○
政府参考人(
北畑隆生君)
北畑でございます。座らせていただきます。
副
大臣の
説明を補足させていただきたいと思います。
お手元の
資料の二ページをごらんいただきたいと思います。
説明は二つに分けさせていただきまして、新
産業創造戦略の中身と、それからその
前提となりました
日本経済の
現状と課題、この二つに分けて御
説明を申し上げたいと思います。
日本経済の
現状、二ページでございますけれ
ども、九〇年代から取り組んでまいりました
構造改革が
産業面でも効果を現してまいりました。それが米国、アジア
経済の堅調な回復と併せまして、ようやくにして
日本経済も回復の軌道を歩みつつあるというのが
現状ではないかと思います。
まず、大企業あるいは
製造業を
中心として企業の収益が改善をいたしました。研究開発投資減税などの効果もありまして、
設備投資が
拡大をいたしてまいりました。昨年の秋以降でございます。それがようやく
中小企業、非
製造業にも波及しつつあるというのが
現状だと思います。赤いところにリスク要因として、原油価格、米国
経済、中国
経済の今後というのがリスク要因ではありますけれ
ども、青い部分、
民需主導の持続的な
経済成長というのがようやく具体的な姿を現してきたということではないかと思います。
三ページをごらんいただきたいと思います。
上の欄は実質GDPの寄与度を分析したものでございます。黄色い部分が公需、いわゆる公共
事業がどれだけGDPに貢献したかという部分でございますけれ
ども、〇〇年の二十一世紀以降の姿を見ていただきますと、公需の寄与度はゼロないしマイナスでございます。それにもかかわらず
景気が回復してまいりましたのは、輸出を
中心とした外需と民需でございます。〇四年の四―六のところを見ていただきますと、公需マイナス一・四に対して外需と民需が一・五ずつということで、こういう絵が、姿が今、
日本経済の
現状で、非常にいい姿が現れつつあるという
現状ではないかと思います。これを十年、二十年
展望したときに、こういう姿が持続できるのかというのが新
産業創造戦略の問題意識でございます。
一ページ飛ばしていただきまして、五ページをごらんいただきたいと思います。
五ページ以降は、今申し上げました中長期の
日本経済、
日本産業の課題について三点。
一つは国際競争、
二つ目には人材・人口問題、
三つ目には地域の格差、この
三つについて簡単な
資料を整理してございます。
まず
最初の国際競争でございますけれ
ども、冷戦の崩壊以降、世界は世界的な競争時代に入ったわけでありますけれ
ども、
日本にとって非常に重要なのは中国の
動向でございます。
御案内のとおり、中国は大変な
経済発展をいたしております。五ページの右の上、上を見ていただきますと、中国の貿易総額というのは急速に
日本に追い付いてまいります。貿易立国、貿易大国としての道を中国は歩みつつあるということでございます。
八〇年代、九〇年代の
日本の
経済問題というのは、主として日米
経済問題でございました。貿易摩擦を通じて
日本とアメリカはそれなりのすみ分けができたと思います。アメリカは農業の輸出国であります。それから、
金融サービスを
中心とした、
金融サービスとか宇宙を
中心とした特定のハイテク分野の競争力を持った国でございます。これに対して
日本は工業品、自動車、家電に代表されるような工業品の輸出国ということで、それなりにすみ分けができておるわけでありますけれ
ども、中国は
日本と同様、資源と食料の輸入国であり、
日本が強みを持っておる工業品分野でこれから
経済成長をしてこようということでございますので、今後、中国と
日本というのはどういう形で共存共栄が図れるか、すみ分けが図れるかというのが二十一世紀の
産業政策の最大の課題であると思っております。
二つ目が、六ページでございます。人材の劣化という問題でございます。
日本の強みは人材の優秀さということにあったと思うんでございますけれ
ども、
現状を見てみますと大変寂しい
状況になっております。
製造業の年齢別
雇用者数、左側の上の欄を見ていただきますと、三十五歳から五十歳までのところの人材が急に減っております。これは九〇年代のリストラの影響でございます。自分の部下が十年間やってこないという製造現場がたくさんあるわけでございまして、
日本の強みでございましたオン・ザ・ジョブ・トレーニングの鎖がここで絶たれているわけでございまして、五十年代の熟練技能者の技術が若手に伝わらないという弱点が顕在化してきております。
右側の上でございますけれ
ども、企業がこういう人材に対して投資をしなくなりました。この十年間で企業の教育訓練費が一千億円以上減少しております。終身
