上げましたようなことで
経済産業省がそういうデータを持っているのであれば、そのデータを見せてもらえればどのようなCO2の排出量なのかがわかるので、それを出してもらえないだろうかというようなお話があるということであろうかと思います。
その際、今申し上げましたように、私
どもがそうした
エネルギーに関する
情報を持っておりますけれ
ども、それは、先ほど申し上げましたように、必要があればこの
法律に基づいて必要な
措置をさせていただくためのデータ
報告でございますので、それを目的外に一律に外に、こちら側から一方的にお出しをするということはできないというのが
法律の仕組みでございます。
その際、そうであれば、役所が持っております
情報であるので、それを
情報公開法にのっとってその請求ができないだろうかというような形で、
情報公開の請求をいただいているような例があるわけでございます。
私
どもは、今のような形になりますので、私
どもの方から一方的に出すことはできませんので、
事業者の方に対して必要に応じて意見照会をさせていただいて、開示ができる場合には開示をするということになるわけでございます。
その際、企業の方でどのような御
判断があるかということでございますけれ
ども、いわゆる六ガスの話をしたときには、特殊なガスが出ているときにはそれで非常にその生産がつかみやすいというようなケースが、例えばフロンの排出量その他で出たわけでありますけれ
ども、
一般に言われることであれば、例えば全体に燃料を出している、そういうデータが本当に企業の
秘密になるようなケースがあるだろうかというような御
質問をいただくことも間々あるわけでございます。
それはケース・バイ・ケースでいろいろなケースがあろうかと思いますけれ
ども、今申し上げましたように、燃料種別ごとの
エネルギー使用量の
情報ということがございます。それから一方で、例えばその工場がどれぐらいの製品を出しているかというような数量は
公表されているケースもございます。そういたしますと、実は、最終的な物のコストとその途中の材料費とか原料費の部分の比率がわかってしまうというようなケースも間々あるわけでございまして、場合によりましては、そういうケースで
情報が表に出ますと、企業が事業活動を営んでいく際に、競争上不利益になるという
判断を企業がされるというケースもあり得るということだろうと思います。
このような議論がこれまで長くされてまいりまして、とりわけCO2の排出量というものについて、それじゃ、競争に支障のないような
範囲で、あるいは、企業ごとにそうやって
管理をしているのであれば、事業所ごとにまとまったような格好で対外的な
公表ができないんだろうかというような御意見もございまして、私
どもは、
関係省庁、環境省さんとか経済界の方ともお話をいたしまして、今通常国会において成立いたしました温対法で
エネルギー起源のCO2を初めとする温室効果ガスを一定以上排出する者に対して
事業者ごとに
報告を
義務づけまして、それを国が
公表するという格好でできないだろうか。その際に、冒頭申し上げましたように、省エネ法に基づきましてかなりの部分もうデータを出していただいていますから、そのときに、省エネ法という仕組みもうまく使えば
事業者の方に追加的な
負担がなく御
報告をいただけるんじゃなかろうか。
したがいまして、省エネ法の仕組みもうまく使いまして、温対法もうまく使いまして、とりわけ興味が強く持たれておりますCO2の排出量というものについて企業ごとに御
報告をいただいて、国がそれを
公表するという仕組みで一歩前進を図りたいということで、省エネ法の
関係部分の改正も盛り込み、温対法の部分につきましても改正を盛り込んでいただきまして、二つの
法律の改正がいわばセットになるという格好で今国会御審議をいただいているところでございます。
この省エネ法の成立もできますれば、この施行とともにCO2の企業ごとの
公表ということが新しく原則的にできるような
制度が仕上がる、こういう形で議論が進んでございます。
長くなりましたが、以上でございます。