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2004-11-11 第161回国会 参議院 外交防衛委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年十一月十一日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  十一月十日     辞任         補欠選任      喜納 昌吉君     尾立 源幸君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         林  芳正君     理 事                 浅野 勝人君                 三浦 一水君                 山本 一太君                 齋藤  勁君                 榛葉賀津也君     委 員                 岡田 直樹君                 柏村 武昭君                 桜井  新君                 谷川 秀善君                 福島啓史郎君                 山谷えり子君                 今泉  昭君                 尾立 源幸君                 佐藤 道夫君                 田村 秀昭君                 白  眞勲君                 荒木 清寛君                 澤  雄二君                 緒方 靖夫君                 大田 昌秀君    国務大臣        外務大臣     町村 信孝君        国務大臣        (防衛庁長官)  大野 功統君    副大臣        防衛庁長官   今津  寛君        外務大臣    谷川 秀善君    大臣政務官        防衛庁長官政務        官        柏村 武昭君        外務大臣政務官  福島啓史郎君    事務局側        常任委員会専門        員        泊  秀行君    政府参考人        内閣府政策統括        官        武田 宗高君        防衛庁防衛参事        官        大井  篤君        防衛庁長官官房        長        北原 巖男君        防衛庁防衛局長  飯原 一樹君        防衛庁人事教育        局長       西川 徹矢君        防衛庁管理局長  野津 研二君        防衛施設庁施設        部長       戸田 量弘君        防衛施設庁業務        部長       土屋 龍司君        外務大臣官房審        議官       西宮 伸一君        外務省北米局長  海老原 紳君        財務省主計局次        長        杉本 和行君        資源エネルギー        庁資源燃料部        長        近藤 賢二君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (中国海軍力増強に関する件)  (先島群島周辺海域における国籍不明潜水艦に  対する海上警備行動に関する件)  (防衛力整備に関する件)  (イラクの治安情勢自衛隊派遣に関する件  )  (沖縄県における米軍ヘリコプター墜落事故に  関する件)  (中東情勢に関する件)     ─────────────
  2. 林芳正

    委員長林芳正君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨十日、喜納昌吉君が委員を辞任され、その補欠として尾立源幸君が選任されました。     ─────────────
  3. 林芳正

  4. 林芳正

    委員長林芳正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 林芳正

    委員長林芳正君) 外交防衛等に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 田村秀昭

    田村秀昭君 おはようございます。早朝から両大臣御苦労さまでございます。  早速ですが、中国海軍増強について防衛庁長官は、特にこの二〇〇〇年、平成十、四年ぐらい前からですね、非常に増強されているのをどのように理解しておられるか。今度の原潜の領空、領海侵犯をどのように考えておるのか、お尋ねします。
  7. 飯原一樹

    政府参考人飯原一樹君) 中国海軍現状につきまして、私の方からお答えをさせていただきます。  中国海軍現状艦艇約七百四十隻、約九十三・四万トン、戦闘機等を含みます作戦用航空機四百七十機を保有しております。ただ、艦艇の多くは旧式かつ小型でございますが、他方、キロ級潜水艦ソブレメンヌイ級駆逐艦などをロシアから導入するなど、近代化が進められている状況であると認識をいたしております。
  8. 田村秀昭

    田村秀昭君 いや、長官、ちょっと。  それで長官は、今事務の方が大体の数字を申したと思いますが、長官はそれについてどういうふうにお考えですか。どのような認識を持っておられるのか、お尋ねします。
  9. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 中国海軍現状につきましては、今御説明したとおりでございます。例えば、潜水艦一つ取ってみましても、戦略原子力潜水艦あるいは攻撃型原子力潜水艦、通常の潜水艦約七十隻を持っていると、こういう状況でございますし、旧式のが多いとは聞いておりますけれども、やっぱり静かに潜っていけるというような潜水艦も持っているということでありますし、また沿海、沿岸地域から近海地域へとより遠くへ出ていける能力を持っている、こういうことであります。  そこで、我が国防衛考え方でありますが、特定の国を考えてということではありませんけれども、やはり防衛力在り方というのは周辺諸国軍備体制には十分注意をしていかなきゃいけない、このことはもう言うまでもありません。そういうふうに、日本としましても周辺諸国軍備の動向を含めて新しい安全保障環境、これもう説明いたしませんけれども、そういう新しい安全保障体制対応するために、御存じのとおり、今年の年末までに新しい防衛大綱並びに中期防衛力整備計画を策定するということで取り組んでいるところでございます。  防衛庁といたしましても、従来からの潜水艦に対する警戒監視活動あるいはシーレーンの防衛等に加えまして、新しい安全保障環境といいますと、島嶼進攻とかあるいはテロの問題がございます。工作船の問題もございます。特に弾道ミサイル防衛という、新しい脅威あるいは多様な脅威に対して実効的に対処できるような体制を作っていかなきゃいけない、こういうことでありまして、やはり高度の技術力情報力、そして資質的な優位性、こういうことを考え合わせてやっていかなきゃいけない、こういう考えの下に新たな防衛大綱並びに中期防衛力整備計画を作ってまいりたい、このように考えているところでございます。  それからもう一つ、この今回の海上警備行動についてのお尋ねがありました。  この点につきまして、私は、やっぱり早期にきちっと対応できる体制、毅然とした態度が必要であるし、そして解決策はやはり平和裏にやっていくことを第一に考えておかなきゃいけないな、こういう考え対応しているところでございます。
  10. 田村秀昭

    田村秀昭君 中国は、経済発展軍事増強は車の両輪であると考えているわけです。ですから、経済発展をするということは、軍事力増強しながら車の両輪のように進めていくというのが中国考え方でありますので、我が国考え方とは随分違うわけですね。で、随分違った人と付き合っていかなきゃいけないんだからそれなりの覚悟が要るんで、普通、経済発展をするときには軍事増強なんかしないんだけれども、ここ四、五年見ても相当な、日本潜水艦について今長官言われたんで、十六隻しかない、向こうは六十七隻持っている。まあ古いのもあるけれども、相当なもんだ。  で、我が国はそういう中国軍事力増強については余り考慮せずに、財政当局は勝手に四万人減らすとかね、飛行機も削るとか艦艇も減らすとか言っているけれども、言っているようですから、これはちょっと財政主計局の方、来ておられますか、どうぞ。そういうふうに本当、私が新聞で見たのが本当かどうか、言ったのかどうか。
  11. 杉本和行

    政府参考人杉本和行君) 我が国防衛力在り方につきましては、昨年の十二月の閣議決定がございまして、テロ弾道ミサイル等の新たな脅威に実効的に対応し得るなどの必要な体制整備するとともに、本格的な侵略事態にも配慮しつつ、従来の整備構想装備体系について抜本的な見直しを行い、適切に規模の縮小を図る、自衛隊の既存の組織整備組織装備等の抜本的な見直し効率化を行うとともに、我が国の厳しい財政経済財政事情等を勘案し、防衛関係費を抑制していくものとすると、こういう閣議決定ございます。こうした閣議決定考え方に基づいて、現在、新たな防衛計画大綱、それから中期防の策定に向けていろんな検討が進められているところでございます。  財政当局としましては、予算編成過程において国民から、国民のその非常に貴重なかつ有限な資源でございます税金を必要なところに効率的に使っていかなきゃいけないという観点でございます。この防衛力装備等につきましても、国民税金を費やすものでございます以上、私どもとしましても、一体どういうふうに使っていくのが効率的なのか、どういうふうに対応していくのが効率的なのか、コストパフォーマンスを上げるためにはどういうふうにやったらいいのかという観点からいろいろ議論をする必要があると考えておりまして、そういった観点から様々な議論を行わさせていただいているところでございます。
  12. 田村秀昭

    田村秀昭君 あのですね、次長さんね、私が聞いているのは、あなたが答えておる、答えられたようなことを質問しているんじゃないんです。  元々軍事専門家である防衛庁が決めることを、財務省が経済的な理由だけ、財政的な理由からだけで四隻減らせとか四万人を削減しろとか、そういう数字を言うのはおかしいんじゃないかと。旧軍の大本営の若い将校が統帥権の独立ということで好き勝手なことをやったのとよく似ているんじゃないかと私は非常に危惧している。そういうことを大蔵省が、財務省が何隻減らせとか、そういうようなことを言うのは越権行為じゃないかということを聞いているんで、いろいろなことを勘案しておりますが、そういうあなたの質問、私の質問に答えたようなことを聞いているんじゃないんです。なぜそういうことを言わなきゃいけないのかと、そんなに越権行為をするほど差し迫った問題なのかということを僕は聞いているんですよ。
  13. 杉本和行

    政府参考人杉本和行君) 私ども、国の財政を預かっております立場といたしましては、予算はいろんなものがございます。防衛予算もございますし、社会保障関係予算もございます。各省庁それぞれいろんな専門的な立場からこういう予算の配分が必要だという要請要求が参ります。それに対しまして、財政の全体のその米びつというのは一定でございますので、財政再建も、財政事情非常に厳しい折から財政再建も図っていかなければならないと、そういう観点からいたしますと、財政資源をどうやって有効的に使っていくのか、どういうふうに重点的に配分していくのかという観点から私どもとしての立場をいろいろ議論させていただくことは必要なことだと思っております。  そういった観点からも、防衛につきましても、防衛庁はこういう形で装備考えたいという御要求、御要請があるわけでございますが、それに対して、私ども立場からは、財政の効率的な使用、財政を重点的、効率的に配分していくという観点から、この程度のもので、これで十分目的は達成されるんじゃないですかと、こういうことで、資源を重点的にここに使っていただければこういうことまでできるんじゃないですかという議論をさせていただかないと、予算予算当局といいますか、財政を預からせていただく立場からの責任を果たし得ないものじゃないかと思っております。
  14. 田村秀昭

