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喜納昌吉君 そのお言葉が本当になるように、下地島空港が将来トランスフォーメーション、アメリカのトランスフォーメーションの
一つの計画の中に組み込まれないように願う思いで、今の質問は収めていきたいと思います。
それから、今度の政局で、次の衆議院の政局で、決して普天間基地や辺野古をサプライズとして使わないように、沖縄県民をだまさないようにお願いします。
次に移ります。国連安保理常任理事国入り問題、ちょっと。
政府は、このところ極めて積極的に国連
安全保障理事会の常任理事国に仲間入りしようと
外交活動を展開さしています。九月の国連総会の首脳演説時に、やはり常任理事国入りを志しているインド、ブラジル、ドイツの首脳らと小泉首相がそろって握手をして、国際社会にアピールしようとしたのは典型的な例です。
しかし、
考えてみましょう、私たちの
日本が本当に常任理事国になるのにふさわしいかどうかということをです。
日本は一定の支持を得ていても、本当に常任理事国になるのを期待されているのでしょうか。小泉首相が口にしている、
世界の中の日米同盟を掲げる突出方策は、
日本が常任理事国になったとしても米国のお先棒担ぎになるだけだという以前からの非難を増幅させる方向で作用するのではないでしょうか。
また、現在の国連の決まりに従えば、常任理事国五か国は新たな常任理事国
承認に際して拒否権を行使することができるはずです。すると、
関係が特に政治面で冷却化している
中国のことを念頭に置かずにはいられません。首相が掲げる
世界の中の日米同盟は、憲法が歯止めを掛けてきた集団的
自衛権、すなわち日米合同の自衛の名分の下での武力行使につながりかねません。その方向に
日本が動けば、いや、既に動きつつあると言う方が的確ですが、
日本は地元アジアで孤立していくでしょう。そんな動きは、とりわけ
中国を警戒させます。既に軍事大国でもあり、米国に追従する
日本を常任理事国にしようとは
中国は思わないでしょう。
中国は、
日本軍の侵略を受けた国として当然でしょうが、歴史問題に敏感であり、小泉首相の靖国神社参拝継続に怒っています。
私は、靖国問題に関しては持論がありますが、それは次の機会に譲るとして、
中国は、戦争犯罪人が一緒に祭られていることに特に怒っているのです。いいですか、ヒトラーが祭られている
施設を堂々と参拝するドイツ首相がいたとしたら、ナチスにじゅうりんされた諸国が黙っていると思いますか。靖国参拝は、国際社会では似たような受け止め方をされているのですよ。それに気が付かないとは、あるいは気が付いてもなお参拝するのだとすれば、
余りにも無神経だと言えませんか。首相という地位の者にとっては、参拝は
日本人の自然の感情の問題では済まないのです。
さらに、日
中間には尖閣諸島の
領有権だけでなく周辺海域での水産
資源や海底
資源開発をめぐる対立があります。
中国側の天然ガス採掘問題は現在進行中です。こうした
中国側のやり方には、ブッシュ政権の軍事的な出方を探ろうとして
中国軍部が意図的にやっているとの見方もありますが、尖閣諸島をめぐる諸問題が解決からほど遠いのは事実です。
案の定、東京で今月四日行われた日中
外務次官級協議で、
日本が求める常任理事国入りへの支持について、
中国側は、いろいろな国が手を挙げている中で特定の国への支持を表明はしていないと支持を断りました。当たり前でしょう。
日中関係は、靖国問題が重くのし掛かって首脳間の相互
訪問さえできない
状況なのですから。
さて、質問します。
中国に常任理事国入りへの支持を期待したのは
外交的に幼稚だと言えませんか。首相が一方で常任理事国入りの思想を強く表明し、もう一方で靖国参拝をして対中
関係を損なっているのは、政策上矛盾していませんか。つまり、首相も
政府も本気で常任理事国になりたいのではないということですか、答えてください。