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2004-11-17 第161回国会 参議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年十一月十七日(水曜日)    午前十一時十四分開会     ─────────────    委員異動  十一月十六日     辞任         補欠選任      白  眞勲君     喜納 昌吉君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         内藤 正光君     理 事                 景山俊太郎君                 小林  温君                 小川 敏夫君                 広野ただし君     委 員                 小野 清子君                 岡田 直樹君                北川イッセイ君                 末松 信介君                 関口 昌一君                 田中 直紀君                 山谷えり子君                 喜納 昌吉君                 田村 秀昭君                 津田弥太郎君                 林 久美子君                 木庭健太郎君                 渡辺 孝男君                 緒方 靖夫君    副大臣        外務大臣    谷川 秀善君    事務局側        常任委員会専門        員        泊  秀行君    政府参考人        外務省アジア大        洋州局長     薮中三十二君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に  関する調査  (第三回日朝実務者協議に関する件)     ─────────────
  2. 内藤正光

    委員長内藤正光君) ただいまから北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨十六日、白眞勲君が委員を辞任され、その補欠として喜納昌吉君が選任をされました。     ─────────────
  3. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、第三回日朝実務者協議について報告を聴取いたします。  まず、谷川外務大臣から報告を聴取いたします。谷川外務大臣
  4. 谷川秀善

    ○副大臣谷川秀善君) 十一月九日から十四日まで、平壌において行われた第三回日朝実務者協議について御報告をいたします。  日朝実務者協議は、八月及び九月と過去二回行われてまいりましたが、その際、五月の日朝首脳会談時に金正日国防委員長自らが約束をした安否不明の拉致被害者に関する再調査につきましての北朝鮮側からの回答は極めて不十分なものでありました。  今回の協議におきましては、その進め方にも工夫を凝らし、我が方から警察及び拉致被害者家族支援室の同行も得て、平壌に赴き、北朝鮮側における調査委員会責任者との間で集中的に協議を行いました。また、当初は十二日までの日程でしたが、真相究明に向けて協議等を徹底的に行うことが必要と判断をいたし、十四日まで協議日程を延長をいたしました。  また、この機をとらえまして、北朝鮮側の六者会合代表である金桂冠外務省副相との間で北朝鮮の核問題を協議し、六者会合年内開催を強く働き掛けました。先方の六者会合を通じての問題解決へのコミット確認をいたしましたが、早期開催についてはなお難色を示していました。  今次協議におきましては、我が方から拉致、核、ミサイル問題の解決なくして日朝正常化はないと、安否不明の拉致被害者に関する真相究明が進まない場合、日本国内では北朝鮮に対し極めて厳しい状況になることを指摘し、北朝鮮側の積極的な対応を求めました。これに対し、北朝鮮側金正日国防委員長小泉総理約束をした再調査であるので調査委員会としては全力を挙げてきた旨述べていました。  今次協議における我が方代表団の活動につきましては後ほど薮中アジア大洋局長より説明をいたさせますが、調査委員会とのやり取り関係者との面会現地視察等を含め、北朝鮮側との会合合計五十時間近くに及ぶものでありました。北朝鮮側は、横田めぐみさんの夫であったとされるキム・チョルジュン氏を始めとする多くの関係者との面会アレンジをし、また物的証拠を提示するなど、これまでの実務者協議と比べより中身のある協議となり、彼らなりの努力はうかがえました。しかしながら、北朝鮮側説明には依然不自然な点、疑問点が数多くあります。まずは今次協議を通じ、得られた情報、物証を政府を挙げて精査していく必要があると考えております。  拉致問題の解決に向け、委員各位の一層の御理解、御支援をよろしくお願いを申し上げ、私の報告といたします。  どうぞよろしくお願いをいたします。
