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国務大臣(
尾辻秀久君) 正直に言いますと、昔、予算
委員会で私
自身が似たような質問をしたことがございます。
このプライマリーバランスの回復ということについては、これは大きくは骨太の方針に書いてあるわけでありますから閣議決定事項でありますし、
政府の大きな目標の
一つ。そういう意味では、私も今やその
政府の一員でありますから、この目標に向かって頑張らなきゃいけない一人であるということはそのとおりであります。
ただ、そのプライマリーバランス、これおっしゃったように、二〇一〇年代初頭と言っておりますが、二〇一〇年代初頭になぜプライマリーバランスが回復するか。これ
内閣府に聞きますと、これはもう骨太の方針のこの辺の数字は
内閣府ですから、今日、本来であれば
内閣府を呼んでその辺をお聞きいただくと一番いいのかとは思いますが、私なりに
理解しておるところで答えますと、私は、この二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスが回復するというポイントは三つあると思っているんです。
内閣府の言い分で三つあると思っています。
一つは、構造
改革が進むから歳出が減るんだ、これが見込まれるというのが
一つです。
それからもう
一つは、これはよく読むと、国と地方合わせと、こういうふうに言っています、国と地方合わせてプライマリーバランス回復と。
内閣府は実は、これもうよく御案内だと思いますが、二〇〇八年までの数字しか出していません、これに向かっての。二〇〇九年以降出していないんです。ですからそこのところを見るわけにいかないんですが、それは出していないものですから見えないんですが、二〇〇八年までの
内閣府が出している数字を見ても、そしてその先どうなるかというのをある
程度予測しても、国の方は二〇一〇年代初頭プライマリーバランスが回復すると言っている、合わせて回復すると言っているときでも、まだプライマリーバランスは回復していないんだと私は
理解しています。すなわち、国は二〇一〇年代初頭でもマイナスになっている。ただ、地方が頑張ってくれて地方のプラスでプラス・マイナス・ゼロになると、こういうふうに
内閣府は言っているんだと私は
理解しております。
それから三つ目のポイントが、今正におっしゃった、もうこれははっきり言って
消費税、これをどう見込むかという話だというふうに思います。これが三つの要素になってプライマリーバランスが回復すると
内閣府は言っている。
私も、二〇〇八年までしか出していないから、二〇〇九年以降の
内閣府の数字出してくださいよと、実は
大臣になるまでは非常にしつこく言っていた一人なんでありますが、その辺の数字が出てこないんで、私が今私なりに
理解しているということを申し上げたんですが、この辺が本当に
内閣府の言っていることを正しく
理解しているかどうかということについては分かりません。ただ私がそう
理解しているんですということをまず取りあえず申し上げたわけであります。
そういう全体の中で、今正におっしゃったように、じゃ
社会保障費をどうするのという、これはもう大きな問題になります。骨太の方針の中にはまた同時にどう書いてあるかというと、「例えば」という、「例えば」が付いているんですが、潜在的
国民負担率を五〇%に抑えるなどという、これ
社会保障費を、
一つの数値目標をきっちり立てて、そこでキャップをかぶせてやっていくべきだと。これが経済財政諮問会議が言っておられることで、骨太の方針に書いてあるわけであります。
この辺についてはいつも、特に、これも正直に言いますけれ
ども、
大臣になる前に党の
厚生労働部会長でしたから、部会長のときにさんざっぱらやり合った件であります。そんなにキャップはめられたら
社会保障やっていけないよと。
社会保障というのはやっぱり必要なものを積み上げていかざるを得ない。分かりやすく言うと、そこに病気の人がいて、金がないから何ともなりませんと、そんなことを言えないでしょう。取りあえず助けなきゃいかぬじゃないですか。だから、
社会保障というのはとにかく積み上げしかないでしょうと、私はこういう主張をしていたわけであります。
ただ、そこのところはやっぱりキャップが必要だという皆さんの、どちらかというと多くの皆さんの御
意見で、それが今骨太の方針の中ではかぶっているという
状況であります。
じゃ、そういうことを考えながら、今後の
社会保障全体を我々がどう考えていくかというのは再三申し上げているように大問題でありまして、今、
社会保障を考える
懇談会ですかね、官房長官の下にある、有識者の皆さんに集まっていただいていますから、その辺でも大いに
議論して、全体をどうするかということを、私
どもも真剣に考えますが、いろんなところで御
議論いただければ大変有り難いと思いますし、
先生方の御指導もいただければというふうに思います。
その中で
一つだけ言わせていただきますと、
年金の話がありましたから
年金について
一つだけ言わせていただきますと、自画自賛するわけじゃありませんけれ
ども、そういう意味では今度の
年金法の
改正は私はうまくいっている
一つだと思っております。数字で申し上げますと、現在の
年金の総額、支払額ということでいって総額が四十六兆円であります。これが、私
どもの試算でありますけれ
ども、二〇二五年に六十四兆円になります。四十六兆が六十四兆に変化するわけでありますが、これがぴったし実は、私
どもは計算して合わせたわけでも何でもありませんが、ぴったしGDPの伸び率にそのまんま合います。すなわち、GDPの伸び率を一・四で計算しますと、四十六兆に一・四掛けるとちょうど六十四兆円になる。これはたまたま合っているわけでありますが、そういう数字になります。
私が申し上げておるのは、今後、全体の
社会保障の伸び率を抑制しながら
一つずつ丁寧に私
どもはやっていかなきゃならない、そういうふうに思っておりますが、この
年金みたいなやり方の中で抑えていけば何とか収まるんじゃないかなということを今考えておりますということを、ちょっと長くなりましたが、いろんなことを交えて申し上げたところであります。