    田村秀昭君 議論するのは、防衛当局財政当局がいろんな議論をすることはいいと僕思いますよ。そういうことに私は言っているんじゃないんですね。何隻減らせとかということを、防衛計画大綱とか、今長期計画を決定するこの時期に、そういう主計局の人が具体的な数字を挙げて言うのはいかがなものかと僕は言っているんですよ。──いえいえ、もうあなたは答えなくたっていい、もう答えは分かっているんだから。  大野防衛庁長官先輩とされ、大蔵省先輩としていかがこの問題をお考えなのか。私は非常に越権行為だと思いますが、そういうのを許しておいていいんですか。
  15. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 防衛問題ということをどういうふうに考えていくかという基本的な問題でございます。  私は、政治の要諦というのは、やはり国民の皆様に安全や安心をお届けする、これが一番であって、したがいまして国の安全を守るためにどうすればいいか、この理念哲学がまず先行しなきゃいけない。金が先行したのでは絶対駄目である。私も大蔵省出身でございますけれども、そのように思っておるところでございます。  今回、私は、どういうものか、新聞等にいきなり財務省が例えば四万人、陸上自衛隊四万人減らせとか、そういう記事が出ております。これはもう、やはり防衛問題を真剣に考える場合に、国の安全を政治家として真剣に考える場合に、まず理念哲学をお互いに関係者が話し合って、その下でこういう、こういう装備にはこれだけのお金が要るんだ、しかしそのお金はどうやったら節約できるんだろうか、節約の話は後から来るべき問題だと思っております。  ですから、問題二つあって、まず議論する場がなぜマスコミの議論から始まらなきゃいけないんだろうかという疑問であります。それから二番目は、哲学が先にあって、それからお金節約は、これは当然厳しい財政事情ですからやっていかなきゃいけませんけれども、その金の切り口から入るんじゃなくて、必要なものを考えて、それからその後にやはりお金をどうやって節約していこうか、効率化していこうか。  その効率化というのは、正に今回でいいますと、多機能、弾力的、いろんな機能を持たなきゃいけない、いろんな脅威対応していかなきゃいけない、それに、それを全部積み上げてみますと大変なお金が掛かるわけですから、それを弾力的に対処していこう、ここに節約効率化の気持ちが表れているわけでございまして、そういう多機能弾力化という観点から議論してもらいたいな、こういうふうに思っております。
  16. 田村秀昭

    田村秀昭君 私も防衛庁長官のお考えに同意いたします。  それで、杉本さん、防衛局長大蔵省出身なんですよね。だから、そういうこともよく、今日も来ておられるかどうか知らないけれども防衛局長ともよく話して、仲間なんだから、わざわざ新聞紙上に出さなくてもいいんじゃないかと私は思うんですが。  この前、これ、杉本さんだかどうか知らないけれども災害派遣自治体がやればいいんで、自衛隊災害派遣に出る必要はないと、十一月八日の日経新聞財務省がそう言っているって書いてあるけれども、これは本当ですか。本当に出なくていいの、これから。
  17. 杉本和行

    政府参考人杉本和行君) 災害派遣活動についてのお尋ねでございますが、委員お尋ね報道がどのような取材に基づいて報道が行われたかということは私ども承知していないところでございますが、今回の新潟中越地震対処のように、自衛隊救援活動を行うということにつきましては、これは住民からも高く評価されているものでございますし、国民の信頼を得られることにもなりますので、自衛隊災害派遣活動は重要な役割を担っているというふうに私ども考えております。  ただ、自衛隊の主たる任務は国防でございますから、また、災害対処につきましては地方自治体警察消防対処、一体となって対処することになっておりますので、自衛隊有事所要で保持する人員の中でいかに対処していただくかという問題であると考えております。
  18. 田村秀昭

    田村秀昭君 そうすると、この新聞記事次長のおっしゃっていることに沿っているわけですね。自治体がやればいいと、だから自衛隊災害派遣する必要はないと、こう言っておられるわけですね。これは防衛局長やなんかとよく話されてから言っている話なの、どっちなの。
  19. 杉本和行

    政府参考人杉本和行君) 私がお答えしております趣旨は、自衛隊災害派遣活動というのは非常に重要な話だと考えておりまして、そういった活動自衛隊が行われることにつきましては非常に高い評価もなされていることだと考えております。  ただ、申し上げたかったのは、災害対処というのは地方自治体警察消防、それから自衛隊と、全体として対処されていただく話でございますので、自衛隊も重要な役割を担っているということは私どもも十分認識しているところでございます。
  20. 田村秀昭

    田村秀昭君 私は、あなた、災害とかそういうところを見たのか見たことないのかどうか知らないけれども、地元の警察とか消防というのはまず出て行っているわけですよ。それでも全然、装備品から、持っているものからしても、その災害を排除する、元へ戻す、そういう能力に欠けているから、そういう能力を持った自衛隊が出ているものだと私は認識している。自治体がやるのは当たり前で、市町村はもちろん一生懸命やっているんですよ。だけれども、その市町村能力では対処できない。今の中越地震だってみんなそうでしょう。だから自衛隊が出ている。  私は、大蔵省で、机上でお金をはじいているそういう人たちは分かんないかもしれないけれども、やっぱり現場よく見て答弁された方がいいですよ。  もういいや、そんなこと言っていたら話になんない。  次に移ります。  中国海軍増強ぶりを見ますと、これ、経済発展軍事増強が車の両輪だというふうに中国も言っているんでそうなっていると思うんですが、今回の中国潜水艦原子力潜水艦漢級日本領海侵犯領海侵犯ですね、これ、に対して、非常に警備行動発令も遅いし、終わって、いなくなっちゃってからやっているんですけれどもね。  これ、外務省外務大臣も来ておられるんで、まず外務大臣から、そういう情報が入るのが遅かったんですか。大体、危機管理能力がないというふうに言われているんですが、我が国は。非常に遅いんじゃないですか。もう入ってきて、いろんなことやって、すっといなくなってから海上警備行動発令しても何にもなんないんじゃないですか。  だから、そういう状況を見に来ているわけですよ、向こうがね。どのくらい日本も、防衛庁も五十年たったけれども、どうかなといってチェックしに来ているわけですよね。そういうのに、もう時間が過ぎて、全部終わってから、退避したのが八時で、八時四十五分に警備行動発令してみてもしようがないんじゃないですか。  まず、外務大臣は、その点、外交を担当される、期待される大臣としてどういうふうにお考えですかね、この日本対応、昨日からの対応、十日からの。
  21. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 外務省には六時ごろ防衛庁からの連絡を受けております。  現在、まだ当該潜水艦の追尾中でございますので、全体の手順がどうであったかということをまだきちんと検証し評価をするのには少々早いのではないかなと、こう思っておりまして、いずれ事態がもっとより正確に判明次第、委員が言われたような問題点を含めてきちんと検証し、しかるべき対応をしていかなければいけないと、こう思っております。
  22. 田村秀昭

    田村秀昭君 防衛庁長官、いかがですか。
  23. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 常にそういう警戒監視態勢は取っているわけでございます。昨日の早朝から、国籍不明の潜水艦でございますが、先島諸島周辺海域で行動しているということでありまして、我が国領海内を、領海内に入るのかどうか、こういう監視は常に続けているわけでございます。  そこで、そういう情報防衛庁本庁において受け取った後、連絡を受け取った後、やはり情報収集分析をやっていかなきゃいけない、それから関係各省との所要の、必要な連絡調整をやっていかなきゃいけない、こういうことでございまして、防衛庁長官から内閣総理大臣に対して海上警備行動発令、これも先生よく御存じのとおりでございまして、過去の閣議におきまして、こういう場合には安保会議とか閣議を経ないで海上警備行動発令してよろしいと、こういうことになっております。そういうことで、八時四十五分、昨日の八時四十五分に内閣総理大臣の承認を得て防衛庁長官から海上警備行動発令をさせていただいたところでございます。  今回の海上警備行動発令につきましては、やはり位置の特定が難しい潜水航行中の潜水艦でございますし、やはり慎重な情報収集分析を行っていかなきゃいけない、繰り返しになって恐縮ですが、やっぱり関係各省との連絡調整も必要であると。これらを、こういうことを踏まえて、こういうプロセスがあって、そして、まあ手順を踏んでやったということでございます。そういうことで御理解をいただきたいと思いますが、政府部内でそのプロセスなり手続に不手際があったということではありません。引き続き海上自衛隊におきましては必要な監視行動を取っておるところでございます。  先ほど町村大臣からもおっしゃったように、一定の段階でまた振り返って検証してみまして、反省すべき点があれば反省していく、これが我々の未来に備えての脅威に対する在り方だと思って、そういうことは一度やってみる必要があるなというふうに思っております。
  24. 田村秀昭

    田村秀昭君 長官の御答弁はそれで分かりますが、いつも終わってから反省ばっかりしていてもしようがないんで、実際に危機管理対応できる体制というものを取れるようにしていただきたいと。そうじゃないと国民から見ても不安でしようがないわけですね。そういうのをきちっとしていただきたいというふうに思います。  それでは次に、外務大臣お尋ねいたしますが、中国の、排他的経済水域中国側海洋調査が継続的に行われていることは御承知だと思います。それで、この海洋調査をするときには事前に通告するという取決めになっているにもかかわらず、これは河野外務大臣のときだと思いますが、通告していない事例が多々あります。それで、いつも外務省はその機会をとらえて質問しているんですが、遺憾の意を表明したということですが、いつも遺憾の意ばっかり表明していることなく激しく対応する必要があると思いますが、町村外務大臣是非期待を込めて、どのような態度で今後臨まれるのか。  きちっとするところはきちっとしないとばかにされる、そういうこともございまして、ちょっとこの中国海洋資源調査について、通告のない調査が非常に多いということについてどのようにお考えなのか、あるいはどのように対処されているのか、お尋ねします。
  25. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 日本中国関係は、申すまでもなく非常に重要な二国間関係一つだと、こう思っておりますし、日中友好が進展することは、両国にとって意義があるのみならず、極東、アジア全体、さらには世界的に見てもそれは大切なことだと、こう思っております。  しかし、そのことと今委員が御指摘のその海洋調査船の活動、しかも御指摘のあった相互事前通報の枠組みがありながら国連海洋法条約の手続を踏まないで調査をするというような事例がしばしば見られるということは、日中友好を前提にしながらも、しかしそれはやはりお互いに決めた約束をしっかり守った上での友好であるという意味から大変私も遺憾な事態であると、かように考えております。  今まで累次、調査活動の即時中止等を厳重に申し入れているわけでございますが、じゃどれだけ実効が上がっているのかというお問い合わせに対しては、御満足いただけるような回答がないというのもまた実態であります。  先月二十五日でありますけれども、東シナ海に関する日中間の実務者協議、これは主として、今までのいろいろな懸案事項について中国側に改めて我が国立場を明確に主張いたしまして、海洋法条約に基づく日本の主権的な権利その他の権利が侵害されないよう引き続き日本立場を明確に主張し、懸案を解決していこうという話をしております。  私自身もハノイで中国外交部長と初めてお目に掛かりました折にもこの問題を提起をいたしましたし、また王毅大使が初めて外務省にお見えになったときも、私からも日中友好等このきちんとした枠組みの中で、基づいてやらなきゃならない通報はしっかりやらないと困りますよということは申し上げておるところでございまして、今後こうした中国活動については厳正に対処していかなければならないと、かように考えております。
  26. 田村秀昭

