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松井孝治君 ありがとうございます。
幾つかのポイントがあったと思うんですね。特許庁、これから特許庁の場合は新しいものを発注していただかなければいけないので、これはもう頑張ってやっていただくしかないわけですが、貿易保険の場合は更に特許庁よりも進んでいて、実際もうその発注までしておられる。今受注されたところと一緒になって新しいシステム開発を正にプロジェクトチーム方式でやっておられるというところなんですが、特許庁の場合は、これ、一年分の予算、だから二百七十七億円でしたよね、残債の処理、これを特別会計でやったとか、あるいは
一般会計繰入れはたしか今特許庁なかったですよね、最近はね。そういう状況の中で、比較的健全な特別会計の中で、本来の一年分の予算計上を残債処理ということでできた。これは普通のシーリング方式の予算編成ではまあちょっとなかなかあり得ない、
一般会計ではあり得ない話かもしれません。だけれ
ども、それを特許庁はできたから、今までの発注しておられたソフトウエアの著作権というのを特許庁に帰属させて、そしてオープン化をこれからされるということができたわけですね。
貿易保険の場合も、これは独立行政法人で、しかもこれ、
独立行政法人日本貿易保険は運営交付金を受け取っていないですね。要するに独立採算でやっておられて、それが最近黒字になったという状況もあったと思いますが、複数年度の予算で予算を組まれてやられた。
これは何で複数年度かというと、大規模なプログラムの開発というのは、これはもう
大臣よく御存じだと思いますが、そんなの一年とかでできないんですね。しかし、それを単年度でやろうとすると、初年度は安値落札をしておいて、そうするともうそこから逃れられませんから、二年目はどんと、これは本当は印刷して配るべきなんですが、最初この落札を安値でしておいて、二年目でどんとその元を取ってしまうというか元以上のものを取ってしまう、こういう形で新しいシステムを開発するという形が行われるわけですね。
ですから、貿易保険も恐らくそういうことだと思いますが、非常に大きなプログラムの場合は、やはり貿易保険の業務をどう改善するかとか、それが最終的にその
サービスの受益者にどう伝わっていいシステムを作るかということを考えながら、二
年間ぐらい掛けて、ベンダーといいましょうか、そのソフトウエアの開発者側と時間を掛けて膨大なプログラムを作り上げていくわけですね。これができるというのは、結局、独立行政法人で、いろんな意味で単年度予算ではなくて複数年度予算が許された、あるいは特許庁のようなある種の特殊な特別会計の状況にあったから私はできたと言っても言い過ぎではないと思うんです。
今、これも
IT戦略本部の大きな仕事の
一つだと思いますが、各省のレガシーシステムを解消するということで、各省庁が刷新調査あるいは適正化計画というようなものを作りつつあるところだと思うんですが、私が非公式にお役所の話を聞く限りにおいては、頭抱えておられるところが多いらしいです。
というのは、それだけの新しいもの、一回過去のものを整理する。そうすると、著作権を取り戻すところから含めて、ソフトウエアの著作権を役所に取り戻すというところからやらなければいけない。そのために、じゃ買い戻すための予算をどう処理するか。そして、新しいものを作るときに、これ、大きなプログラムであればあるほど、やっぱり単年度予算の範囲内ではできない。こういう状況の中で本当にどうしたらいいか。まして、特許庁とか貿易保険の方は、畑審議役なんかもそうだと思うんですが、ある程度プログラムのシステムのプロがいらっしゃるところはまだいいんですけれ
ども、そういう自分たちが発注書、仕様書を書くに当たっても、仕様書書けるような人もいない。結局、そうするとコンサルタントに頼んで、またそのコンサルタントが本当に独立なのかどうかよく分からなくて、ベンダーとつながったりするわけで、その遮断をしながら一番最適な
ITシステムをどう作り上げていくかと、これは本当に大変なことだと思うんです。
その意味で、これは
大臣に是非御答弁をいただきたいんですけれ
ども、特許庁の場合は、これ、昨年からモデル事業というのがあって、ニュー・パブリック・マネジメントの
観点から、複数年度予算、厳密な意味での複数年度予算ではありませんが、それを認めるモデル事業というものが、十六年度に十項目ぐらいですかね、認められて、
内閣として、その中に特許庁のこのシステムの予算の部分は一応入っているんですね。ですから、これから恐らく特許庁は新しいシステムを調達されるに当たっては、このモデル事業である程度弾力的な予算編成というものを求めていかれるということになろうと思うんです。
棚橋大臣に是非ここは指導力を発揮していただきたいのは、これ十七年度のモデル事業、幾つかの、例えば警察庁の指紋業務用のシステムの更新とか、この十七年度の各省が要求しているベースのものは入ってはいるんですけれ
ども、必ずしも、今レガシーシステムの解消ということでリストアップされているレガシーシステムがこのモデル事業に十分に入っていないと思うんですね、幾つかありますが、入っていますけれ
ども。
是非、このモデル事業の活用も含めまして、各省が本当に一番困っているのは、予算編成に当たっての弾力性をどう確保するかであります。そこは私は、予算を弾力化するということで、ノーズロになってはいけないと思うんですね。それから、しっかり成果は見極める。それは
コストがどれだけ低下しているか、あるいはそれに伴って業務がどれだけ改善して効率化しているか、あるいはさっき特許庁が正におっしゃいましたけれ
ども、特許の審査期間がそれでどれだけ短くなったかと。
それをやっぱりある程度中期的、三年、四年の範囲でチェックをしながら、やっぱり予算編成に当たっては、長期にわたって物すごい税金の無駄をこの
IT調達で
日本政府は続けているわけでありまして、ここについて、
大臣まだ御着任されてそんなに時間たっておられませんから、今後の指導力に期待したいわけでありますが、各省が財務当局とどういう予算折衝をしているのか、あるいは財務当局に対してやっぱり本当の意味での財政規律の確保が行えて、なおかつ
国民に対する
サービスが
向上する、あるいは業務の効率化に資するようなシステムが導入できるような、これは閣内での指導力の発揮をお願いしたいと思うわけでありますが、
大臣の御答弁をいただきたいと思います。