雇用が崩壊をしておりますので、若手にしつけから訓練をしている余裕がなくなってきたということでございますし、リストラでこういう分野の経費を削ったということでございまして、これは
日本の将来を考えるときに大変なボディーブローになると思います。
それから、
産業界で人材を育てるというのが
日本の特色でございましたが、これは逆に言えば学校教育に余り期待ができない、即戦力を
産業界に出していただけないという、こういう問題がございました。教育
改革に期待するんでございますけれ
ども、その
現状は非常に悲惨な
状況でございます。左側の下でございますけれ
ども、大学教育が
経済のニーズにこたえている度合いというのは、六十か国中、
日本は五十八位、下から三番目でございます。
笑い話のようなことを申し上げますが、ある関西の一流国立大学に来た中国人の留学生が、我々は中国
経済は十年後に必ず
日本を抜くことができる。なぜかといえば、あんなばかが
日本では大学卒で通用しているんだと、こう言われたんだということでございまして、誠に情けないことでございます。
右側の下を見ていただきますと、中国へ進出する
日本企業というのは人件費の安さということで進出しているというふうに皆さんは御理解あったと思いますけれ
ども、
現状は違っております。中国の方が人材が優秀だということでございます。松下電器は、
日本人の大卒よりも中国人の大卒の採用数を今年、中国人の方が多い、外国人の方が多いという、その大半が中国人という、大変、まあ中国進出をにらんだ人材シフトかもしれませんけれ
ども、そういう
現状になっておるわけでございます。
これから人口が減少していく中で、一人一人の
日本人の人材をもう一度鍛え直さないと、
日本の将来は危ういという意識を持っております。
一ページ飛ばしていただきまして、八ページでございます。
もう
一つの問題が、地域間格差の
拡大ということでございます。
構造改革を進めてきたと、通産省も旗振りをいたしました。
構造改革は、
産業とか
経済の分野ではより強い企業がより強くなるということでございます。自動車
産業一つを例に取りましても、史上空前の利益を上げた会社と史上最悪の決算に終わった企業が同じ自動車
産業の中に共存しておるわけでございまして、
成長産業という言葉がなくなりました。護送船団ということで、同業種に属していれば同じように
成長できるという時代はなくなったわけでございます。こういったことが、企業の間だけではなくて、大企業と
中小企業、
製造業と非
製造業、それから中央と
地方で格差が出てきておる、あるいは
地方と
地方の間でも格差が出てきておるということでございます。
下の「地域のばらつき」の左の欄を見ていただきますと、ブロック別に見まして、トヨタ自動車の活躍と万博
景気の東海地区、それから中国に非常に近くて国際化を進めてきた九州、ここが非常に
成長をしておりまして、北海道、四国は低迷をしておるということでございます。ブロック別で見ましてもこれだけ差があるわけでございますから、都市間ではもっと差が開いておると思います。失業率でも地域間の格差が開いてまいりました。
地域の問題はもちろん
産業政策だけの問題ではありませんが、後ほど申し上げますように、新
産業創造戦略の中では、地域の活性化についても私
ども、視点を持って取り組んでまいりました。
九ページをごらんいただきたいと思います。
新
産業創造戦略のかなめになる部分について、
最初に御
説明を申し上げたいと思います。
先ほど副
大臣から現場主義で調べてきたということを申し上げましたけれ
ども、もう一度
日本の
産業の強さということを現場を見て積み上げてきた分析の結果が九ページなんでございます。
日本の
産業の強さ、上の欄を見ていただきますと、トップに自動車、家電・電子という二大
産業が
日本の
産業をリードしております。その下に部品、金型、製造装置、材料、半導体、原料といったすそ野
産業、高度部材
産業集積と言っておりますが、これが二つのトップの下にピラミッド型に分厚い
産業集積をしているというのが
日本の
産業構造でございます。
このうち、トップの自動車、家電・電子のようなものにつきましては、実は海外生産の比率が急速に進んでおります。自動車につきましては、九一年からの十年間で一一%から二八%、二・五倍に
拡大をいたしました。家電につきましては四から一四%ということで、これは三・五倍。ステレオとかテレビとかになりますと、もう九割以上海外生産という
状況が進んでおります。トップに立つ企業だけではありません。
中小企業も含めまして、人件費が安いということで、中国、アジアに進出をいたしました。これが九〇年代の