    田村秀昭君 先ほど、御答弁ありがとうございました。先ほど私が公式な場で不適切な言葉を使いましたが、これ、理事に御一任いたしますので、よろしく。はい、どうも済みませんでした。
  27. 林芳正

    委員長林芳正君) そのように取扱いをさせていただきたいと思います。
  28. 田村秀昭

    田村秀昭君 それじゃ、質問を続けさせていただきまする。  防衛力を削減をするという財務省の発言を受けて、今米軍とのトランスフォーメーションというものを我が国はやっておると。これは世界的規模の再編成であります。で、極東の戦力も、戦略も、我が国防衛努力が必要とする段階に入っているときに、相手も減らさない、そういう環境の中で我が国だけが防衛力を削減するということは、極東の安全のみならず世界の安全にも大きく影響し、日米同盟にも非常に影響を与えると私は考えるんですが、防衛庁長官、どのようにこの件をお考えなのか。それで、それを受けて、外務大臣の御所見を賜りたいと。
  29. 大野功統

    国務大臣大野功統君) まず、トランスフォーメーションの考え方でございますけれども、これはもう田村先生十分御存じのとおり、国際安全保障環境がまず変わった。新しい国際安全保障環境の時代は、二十一世紀というのは二〇〇一年九月十一日から始まったと言われるように、今までは例えばソ連というものを念頭に置いて、あるいは国対国という戦争を念頭に置いてアメリカも世界各国に米軍を配置していたと思います。新しい防衛安全保障環境の変化に伴って、やはりここで米軍の再配置を考えるべきではないか、こういう問題が一つあります。  それからもう一つは、やはり軍事技術力が大変進歩した、したがって機動力も増してきた、そういう観点からも米軍の再配置を考えるべきじゃないか、こういうことでございます。それに伴ってこのかなりの軍隊を、部隊を米国に引き揚げるということでございます。これはヨーロッパの方でございます。アジアにつきましてはまた別の不安定の弧という問題がありますけれども、そういう考えの下でアメリカは各国と協議を始めている、日本とも協議が始まっております。  お尋ねは、そういうことでアメリカ軍が、アメリカ軍の再配備の中で日本防衛力を減らしたらこれは大変なことになるじゃないか、お尋ねでございますけれども、まず私はこの日米の、まず第一に申し上げたいのは、やはり米軍の抑止力、在日米軍の抑止力は維持していかなきゃいけない、これは当然のことでありますし、それから沖縄等の地元の過重な負担は減らしていこうと、こういう二つの大きな観点の下に進めていくわけでございますけれども、その中で一番大事なことは、日米間でどういうふうに世界の中の日米同盟が安保体制、安全保障、世界の安全保障、日本の安全保障、極東の安全保障、アジア太平洋地域の安全保障、こういう意味でございますが、そのためにどういうことを考えていけばいいのか。日米の安全保障対話というものが一番大事なんじゃないか。そしてその中で、アメリカと日本役割分担、ロールズ・アンド・ミッションと言っておりますけれども役割や分担、これを議論していくべきじゃないか。それに併せて、そういうことを考えていった上でトランスフォーメーションというのをやっていくべきではないか。  一方、日本考え方はもう既に新しい安全保障環境対応して、基盤的防衛力という考え方から先生御存じのとおりもう変わってきて、変えていこうということになっております。そういう全体像の中で、やはり先生がおっしゃるようなこの地域の安全、安全を維持していくためにお互いの任務、役割考えていかなきゃいけない、そういう大変重要な問題であると、私はそういうふうに認識しております。
  30. 田村秀昭

    田村秀昭君 防衛庁長官のお考え、よく分かりました。  最後の質問になりますが、同僚議員と時間も参りましたので替わりますので、防衛庁長官に、ハワイ沖に大東亜戦争の開始のときの特殊潜航艇がいまだに沈没したままの状態であるということは長官防衛庁長官、御承知ですか。──いや、長官に聞いている。
  31. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 存じておりますけれども、詳細は官房長に答えさせてください。
  32. 田村秀昭

    田村秀昭君 いや、長官が知っておられるか知っていないかと。
  33. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 存じております。詳細は官房長にお願いします。
  34. 北原巖男

    政府参考人北原巖男君) 今先生御指摘のように、太平洋戦争の開戦時に数隻のいわゆる旧日本海軍の特殊潜航艇が出撃をいたしまして、結果的に撃沈される等によりまして海底に沈んだままになっているものがあるということにつきましては、文献等により防衛庁としても承知をいたしているところでございます。
  35. 田村秀昭

    田村秀昭君 そういうことをお分かりになっていたら速やかに引き揚げて慰霊すべきだと私は思うんですが、経費が大変掛かるからとかなんとかという理由で見逃しておられるようですが、自分たちの先輩をハワイ沖で眠らしたまんま日本防衛ってできるんですかね。ちょっと聞かしてください。
  36. 北原巖男

    政府参考人北原巖男君) 今田村先生の御指摘の点でございますが、さきの第二次大戦におきます沈没艦船の乗組員の方々の遺骨の収集ですとか、あるいは今先生おっしゃいましたそのための艦船の引揚げといった点につきましては、古くから航行中に亡くなられた方々について、いわゆる水葬に付するといったことがこれまで広く行われてきたなどの事情に着目いたしまして、さらには一般的には海、海自体が戦没者の永眠の場所であるといった認識に基づきまして、原則的には、一部の例外はあるかもしれませんが、原則的には行わないこととされていると、そのように承知をしているところでございます。
  37. 田村秀昭

    田村秀昭君 ちょっと、今官房長のおっしゃったことは、海に沈んだ場合はそのまんまそれは慰霊だという、そう言っているんですか。そういうことを答えているの。
  38. 北原巖男

    政府参考人北原巖男君) 今申し上げましたのは、船で、軍艦等で撃沈等されまして沈んだ場合、海自体が、一般的には海自体がその戦没された方々の永眠の場所であるといった認識があったと、あるということを申し上げたところでございます。
  39. 田村秀昭

    田村秀昭君 委員長ね、これは、官房長ね、これは撃沈されたんならアメリカの戦利品なんだ、になる。だからアメリカに帰属しちゃう。この場合は撃沈されているわけじゃないから、そのまま沈んでいるんだから、だからこれはうちの、日本の国籍になると判断すべきなんですね。だから、それに対して慰霊はするのかしないのかということだけ聞いているんですよ。で、そのまんま置いておくことが慰霊になるというような話には、私は納得できない。
  40. 北原巖男

    政府参考人北原巖男君) 船をそのまま置いておくかどうかということと、それから洋上、例えば洋上慰霊をこうした戦没された方々に行うかどうかということは全くこれは別の問題でございまして、この本件につきましてこうした洋上慰霊等を行うこと、行うかどうかにつきましては、関係省庁とも連携を取りながら検討していく必要があると、そのように考えております。
  41. 田村秀昭

    田村秀昭君 よく検討してね、先人の慰霊をきちっとすべきだと私は思いますものでね。それは経費が掛かるとか掛からないとかという話と全然別問題。よく検討してください。  終わります。
  42. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。  町村外務大臣大野防衛庁長官質問をしますが、まず冒頭、私も一連の国籍不明潜水艦の問題について、通告にないんですが、若干御意見を賜りたいと思います。  国籍不明というふうになっているんですが、これ様々な状況を見ると、私も報道ベースでしか分からないと同時に、今朝、防衛庁からレクを受けた程度の情報しかないわけでございますが、明らかに中国潜水艦、まあ原潜という報道もありますが、明らかに中国籍の潜水艦という蓋然性は高いと思われるわけでございますが、外務大臣、これは中国の蓋然性が高いということで承知をされているんでしょうか。
  43. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 現在、追跡中であり、また潜航中である潜水艦についてのことでありますから、現時点で国籍を特定をするという状況にはまだ至っていないと、こう考えます。今後、この潜水艦の追尾の結果でありますとか、これは原子力潜水艦であろうと、その可能性が高いと考えられるわけでありまして、こうした種々の情報、あるいは防衛庁防衛庁としての独自の防衛情報を入手しておられる、そういったことを総合的に勘案して判断をすべきことであろうということで、ただいま現在でそれを断定する状況にはないと私は思います。
  44. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 外務大臣のお立場からするとそのような表現、こういった委員会の場ではできないということはよく分かりますが、私は、これはもう明らかに中国の蓋然性が極めて高いということはもう明らかで、スクリュー音や様々な方法で、その潜水艦の種類まである程度はもう分かっているんではないかと。  非常に中国に対する配慮若しくは遠慮というものがあることは、まあ日中関係考えると分からないでもないんですが、私は小泉総理、小泉内閣のこの対中外交というものをもう一度きっちり考え直さないといけないと。北朝鮮に二回行く総理が中国には一度日帰りで行っただけだと。まあ対中関係、様々な難しい問題あろうかと思いますが、改めてこの対中外交町村外務大臣、総理ができない分ですね、靖国等の問題もありますから、私はこの点、外務大臣に期待をしたいというふうに思っております。  防衛庁長官にお伺いしますが、これ海上警備発令まで、先ほど田村先輩からも御指摘がありましたが、約三時間掛かっているんですね。これ、現場を預かっている方々からすると、この海上警備行動を早く出してほしいという要望があったという報道もありますが、仮に実際に要望がなくてもそう思うのは当然だと思うんですね。これ海上発令警備行動発令が出ないと現地へ行けないわけですから。これ三時間というのは余りにも時間が掛かり過ぎていると防衛庁長官はお考えにならないでしょうか。
  45. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 田村先生の御質問にもお答え申し上げておりますけれども、そういう領海侵犯に対する監視態勢というのは常に取っているわけでございます。  したがいまして、本件についても、かなり早い時間にはこの領海近辺にそういう潜水艦があるということは分かっておりますが、やっぱり領海内に入ってくるのかこないのか、そういう問題が一つあるわけでございまして、そういう連絡を受けて、それからその情報分析をして、そして関係省庁の間で連絡してどういうふうに対処していくか、こういう問題があるわけでございます。  そういうふうに申し上げるのは、まず位置の特定が非常に難しい、領海内なのかどうなのかという問題が一つあるのと、それからやっぱりいろんな問題含んでいますから、情報分析情報収集分析をしっかりやっていかなきゃいけない、こういう問題もあるわけであります。その上で関係省庁と密接に連絡調整を行う。こういう一連のプロセスを経て、そして八時四十五分に海上警備行動発令したと、こういうことでありまして、そういうプロセス、手続が必要であるということと、情報の正確性、こういう問題を御認識いただきたいと思います。政府部内での手続に問題があった、不手際があった、こういうふうには思っておりません。
  46. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 まあ一連のプロセスには瑕疵はなかったという長官考えですが、ということは、毎回これから同様の事案があった場合、約三時間の時間があってこの海上警備行動発令されるというこれは前例になるわけでございまして、これは仮に相手が分からないにせよ、こういった行動を頻繁に取っている組織若しくは国があるわけですから、実際に、彼らにとったら三時間以内だったら何でもできるんだということになるわけでございまして、今長官のおっしゃったこの三時間という時間の推移に瑕疵はなかったという発言は、私は正直いかがなものかと思います。  これをいかに早くするか、そしていかに早い段階で日本の海域を守っていくシステムを作っていくかということは、是非、専門の皆さんであられますから、今後鋭意研究をされて、田村先生同様、しっかりとこの日本の海域というものを守っていく、その御努力を強く要望したいと思います。またこの問題については後日詰めたいというふうに思います。  もう一点、質問に入ります前に、前回の外交防衛委員会で、私が長官に、サマーワでの自衛隊をねらった一連の攻撃に計画性、継続性がないと、それを判断する理由を是非示していただきたいと。で、理事会で出されましたのが、今皆様のお手元に配付されているペーパーでございます。私、何回もこのペーパーを読んだわけでございますが、このペーパーのどこに計画性、継続性がないと判断する具体的かつ論理的な理由が証明されているかと。どう読んでもないわけでございますが、これどういうふうにこのペーパーからこのサマーワでの一連の活動が計画性、継続性がないということが証明されているんでしょうか、長官
  47. 大野功統