  5. 内藤正光

  6. 薮中三十二

    政府参考人(薮中三十二君) それではただいまの谷川大臣の御報告に補足させて、私の方から今回の日朝実務者協議の概要について御報告申し上げます。  今次協議でございますが、今御報告にありましたとおり、正に第二回の日朝首脳会談において、両首脳日朝間の諸懸案を日朝平壌宣言にのっとり、一つ一つ解決していくということに、その際、特に金正日国防委員長から日本拉致問題に関し、安否不明者十名の再調査白紙に戻して行うと、徹底的に行う旨の約束がありました。これを踏まえて、これまで北朝鮮側が行ってきた本件再調査につき、特に集中的な協議を目的として行った次第でございます。  今回、第三回目の実務者協議となりますが、今回は政府を挙げての取組を万全の体制で臨むということで、私を団長、そして今まで第一回、第二回の協議団長を務めておりました齋木アジア大洋局審議官、これを副団長とし、そして外務省内閣官房内閣官房からは拉致支援室拉致被害者家族支援室長小熊室長を含め三名、そしてまた警察庁からは北村外事課長を含め七名と、計十九名の体制で今回出席し、平壌に参ったわけでございます。  まず、今回の協議日程的に御報告いたしますと、九日に、十一月の九日、平壌に到着いたしまして、直ちに今後の協議段取りを打ち合わせ、そして夕方から鄭泰和大使馬哲洙外務省局長ほかと全般的な協議を行いました。  翌十一月の十日でございますが、まず、引き続き馬哲洙局長との間で、本年五月以降の日朝関係状況についてのレビューを行いました。その後、直ちに今回の実質的な責任者でございます調査委員会責任者陳日宝人民保安省局長その他と安否不明の拉致被害者についての再調査協議を行うということで、まずこの十一月十日の午前から午後にかけて、相当長時間にわたって陳日宝局長から先方の再調査の結果を聴取いたしました。  十一日、翌十一日でございますが、まず午前中、この機会を利用いたしまして、私と六者協議代表でございます金桂冠外務省副相との間で核問題を中心にまず議論をいたしました。これは先方アレンジでこの十一日の午前中に行うということになっておりまして、二時間以上にわたって金桂冠副相との間で核問題について議論をいたしました。  その後、引き続き調査委員会責任者でございます陳日宝局長との間で安否不明の拉致被害者に関する再調査の問題につき更に協議を行ったわけでございますが、この日は特に先方調査結果に対する我が方からの様々疑問点、これは正に我々が持っております情報をベースに、先方説明、その問題点等々について疑問点突き付けまして、そして更なる真相解明に努めたわけでございます。  十二日でございますが、午前中、横田めぐみさんが入院していたと北朝鮮から説明がありました病院、これは平壌市外市郊外でございますが、にあります平壌四十九号予防院を訪問いたしました。この四十九号予防院におきましては、まず当時の横田めぐみさんの担当医師でありました方から当時の事情を詳しく聞きました。そしてまた、病院の中を視察し、その先方説明に従って、その内容を点検すべく、病院の内部、そしてまた病院の内、外を詳しく見て回ったわけでございます。そのときには、横田めぐみさんが先方説明では入院していたという部屋についても私ども視察いたしました。  午後でございますが、横田めぐみさんの配偶者であったとされるキム・チョルジュン氏と面会をいたしました。これも当初は三十分ということでございましたけれども、私どもの方から様々の問題、様々の我々が持つ疑問もこの方にただすということで、計一時間半にわたってこの会談面会、聞き取りが行われました。夕刻にはまた、安否不明の拉致被害者が入院していたと言われる平壌市内病院の当時の医師たちからも事情を聴取いたしました。  そして、こうした現地視察、また関係者との面会ということが、我々がいろいろと希望したことについて一応先方から様々アレンジを行うということがございましたので、予定を延長いたしまして、十三日、十四日も協議を行いました。  十三日午前には再び陳日宝局長との間で協議を行い、午後は、安否不明の拉致被害者、そしてまた関係者、今、日本に既に帰ってこられておられます拉致被害者方々も滞在していたと言われる平壌市郊外招待所、これは現在は使われておりませんが、その招待所に赴きまして現地視察したわけでございます。  