製造業、
産業の空洞化と言われた現象でございます。
ところが、二〇〇三年ごろから、もう一度国内にハイテク分野を
中心に戻ってくるという新しい
動きが出てまいりました。ここに何か
日本の強さの原点があるんではないかということで、現場を調べた結果が次の十ページでございます。
非常に定性的になるんでございますけれ
ども、
日本の強さの原点というのは、高度部材
産業集積、それから取引関係のメッシュ化、それから技術課題に真摯に取り組む物づくりの姿勢、それからチームワーク、コミュニケーションと、こういうことでございます。
まず
最初に、高度部材
産業集積でございますけれ
ども、先ほど申し上げました部品、製造装置といった分野というのは、トップの自動車、家電・電子と違いまして、余り海外に展開をしておりません。むしろ
日本に基地を置いて、中国、アジアに部品、材料を輸出しているということでございます。トップは海外に出たけれ
ども、すそ野で支えている
産業は比較的
日本に残っておるということであります。
なぜ
日本に残っておるかということなんでございます。
①のところでございますけれ
ども、アメリカのカリフォルニア州と同じ
程度の面積の中にアメリカの半分の
産業が詰まっておるというこの密度、距離の近さでございます。技術開発、
イノベーションというのは、実は人と人の交流、日々の打合せで生まれてくるということでございます。
日本の場合には、そこに加えて新幹線、高速道路網、それから宅急便のようなソフトがございます。新幹線が秒単位の誤差で東京―大阪間を往復ができる、確実に発車をすると、こういう社会はアメリカにも中国にもないわけでありまして、人の交流が非常に迅速に無駄なくできるということでございます。
それから、宅急便の配達ということを
一つ取り上げましても、試作品が半日で確実に取引相手に届くと、こういう世界はほかにはないわけでございまして、
日本人のその、インフラは高コストであるという批判はありましたけれ
ども、正確さ、これと迅速さにおいては世界一だということでございまして、いろんな
産業が技術革新をチームワークでやるときに、このソフトなインフラの
日本の優秀さ、それからある意味では国土の狭さが有利になったということでございます。中国に行きますと、こういう打合せはできないということでございます。
二番目は、取引関係のメッシュ化でございます。
昔は親企業の下に下請、孫請というのがピラミッド型に形成されておりまして、親会社が作ったものを正確に、不良品を作らないというところで競争しておりましたんですが、九〇年代にリストラの結果、このピラミッド構造が崩壊をいたしました。その結果、どうなったかということですけれ
ども、下請、孫企業のうち技術を持っている
中小企業は新しい取引相手と自由に連携ができるようになったということでございます。親企業が優秀なんではなくて、
イノベーションの基は強い下請、孫請が持っておると。その人たちが今度は親企業の束縛がなくなったわけでありますから、新製品を開発するときに異業種、異系列の企業と自由に連携が組めるようになったということでございます。
三番目は、物づくりの姿勢でございます。
日本の場合には特許だけが知的財産ではありません。むしろ特許権にならないような営業秘密やノウハウ、あるいは熟練技能者の技能、こういったものが、ここに「秘伝のタレ」という言葉がございますけれ
ども、こういうものが
日本の強さでございまして、これもチームワークとか人間と人間の付き合いといった
日本独特の文化の中ではぐくまれた
日本の強さでございます。
四番目は、チームワークでございます。
これはある有名企業の社長が言っておりましたが、
日本は企業も人も自分のノウハウを他人に伝授することについて抵抗がない、その結果、良さを、いいところを持ち寄っていいものが作れる、アメリカ人、中国人はそういうことをやれば自分の評価が下がる、自分の優秀さがなくなるということでなかなか他人には出さないんだ。
日本人の人の良さかもしれません。あるいは営業秘密を守るといった場合のわきの甘さになっているという欠点がありますけれ
ども、新しい
イノベーションをやるときにはこの
日本人の性質という点はいい面で働いておる、こういうことでございます。
理論的に正しいかどうか分かりませんが、現場主義でまとめてきた
日本の強さの原点はこの四点でございます。
一ページ戻っていただきまして九ページ。それじゃ、この強さを生かして、
日本の二十年後の
日本人の米びつとなる
産業はどういうふうに組み立てていけばいいのかというのが九ページの下でございます。