    国務大臣大野功統君) まず、戦闘地域、非戦闘地域ということに関連してこういう問題が出てきて、国際性、組織性、計画性、継続性ですね、この四つの要素が出てきているという御議論があることは認識いたしております。しかし、個々のこれはそういう問題を判断する上での要素でございまして、要素から、要素一つ一つを取り上げて考えていきますとまた難しい問題になってくるわけであります。  我々としては、国際性、計画性、組織性、継続性というものを当該具体的な行為の実態に合わせて、あるいは応じてと言った方がいいかもしれません、総合的に勘案して、個別的、具体的に判断していくと。計画性、組織性と、こういう四つの要素から出発するとなかなか難しいなと、こういうふうに思っているところでございます。  したがいまして、この文書をお読みになったら恐らく総合的にという判断になっていると思いますので、その点はそういう要素はあるんだと、これは認識しておりますけれども、それらをその判断材料として総合的に考えていくんだという意味で御理解をいただきたいと思います。
  48. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 私もなるべく御理解しようとしたんですが、どうも御理解できないんですね、このペーパーからは。  私は、決して揚げ足取っているわけではなくて、非戦闘地域という概念、そしてその中には四要素がある、長官のおっしゃったとおり。その論法でこの自衛隊派遣を詰めたのは防衛庁であり政府なんですね。ですから、政府の皆様方が一連のサマーワの状況に国際性、継続性、組織性、計画性が今まだ担保、そのような状況にないということを証明しなければならないのは、長官始めとする政府なんですね。ところが、それが全く、理事会で説明されたペーパーですらこの状況なんですよ。  つまりは、この四要素をきちっと証明する方法はないということなんですね。この問題は大きなこの自衛隊派遣の出発点から、現実問題、こういう状況を認定することは不可能だというところからこの自衛隊派遣が出発しているという問題を私はきちっともう一度認識しなければならないと思っています。実際に現地へ行っていらっしゃるのは自衛官の皆様方ですから、これは大きな問題だと私自身思っていますが、具体的に一点だけお伺いします。  二の中段、下線の部分は私が加筆したところでございますが事実、事実関係の確認も含め情報収集分析が必要であり、具体的にいかなる勢力のものか確たることを申し上げる段階にないというくだりでございますが、長官、これは、現在情報をつかんでいるけれども、具体的などのような勢力かということを知っているけれども申し上げることのできない状況にあるのか、それとも、分からないから申し上げる段階でないというのか、これ、どちらなんでしょうか。
  49. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 度々申し上げておりますとおり、現地の治安当局あるいはオランダ軍、米軍、国際機関等、あらゆるところと接触し、情報収集に努めております。その中にはもちろん現地の住民の方もいらっしゃいます。  いろんな情報が入ってくるわけでありまして、これがこれだというふうに確信を持って、こういう者がやったというようなことではありませんし、例えば国又は国に準ずるというような情報もありませんし、そういうことでこういうふうな書き方になっているわけでございます。  現在、そういう意味で一言だけ言わしていただきますと、現在収集しております情報分析から見まして、ここは、サマワは非戦闘地域であると、こういうふうに、それを変える理由はないと、こういうことでございます。
  50. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 長官、私の質問に答えてください。  私が言ったのは、非戦闘地域云々ではなくて、現在申し上げる段階でないというこの発言は、このペーパーは、まだ具体的に特定できないから申し上げることができないという今の総合的に長官の答弁を総合的に考えますと、そういう答弁でよろしいわけでございますね。端的にお願いします、イエスかノーで。
  51. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 端的に言いまして、前段で、私の答弁の、前回の答弁の前段でお答えしております。後段はあの戦闘地域のところまで踏み込んだわけです。
  52. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 だんだん禅問答みたいになってくるんですが。  ということは、情報がまだ不確定だから確たることを申し上げる段階ではないという御答弁だと思いますが、まだ情報が不足若しくは確定されていないので申し上げる段階でないであるならば、これ継続性、国際性等云々の要素が違うという証明もできないわけじゃないですか。御自身がまだ情報収集している段階であると言いつつも、他方、いや、非戦闘地域の担保は崩れていないと。これ、長官、自己矛盾じゃないでしょうか。
  53. 大野功統

    国務大臣大野功統君) その部分が最初の答弁の後段でございまして、国又は国に準ずるものという情報はないと。したがって、ということでございますが、だれが一体、じゃ背景としてだれがやったんだ、なぜ信管が抜かれたんだとか、こういう情報についてはいろんな情報があって確定的に言えないと、こういう問題でございます。
  54. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 この問題をずっとやっておりますと時間がどんどん過ぎますので、次の質問に移りたいと思います。長官、ありがとうございました。  次に、先日、沼津市に米軍ヘリが、まあ言葉が予防着陸というふうになっていますが、した事案についてお伺いします。  十一月の二日、十時ごろでございました。UH1Nヘリコプター、まあヒューイと言われるやつでございますが、これが沼津市、外務大臣の御出身になられた沼津市でございますが、着陸を余儀なくされました。私も、渡辺新作先生等、大変お世話になっている方々が沼津にたくさん住んでおりまして、大変心配をしたわけでございますが、この点について、通報体制でございますが、これ米側からの通報が、着陸を、まあ事故というか、この事件が発生したのが十時四十分でございます。そして、防衛施設庁に外務省から連絡が行ったのが十一時五十五分、そして現地の横浜防衛施設局に連絡が行ったのが十一時三十五分と。約一時間、事件発生から日本への第一報までに一時間の時間が掛かっているわけなんですけれども、これはどうして一時間も掛かってしまうんでしょうか。
  55. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) 今委員がおっしゃいましたこの予防着陸でございますけれども、午前十時四十分ごろに沼津市内の野球場に事故防止のために着陸したというふうに聞いております。  本件につきましては、外務省には午前十一時五十分ごろ、米国の大使館から第一報がございまして、その旨、午前十一時五十五分ごろにこの情報防衛施設庁に対して伝達をいたしました。他方、現地レベルにおきましては、十一時十一分ごろ、横田飛行場から横田防衛施設事務所に対して通報がございました。
  56. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 この一時間掛かっているわけでございますが、富士防衛施設局、富士防衛施設事務所の職員が実際に現地へ着いたのが一時三十分なんですね、到着したのが。これまでの間、現場はだれが管理をしていたんでしょうか。
  57. 土屋龍司

    政府参考人土屋龍司君) 先生御指摘のように、富士防衛施設事務所の職員が現場に到着したのは午後一時三十分ごろでございました。その時点で現場には、沼津警察署のパトカー数台と警察官六、七名、それから沼津市の職員数名、そのほか報道関係者や一般市民数十名がいたというふうに報告受けております。
  58. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 警察が現地に着いたのは何時でしょうか。
  59. 土屋龍司

    政府参考人土屋龍司君) 警察が何時に現地に着いたかということは私ども把握しておりません。
  60. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 昨日、私、通告しましたよ。警察が何時にこの場所に着いているか把握しておいてくださいと、私、通告してあるんですが、なぜ答弁してくれないんですか。
  61. 土屋龍司

    政府参考人土屋龍司君) 申し訳ありません。そのような御質問をちょっと承知しておりませんので……
  62. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 質問できないよ、じゃ、そんなら。
  63. 土屋龍司

    政府参考人土屋龍司君) 質問、承知しておりませんでした。
  64. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 これ、わざわざ通告しているんですから。  では、沼津警察に横浜防衛施設局から電話が行ったのが十一時五十分ですね、十一時五十分。それに間違いないですか。
  65. 土屋龍司

    政府参考人土屋龍司君) 富士の防衛施設事務所の方から沼津の警察署に連絡をしたのが十二時ごろでございます。
  66. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 富士からですか。今、富士からとおっしゃいました。
  67. 土屋龍司

    政府参考人土屋龍司君) 富士の防衛施設事務所から、失礼しました、富士の防衛施設事務所から沼津の警察署に連絡をしたのは十二時ごろでございます。
  68. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 富士防衛施設事務所が電話したのは沼津の市役所ですよ。警察連絡をしているのは横浜防衛施設局から直接行っているんですね。
  69. 土屋龍司

    政府参考人土屋龍司君) 失礼しました。  横浜の防衛施設局から静岡県警の方に連絡を入れておりますが、これが十二時十分でございます。  それから、富士の防衛事務所、富士の防衛施設事務所から沼津市の、失礼しました、沼津の警察署の方に連絡を入れましたのは十二時でございます。
  70. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 市役所そして地元警察署にはどのような、どのような内容の連絡をされているんですか。
  71. 土屋龍司

    政府参考人土屋龍司君) 第一報ということで、沼津市内に米軍のヘリコプターが着陸したというような第一報を入れたというふうに聞いております。
  72. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 場所は特定して連絡したんでしょうか。
  73. 土屋龍司