十四日でございますが、さらに再び病院等様々関係者との面会、聞き取りを行いました。そして、関係者からの事情を詳しく聴取し、さらに午後には再び陳日宝局長ほか調査委員会との協議を行ったわけでございます。  今次協議、そうした日程で行いましたが、これに当たっての我が方の基本方針でございますが、まず、今申し上げました先方の実際に調査を行っている責任者、この方と必ずやる必要があると。過去二回は外務省とのやり取りだけでございました。その場合には、疑問点突き付けるとそれを持って帰ると、そして調査委員会に照会するという非常にもどかしい展開でございましたので、今回は正に調査委員会そのもの、そしてその責任者出席を求めたということでございます。そしてまた、私ども様々情報を持っております。政府全体として、既にお帰りになった拉致被害者方々等々からの情報、更には警察が独自で捜査した情報もございます。そうした情報政府全体として共有しながら、先方疑問点突き付け真相徹底究明を図るということをいたしました。また、多くの関係者との面会を求め、物的証拠の提示も求めたわけでございます。  この調査委員会でございますが、先方説明では、今回特別に金正日国防委員長が再調査約束したということで、その指示によってできたのがこの調査委員会ということでございまして、我が方の警察組織相当いたします人民保安機関、さらには地方行政組織相当します人民政権機関から構成されていると、そしてそこの責任者陳日宝人民保安省捜査担当局長ということでございました。この陳日宝局長、さらには事務的な担当を行っていた方が複数名おりましたが、そうした調査委員会人たちとの協議というのがかなり中核になったわけでございます。  先方は、正にこれは金正日国防委員長約束に従うので白紙から新たに始めたと、そして徹底的な調査を行い、安否不明者各々に関する生死を確認することとしたと言っておりました。そしてまた、政府から与えられた権限に基づき、特殊機関を含むすべての関連する中央機関地方行政組織など、関連団体に対する調査を実施したと言っておりました。  こうした再調査の結果であるがとして、また調査委員会として極めて遺憾に思うがという説明はありましたが、安否不明者八名の方々全員やはり死亡していたと、そしてまた残る二名の方々北朝鮮に入境したものとは確認できなかったとの説明がまず冒頭ございました。これは、御承知のとおり、二〇〇二年十月の報告と同じ内容でございました。  その後、北朝鮮側からは各事案につきまして相当詳細な調査結果の説明がございました。その多くは、北朝鮮内での生活状況についての説明拉致被害者方々北朝鮮の中でどうした生活状況であったかという説明、そして二番目に、亡くなられた際の詳しい状況、それについての様々関係者、これは招待所にいた人あるいは病院関係者と言っておりましたが、そうした関係者から証言を求めたということで、その内容についての説明がございまして、さらには、その際の遺品など物的証拠の有無等々についての説明があったわけでございます。  私どもは、この調査結果を聞きまして、当然のことながら、余りにも多くの不自然な内容があると、そういうことで、各事案につきまして詳細に疑問点突き付けたわけでございます。  これに対しまして先方は、一つ説明でございますけれども相当時間の経過した事案であって、関係者が死亡していた、そしてまた特に特殊機関の関与した事案でございますが、その際に関係文書拉致当事者により焼却されていたと、このために捜査が極めて難しかったということを向こうとしては言っておりまして、したがって、いろいろの当時の関係者、これを捜し出して、それで物的証拠も集めて検討をしたということでございました。その全体の結果として、また調べた一つ責任者の問題ということがございまして、責任者については二名を処罰し、そしてこれにつきまして先方から当時の裁判記録の一部の写しがあったわけでございます。  関係者との面談及び現地視察でございますが、先ほど申し上げました横田めぐみさんの夫であったとされるキム・チョルジュン氏、この人との相当長い時間にわたっての聞き取りを行いました。冒頭キム・ヘギョンさんも同席されておりましたが、詳しい話は娘にもしていないのだということで数分で退席され、その後、様々状況家族、結婚当時の生活からその後の生活状況、あるいはめぐみさんの病気の様子などについて説明があったわけでございます。  このめぐみさんの病気につきましては、先ほど申し上げました病院視察の際にも主治医から詳しい聞き取りを行いました。