○大江康弘君 民主党・新緑風会大江康弘でございます。
今日は
災害についての
集中審議ということであります。改めまして、さきの
新潟中越地震で亡くなられた
方々にお悔やみを申し上げますとともに、
被災者の皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。
そこで、今日、北側
大臣には私は初めての
質問であります。かねがね、関西出身ですので親しみを感じてまいりましたし、隣の
山本香苗理事からは、
大臣はいい人だ
大臣はいい人だと常に暗示を掛けられておりまして、今日は暗示が掛かったままでちょっと
質問をさせていただきたいなというふうにも思いますけれども、少しこの
災害のことから外れるかも分かりませんが、これからこの被災地、
復旧をしていって、いわゆる
災害復旧ということで
国土交通省に求められるものは大変大きいと思います。それだけに、そういう
災害復旧ということは、これはもう国民の皆さんが、早くやれ、何をしているんだと、大きな理解があります。
私は何を
大臣にお聞きをしたいかといいますと、この
国土交通省というのは、もう本当に、御存じのように公共
事業の八割をやらなければいけないという大変な省庁であります。今申し上げましたように、北側
大臣が本当に関西代表で、しかし、国のグランドデザインを描くのは、やはり関西だ、やはり関東だと、こんな
地域性を言ってはいけませんけれども、しかしこれは、我々関西に住む者にとっては大変うれしいことであります。
それだけに、今までの、もうこれは屋上屋のことでありますが、今までやはり、公共
事業というのはある面においては、
道路を造るあるいは空港を造るあるいは港湾を造る、こういうことは基本的に、社会的インフラを造るということの目的というのは、本来はその
地域の自立を
支援するものであった。
道路を造れば、空港を造ればあるいは港湾を造ればそこに人が来て産業が来て、あるいはお金も物も落としてくれる、それで
地域は活性するんだ、本来はここから私は社会インフラの
整備というのはスタートしたと思うんです。
しかし、悲しいかな、戦後六十年近くたってきて、このわずか三十七万平方キロのこの日本の
国土の中のわずか五%もないこの東京の首都圏が人口の三千万、四千万も有するという、そしてどんどんどんどんと過疎が地方に増えていくという、正にいびつなこの
地域構造、そしてその上に社会構造、経済構造が成り立ってきた。
その中で、私は、
大臣、この参議院の
国土交通委員会というのは非常に温かい雰囲気なんですよ。歴代の
委員長は立派ですし、特にまた今回の
委員長も立派ですし、そして理事さんも立派ですし、また今回の理事さんも特に立派です、私以外は。わけても
委員は、お互いの住むところ、あるいは今までの経験上非常に価値観を共有しておる。それだけに、そんなにこの
委員会というのは対立したり強行採決したりというような、こんな
委員会ではないんです。ですから、
大臣がこうして御就任をされて、どうかひとつ当
委員会では思い切ったことを言っていただきたい、思い切ったことをひとつやっていただきたいということを
要望するんですけれども。
話がずれましたが、私は、やはり今、我々の
地元を見ても、どうもこの公共
事業というのはそういう、先ほど言ったように、
地域の自立を
支援するものではなくなってきたんじゃないか、長い年月の中で。いわゆる公共
事業自体が人を雇用する、そして、これも少し問題ありますけれども、やはり欧米よりも二割、三割高いこの建設単価、しかしこれも、ある程度不労所得と私はずっと昔から言っておりますけれども、このやっぱり利幅というものが
地域の活性化を作ってきたということも確かなんです。
これ、
大臣、私の田舎なんか、祭りの今季節ですけれども、祭りの青年団がどこに寄附をもらいに行くかといったら、我々政治家や町の商売の人じゃないんですね。土建屋へ行くんです。それだけ
地域にとってはやはり基幹産業として根差してきたけれども、今申し上げましたように、公共
事業自体が人を雇用したり、そういうことが
一つ何か目的になってきた。国民が今は大半が公共
事業は悪だという、そういう
一つのムードがありますが、これはやっぱり、それに
関係する皆さんの私は
説明責任が足りなかった部分もあったと思います。同時に、公共
事業にまつわるいろんな不正なこと、これもまたあったことが事実であります。しかし、さはいいましても、やっぱり我々地方に住む者にとっては、まだまだ均衡ある
国土の発展というこの大義名分というのは欲しい部分が多いんです。
それだけに、前段申し上げましたように、
災害復旧というようなことは、これは国民が認めてくれますけれども、これからやっぱり、
大臣がこうして就任をされて、
国土交通省としてのいわゆる日本のグランドデザインをかいていく、描いていく、それを実現するために公共
事業をどのように位置付けていくのかということを、この一点だけ、ひとつ基本的なことをお聞かせをいただきたいと思います。