    政府参考人土屋龍司君) その点、まだ現在はっきり把握していませんけれども、第一報のときには場所が特定されてなかったというふうに認識しております。
  74. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 おっしゃるとおりなんですね。  事件発生から一時間たって、やっと現場の市役所そして警察連絡が行っている。で、防衛庁の担当者が現場に着いたのは数時間たった、午後一時を過ぎた一時三十分に防衛庁の担当が行っている。それまでは地元の警察や市役所の方々が対応しているんです。第一報のときは、警察にも市役所に対しても、沼津市のどこかにどうも米軍ヘリが不時着したようだという連絡しか行ってないんですね。後は自分たちで、どこに米軍ヘリが不時着したのかと、自らが調べて現地へ行かなければならなかった。  この一時間という時間もそうなんですが、我々心配しているのは、現在の地位協定の運用で、これは沖縄と全く同じ問題なんですよ。円滑な運用といいますが、一連の、私、タイム、時間表を作ってこれ全部経緯を調べたんですが、とても円滑な運用とは言えないと思うんですね。極めて円滑ではない。そして、その間住民は非常に不安になるわけですよ、突然米軍ヘリが着陸するんですから、しかも市内の運動場に。そして、自衛官が、富士防衛施設事務所の担当者が来るのが午後一時三十分ですよ。これは極めて地域住民にとっては大きな不安材料になっていた。  外務大臣、円滑な運用という言葉があるんですが、これ、沖縄だけではなくて、どのケースにおいても、どう考えてもこの運用が円滑ではないと思うんですが、外務大臣はそのように御認識ではないでしょうか。
  75. 谷川秀善

    ○副大臣谷川秀善君) 外務省に対する通報が、今お話しのとおり、十一時五十分ごろでございましたから、政府といたしましての対応に問題が生じさせるようなことはなかったと思いますが、やや時間が掛かっているのではないかという印象は持っております。  いずれにいたしましても、このような通報につきましては、平成九年三月三十一日の日米合同委員会において合意をされました通報手続に従いまして、発生後、可及的速やかに行われるよう、今後とも米側に対して求めていきたいというふうに考えております。
  76. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 私もやや、大変時間が掛かっているというふうに思うわけでございますが、米軍や政府の方々が使うときは予防着陸という言葉を使われるんですね。これは、あたかも予防を察知して安全に着陸したというニュアンスがこの言葉から感じ取れるわけでございますが、恐らくテクニカルな点からいえばそのとおりなんでしょう。しかし、新聞報道では、緊急着陸であるとか、そういう言葉が飛び交います。  私が言いたいのは、現地に住んでいる市民の皆様からいたしますと、予防着陸であろうと緊急着陸であろうと、その不安の要素というのは全く変わらないわけでございまして、私も再三再四沖縄問題で触れていますように、この円滑な運用とおっしゃいますが、そろそろ、もう四十四年間も地位協定の問題、提案すらされていないという日本政府でございますが、こういった問題が相次ぐわけでございまして、是非ともその点の議論を始めていただきたいということを再度要望し、次に、沖縄の米軍ヘリ墜落問題に移りたいと思います。  過去二回の委員会にわたりまして通告をしておきながら、時間がなくなってしまい、この問題を議論することができませんでした。まず、そのことにおわびを申し上げたいと思いまして、今日は時間がございますので、この問題を詰めたいと思います。  まず冒頭、岩国にこのCH53Dが沖縄から行ったわけでございますが、まず、これは外務省、恒久的にもう岩国にいるという理解でよろしいんですか。それとも、また沖縄に帰ってくるんでしょうか、このヘリは。
  77. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) 我々の理解は、この同型機、53Dのヘリコプターは元々岩国飛行場の所属というふうに聞いております。したがいまして、一般的に申せば所属の飛行場に駐機しているということだろうと思いますけれども、沖縄に戻る可能性が全くないかということについては米側には確認はいたしておりません。
  78. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 これはもう、53Dは一連のあのような事故を起こし、大変な思いを沖縄の皆様に掛けたわけでございますから、当然もう沖縄には戻らないという要望なり申請を外務省として申入れ等されているんでしょうか。
  79. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) これは一般的に米軍の運用の問題でございますので、日本側からそうしてはいけないというような言い方はできないわけでございますけれども、今、正に榛葉委員がおっしゃいましたような沖縄の方々の御不安、御懸念については十分留意をして運用してほしいということは米側には申してあります。
  80. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 次に、事故現場における協力に関する特別分科委員会議論されている内容についてお伺いしたいと思います。  以前から、いとまの問題であるとか、事故機の機体検証の問題であるとか、現場の警備の問題、以前の川口大臣のときから議論させていただいて、川口大臣がその都度、具体的な問題については事故分科委員会議論をまって、それから答弁しますという答弁をずっとされていたので、私は前回の委員会で事故分科委員会ではどういう議論されましたかとおっしゃいましたら、防衛庁でしたか、これは事故分科委員会じゃないんですと、事故現場における協力に関する特別委員会ということで答弁を避けられましたので、今日はその問題についてお伺いするんですが、過去二回、九月十七日と十月の六日、二回開催をされておりますが、まず、いとまの問題なんですが、大学側への通報そして許可、これについて米軍から、私は十分いとまがあったはずだと思っているんですが、いとまがなかったという御主張ですね。これ、いとまがない理由をどのようにこの委員会で説明があり、証明をされたんでしょうか。
  81. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) 米側から提出いたしました、がありました事故調査報告書によりますれば、このヘリコプターにおいて異常を示す最初の無線連絡を行いましたときから墜落までの所要時間は三十秒以内であったというふうにされております。したがいまして、この三十秒の間という相当緊迫した状況の中において、管理者に対して連絡をすることができなかったというふうに説明を受けております。
  82. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 政府の文書を見ると、十四時二十分ごろ事件発生となっているんですが、墜落する際に、既にその下には二十人から三十人の米兵が墜落現場で待ち構えているんですよ。つまりは、明らかに以前にヘリから米軍関係者に通報が行っているんですね。これ三十秒とおっしゃいますが、これは明らかに操縦不能になって墜落するまでが三十秒と考えるのが適当であって、恐らくアメリカ側ではもっと早い段階からこの事故の発生を察知していた。  これ、どうして三十人、二十人の米兵が既に沖国大で墜落するヘリを待っていることができたんでしょうか。それについてどのような議論がありましたか。
  83. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) これはまず、今のは二つのお尋ねだろうと思いますけれども一つは、三十秒というときのその開始時点の話でございますけれども、これは、事故調査報告書に添付しております資料で墜落直前の管制記録というのがございます。これによりますれば、十七分四十五秒、二時十七分四十五秒、ここでヘリからドラゴン二十五緊急事、事態と言おうとしたんだと思いますが、緊急事という連絡がこの管制記録に入っていると。それで、それを受けて二秒後の四十七秒に管制塔がドラゴン二十五了解と、ここで初めて基地との連絡が行われたというふうに理解をしております。三十秒後の十八分十五秒、管制塔が聞こえるかと聞いておりますけれども判別不能で、H53ヘリ墜落、墜落というふうに管制塔の職員が述べているということでございます。  それから第二点の、その事前に米側の要員が二十人、三十人待ち構えていたのではないかという御指摘ですけれども、それについては我々はそういう情報は得ておりません。米側はこれ説明をしておりますけれども、事故当時、普天間飛行場にいた海兵隊員が、事故機が墜落しつつあるのを目撃してフェンス二つを乗り越えて現場に急行したというふうに説明しておりまして、これは委員会の方で米側と確認をしておりますけれども、事故が発生いたしましたのが十八分、現場に米軍が到着した、このフェンスを二つ乗り越えて到着したというのが二十三分ということで事件発生後五分後でございますので、墜落した時点で既に米軍が現場にいたというふうには我々は聞いておりません。
  84. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 明らかな目撃証言や、待ち構えていたという米兵も実際いるわけですよ。それをなぜ、そこに米兵がいなかったという話になるんでしょうか。その問題を日本側は、海老原さんは当然日本外務省の職員でございますから、アメリカ側がそういうふうに言うんなら分かるんですよ。でも、日本側は、いとまがあったら通報される権利があるわけでございますから、アメリカ側はそれをやらなければならないんですから、それをやらなかったわけですよね。それを逆にきちっと詰めるのがあなた方の責任じゃないんですか。
  85. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) 今、二十三分に米軍の要員が最初に到着したということは、外務省というよりも、むしろ現場にいました警察、それから消防もそれを確認をしているというふうに聞いております。
  86. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 次の質問に行く前にこれ聞いておきたいんですが、この特別分科委員会の議事録は公開してもらえますでしょうか。
  87. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) この特別分科委員会で得ました結論については、当然公表をさせていただきます。これは第二回が終わりました後に外に対しても御説明をしておりますけれども、合同委員会に対する勧告をまとめたいということで今作業をしておりますので、その勧告についてはしかるべく公表したいというふうに考えております。  ただ、あの、よろしいですか。議事録そのものをというものについては、これはかなりいろいろな議論をしているものですから、そもそも議事録を作るということ自体特に考えておりません。
  88. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 では、この合同委員会合意はいつまでにこの勧告を、勧告はいつまでに作って、それがいつまでにこの合同委員会に委託をされて、提出をされて、これ合意の形になるんでしょうか。時期的な問題ですが。
  89. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) これ、米側と鋭意努力をしておりますけれども、現時点でいつごろというめどを申し上げる段階には至っておりません。
  90. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 百歩譲って、日本側に通報する、大学側へ通報、連絡するいとまがなかったといたしまして、事故後、一時的な危険が去った後、これいつ通報があったんですか。連絡があったんですか。
  91. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) 今のは、米側から直接沖縄国際大学へというお尋ねであるとすれば、我々はそれは把握しておりません。
  92. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 これ、通報がこれだけ問題になって、いとまがあったのではないかという議論から、いつ沖国大に連絡が行ったんだという議論をずっとやっているわけですよ。  そして、では、一時的な危険が去った後だったら、当然、米側は沖国大学に連絡する義務があるんですよね。それを把握されていない、議論されていないというのは、一体この特別委員会で何を議論されているんでしょうか。これ、沖国大への一時的な危険が去った後、報告というのはどの段階でどのようにされたんでしょうか。これ、一番大事な問題ですよ、これ。
  93. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) これは、政府部内では、基本的には防衛施設庁が担当だと思います。
  94. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 防衛施設庁。
  95. 土屋龍司

