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町村国務大臣 先ほど来から、この小泉スピーチと首脳
会談の
関係を盛んに不思議がっておられますけれ
ども、今私の手帳を見ると、私は四月二十一日木曜日の夜にジャカルタを出発しておりますが、この二十一日の夕方、李肇星外交部長から電話がかかってきて、二十二、二十三、二十四の三日間のうちどこかで
日程調整をして首脳
会談をやろうということで合意をしておりますから、この演説の
内容と全く
関係なく、独立して首脳
会談がセットされたという点だけはまず事実として明確にしておきたい、このように思います。
また、先ほど申し上げましたように、ことしの早い段階で、もう既にこのアウトラインというものをつくっておりました。それは、やはりアジア、
アフリカ諸国の皆さん方が集まったときに、
日本が平和国家として戦後やってきたということを自信を持って
主張する、その根拠として、なぜそういう気持ちを持つに至ったかといえば、それは戦争あるいは植民地支配といったことの反省の上に立って戦後の
日本があるんだということを導き出すための、
一つの論拠と言うと変ですけれ
ども、そういう
日本人の心情の上に立って戦後の
日本の平和国家としての活動があるんだということを述べるためにこれを使ったわけであります。
私は、国際
会議でこうしたことを堂々と
主張するということに何ら不思議は感じませんし、むしろそういう意味で、あのデモがあろうとなかろうと、あの小泉スピーチというものは十分説得力のあるものであった、このように評価をしているものでございます。
そういう中で、何で二十三日の日に日中
会談をやったのか、意義が認められないというようなお話でございました。私は、
世界の国々が、やはり日中
関係がもし本当にこのままどんどん不正常な
状態になって進んでいくということになると、これは日中両国間にとってマイナスであるのみならず、アジア全体、さらに
世界全体にとってそれは決していいことではない。
日中両国がこれからしっかりと同じ方向を向いて、より友好的な
関係を築いていく、そういう
努力をするという際に、もちろん、その前段階としての日中
外相会談もあったりしましたが、やはり両国のトップがしっかりとその場で話し合いをし、握手をし、ともに
努力をしていこうという確認ができたこと、その姿を見て、
世界の人たちは、ああ、これ以上悪化はしないんだな、これからよくなっていくんだなということを確認できたわけであります。
そういう意味で、私も、例えば五月六日、七日の京都で開かれましたASEMの
会議の場でヨーロッパのあるいはアジアの
外相等とお目にかかったわけですが、やはり皆さん方が、あの首脳
会談は非常によかったというふうに素直に受けとめているという事実があることをぜひ御理解いただきたい、こう思います。
五点の
主張、それは中国の
主張としてあるわけでありまして、
小泉総理はこの五つの点に配慮をしていきたいということを述べておりますし、その言っている中身、台湾についての
主張は、
日本側は今まで何ら新しい
主張をしているわけでもありませんし、歴史
認識についても同様でございます。何か格段のことを、この五つの
主張の中で何か
日本の国益を害するようなことが大きく含まれているかどうかということについては私はないので、これに配慮していくという
総理の受け答えはまた当然であったんだろうと思っております。
また、おわび等々の話になぜ触れなかったのかという御
指摘もございました。それは、
外相会談でかなりそこのところは十分もう既に話し合っておりますから、また同じことを首脳レベルで全部繰り返す必要もないだろうという
総理の御判断だろう、こう思っております。
ただ、それにしても、ああした過激な行動は好ましくないという点については、中国における大使館、総領事館、
日本企業、
日本人の活動については適切な対応をすべきであるという
主張も
小泉総理はしておられますから、そういう意味で、私は、必要なことはちゃんと
小泉総理は言っておられる、このように理解をいたしております。
そういう意味で、私は、四月二十三日の首脳
会談は意義のある、また国際的にも評価される、そういう
会談であったと理解をしております。