○
望月政府参考人 信用保証の圧縮とおっしゃいましたが、多分新聞記事から来ているのではないかと思いますけれ
ども、ちょっとゆがんだ報道がなされましたものですから、私
どもはその後正確にいろいろ説明をしているところでございますが、実は信用補完
制度は、一番最後に、昭和四十年に
審議会で
制度の見直しの検討をいたしましてから今日まで約四十年間、
制度の大幅な変更は余りなされてきませんでした。したがいまして、いろいろな
意味で金融の高度化などが起こっている昨今、信用補完
制度についてのさまざまな問題、検討すべき課題が山積をしてまいりました。したがって、信用補完
制度全般にわたりまして、この課題をこの際総点検しようということをねらいまして、今、
審議会での検討を開始したところでございます。
一番大きな点は、
信用保証協会というところが
中小企業の前面に立って保証の引き受けをしているわけでございますけれ
ども、それに応じて金融機関が融資を行うわけでございますが、金融機関は、一回融資した後、その
企業に対して常時、継続的に期中管理というか、つき合うわけでございますから、その
企業の状態はわかるわけでございます。ところが、
信用保証協会は、最初に一回保証した後に、この次の保証、追加保証が来るまでの間は、どちらかというと金融機関任せになっている、その途中での
企業の状態について必ずしも十分フォローしてこない、そういう
位置づけになっているところが多うございます。
したがって、
中小企業がちょっと経営が傾いてきたときに、専門家としてきちっとアドバイスをしたり指導をしたりすることによって、最悪の事態へ行く前に
企業経営が変わるというような経営指導みたいなことを、本来であれば融資した側、金融機関側がするわけでございますが、そういったことについて保証協会も、同じこれだけの保証をしているわけでございますので、すべきところを、経営相談、能力は、保証協会も経営指導員もたくさん抱えているわけでございますが、能力がある割には、そういう経営
支援だとか、そういうことをやってこなかった。
つまり、保証協会と
中小企業との関係がある
意味では一回こっきりの関係になっていたというような問題点であるとか、あるいは、先生ちょっと御
指摘になった金融機関と保証協会の関係で、今は多くは、
基本は一〇〇%保証協会が保証したもので融資をするということでございますから、金融機関はリスクゼロの融資を行っているわけでございます。そうなりますと、金融機関側のある
意味では責任分担というか、
中小企業への面倒を見る姿勢とか債権の管理に対する姿勢だとか、そういうたぐいについてもさまざま問題点が
指摘されているところでございます。
それから、加えまして、不動産価格の下落によってなかなかその担保がなくなってきている
中小企業に対して、担保とか保証人に依存しない融資をこれからますます拡大していかなきゃいけないというような社会的な要請もございます。そういったさまざまな
環境の変化に即応して保証
制度自身が何の変更もしてこなかったというのが実は私
どもの反省でございまして、そういった点を幅広く、どうしたらいいかということを今検討している最中でございます。
その中で、今ちょっと申し上げた一〇〇%保証についての問題点の見直しみたいなものが、少し肥大化されて注目され過ぎて先ほどのような報道になったということでございまして、この点については、問題点もございますし、それから、安易に変更することに伴うまた新しい問題を起こすという両面もございますので、今、慎重に検討をしているところでございますけれ
ども、何らかの
意味で金融機関の責任分担を図らせなければいけないというような議論が主流になっていることも事実でございますので、その辺、慎重に議論をしていきたいというふうに思っております。