    政府参考人土屋龍司君) 先生おっしゃっているのは、沖国大への報告という、その中身というのは、事故の原因とかそういうことについてでしょうか。お聞きしているところ、恐縮ですが。失礼しました。
  96. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 今、議論聞いていてくださいね。  一時的な危険が去った後、どの段階で、いつどのように、またどのような内容の報告が沖国大に行っているんですかと聞いているんです。
  97. 土屋龍司

    政府参考人土屋龍司君) 具体的にどのような、事故後どのような、沖国大それから米軍、それから当局を入れまして、様々なやり取りが現場において行われていたというふうに承知しておりますけれども、今先生が御質問になったような趣旨で、一時的な危険が去った後で総括的にどのような説明がされたかということをちょっと今把握しておりません。
  98. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 これは日米合同委員会合意の刑事裁判管轄権に関する大変重要な件ですよ。それが、どうしてこの事故現場における協力に関する特別分科委員会議論されないんですか。  議論されたんでしょうか、されなかったんでしょうか。
  99. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) それは、先ほど申し上げましたように、事前のいとまを、事前の承認を受けるいとまがなかったときということについては、日米で検証を行っております。
  100. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 ですから、一時的な危険が去った後、当然沖国大に連絡なり報告が行ってしかるべきですね。これ当然のことでございます、事故現場ですから、彼らも財産があるわけでございますから。それについてどのような議論がされたんですかと聞いているんです。
  101. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) そこのところは日米で検証を行っておりますけれども、まだ結論が出ているというふうには我々は聞いておりません。  いずれにしろ、これは、例えば沖縄国際大学における立木の伐採の話等ございましたけれども、沖縄国際大学との関係というのは、これは一時的に防衛施設庁の方で担当しているというふうに理解しております。
  102. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 まあ、どちらが担当されても結構ですが、委員の皆さん、これが現実なんですよ。この一番大事な事故現場の沖国大学でさえも。  私は、事故が発生してから通報する時間があったと思っています。なぜならば、現場で既にアメリカ人が待っているんですから。それを怠った。しかし、御答弁はその時間はなかったんだ、数十秒しかなかったんだと。百歩譲ってそれが正しいとしても、事故があった後、当然、一時的な危険性が去った後、アメリカ側が、事故現場であり、立ち木の伐採までした沖国大学に通報、そして報告、連絡があってしかるべきなんです。しかし、それすらこの事故現場における協力に関する特別委員会議論すらされていない。もはや、この議論をもって地位協定の運用改善でなんという議論をするんですから、もう明らかにこれはもう議論が持てないわけでございます。  与党の先生方においても、是非地位協定の改定という問題を考えていただきたい。そして、改定の申入れを四十四年間一回もやっていないんですよ。議論すらしていないんですよ。我々は、議員の立場として、立法府として、これはきちっと与野党を超えて是非議論をしていただきたいということを申し述べまして、ほかにも事故現場に関して、現場の警備に関して等聞きたいんですが、次の質問もありますので、この問題はここまでにしておきたいと思います。  最後に、今イラクの陰に隠れまして様々な事件が我々の目の前から遠ざかっている現状がありますが、私、イラクの陰で一つ重要な問題が今起こっている、それはパレスチナの問題だと思っております。  外務大臣は、十六日から外遊をされて、十九日にはパリのフランス関係者、パリでフランスの関係者と意見交換をされるということでございますが、恐らくここではアラファト議長の安否等、パレスチナ情勢についても話が出ようかと思います。  外務大臣にこのパレスチナ問題について若干御所見をお尋ねしたいわけでございますが、アラファトさんが大分体調が変わられまして、生死をさまよっている、恐らく時間の問題ではないかと。ポスト・アラファトのパレスチナ情勢を決めるまでは病院側も何とか生命を取り留めなければいけないと思っているようですが、現実問題は、もう現場はポスト・アラファトを考えているという問題ですが、これ、アラファトさんがもしものことあった場合、これ外務大臣が葬儀等に参列することになるんでしょうか。
  103. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) まだ御本人の様子がはっきりしないときに、ちょっとその質問にお答えするのはかなり時期尚早ではないかなと。いろいろなシミュレーションは当然やっております。
  104. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 不適切な質問だったかもしれません。しかし、私はパレスチナ問題考える場合、このことをきちっとやはりあらかじめ準備をしておく必要は大きいと思っています。  今、現地では、アラファトさんを埋葬するのをガザにするべきかエルサレムにするべきかという大論争が起こっておりまして、これはただ単にイスラエルとアラブの宗教的な問題だけではなくて、これ、今後、エルサレムがどういう帰属になっていくのか、そしてアラファトさんのお葬式をやる場合、中東各国からも要人が来るわけですから、現実的にどこで御葬儀ができるのかという問題は、これも詰めないと、現地ではポスト・アラファトすら議論をすることができない状況にあるということです。  私、不謹慎な質問かとは存じますが、やはりこのイスラエル問題、パレスチナ問題の複雑さがここにもあると思っていまして、是非今後の日本政府の対応についても御協議をいただきたいというふうに要望をしておきますが。  アラファトさんの後のポスト・パレスチナ、これ、恐らくイラクやアフガニスタン同様にある種の国取り物語になっていくというふうに思っております。PLOと自治政府というのは別組織でございますから、ただ、たまたまアラファトが両方の議長をやっていますからこれが一つのように考えられますが、元々は違う組織であります。  そして、これを今後どのように、とりわけ自治政府をガバナンスしていくのかと、アラファトの後のリーダーがどのようになっていくのかという問題が大変大事だと思うわけでございますが、九六年、選挙をやって以来、一度もパレスチナでは選挙を行われておりません。今、八年ぶりに三十の地方自治体において選挙をしようという運動があるわけでございますが、日本はこのパレスチナ問題、大変熱心に、ロードマップ等も作成いたしまして関与をしてまいりました。過去に約七億万ドルにも及ぶODAも使ってまいりました。このポスト・アラファトのガバナンス問題、選挙をどのように履行していくか、その問題を外務省としてはどのように把握をされているんでしょうか。
  105. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) この問題については、私よりは先生の方がはるかにお詳しくていらっしゃる、そういう御経験もお持ちでいらっしゃいますから、余り素人の私があれこれ申し上げるのもどうかと思いますけれども。  私も、外務政務次官の折に、一回だけですけれども、アラファト議長にお目に掛かって、約三時間、夕食をともにしながらお話をする機会をいただいたのを今でもはっきり覚えております。短時間のお話でありましたが、なるほど、さすがにこうカリスマ性があるというか、大変な指導力のありそうな方だなという印象を強く持ちましたし、そういう個人的な力もこれあり、あの難しいPLOをまとめてこられたろうし、またイスラエルのいろいろな指導者とも渡り合ってくることができた、しかるがゆえにノーベル平和賞まで受賞されたということなんだろうと思います。  御本人の御容体、私も案じておりますし、余りこう先走ったことをちょっと申し上げるのも少々ためらいを覚えるのでありますが、いずれにしても、ある種の世代交代というものがやっぱり行われると見るのが妥当なんだろうと、こう思います。  我が国の中東外交委員から御指摘もいただいたようなロードマップというものに基づいて、それを何とか前進をさせたい。しかし、なかなかイスラエルとの関係、そう簡単に予定したとおり物事が進まないのはこれまでの長い長い歴史が証明をしているんだろうと思いますけれども、私どもとしてはできるだけこのパレスチナ支援というもの、あるいは中東和平を何とか実現をしたいと、こういう思いで、ささやかではありますが、いろいろな努力をやっております。  今年の九月に、日本は世銀の財政改革信託基金に一千万ドルを拠出いたしまして、パレスチナ自治政府の危機的な財政情勢を支えるということで、更なる財政改革も求めているところであります。  また、この一年でも、失礼しました、昨年来今年にまでかけて二回、イスラエル、パレスチナ双方の関係者日本に招きまして、そして、中東和平の現下の問題等を率直に意見交換する、そういう信頼醸成会議も開くというようなことで、それがどれだけの効果があったかどうかは別にしても、やっぱりそういう努力の積み重ねというものが大切なのかなと思って、引き続き努力をしていきたいと思っております。
  106. 榛葉賀津也

    榛葉賀津也君 確かに、今、アラファト亡き後を議論するのは拙速であり、不見識かも分かりませんが、私はやはり、この良くも悪くも腐敗をしてしまったPAの状況から新しいパレスチナの世界を作っていく、日本は多くの財政支援を確かにやっています。しかし、アラファトさんは四十二億ドルの財産を持った世界九番目の資産家なんですね。そして、それは表に出ている数字であります。スイス銀行にはもっとお金を持っていると言われています。で、スーハさんという奥さんはマネーロンダリングで逮捕された経験もある。非常に私の中で葛藤も正直あるわけでございます。  他方、今この議論考えていく。アラファトさんの後、国取り物語になりまして、ハマスも入って大変混雑した、混乱した状況になるのか。それとも、きちっと世界が民主的な選挙のプロセスを履行することによって新しい、交渉可能な、イスラエルとも交渉可能な新しい自治政府に生まれ変わっていくのか、この出発点が私は極めて大事だと思っているものですから、大臣にこのような時期に不適切かもしれませんが、お話をさせていただいたわけでございます。  時間がなくなってしまいましたが、イスラエルも、アメリカも、恐らく日本もそうだったと記憶をしておりますが、ハマスという組織テロ組織に認定をしております。これ確かにテロ行為をやっているわけでございますが、今このハマスが政治に関与しようという野心を見せ出してきております。  私は、腐敗したPAに代わって非常に地域の住民から信頼の厚い、この武力部分ではないハマスの顔というものが今後イスラエル、そしてパレスチナの問題に大きく私は影響を与えてくるのだろうと思っております。一つ、自治政府が選挙を先延ばししてきた理由も、もしハマスが地方政治に参画してくると、ファタハがイニシアチブを取れない状況になるのではないかという危惧がファタハの中にあったとも聞いております。  是非、一日も早い民主的な選挙がこの地でできますように外務大臣の御努力をお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  107. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 大野防衛庁長官にお伺いいたします。  イラク全土に非常事態宣言が出されまして、米軍によるファルージャ攻撃が日々激しさを増している状況です。この掃討作戦がイラク南部のサマワにもたらす影響について、守屋防衛次官は八日の記者会見で、テキストはここにありますけれども、こう述べているんですね。イラクのほかの地域に比べるとサマワの治安は比較的安定しているが、テロ等の可能性を否定することはできない情勢だ、こういうことです。  長官、こういうことですよね。
  108. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 今の非常、失礼しました、イラクの非常事態宣言がサマワの治安に与える影響でございます。  まず、非常事態宣言の下に……
  109. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 端的にお願いします。
  110. 大野功統

