○鰐淵洋子君 公明党の鰐淵洋子でございます。議員になりまして初めての
質問でございますが、今、国内外様々な課題が山積している中で、
環境は二十一世紀の最
優先課題の
一つであると思います。私も全力で取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしく
お願いいたします。
まず初めに、
環境教育の
推進についてお伺いいたします。
地球温暖化防止の第一歩となる
京都議定書が
ロシアで
批准され、来年二月に発効する
見通しとなりました。
我が国は、
京都議定書で一九九〇年比
マイナス六%との
削減目標ですが、二〇〇二年は七・六%も上回っているのが
現状です。
削減目標の
達成はもちろん、私たちの美しい地球を守り、未来を守るためにも、今こそ
環境問題に対して本格的に取り組まなければならないときであると思います。そして、そのすべての
取組を強力に
推進する原動力となるのが
教育ではないでしょうか。
私の尊敬する女性の一人、
アメリカの未来学者ヘイゼル・ヘンダーソン博士は、一九六四年、きれいな空気を守る市民の会を設立し、ニューヨークで
環境問題に取り組んできた市民グループの草分け的な存在です。博士が
環境問題に取り組むことになったきっかけは、幼いお嬢さんの身に起きた異変からでした。お嬢さんはよく外で遊んでいたのですが、帰ってくると肌に黒いすすが付いていて、おふろで洗ってあげなければ取れませんでした。その当時、ニューヨークでは
大気汚染が進んでおり、博士御自身もせきが盛んに出ることもあったそうです。博士は、こんな空気が体に良いわけがない、特に子供の健康が心配だと真剣に悩むようになり行動を開始されました。そして、同じ広場で子供たちを遊ばせている母親たちに、この
辺りの空気悪くないと話し掛けることから始めたそうです。そうやって一人一人に対話を重ねるうちに小さなグループができて、そこから
環境問題に大きく取り組むまでになったそうです。
環境問題に対する運動、成果につながるまでは様々な困難もあったようですが、博士は決して途中であきらめたりはしませんでした。
それは、危機的な
状況を目の前にして、自分の愛する者や地球を守りたい、未来を良きものにしたいとの強い思いがあったからです。一緒に行動されたお母様たちも博士の思いに共感したから最後まで挑戦し続けたのだと思います。人から言われたことだからとか決まり事だからとか受け身の姿勢ではなく、
環境問題を自分のこととしてとらえることができれば、自発能動の
取組、行動が生まれてくると思います。
このような一人一人の意識変革が
環境問題の解決につながる近道ではないでしょうか。そして、その原動力となるのが
教育だと思います。今の地球の
現状を学びながら、今後私たち人間があらゆる生き物たちとともにどのような生き方をしなくてはならないのか等を学ぶ
教育が重要になってくると私は思います。
二〇〇二年に開催された持続可能な
開発に関する世界首脳
会議において、
我が国は持続可能な
開発のためには人づくりが大切であることを世界に
主張いたしました。また、
我が国が主導して、国連で二〇〇五年から始まる十年を国連持続可能な
開発のための
教育の十年とすることが決議されたことを受けて、この
取組の内容、準備が検討されているかと思います。産業革命からIT革命を経て
環境革命を大きな流れにするためにも、先ほ
ども申しましたとおり、一人一人の意識変革につながる
教育が重要であると思います。来年から始まる国連持続可能な
開発のための
教育の十年、世界をリードできる実施計画策定について
大臣はどのようにお考えでしょうか、決意と併せてお伺いしたいと思います。