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加藤修一君 公明党の
加藤修一でございます。
本年は非常に夏がうだるような暑さでありまして、
東京の真夏日は記録更新ということで、午前中にもこの件について話があったわけでありますけれども、熱中症の患者も多く出たところでございますし、また例年以上にはるかに多い
台風の上陸、現
段階では十個というふうに言われているわけでありますし、異常な集中豪雨、強風、これも六十七・七メーター毎秒ということで新幹線以上に速いという、そういう強風が出たわけでありまして、そういった
意味では
被害が甚大であると。あるいは、そのハリケーンの関係につきましても、キューバ、ドミニカ、瞬間風速が九十メーター毎秒ということでありますので、その中で数兆円の
被害総額が言われているわけでありますし、あるいは数千人の死者が出たというふうにも言われているわけでありまして、そういった
意味では非常に
台風、ハリケーンともに拡大し、猛威を振るってきたということが
現実問題として上ってきていると。
それで、イギリスのブレア首相は、
地球温暖化など
世界が直面する
気候変動に対して緊急に行動する必要性を訴えてきているわけでありまして、二〇〇五年のスコットランドで開催のサミットの最重要課題とすることについても表明しているわけでございます。
そういった中で、
日本の責務も非常に私は大きいと思ってございます。私は、アジア太平洋、これが非常に今後の成長過程を考えてまいりますと極めて驚異的に発展していくところでございますので、こういった面について
日本がどういうイニシアチブを発揮することができるかと。やはり私は、今後とも飛躍的にイニシアチブを強化すべき時期に来ているんではなかろうかと、このように考えてございます。
かつての大東亜共栄圏というようなこういった構想は全くの論外でございますが、遠慮しないで、もうそろそろしっかりとした強いイニシアチブを取る
日本を考えるべきだと。言うまでもなく、この点につきましては軍事力を云々という話では当然ないわけでありまして、
環境という切り口、そういうところを入口としてどういうふうに展開していくかということが極めて私は重要ではないかなと、そんなふうに思ってございます。一言で言いますとアジア太平洋
環境共同体と、そういう
考え方、そういう構想を持つべきではないかと。これは非常に大きな
環境イニシアチブにもなり得ると、そういうふうにとらえているわけでございます。
ヨーロッパを見てまいりますと、第一次
世界大戦以前から欧州は一つである、欧州は
一体であると、そういう
考え方がありまして、クーデンホーフ・カレルギー博士は欧州の没落に危機感を感じてパン・ヨーロッパを主張したわけでありますが、そういったことが一つの起点となりまして、EUは
環境外交を強力に進めるような形になってきているというふうに私は理解しておりまして、一方、そのアジアの
現実を考えてまいりますと、大いに異なっているのではないかと。いまだ
一体的ではないことはもとより、モザイク的でもありますし、あるいはアジア太平洋は人口爆発あるいは
環境爆発、さらに
環境容量は破裂状態でありますし、アジア危機どころか私は人類の危機であるというふうに、そこにつながっていると。この点を展望いたしまして、アジア太平洋
共同体という方向性あるいは戦略的な構想を考えるべきではないかというふうに思ってございます。
環境省には多くのアジア太平洋に関係する事業がありますし、そういった方向性の中でそのベクトルを一致させるということもまた重要であると思いますし、またさらにこのアジア太平洋
共同体としての指針というのが当然将来的には必要になってくると思いますけれども、私は、ユネスコなどが
支援決議しております地球憲章ということも一つは大きく参考になるんではないかなと、こう考えております。この地球憲章については後ほど
質問をさせていただきたいと思います。
そういったことで、言うまでもなく国内的にはこの方向の中で
環境立国としての理想的なモデル、これを
日本の中に築き上げることであるわけでありますし、先ほど
大臣がおっしゃっておりましたように、
環境と
経済の統合あるいは両立、さらに、OECDが言っております更に社会を加えた形で三者の統合、三者鼎立といいますか、そういったことが極めて
我が国の中において具体的に作られることが望ましいわけでございます。
この
環境立国、このことによりまして
環境保全のハード技術あるいはソフト技術、さらにビジネスモデルの展開、知的財産権の集積、これらのアジア
世界への輸出を高めて、
日本の
環境力に根差した力強い
経済力を再現させることが大事であるという
考え方ももちろん持っているわけでございますし、さらにODA、このものとの適切な組合せを
活用して、最終的に
環境保全あるいは平和をいかに輸出できるようになるか、これが
日本のやはり一つの国際貢献であり、さらに
日本の国益の大きな一つではないかと思ってございます。
こういった展望をもって、アジアにおける
日本の
環境イニシアチブといたしましてアジア太平洋
環境共同体の展開が考えられますが、こういった方向性についてどのようなお考え、見解をお持ちであるか、あるいはさらにこれを
政策研究という立場で
環境省自身が積極的に取り組んでいくものではないかと、このように考えておりますけれども、どのようなお考えをお持ちか、お示しをしていただきたいと思います。