    国務大臣大野功統君) はい。  具体的措置を取っているのは一部でございます。サマワでは取られておりません。治安の状態は比較的他の地域に比べたら良い。しかし、弾が飛んでくることについては警戒を要するし、重大な、重大に受け止めておかなきゃいけない。時系列で見て治安について特に注目すべき点はない、こういう状態でございます。ただ、予断は許しませんし、今後どういうふうな、まあテロということもあり得る。これが次官のプレスでございまして、私も同様の認識を持っています。
  111. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 今長官は、守屋次官と、当たり前の話ですがね、同様の見解を持たれているとおっしゃられました。  それでは、もう一つお伺いしますけれども、細田官房長官は八日の記者会見で、米軍の掃討作戦がサマワに及ぼす影響について、ここにテキストありますけれども、予断を許さない、想像もできかねる状況だと、そう述べました。今長官御自身が予断を許さないとおっしゃられたんでわざわざ言うこともないんですけれども、これも同じ認識になりますね。
  112. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 今後、将来の問題としては予断を許さない、こういうことだと思います。
  113. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 長官自身、守屋防衛次官のサマワの治安についてのテロ等の可能性を否定することはできない情勢だという点、それからまた、御自身のお言葉でもあるわけですけれども、細田官房長官が予断を許さない、また予想もできかねる状況だということについてお認めになりました。  そうすると、私、思うんですけれども一つ、その米軍の掃討作戦によって、正に今私が述べましたそういう状況にあるということを一方で長官自身お認めになりながら、それでもなおサマワはイラク特措法が定める非戦闘地域だと言い張るんでしょうか。
  114. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 予断を許さない、それからテロについてもそういうことがあるかもしれない、こういうことでございますけれども、度々御説明申し上げておりますとおり、いろんな情報を収集する、その収集した情報分析する、その結果から見て、非戦闘地域の要件を満たさなくなったということではありません。
  115. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 政府は、これまで自衛隊活動する地域が非戦闘地域かどうかを満たす要件として、当該地域が現に戦闘が行われていないだけでなく、活動の期間を通じて戦闘が予測されない地域でなければならない、これは繰り返し説明されてきました。  この解釈に照らしても、サマワの現状というのは、今長官御自身がお認めになったようにテロ等の可能性を否定することができない、そして予想もできかねる状況である以上、もはや活動の期間を通じて戦闘が予測されない地域という要件を満たしていないんじゃありませんか。
  116. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 決定をいたしましたときにそういう条件で出しております。今、今の段階で予断を許さない、こういうことを申し上げているわけであります。
  117. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 今長官は決定したときにそういう状況だと言われた。そうでしょう。しかし、私は、現在展開して、しかも派遣期間が十二月十四日までだというそのことを申し上げているわけです。現時点でどんなことが起こるか予測が付かない、しかもテロの可能性さえあるというならば、もはや政府御自身が述べられてきたこと、そして法案にある要件、これもう既に非戦闘地域という要件を満たしていないんじゃないですか。
  118. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 戦闘地域、非戦闘地域という議論と、それから治安に絡んで最終的に防衛庁長官が持っております、担っております安全確保義務、この議論は分けていただきたいと思います。  何か治安について予断が許さない、このことだけで戦闘地域になったというわけにはいけません。それから、安全確保については、これは責任を持って万全の体制をしいております。
  119. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私は、長官、混ぜていませんよ。九条とそして二条三項の話は全く別なんですよ。ですから、私自身が申し上げているのは、正に二条三項の話なんですね。  もちろん、自衛隊が撤退するときには九条の、自衛隊やあるいは援助者の治安等々、これは長官御自身が責任を持つ話ですけれども、その要件がある。それが危なくなったら当然撤退する。これは一つですよね。  しかし、私が今申し上げているのは、非戦闘地域の要件をもはや満たしていないではないかと。実際テロ等が、どういうことが起こるか、可能性、起こる可能性があると、テロ等がですよ。それからまた、実際何が起こるか分からない、予測できない状態だと長官御自身認められているわけですよ。それならば、この法律に照らして、活動の期間を通じて戦闘が予測されない地域という要件は満たしていないというのは論理の帰結じゃありませんか。
  120. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 先生も御明察のとおり、戦闘地域という議論、非戦闘地域という議論と治安の問題は混同してないとおっしゃっていらっしゃいますけれども、戦闘地域、非戦闘地域の議論はきちっと定義されております。  そういう定義に照らして、現状で治安については予断を許さない、こう言っておりますけれども現状で収集しております情報分析してみますと、非戦闘地域でなくなったというわけにはいけない。ただ、治安については予断を許さない、ひょっとしたらテロがあるかもしれないね、こういうことは申し上げているわけでございます。
  121. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 長官は治安について結び付けられておっしゃられますけれども、しかし、守屋防衛次官もそれから細田官房長官も、米軍の掃討作戦がサマワに及ぼす影響についての話をしているんですよ。治安の問題じゃないんですよね。ですから、わざわざそれを混ぜているのは長官御自身だと申し上げたいと思うんですね。  しかも、長官は九日の会見で、今もおっしゃられたように自衛隊の安全確保が予断を許さない、どうなっていくか分からない状況だと述べられています。これは別に言えば、隊員の治安、安全がどうか分からないということは、それ自身治安が危うくなっていることを示しているじゃありませんか。そういうことは、もはやサマワは活動の期間を通じて戦闘が予測されない地域、そう言わざるを得ないじゃないですか。
  122. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 私は、過去累次申し上げておりますのは、安全、万が一、万々が一、安全でなくなった、こういうことで、安全な状態で自衛隊の諸官が人道復興支援活動をできなくなったら、これは仕事を中断したり休止したり、あるいは最終的に撤退という判断もあり得る、こういうことを申し上げているわけでありまして、いきなり治安が悪いから引っ込むとか、そういう話ではございません。
  123. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 先ほどしかし長官は、決定したときにはそうだったと言われたんですよね。そして、今は実際にテロ等の可能性があると。そういうことを言われる事態になっているわけですよ、明らかに違うわけですよね。しかも今、まあ実際その米軍によるファルージャに対する掃討作戦が開始されて、総攻撃が開始されて、その中でケーシー司令官は八日、既に武装勢力の一部は都市を脱出してほかの場所に移動している、そう述べているわけですよ。その勢力がどこに散っていくのか、イラク全土に散っていく、そういう可能性が大いにあるわけですよね。それが南部に行く可能性はあるわけですよね、そういう事態なわけです。しかも、メッツ中将はザルカウィ容疑者も既に逃げていると見るのが妥当だ、そう述べているわけですね。  ですから、こういう勢力が今後サマワに逃げ込んで米軍と戦闘状態になったり自衛隊の宿営地を攻撃するという可能性がないと、長官、断言できるんですか。自衛隊活動期間を通じて、今後こうした事態、予測されないと言い切れるのだろうか、お答えいただきたい。
  124. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 現在サマワにおいては、御存じのとおり具体的措置を非常事態宣言の中で取っているわけではありません。  お尋ねの、ファルージャから出ていく者がどういう地域へ行くのか、これはもう情報収集しっかりやってまいります。しかし、我々は毎日常時情報収集に努めておりまして、東京—サマワの間で連絡をいたしておりますけれども、現在ではそういう兆候はありません。そういうふうなことで、いきなりファルージャから人が出てくるから非戦闘地域になるんだというようなことは考えておりません。
  125. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 まあ、私も仮定のことを話しているので、ファルージャからサマワに来ますよと言っているんじゃありません。しかし、そういう可能性は否定できないんです、だれだって。それから、こういう状況の中でほかから来るかもしれない、テロリストが。  そうすると、やはり全土がファルージャの事態を見ながら非常に緊張が高まっている。そうした中で、サマワの自衛隊が攻撃されない、そういう保証があるのか、それを断言できるのかと長官にお聞きしているんです。
  126. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 万々々が一の議論ということだと思います。安全体制は万全を尽くしております。安全、その安全体制、安全体制については、私は責任を持って今後ともやってまいります。
  127. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 言い切れないんですよ、長官御自身、こういうことがありませんと、ただ対策は取りますと言っているにすぎないんです。私が言っているのは事態の話なんですよ。こういう事態が起こることはあり得ると私は思う。したがって、こうした事態が予測されないと言い切れないだろうとお聞きしているわけです。
  128. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 万々が、今現在収集しております情報その他を分析しまして、そういう状態ではない、これは言えます。しかし、先生がおっしゃるように、万々々が一あるじゃないかと、こうあるじゃないかとおっしゃられますと、それは完全に否定はできないと思います。しかしながら、我々は万が一の状態に備えて安全確保はしております、このことは強調して申し上げたいと思います。
  129. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 長官、完全に否定できないんですよ、だれだって。長官だってそう言われた、ほかの人だってそうだと思います。ですから私は、そういう中で既に非戦闘地域の要件は崩れている、そう言わざるを得ないと思います。  そして、もう一つ伺いたいんですが、今日は非戦闘地域の法律に沿って質問させていただいております。非戦闘地域という概念は世界でほかの国にあるんでしょうか、長官
  130. 大野功統

    国務大臣大野功統君) これは日本独自の法律論だと思います。
  131. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私自身、アメリカの国防総省での文書を見たときに、日本との関係で非戦闘地域という用語を表すその言葉を見たんですけれども長官、何て書いてあるか御存じですか、表記されているか。非戦闘地域のことを英文で。
  132. 大野功統