また、めぐみさんが北朝鮮拉致されて以降の相当詳細なカルテがあるということで、それについても入手し、我々は今精査しているところでございます。  招待所視察は先ほど申し上げたとおりでございますが、その他関係者面談ということで先方から説明がありました。いろいろ様々向こう側調査の結果として、今現在生きている招待所職員であるとか、あるいは医師ということで、まずは田口さん、原さんが生活していたとされる招待所職員石岡さん、有本さんが生活していたとされる招待所職員石岡さん、有本さんの事故があった場所とされるその招待所職員松木さんが生活していたとされる招待所職員横田さん、原さんを診察したとされる歯科医師、原さんを診察したとされる内科医増元さんを検視したとされる内科医、また上記三名の方々の所属する病院の副院長・内科医であったとされる医師市川さんのケースについて、市川さんが訪れたとされる海水浴場会計担当者、これは当日目撃したということでございました。そしてまた市川さんを検視したとされる医師、その際に立ち会ったとされる看護師田口さんの事故現場、これは交通事故ということでございますけれども、その目撃者として道路を管理していた当時の道路管理人、こうした人間から先方説明を聞いたということでございましたので、私どもは当然直接話を聞きたいということで、多くの人は地方におりましたけれども平壌に出てきて、我々が聞き取りをするということで段取りを行ったわけでございます。  物的証拠でございますけれども、今までの話の中で、キム・チョルジュンさんがございました。このキム・チョルジュンさんから、いろいろと話し合いをした結果、横田めぐみさんの遺骨とされるものの提供が私どもにあり、横田さんの御家族、御両親にこれを返してほしいということで私は預かってまいったわけでございます。  また、今申し上げましたように病院カルテ相当大部にわたるものがございまして、それについても我々として一時預かり、そして完全な形での複写を行ったわけでございます。また、物的証拠の中には交通事故で亡くなったと先方が言う二件の交通事故がございましたけれども、その交通事故についての調書があるということで、そのコピーを入手いたしました。  また、先ほど申し上げたとおりでございますけれども拉致責任者二名、これが処罰されたということで、その際の裁判記録写しも入手いたしました。  その他、関係資料として写真であるとか、あるいは松木さんが書かれた本であるとか、これは日本語の、教える際のテキストとして御自分で作られたという本でございましたけれども、そうしたことを含めて物的証拠を入手してまいったわけでございます。  また、当然のことながら安否不明の方々に加えて、いわゆる特定失踪者の問題がございます。これにつきましても政府としていろいろこれまで努力をしておりますけれども、この席上も情報提供を求めました。  具体的に、今回は加瀬テル子さんについても氏名を言及して、いずれにせよこうした特定失踪者方々について北朝鮮側情報があるのであれば是非すべて日本側によこすようにということを求めたわけでございます。北朝鮮側からは、我々が具体的に提起した五名について、今回調査委員会として確認作業を行ったが北朝鮮内に入境したことは確認できなかったという回答でございましたが、我々の方からは当然引き続き情報の入手、情報提供を求めたわけでございます。  また、拉致被害者関係での拉致容疑者がございます。この容疑者引渡しを求めました。私どもからは、よど号犯人グループ拉致への関与を明らかにするとともに、これまで引渡しを求めた三名の拉致容疑者、具体的には辛光洙金世鎬魚本について改めて引渡しを求めたわけでございますが、先方はこれらの者は具体的に拉致には関与していなかったという向こう説明でございまして、我々からは到底これは納得がいかないということでやり合いを、やり取りをしたわけでございます。  核問題は、先ほど申し上げましたように、金桂冠外務省副相との間で二時間にわたっての話合いをこの際行いました。そして、私どもの方からは早期の六者会合開催、特に年内開催を働き掛けました。先方は六者協議についてはコミットはしているというものの、早期開催についてはアメリカの出方等々いろいろと言っておりましたが、難色を示しているという状況がございまして、私どもの方からは引き続きこの六者協議について早期開催を強く求めたわけでございます。  全体といたしまして、今回相当長い時間の聞き取りを行いました。そしてまた先方との協議を行いました。合計にいたしますと五十時間近いやり取りになり、またあるいは、現地視察も含めてでございますけれども相当具体的な先方からの説明、そしてそれに対する私どもからの疑問の突き付けによるやり取りがございまして、これを現在すべてクロスチェックするということで作業を行っているところでございます。