○松永
政府参考人 お手元に三枚紙の資料を配らせていただいております。
関西電力美浜発電所三号機二次
系配管破損事故の
最終報告書の
概要につきまして御
説明をさせていただきます。
一ページ目でございます。
事故が発生をいたしましたのは昨年の八月九日でございますが、翌日の十日に朝田
委員長を初めといたします七名の
委員から成る
調査委員会を設置いたしまして、三月三十日まで十回にわたり
審議をしていただきました。その結果、
最終報告書が三月三十日にまとまった次第でございます。この間、この
委員会自身、九月と三月の中旬二回、
福井市で開催をいたしております。
二でございます。
事故の原因でございます。
事故の直接的な原因は、
事故が起こりました当該配管部分が点検リストから記載漏れをしていた、このことが長年見落とされた結果といたしまして、配管が侵食、腐食をしたということでございますが、その後の
調査によりまして、さらにその背景には、
事業者における不十分な保守管理、
品質保証の
体制があったということが明らかになりました。
下に書いてございますように、当初、点検の作業を請け負っておりました三菱重工業それから関西電力、ともにチェック作業、意思疎通を怠ったこと、また関西電力の不適切な外注管理があったこと、また関西電力の工程優先意識があったということがございました。
今回の
事故の関連で
調査をいたしましたところ、
平成七年前後から現在に至るまで、配管減肉
調査を行って技術基準を下回ることが判明した場合におきましても、技術基準を独自に解釈いたしまして補修を先送りにする、こうしたケースが三つの
原子力発電所で累計七十八カ所に及ぶということも判明した次第でございます。
関西電力の
責任と再発防止対策でございますけれ
ども、下から四行目に書いてございますように、
原子炉設置者としての運営管理、あるいは
現場の実態を把握し、是正するという管理
体制、いずれにおきましても問題がございました。したがいまして、保守管理能力の
向上と外注管理の徹底が急務である、また、
企業風土を改善するための持続的な取り組みが不可欠である、こういう
指摘がされております。
二ページ目でございます。
こうした
事故調査委員会の
指摘を踏まえまして、関西電力は、三月一日に再発防止
報告書、また三月二十五日に具体的な行動
計画を提出しております。行動
計画の
概要につきましては、三ページに参考として添付させていただいております。
これを受けまして、
保安院といたしましては、関西電力がこの行動
計画に示されましたコミットメントに基づきまして
再発防止策を実行し、
品質保証
体制と
企業風土の抜本的な改善が図られるかどうかということにつきまして、特別な
保安検査等によりまして厳正に
監視、指導していく、こういうことが
指摘をされております。
四でございます。
三菱重工業でございますけれ
ども、プラントの建設、保全の中核を担うメーカーとしての自己規律を欠いた
行為でありまして、同社のみならず
原子力安全全般への
信頼を損なうものである、こういう
指摘がございます。
この
指摘を踏まえまして、三菱重工業につきましても、三月一日に再発防止
報告書、また同月二十三日に追加
報告書を
保安院に提出しております。その
概要につきましても、三ページに添付をさせていただいております。
これを受けまして、
保安院といたしましては、三菱重工業に厳粛な反省を求めまして、その再発防止対策と社内改革活動が確実に
実施されるか、厳しく注視していくこととしております。また、三菱重工業につきましては、PWR、加圧水型
原子炉の唯一のメーカーでございますので、メーカーとしての自覚を持って安全確保に取り組むことを期待する、こういう記載になっております。
五でございます。国、
原子力安全・
保安院の
責任と対応でございます。
配管の肉厚管理でございますけれ
ども、この具体的な方法につきましては、これまで
事業者、各社にゆだねられてきたということが不適切な運用を招いた一因であるというふうに真摯に反省をしております。
保安院といたしましては、昨年の十二月に検査対象及び検査方法の
明確化をするための省令
改正、また、先月の中旬には詳細な評価の仕方あるいは測定を行うためのガイドラインというものを通達として
明確化したところでございます。
加えまして、各社の
品質保証に対する規制でございますけれ
ども、いわゆる東電問題の発生を受けまして、一昨年の十月から、保守管理、
品質保証活動の検査、指導を行う、こういう検査
体制に移行しておりますけれ
ども、こうした検査方法の継続的な改善を図ることによりまして、全
事業者につきましても、保守管理、
品質保証活動の徹底を改めて強く指導していく、こういう考え方でございます。
以上でございます。