自動車と家電はこれ以上、まだこれからも海外生産比率は高まっていくと思いますが、自動車、家電の後継ぎを育てると、こういうことに腐心をすればいいんじゃないかということであります。その下で支える高度部材
産業は、
日本の良さで引き続き
日本にとどまる率が高いわけでありますから、トップを交代させればいいと。サッカーでいえば、サッカーのツートップを、この後継者を育てればいい。若貴時代に相撲界は盛んになりましたけれ
ども、若貴の後継者をつくり損ねると相撲界全体が滅びたと、衰退をしたということになります。ああいうことにならないように、
日本経済も普通の人が一緒に繁栄するためには次のトップは何かと、これが新
産業創造戦略の
ポイントでございます。
副
大臣から御紹介がありましたように、燃料電池、これはある意味では自動車の後継
産業でございます。情報家電、これも家電
産業の新発展形態でございます。ロボットは手塚治虫さん以来、
日本では最も
成長している
産業分野でございます。世界で一番強い分野ではございます。コンテンツ、ソフトの分野、
製造業だけではありません、最近コンテンツの国際競争力というのが見直されております。
こういった四つの後継者の下に
日本に残っておる高度部材
産業をそっくり移し換えていけば、また二十年間、
日本人は
産業で勝てるんではないかというのが新
産業創造戦略のみそでございます。
前置きが長くなりましたが、あと十分ほどで中身を御
説明いたしたいと思います。十三ページをごらんいただきたいと思います。
新
産業創造戦略の視点が
三つ書いてございます。
まず第一は、世界との競争、中国との競争をどう勝ち抜くかということでございまして、先ほど申し上げましたような
日本の強みを生かして、強い競争力を生かし世界で勝ち抜く
産業群を育てる。こういう
産業群に外貨を稼ぎ、
イノベーションの担い手になってもらうというのが第一点でございます。しかしながら、国際競争に勝ちましても、この分野は競争が激しいものですから、
雇用の受皿としては不十分でございます。
二番目の視点は、少子高齢化、環境問題、安全問題という
日本にとって重要な問題を国ではなくて民活で解決をすると同時に、こういう
産業は
サービス業が
中心でございますので
雇用の受皿になり得る。社会の要請に
産業界としてこたえていくと同時に、
雇用の受皿になる
産業として社会の変化に
対応した市場ニーズにこたえる
産業群として、後ほど申し上げます四つの
産業群に期待をしております。
外貨を稼ぐ
産業と
雇用の受皿になる
産業で、
日本の
経済としてはマクロでこれでバランスが取れるんですが、最後の問題が地域の格差をどうやって
克服するかということでございまして、地域が抱えている過疎化、少子高齢化、公共
事業の減少といったところについて、
地方の、地域の
再生を担う
産業群といったらどういうものが期待できるか、この
三つの視点、三段重ねの
戦略を講じたということでございます。
その中身は、先ほど副
大臣から御紹介ありました十四ページでございます。国際競争に勝ち抜く
産業としては、燃料電池、情報家電、ロボット、コンテンツ、それから市場ニーズにこたえ、なおかつ
雇用の受皿になる
産業として、健康福祉機器・
サービス、環境・エネルギー機器・
サービス、ビジネス支援
サービスでございます。
この七つの分野の
産業を育てていくという
戦略につきましては、お手元の
資料の二十四ページ以降に各論で整理してございますので、後ほどごらんいただきたいと思います。
それから、地域
再生の
産業分野として、これは
産業分野というよりは成功例を四つに整理をしたというものでございまして、地域を基盤とした先端
産業、物づくり
産業の新
事業展開、地域
サービス産業の革新、食品
産業の高付加価値化ということでございます。
国際分野の方は先ほど
説明をいたしましたので、真ん中の
雇用の受皿になる
産業ということでございます。
日本は、
サービス産業というのは競争力がないと言われてまいりました。なぜかといいますと、
製造業と
サービス産業の違いは、
サービス産業というのは在庫が利かない、
需要に合わせて
サービスをしなきゃいけないという
産業でございます。それから、人から人に対する
サービスですから
日本では質の安定が図れませんでした。それから、国際競争にこれまでは
サービス産業はさらされていなかったと、こういったことが
日本の
サービス産業を強くしなかったわけであります。
在庫が利かないということは、逆に
需要の、分厚い
需要があれば在庫がなくても
産業として
成長ができるわけであります。一例を申し上げますと、ヨーロッパではリゾート
