○松原
委員 大臣のおっしゃるのは当然そうしなければいけないことですから、これからも続けていただきたい。
今回の暴動は、ウィーン
条約から考えても、大使館に対しての破壊活動は客観的事実で、
中国が悪いのは明らかなんですよ、初めから。だから、もちろん
政府の
努力がゼロだったとは私は言えないけれども、客観的事実を国際社会が見れば、それは大臣の言うとおり、これは五月二十五日のアジアン・ウォールストリート・ジャーナルでも書いてありますよ。
デモにより在中大使館などが
被害を受けているのを許した
中国は、明らかに悪い。しかし、
中国政府が犯した罪はそれだけではない。先週、知名度の低い新聞サザンウィークエンドは、
中国は普通の市民のふりをしたスパイ軍団を結成し、インターネット上の意見を先導したという事実が出た。反日行動の種をまいたのはだれなのかわからない。
こういう記事まで出るぐらいに、国際社会は冷静にそれを見た部分があるけれども、結局、その中でも、私は、
日本政府としてはもっともっと、これはもう毅然と、北朝鮮問題も含めて戦うべきだと思っております。
歴史
認識の問題でというのを李肇星さんが言ったということですが、時間がないので私の言いっ放しで終わるかもしれませんが、一番問題になっているのは、例えば俗に言う南京の虐殺事件、暴虐事件というものがあるわけであります。これに対して、私は、ぜひとも大臣も、既に御
承知おきかもしれないけれども、このことはよく知っていただきたい。
これは、どれぐらいの人数がこの南京の虐殺によって失われたかというと、極東軍事裁判では、
日本軍が占領してから最初の六週間に、南京とその周辺で殺害された一般人及び捕虜の総数は二十万以上であることが示されている、これらの見積もりが誇張でないことは、埋葬隊その他の
団体が埋葬した死骸が十五万五千人に及んだ事実によって証明されている、これは東京裁判の判決ですよ、一九四八年十一月十一日。
この十五万五千人という数字が
一つあって、それで二十万だ、もっと多いから、こういう話であります。
しかし、ここで大事なことは、南京のこの事件の後に、ベイツという南京大学の教授で宣教師、当時、今の台湾
政府である国民党の顧問をやっていたベイツが、四万人の虐殺があったということを初めてここで明らかにして、たしか白人記者に、
アメリカの記者かだれかにこれを言ったというのが最初のスタートだというふうに私は
認識しております。
その後、ティンパーリ、有名なティンパーリでありますが、最近は、国民党からいろいろな
意味でお金をもらっていたということも本の中で明らかにされたりしております、真実かどうかはまた検証が必要かもしれませんが。それが、
昭和十三年七月に「戦争とは何か」という本を書いた中で、このベイツの数字を恐らく引用したんでしょう、ベイツから引用したとは書いていないけれども、四万人がそういった
意味で犠牲になったということをティンパーリが書いているわけであります。それが
昭和二十年過ぎの東京裁判でこの数字になる。
いろいろと
調査しますと、当時の南京の、死体がたくさん大変無惨な形にあった、それに対して、この数字のデータ、十五万五千というのは、崇善堂という
団体が十一万人の埋葬をした、四万人の埋葬を紅卍字会というのがやった、こういう話なんであります。トータルが約十五万五千、こういうことであります。
しかし、当時、この紅卍字会を指揮して
中国の亡くなった方々の埋葬をやったのは特務機関にいた丸山進さんという方で、ことし亡くなったそうでありますが、これは、
中国はなかなか地主のいない土地がなく、丸山氏が乗り出してようやく埋葬がどんどん進んでいった。彼が言うには、崇善堂は当時埋葬をやっていなかったということを彼が証言しているわけですよ、つい先ごろ亡くなったわけでありますが。
そうすると、その崇善堂の十一万というのは、どうもこれは事実あったかどうか極めて怪しいということを我々は感じざるを得ない。紅卍字会の四万というのは、これは実際四万より少なかったけれども、埋葬者の人数によって、言ってみれば、費用が特務機関から出されたという経緯があるんでしょう、見積もりを上乗せして四万人にしたということをこの丸山さんが証言しているわけであります。
ほかにもたくさん言いたいことはあるわけでありますが、私が申し上げたいのは、
中国側はこれが三十万人というふうなことも言っているわけでありますが、これについての数値に対して、外務省が把握している数値をちょっと教えていただきたい。