○副
大臣(保坂三蔵君) 津田
委員から大変御丁重な御紹介にあずかりまして、恐縮でございます。
ただいまの御
質問にお答えしたいと存じますが、
お話にもございましたとおり、日本のものづくり、製造業は、GDPの中で二割、そしてまた輸出や研究開発では九割にも及んでおりまして、まさしく日本経済の基盤を成すと言ってもいいと、過言ではないと存じております。しかも、経済成長の牽引車でございまして、これを中長期的に、なるほど日本はものづくりで立国しているんだと、こういうような体制を作ることが、言わば五年前に議員立法で制定されましたものづくり振興基本法の精神であると存じております。
我が省といたしましては、この精神もよく酌みましていろいろ
施策を取ってまいりましたが、特に三点につきまして
お話をさせていただきたいと思います。
一つは、やはり産業競争力の基盤を成しますところの産業人材の
育成でございます。これを
育成かつ強化をしていかなくちゃならない。それから二番目には、効率的に研究開発を促進していかなくちゃいけない。それから三番目には、一番これも重要なんでございますが、
地域の特性を生かしつつ、
地域の活性化を
支援していかなくちゃいけない。こういう基本的なスタンスを設けまして、
施策に取り組んでおります。
具体的に申し上げますと、産業人材の
育成でございますが、御案内のとおり、バブルが崩壊いたしまして十五年、企業の人材投資はもう極端に減っておりまして、十五年間で一千億円ぐらい減っているんでございますね。これはやっぱり何とかしなくちゃいけないということで、私どもは新年度
予算に人材投資減税、減税を財務省嫌がっておりますけれども、税額控除などで、本当に中長期的にわたって人材投資のために企業が投資をしようという環境作りに私たちは入っていきたいと思っております。これは新規要求でございますからなかなか苦労しておりますが、今、中川
大臣先頭にやっているところでございます。
それから二番目は、現場、製造現場にありますところの中核人材の
育成でございます。これは現実的に製造部門の現場においてベテランの技とかノウハウをその現場にいるところの後継者に、後継者というか若い層に直接バトンタッチをする、それも大学の応援なんかを得まして、全国の三十の大学で応援を得まして、今このノウハウを伝授するべく努力をしております。これも新規要求でございます。
それからもう一点は、非常に優秀な技術を持った方を顕彰しよう、そしてこの方を見本にして、フロントランナーとしてほかの人たちがまねしていこうということで総理
大臣賞や
経済産業大臣賞という賞を設けまして、ものづくり日本大賞、これを今私どもといたしましては
考えております。これが人材でございます。
それから、技術開発でございますが、これは今年の五月に、御存じのとおり、Nリポートと申しまして、新産業創造戦略というのを
経済産業省は立てました。これはなかなか今好評でございまして、内外から御評価を受けているわけでございますが、この中で重要技術
分野をさらに市場
ニーズだとかあるいは
社会的な
ニーズでこう特化いたしまして、それから既に進んでいる研究開発と一緒にさせまして、何とか短期間に物になるような技術、例えばナノテクノロジーだとかあるいは情報家電だとか、こういうものを四
分野を分けまして集中的に投資をしていこう、これを技術革新あるいは研究開発で効率的な投資をやっていこう、これで今一つの柱としているわけでございます。
それから、最後でございますけれども、これは
地域の活性化を
支援する。これはもう既に御協力を得てまいりましたところの産業クラスター、これは来年は思い切って要求を大きくしていこうということでやっております。これは産学官の協調によりまして、
地域にあります中堅や中小企業で世界に羽ばたいて挑戦できるような企業というのは一杯あるわけでございますね。これも全国で十九のプロジェクトを今選び出しまして五千八百社、大学でたしか二百を超えた大学の協賛を得ております。これで何とか
地域の特性を持った産業を
育成しよう、そのことによって中小企業や中堅企業が世界にも挑戦できるというようなものづくり体制を作ろうと。
以上申し上げましたような骨子におきまして、
関係省庁と協力しながら中長期にわたって日本はものづくり立国で日本経済しっかり引っ張っていける、こういう体制を今一生懸命組もうとしているところでございます。