    国務大臣大野功統君) ちょっと、私、想像でよろしければ答えられますけれども、想像で物を言うと失礼ですから。分かりません。
  133. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 何て書いてあるかというと、ヒセントウチイキと、ローマ字で書いてあるんですよ。それは、アメリカ軍の軍隊の用語には非戦闘地域という概念がないからですよね。日本とのお付き合いのためにそう書いてあるんです。  ですから、私は、今やっている議論、私もやりましたけれども、法律にのっとって、だからやるわけですけれども、しかし、私は、非戦闘地域というそういう概念そのものも正にフィクション、虚構の上に立った議論なんですよね。ファルージャで正にベトナム戦争以来という戦闘をやっている。そうした下で、三百キロしか離れていないサマワが非戦闘地域なんてだれも考えていない。米軍だってイラク全土を戦闘地域だととらえているわけですよ。ですから、そういうことで私は、いつまでも非戦闘地域、そういうふうに唱えていれば非戦闘地域、そういう、そうすることにしがみついた議論はいい加減やめていただきたい。これはイラクの将来のためにも、そして自衛隊員の安全にとってもやめていただきたい。このことを申し上げて、時間になりましたので質問を終わります。
  134. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 外務省にお伺いします。  これは通告はしてございませんで恐縮ですが、ごく基本的なことですので、よろしくお願いいたします。  まず最初に、事前協議制度が設けられた目的は何ですか。何のために事前協議制度というのが設けられたんでしょうか。
  135. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) 一九六〇年に現在の安保条約ができましたときに、新たに事前協議が導入されたわけでございます。これは、安保条約の第六条によりまして、米軍は我が国が提供する施設・区域を使用することができると。それは、目的は我が国と極東の平和と安全の維持のためということでございますが、その目的の範囲内であれば施設・区域を使用できるということになっております。  ただ、その事前協議制度の導入によりまして、三つの場合につきましては、これもう先生御存じのとおりの三つの場合でございますが、この三つの場合については、言わば施設・区域を米軍は自由に使用はできないということで、事前に我が方の協議、我が方との協議を必要とするということで、言わば条件を付したということでございます。
  136. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 去る七月二十七日付けの朝日新聞によりますと、今年の七月に在日米軍三沢基地に横浜市の上瀬谷通信基地にあった米海軍第一哨戒偵察航空団が移転するとともに、ハワイにあった米海軍第五艦隊哨戒偵察航空軍の司令部機能が移ってきて、第七、第五艦隊哨戒偵察航空軍司令部が新設されたとあります。  この報道について、防衛庁に確認しましたところ、事実だということでございますが、第五艦隊は空母エイブラハム・リンカーンを主力艦隊として、全体の司令部は中東のバーレーンにあってペルシャ湾などの地域を担当している艦隊であります。したがって、在日米軍の三沢基地の性格は大きく変わることになりますので、私の考えでは、事前協議の三つの対象項目の一つ、米軍の日本への配置における重要な変更に当たると考えておりますが、事前協議制度は適用されたんでしょうか、されませんでしたか。
  137. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) 今お尋ねの件につきましては、事前協議はございませんでした。  事前協議の第一の場合、配置における重要な変更というのは、例えば陸軍でいえば一個師団、これは大体一万五千人から二万人と言われておりますけれども、が我が国に新たに配置をされるという場合にその事前協議の対象となるということでございますけれども、今回のように、ただ司令部というものが移転をするということのみをもってしてはこの配置における重要な変更には当たらないという、したがいまして事前協議も行われなかったということでございます。
  138. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 防衛庁長官にお伺いいたします。  これも通告はしてございませんけれども、基本的なことでございますので、よろしくお願いいたします。  海上警備行動というものについて分かりやすく簡潔に御説明いただけますか。防衛庁、どなたでも結構ですけれども
  139. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 御存じのとおり、自衛隊法八十二条というのがございます。そこで、防衛庁長官というものは、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のための特別の必要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に海上において必要な行動を取ることを命ずることができる。すなわち、安全保障会議とかそれから閣議とか、これを経て自衛隊の行動というのは取るべきものでございますけれども、そういう八十二条に基づいて、きちっとした行動を取っているとかなり時間が掛かる、こういうことがありまして、過去の閣議において、八十二条は、総理大臣の承認を経て防衛庁長官が、今申し上げたような、八十二条で申し上げたような海上警備行動を取ることができる、こういうふうになっております。
  140. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 自衛隊の任務、行動、権限などを解説した「日本の安全保障法制」によりますと、自衛隊による海上警備行動の項には、我が国において海上における治安維持の任務は本来は海上保安庁の担当すべきものであるとあります。  今回の事案のような場合、その対応は基本的には海上保安庁の業務になるのか、それとも海上自衛隊の任務になりますか。
  141. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 一義的には海上保安庁の仕事でございます。ただし、海上保安庁の仕事として対応できなくなる場合もあるかもしれない。その場合には自衛隊の仕事として八十二条があるわけでございます。
  142. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 一九八一年四月十七日の参議院安全保障特別委員会で、当時の夏目防衛庁官房長は、ソ連の潜水艦領海侵犯事案の質問に対して、私ども自衛隊法八十二条で規定していますところの海上における警備行動というのは、海上における不審船舶によって我が方の海上交通が著しく阻害されるような場合、あるいは海賊的な行為が頻発するようなことがあって我が方の国民の生命、財産を守る必要があるときに、海上保安庁の手に負えなくなるような事態に、内閣総理大臣の命令を受けて出動するというものであって、先般の領海侵犯がたまたまあったからといって、すぐさまそういうものが発動されるものではありませんと答弁なさっています。  今の長官のお話ですと、この考え方が変わったということになりますか。
  143. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 基本的に変わっておりません。  ただし、先生御存じのとおり、海洋法に関する国際連合条約というのがあります。その二十条でございますけれども、潜水した船その他水中航行機器は、領海においては、海面上を航行し、かつ、その旗を掲げなきゃいけない、こういう国際条約があることは先生御存じのとおりでございます。
  144. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 外務省にお伺いします。  去る八月、沖縄本島中部で起きた女性暴行事件で、先月の十五日に容疑者の米軍属が沖縄県警に逮捕されました。この件で、政府は、女性の人権を踏みにじる重大な犯罪であるとの遺憾の意を表明しながらも、問題の解決については米軍が改めて綱紀粛正と再発防止のための措置を取るよう求めたいとコメントされました。しかし、米兵の事件のたびに綱紀粛正と再発防止というのを要請すると言っておりますが、事件はもう際限もない形で繰り返されております。  沖縄が復帰して以来、昨年末までの米軍構成員による犯罪件数は五千二百六十五件に上っております。過去五年間の事例を見ますと、一九九九年が四十八件、二〇〇〇年が五十三件、二〇〇一年が七十件、二〇〇二年が八十一件、さらに二〇〇三年には百十二件というふうに、減るどころかむしろだんだんと増えてきているわけですよ。  この状態、このような実情について外務省はどのように対応されるおつもりですか。
  145. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) 米軍の関係者による犯罪につきましては、累次の機会、先ほど御指摘のあった場合も私からマハラック臨時代理大使に行いましたけれども、米側に対しまして綱紀の粛正、再発防止の徹底への取組を申し入れてきております。  犯罪防止の対策というのはいろいろとございますけれども、何と申しましても、まずは米側において綱紀の粛正、犯罪防止のための具体的取決めが必要でありまして、改めて一層の綱紀粛正と再発防止策の徹底を強く求めてまいります。  米側におきましても、ごく最近の例を一つだけ申し上げますと、今年の六月、基地の外への外出規制カード、これはリバティーカードと呼んでおりますけれども、在日海兵隊所属のすべての軍人に赤又は金色の外出規制カードを発行しまして、赤のカード所持者、原則としてこれは三等軍曹以下でございますが、は午前零時から午前五時までは公務外の目的では基地外に出ることを禁止しているというような措置を取っておりまして、沖縄県警の集計によりますれば、今年、平成十六年の上半期の沖縄県での米軍構成員等の犯罪発生件数・人数は対前年比でいえば減少をしておりますので、このような減少傾向を是非定着させていきたいというふうに考えております。
  146. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 今御説明がありますけれども要請するだけでは問題は解決しないということがはっきりと申せると思います。  つい先日、九日の午後のことですが、沖縄県恩納村の米軍キャンプ・ハンセン内レンジ7の着弾区域内で原野火災が発生し、那覇防衛施設局によりますと約六千平方メートルが焼失したとのことであります。沖縄県基地対策室の調べでは、米軍演習による原野火災は、沖縄の本土復帰以来昨年末までで四百三十六件、焼失面積は三千二百三十七万六千九百十九平方メートルで、今年は一月から今月の十日現在までで七件、焼失面積は十三万三百三十二平方メートルとなっています。  米軍の演習による原野火災が相次ぐ中、今回の火災に対して外務省はどのように米軍に要請されたんですか。
  147. 海老原紳

    政府参考人海老原紳君) キャンプ・ハンセン、それからキャンプ・シュワブにおきます山火事でございますけれども、今年に入りまして今委員御指摘のように七件発生しておりますけれども、この中で規模の比較的大きなもの、これは二月の七日から八日にキャンプ・ハンセンで起こった山火事でございますけれども、この際、二月の九日でございますけれども、沼田沖縄担当大使からダン在沖海兵隊基地の司令官代理に対しまして、このような山火事の再発防止、それから地元住民への不安にきめ細やかな配慮をしていくべきであるということを要請いたしまして、先方もこれを踏まえて対応したいというふうに対応しておりますので、政府といたしましても、引き続き適時、米側に対し再発防止の申入れを行ってまいりたいと考えております。
  148. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 沖縄北谷町の米軍キャンプ桑江北側返還跡地は、米軍が捨てた有害物質による土壌汚染の除去などの原状回復がちょうど済んだばかりですけれども、先日、新たに油性、油分の汚染が見付かったと報じられております。  防衛施設庁にお伺いしますが、どういう有害物質なのか、何が原因なのか、また汚染規模はどれくらいなのか、そして跡地利用計画にどういう影響があるのか、御説明ください。
  149. 戸田量弘

    政府参考人戸田量弘君) お答え申し上げます。  先生御指摘のキャンプ桑江北側部分でございますけれども、本年九月末に土地所有者の方々に引渡しを行ったところでございます。御指摘のように、今月に入りまして一部の地域から油臭土壌が発見されたところでございます。このため、北谷町とよく調整をしまして、サンプル調査を実施したところでございます。  現在まで、油分につきましての調査結果は出てきたところでございます。それによりますと、油分の含有量は極めてわずかでございますが、においが強いということは分かっております。また、特定有害物質関係につきましては更に分析に時間を要するところでございます。  いずれにしましても、北谷町がこれから行います土地区画整理事業あるいは跡地利用計画に影響を及ぼすことがないように、また土地所有者の方々が御不安を持つことがないように、適切に調整しながら対応してまいりたいと考えておるところでございます。
  150. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 この浄化の最終責任はどこにありますか。米軍にあるんですか、日本政府にあるんですか、地元にあるんですか。
  151. 戸田量弘

    政府参考人戸田量弘君) 米軍施設及び区域につきまして、返還後の原状回復につきましては日本政府にその責任があるところでございます。これは地位協定で定まっているところでございます。
  152. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 終わります。ありがとうございました。
  153. 林芳正

    委員長林芳正君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後零時一分散会