産業というのがピークの
期間が四か月ございます。
日本の海の家というのは、一年間のうち二週間しか商売するチャンスがございません。これでは高度な
産業は育たないわけであります。
じゃ、ヨーロッパのリゾート
需要のように分厚い
サービス需要として期待できるのは何かといいますと、これからは高齢化社会
対応、環境・エネルギー
対応、それから
事業所のアウトソーシングでございます。この分野は分厚い
需要が期待できます。それに
対応して、
サービス産業の質を高める、人間の質を高める、それからいろんなマニュアル化等で品質を均一化する、こういった工夫で
日本にも強い
サービス産業が育ち得る、これが育てば
雇用の受皿になるということでございます。
それから、地域でございます。これは、むしろ十七ページをごらんいただきたいと思います。地域の場合には、先ほど
日本が狭いと言いましたが、それをもっと縮小した形で、正に人と人が触れ合う地域で、人と人とのコミュニケーションで地域の
産業興しができるということでございます。
四つ類型が整理してありまして、
一つはハイテク
産業を地元で育てるということでございます。大阪の、大阪大学発のバイオベンチャーを地元で育てておるとか、福岡で、シリコンシーベルトといいまして情報関連の
産業を県が
中心になって育てておると。それから、物づくりの拠点、これは有名ですが、千葉の柏であるとか東京の大田であるとか東大阪のように、大企業はいないけれ
ども、オンリーワン、ナンバーワン、ネクストワンの企業が一杯詰まっていると、こういったものを地域で育てるというのが地域活性化の
一つの手段でございます。
三番目は、地域
サービス産業の革新ということで、これはまあ観光業だと思っていただければいいと思います。飛騨高山の例がございますけれ
ども、昔は山登りの中継基地でしかなかった飛騨高山が、江戸の町並みが残っているというのを財産にして大変な活性化、四季お客が来ると、外国人も来るという町づくりを成功しております。
食品
産業の高付加価値化、これは古くは夕張メロンでございます。どこにでもある食品の差別化、高級化を図るということでございます。
NHKで取り上げられたので有名ですが、徳島県の上勝町のいろどりというのは、老人が、老人に操作のしやすいパソコンを家に入れまして、こういう、料亭で使うつまのようなものの
需要情報をもらって、野山を駆け巡って葉っぱを集める。これで、人口二千人ぐらいの町なんですが、月収百万円を超えた人がもう七人もいる。みんな金稼ぎで生き生きとしているので、寝たきり老人はたった三人しかいないということで、何か福祉
事業のモデルにもなったようでございます。
こういったいろいろな地域おこしができております。それをどうやって育てているかということなんですが、十六ページに戻っていただきまして、こういった地域活性化の成功の秘訣は三点でございます。
一つは、顔の見える信頼ネットワーク、つまり人と人のつながりでございます。成功したところには必ず仕掛け人という方がおられます。それに協力する人と、この人の要素が第一でございます。
二番目は、特色のある
産業構造や伝統・文化に立脚した地域
戦略の立案と書いてありますが、要するに、地域固有の資源を有効に使う、無い物ねだりはしないと。地元にある資源をもう一遍材料にしてみようと。上勝町でいえば、町にあった緑の葉っぱ、赤い葉っぱというようなものでございますけれ
ども、そういう地域の資源を活用する、無い物ねだりをしない、国から何かくれるということを期待しないということでございます。
三番目は、それで成功したものを持続させるためには、他との差別化ということで、地域ブランドでございます。地域ブランドを活用することによって、こういった活動が永続化すると。この三点でございます。
裏返してみますと、国は余りやらないということでございます。昔の通産省でいえば、テクノポリスのように国がひな形を決めて、どこの地域もこれをやりなさいという
政策は今やあってない。むしろ、
地方の発想を国が側面から支援をするという
政策が適切ではないかと思います。
長くなりました。最後は、そのための通産省の
政策、
経済産業省の
政策です。
十八ページ以降に総花的に書いてございますが、
ポイントは知財、人材、IT、研究開発でございます。
日本の知恵の塊、知的資本を
日本に蓄積するということで、研究開発でありますとか、副
大臣から御紹介のありました
産業人材対策、こういったものに重点を置いてまいりたいと思います。
少々長くなりましたが、私の補足
説明をこれで終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。