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中川(治)
委員 ですから、今農林、国交それから
環境省が
協力してやっているデータでは、生活排水の適正
処理が行われているのが七七・二%でしたかね。これは、
整備区域内の人口が全部入っていますから、実は多分一割ぐらい少なくて、今適正
処理をしている人口は約七〇%というふうに私は思っております。
今部長言われましたように、残り三〇%が実は一番難解なくみ取りと単独浄化槽。特に一番たち悪いのは、本当は単独浄化槽なんですね。くみ取り式というのは川へ流しませんから。単独浄化槽は流しておりますから、これが本当は一番の汚染源なんです。これが案外都市部にあります。といいますのは、先ほど言いましたように、単独の浄化槽を下水道につなごうとすれば、三十万やそこらでは済まない。要するに、改造も含めて、それから庭を掘り返さないかぬ、そういうことも含めて二百万以上の金が必ずかかる。あるいは、駐車場の下に埋めてあったり前栽の下になんか埋めてあったらもう大変なことでありまして、そういうところは絶対に単独の浄化槽で残っていくんです。
そういうところが、実は下水道の供用開始区域、
整備区域、下水道部は普及率は六七%と言っていますけれ
ども、実際は、接続している家は六〇%です。つまり一〇%の誤差がある。この誤差はずっとあるんです。要するに、つながない人が必ずある。これは下水道法では、つながらぬかったら罰金やと、こない書いてあるんですけれ
ども、どこの市町村も、この罰金を発動した人は、恐ろしくてそういう勇気のある首長さんは、一人もいてはりません。私は、ここのところはぜひ
環境省から攻め込んでいただきたい。
どう考えても理論的に不可能な、要するに下水道を
整備した
地域ですけれ
ども、下水道幹線がある、それを、低い谷間のところで例えば分譲開発をやった。ありますよね、神戸でも大阪でも、こんなところへよう家を開発したなと思うような。そういうところについては、一番下のところで集めてポンプアップしているんですね、下水道幹線に。これはもう金がかかってしゃあない。金がかかるから、もうポンプアップせずに、ほったらかしというところが案外あるんです。これを公共下水でやってしまいますと、金がかかってしゃあないんです。
水は高いところから低いところへですから、そういう谷底の開発
地域については、一番底で大型浄化槽で受けて川に流すというのが本来正しいやり方で、そういうことをしなければならないのにしないで、下水道
整備区域でうちは終わりました。下水道部、国交省の資料では六七%の中に入ってしまっている、そしてほったらかしになっているところが実は一割あるということを認識していただきたい。
ここのところを手つけられるのは、私はやはり
環境省しかないと思っているわけです。ですから、いつもはやられっ放しやったら、たまに腹立ったら、こういうことを言うて攻め込んでください、あんたらどないする気やと。これは絶対答えられませんから。やったら市町村がどえらい金かかりますから。そういう
意味で、ぜひこれを何かのときの復讐のネタに使っていただいたらというふうに、私は、一遍はぜひこれもやっていただきたいなというふうに思っております。
それと、もう
一つは、先ほどの大型合併浄化槽、おいしそうな大型合併浄化槽、しかもBODが二とか三で、燐も窒素も除去するというようなのがどんどん下水道につながれていくという情けない
現実があります。ところが、大阪には、例えば河内長野という町があります。これは沿川で開発したものですから、つないでいくだけでも金がかかるということもあって、河内長野という町は、マンションの下にある大型合併浄化槽であるとか昔の住都公団が開発した大型合併浄化槽を、この
管理を市町村に移しました。ですから、設備費は出していないですけれ
ども、市町村
管理型の合併浄化槽ということで、この
管理を市町村でやりましょう。要するに、市町村設置型の浄化槽の
管理と同時に、
民間でつくった良質な大型合併浄化槽についてはつぶさずにやりましょうということになりました。そうすると、大量に発注するものですから、それまでは大体自治会が浄化槽を維持するんですね。マンションであれば
管理組合が浄化槽の維持
管理をずっとやってはるわけですね。自分たちがお金を払ってつくった浄化槽なんです。
これも大型の団地、私も幾つかそういうつぶされた浄化槽の自治会の役員さんに話を聞きに行ったりということをしたんですけれ
ども、まあ、世の中やはりなるほどなと思うことがありまして、例えば、なぜ
賛成したか。
何とか不動産というのが五百戸開発した。初めはみんな赤の他人やからええんですよね。それが三十年、四十年たって、集まる場所が欲しい。そうすると、自治会館をつくりたい。ところが、何とか不動産ですから、そういう余分な土地全然残していないんですね。
そうすると、五百軒ぐらいあったら不動産会社に勤めている人もいてはりまして、会長、ええ話がありまんねんと。あの浄化槽をつぶして土地を半分売ったら、売った金で自治会館が残りの土地に建ちまっせ、これにはみんなころっといくんです。すると、この運営の問題でやはり自治会でもめるんです。二代目、三代目になってくると、高いやとかへったくれやというような議論があって、なかなかこれも無理だ、そういうところで浄化槽つぶしが始まる。市長さんは、もう待ってましたとばかり、これで五百軒が来たら、千三百人ぐらいの下水道普及率がぐんとはね上がる、よっしゃというようなもので、ばあんとつぶすんですね。ただ、それは
環境にも何もええことない、それから、つないだ方が、出てくる水が、汚い水が出てくる、そういうのも
現実であります。
ですから、私はこれを、そうじゃないという例というのはなかなか少ないんです。ところが、河内長野の例であるとか、全国でそういう、本当に良質な大型浄化槽はつぶさずにこういうふうに活用して、しかも、そうすれば確実に
清掃費用は、各家庭の負担は減るはずです。そういう実例もやはりぜひ市町村には宣伝をしていただきたい、そんな思いがします。この点についてはどうですか。