そしてまた物的証拠も入手いたしました。  そうしたこと全体を含めて、今回は正に冒頭に申し上げましたように警察庁からも非常にいろいろの専門家も行っていただきました。そしてまた、拉致支援室からは今までのいろいろの拉致被害者からの情報等々がございます。こうしたものをこれから併せて政府全体として今回の協議の結果をよく検証精査する必要があると思っておりまして、様々疑問点が残っております。様々の我々から見て不自然な状況がございます。そうした点を今回の協議の結果を踏まえて精査してまいりたいと、まずはその作業にこれから全力を尽くし、政府全体としてこの問題の解明に当たっていきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  7. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 委員長の立場から薮中局長一つ確認をさせていただきたいと思います。  今回、北朝鮮側から幾つかの物的証拠提供されたわけではございますが、唯一直接本人と関連付けられるのは横田めぐみさんのものとされる骨、そしてまたカルテ、この二点だろうと思います。  そこで詳しく説明をしていただきたいんですが、例えば一つは、土葬の国である北朝鮮でなぜ二度焼きされていたのか。そしてまた、もう既に持ち帰って二日間たっているから、ある程度もう専門家が骨の鑑定可能性などはある程度めどが立っているんではないかと思いますが、そこの点。そしてまたカルテにつきましては、細部にわたってという説明はあったわけでございますが、過去何度も捏造されたものが提供されてきたわけでございます。そして今回持ち帰ったのはコピーというふうに聞いておりますが、実物を見たとき、その真実であるという確信に至ったのかどうか、そしてまたそういったものも含めて、この二点についてもう少し詳しく、できる範囲で説明をしていただけませんでしょうか。
  8. 薮中三十二

    政府参考人(薮中三十二君) お答え申し上げます。  今の委員長からの御提起でございますけれども、まず横田めぐみさんの遺骨とされるものでございますが、先方説明、そしてまた病院関係者からの説明、そして調査委員会からの説明という幾つかの説明がございました。  その説明によりますと、横田めぐみさんは、彼らの説明によりますと、この四十九予防院に入院中に亡くなられたということでございまして、そしてその病院の裏側にある墓地に埋葬されたということでございました。私ども全員が、警察方々を含めて全員でその現場にも参りました。そして、そこでは土葬がされていたということでございます。そして、その後、二年後と言っておりましたけれども、御主人であるというこのキム・チョルジュン氏がその御遺体を引き取って、そして彼の説明によりますと、道義的な形で自分が一生懸命横田めぐみさんを弔いたいんだという気持ちでということを言っておりましたが、火葬に付したということで、その結果としての御遺骨キム・チョルジュン氏がずっと保有していたというのが我々が受けた説明でございます。  そして現在、正にこれは政府として、警察庁の方のお話でございますけれども、一番きっちりとした形での精査をしなければいけない、検証、そして鑑定をしなければいけないということで、その作業が行われているというふうに私は理解しておりますし、そういう今作業が行われているところでございまして、具体的に今どういう状況にあるのかということ、これはきちんとした検証鑑定結果を待ちたいというふうに考えております。  カルテでございますけれども、これは相当に分厚いものがございました。百九十ページ以上にわたるカルテでございまして、これは横田めぐみさんが北朝鮮拉致されて以来、非常に克明に、あるいは割と初期の段階から病院に行っておられたと、入院されたり通院されておられたという説明がございましたけれども、その具体的なカルテで、非常に古いものでございました。  それ自身は、我々十九名の中には警察の方もいればお医者さんもおりますけれども、そうした全体の目で見て、これはそれとして非常に信憑性があるのではなかろうかという、これは心証でございますけれども、これももう一度よく全部照らし合わせて、今まで我々持っている情報がたくさんございます。先ほど申し上げましたように、もう既に帰国されておられる拉致被害者方々から伺っている内容等々と照らし合わせ、またその他具体的にこれを検証する方法もございますので、それを今これからの精査作業の中で行っていくことにしております。
  9. 内藤正光

    委員長内藤正光君) 本日の調査はこの程度とし、これにて散会いたします。    午前十一時四十三分散会