○渡辺(周)
委員 民主党の渡辺でございます。
今、
大畠委員から冒頭に、私も実はこれまた大変関心を持っておりまして、いわゆる対日要求の問題でございます。ちょっと冒頭にそれに触れて、私自身の意見も申し上げてから、
質問に入りたいと思います。
先日、「拒否できない
日本」という本がございまして、たまたま本屋でぱらぱらと見て買ったわけですけれども、なるほどなというふうに思うことが、今の
大畠委員の
質問にもつながるわけでございますけれども、
米国が毎年十月に
日本に突きつけてくるいわゆる対日要求、年次
要望書というもの、これが本当にここまでされるのか、ここまで言われるのかと。当初は通商の問題から始まったこの
日米の問題ですけれども、今ではまさに我が国の国家の本質にまで踏み込んできている。これが変質をしたのは、いわゆる
小泉総理とブッシュ現大統領が
アメリカで、二〇〇一年総理就任間もなく
アメリカに行かれて、それが
確認をされた、あるいはそこから始まったんだというふうなことが書いてあります。
その本に書いてあったことを、私もメモしてきたことをちょっと読み上げますと、いわゆる
日本と
アメリカの長年にわたる通商問題、この通商問題というのは、通商代表部が一九六二年にできたわけでありますけれども、そもそもこの
アメリカ通商代表部というのは連邦議会の提案によってできた組織です。つまりこれは、我々は
日本で言うところの
経済産業省のカウンターパートかと思っていたら、そうじゃなくて、いわゆる
アメリカの外交という大きな国益と議会を構成する議員のいろいろな選挙区事情やいろいろ背景にある支持団体あるいはロビー団体、こういう利害を調整しながら、それぞれの議員が、国の
方針がなかなか動かない中で、一種の官製ロビイスト集団として組織をされた。
その後、悪名高いスーパー三〇一条ができました。
アメリカの要求をのまなかったら、
アメリカ一国の主権の名において、まさに報復的内容を含む法を発動するということになった。つまりこれは、もともとが大統領府につながる行政機関ではなく、もとはといえば議員たちによる一種の利害調整、あるいは利害を主張する組織であったというようなことが触れられていました。
そうして読み解いていくと、なるほどなと思ってだんだん
理解できてくるわけなんですけれども、その中の背景にあるのは、これは、
アメリカが、大変財政的に厳しい中で世界の覇権をとにかく維持しようとして突っ走ってきた。その中で、
御存じのとおり双子の赤字、財政赤字と
貿易赤字という二つの赤字が誕生した。その根源にあるのは、実は
日本という国が非常に社会構造も市場も異質なんだ、
日本異質論という中から、そのためには
日本の社会構造あるいは市場を変えなければならない、そこに転嫁されたわけですね、
御存じのとおり。
これは、今考えてみますと、特に今回の
環境の問題、この
委員会でもかねてからずっと議論されておりますけれども、まさに
アメリカの覇権主義、
大国主義、ユニラテラリズムの中で、なぜこの
環境に関しては
アメリカが全くリーダーシップをとらないのか。
日本異質論を言うならば、グローバルな視点で、今これは
地球市民といいましょうか、
地球上に生活する者のすべての最大の関心事であります
環境という点については、よっぽど
日本の方が、ここまで経済発展と
環境というものを両立させながら数次にわたる危機を乗り越えてきたということは、私は胸を張って
アメリカに対して言えるんじゃないだろうかと。まさに、そこについては、私たちはやはり
日本という国に対してもっと自信を持っていいのではないだろうかとつくづく思っているところでございます。
イニシアチブという言葉を先ほど
外務副
大臣も使われました。これは、
日米構造協議から始まって、この本の作者の名前は忘れましたけれども、私もなるほどなと思って調べてみたんです。
イニシアチブという言葉は協議ではない、意訳だと。つまり、
日米構造協議に
イニシアチブという言葉が出てくるけれども、
アメリカから見れば主導権でありまして、これはどう考えても協議という
日本語には訳せない。
ところが、この
日米構造協議がスタートしてから今日まで、
日米構造協議という名前を使わずに
イニシアチブと向こうでは言っていると。つまり、
イニシアチブというのは向こうからいえば主導権でありまして、
日本側は、これは意図的なのかそうでないのかわかりませんけれども、協議という名前。何か双方がイコールの
立場でいろいろなお互いの双方の利害を出しながら、意見を出しながら調整をしてきた、その産物であるというようなイメージがありますけれども、向こうからすれば本当はこれは協議ではないんですね。こちらは協議というふうに、言いかえれば善意に解釈しておりますけれども。
この
イニシアチブという言葉が果たして適切なのかどうなのか、これを協議と訳していることが果たして適切なのかどうなのかということについては、ぜひ
大臣もどこかでまた研究されて、その辺はまたいずれの日にかこの
委員会でも
質疑の中でお答えをいただきたい。
今もしお答えをいただければありがたいですが、これは
大臣としての、
アメリカとの関係について今どうお考えなのかということと突き合わせて、冒頭ちょっとできればお答えをいただきたいんです。今の感想で結構でございますし、日ごろ
大臣としてお考えになっていらっしゃることを、
日本国の
経済産業大臣として、
アメリカとの関係、歴史的ないきさつ、あるいは私が
指摘したような点につきましてどのようにお考えになっているか。最初大分時間を食いましたけれども、もしお考えをお述べいただければと思います。
〔
委員長退席、高木(陽)
委員長代理着席〕