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三ッ矢委員 ありがとうございます。
実は、東アジア共同体についてもう一つ御質問をと思ったんですが、あと時間が五分しかないものですから、一つだけ。
アメリカが東アジア共同体について、自分たちが排除されるのではないかという強い懸念を持っているというようなことを私も聞いておりまして、
大臣がおっしゃったように、
経済以外の
分野で、例えば環境ですとか医療ですとか防災ですとかあるいは治安ですとか、そういう面での協力、個別の
分野での協力をどんどん推し進めていっていただきたいと思うんですけれ
ども、
アメリカに対する配慮もぜひお忘れないようにいただきたい。これは、
アメリカを排除してしまいますと、
言葉は適切でないかもしれませんが、下手をすると中華帝国になってしまう
可能性もあるものですから、そこだけは気をつけていただきたいなというふうに思っております。
最後に、日中関係について一つだけお尋ねしたいと思います。
私は、個人的には、外から眺めておりまして、
中国の外交が最近非常に活発化しているなというふうに思います。特に、近隣
諸国との間では、ロシアとは長年の懸案でありました国境線の画定を果たしましたし、インドとも、昔は仲が悪かったんですけれ
ども、最近非常にうまくやっている。それから、中央アジアの
国々にも非常に接近しておるというようなことも聞いておりまして、これはエネルギー確保戦略の一環かなとも思うわけでございますけれ
ども、いずれにしても、近隣でぎくしゃくしているのは
日本とだけかなという気がしております。
四月の反日デモにつきましては、私も含めて多くの
日本人にとってみますと、寝耳に水といいますか、どうして今ごろ突然反日デモがこんな形で起こったのか、キツネにつままれたような感じだったと思うんです。
ここでは総理の靖国参拝の問題を申し上げるつもりはございません。靖国問題が何らかの形で決着したからといって、日中関係が劇的に改善するとも思えませんので、それはさておきまして、ただ、問題は、それぞれ難しい国内
事情を抱えていると思うんです。
中国だけじゃなくて
韓国もそうだと思います。あるいは場合によっては
日本もそうかもしれませんが、各国におけるナショナリズムの高まりだと思うんですね。これは大変危険だ。
日本にしましても、多分、外から見ますと、最近の一連の
動き、自衛隊の海外への派遣でございますとか、あるいは憲法論議、それから2プラス2の共通戦略目標、あるいは先ほど
話題になりました
国連の
常任理事国入りも含めて、また外から見ると見方が違っているのかなという気がしないでもございません。
つまり、ゴルフでいいますと、我々は今までフックボールを打っていたのが、ちょっとストレートボールを打とうかなということでスタンスを変えたら、向こうから見ると、どうもえらいスライスを打っているじゃないか、右に曲がっているぞというふうに見えているのかなという気がしないでもございません。
歴史認識の問題につきましても、どうも彼らに言わせると、戦前、戦中の五十年間の話ばかりするわけでございますけれ
ども、これは先ほ
ども申し上げましたが、戦後の
日本の歴史、この六十年間の歴史をきちんと見てもらえば、
我が国が
平和国家として復興を果たして、いろいろな
分野でアジアの平和と
経済発展のために努力してきたことは明らかでありますし、戦後も含めた
我が国の歴史もきちんと評価されるべきだと私は考えておるわけでございます。
いずれにしましても、政冷経熱などと言われておりますけれ
ども、このままの状態が続くと、現にそういう
動きも出てきているようでありますけれ
ども、
経済の面でも悪影響が出てくるということは間違いございませんし、これは両国にとって決してプラスにならないというふうに思うわけでございます。
これからの東アジアの安定を考えますと、
日本も含めまして、各国におけるナショナリズムのコントロールといいますか、マネジメントが極めて重要ではないかと思っております。そのために、誤解、錯誤あるいは思い込みをできる限り排除することが必要でございまして、それが外交の大きな
役割ではないかと思っています。
今後の日中関係について、非常に漠然としたことでございますが、
大臣から一言お考えを聞かせていただければと思います。