○下田敦子君 それでは、時間も余りありませんのでその次の
質問に入らせていただきます。
東海村の東海工場において本格
運転開始後も度重なる事故、トラブルがあったと思います。一九九七年三月の十一日に、低レベル廃棄物アスファルト固化
処理施設の火災爆発事故で約三年間
運転が停止しました。その前に、一九八二年に、当時の動燃
事業団の理事長が次のようなことをおっしゃって、そのコメントが私、記憶にあります。次の大型工場に引き渡す
技術開発ができなかったと語られたのが非常に印象的でありますが、この当時と今の
研究開発とはレベルも
状況も違うということも私も分かりますが、今までにないこの
核燃料サイクルに乗せて大量に高レベル廃棄物を商業ベース化しようという
国家プロジェクトに対して、多くの
国民、そして特に県民は疑問と不安を抱えています。
去る十一月十五日、国は安全確保を大前提に
政府一体で着手を推進する方針を定めて表明して、青森県に協力を要請してこられました。安全確保の不安もさることながら、六ケ所村の再
処理工場の
事業費について不良債権化していると言われる
事業の
責任はだれが取るんだろうという懸念がまず出てまいります。
一九九七年三月に六ケ所再
処理工場の
事業許可が申請されたときの
建設費の見積額は七千六百億円でしたが、その後、この額はどんどん膨らみまして、一九九九年四月には二兆一千四百億円と実に二・八倍になってしまいました。
さらに、追加工事や、それから燃料貯蔵プール不良溶接の補修、これは時間がありませんからちょっとだけ申し上げますが、この一連の再
処理工場造るときには、溶接工事のいわゆる技能士が一級の技能を持った人であるということが限定されまして、全国からこの方々は招かれたわけですから、その方々個人のプールのその
技術が不足であったと私は思っておりません。
事業の元請があり、やがては孫請まで行く間のその工程がどうであったのか、これはいろんなことをやはり
建設工事
関係者数が一四・五%もいらっしゃる青森県において、特にこのことは良しあしを別として考えなきゃいけない問題がありますが、結果として不良溶接の補修などに一千億円近い増額が見込まれました。それから、これから考えられるその操業費、いわゆるランニングコストですが、これは減価償却費も相当なものになると言われております。まあ、やがて解体
事業費も考えなくてはならないときが来れば、その見積りというものは大変なものだろうと思います。国内初の
施設という六ケ所再
処理施設が、不透明性や予測もできないリスクから今後発生するであろう費用はそう単純には出てこないのではないかなと思います。
また、二〇〇三年十二月、電気
事業連合会から
原子力バックエンド
事業のコスト試算値が報告されました。総費用は十一兆円弱という発表でありましたが、コスト等
検討小
委員会の
報告書では、今後四十年間、使用済燃料は三万二千トンを再
処理し、三万四千トンを貯蔵することになっていると言われていますが、これは一トン当たり再
処理費用は、約三億四千四百万円の計算から見れば、イギリスやフランスの再
処理コストの約三倍であります。
繰り返しますが、今後の電力自由化を考えるときに、様々なリスクは回避できない事態も十分考えられます。
我が国の
原子力行政の経済性とその採算性、あるいは
技術協力支援を今の
統合法人化において考えたときにどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
最終処分地も未
決定でございますが、プルサーマル
利用、MOX燃料、いわゆるウラン、プルトニウムの混合酸化物の加工立地も現在、原燃の要請を棚上げしている
状況がありますので、国の先送り
行政といえば失礼になるのかもしれませんが、大変地元ではこういうことに対してはっきりしてほしいという要望が大変高まっているということをまず申し上げたいと思います。
今後、
原子力二
法人が合同で
独立行政法人化して、これらの未
決定問題を始め、今申し上げました棚上げされていると思われるこれらのこと、それから最終処分にかかわる今後の具体的なスケジュール、これをお伺いしたいなと、そう思っております。
以上です。