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2004-11-05 第161回国会 参議院 イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年十一月五日(金曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  十一月一日     辞任         補欠選任      緒方 靖夫君     紙  智子君  十一月二日     辞任         補欠選任      紙  智子君     緒方 靖夫君  十一月五日     辞任         補欠選任      若林 秀樹君     芝  博一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         太田 豊秋君     理 事                 阿部 正俊君                 田村耕太郎君                 山内 俊夫君                 山本 一太君                 大塚 耕平君                 平野 達男君                 柳田  稔君                 荒木 清寛君     委 員                 有村 治子君                 大野つや子君                 加納 時男君                 岸  信夫君                 後藤 博子君                 坂本由紀子君                 田浦  直君                 田村 公平君                 中川 雅治君                 二之湯 智君                 長谷川憲正君                 松村 龍二君                 山崎  力君                 山本 順三君                 浅尾慶一郎君                 犬塚 直史君                 岩本  司君                 尾立 源幸君                 大江 康弘君                 齋藤  勁君                 芝  博一君                 主濱  了君                 榛葉賀津也君                 富岡由紀夫君                 広野ただし君                 福山 哲郎君                 若林 秀樹君                 高野 博師君                 谷合 正明君                 遠山 清彦君                 緒方 靖夫君                 大田 昌秀君    国務大臣        内閣総理大臣   小泉純一郎君        外務大臣     町村 信孝君        国務大臣        (防衛庁長官)  大野 功統君    内閣官房長官        内閣官房長官  山崎 正昭君    副大臣        防衛庁長官   今津  寛君    事務局側        常任委員会専門        員        鴫谷  潤君        常任委員会専門        員        泊  秀行君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       増田 好平君        防衛庁運用局長  大古 和雄君        外務大臣官房審        議官       遠藤 善久君        外務省北米局長  海老原 紳君        外務省中東アフ        リカ局長     吉川 元偉君        外務省国際法局        長        林  景一君        外務省領事局長  鹿取 克章君        外務省国際情報        統括官      中村  滋君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保  支援活動等並びに武力攻撃事態等への対処に関  する調査  (イラクにおける邦人人質事件に関する件)  (十月二十二日及び十月三十一日のサマーワ宿  営地における事案に関する件)     ─────────────
  2. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) ただいまからイラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動等並びに武力攻撃事態等への対処に関する調査のため、必要に応じ政府参考人出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────
  4. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動等並びに武力攻撃事態等への対処に関する調査のうち、イラクにおける邦人人質事件に関する件及び十月二十二日及び十月三十一日のサマー宿営地における事案に関する件を議題といたします。  まず、政府から順次報告を聴取いたします。町村外務大臣
  5. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 今般、外務大臣を拝命をいたしました町村信孝でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  参議院イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会の開催に当たり、太田委員長を始め、委員皆様にごあいさつを申し上げます。  引き続き、イラクにおける邦人人質事件に関する御報告を申し上げます。  十月二十七日に香田さん拘束の第一報に接して以来、政府として、香田さんの一刻も早い解放のため、アンマンの現地対策本部関係在外公館と連携しつつ、イラク暫定政府を始めとする関係方面協力も得ながら全力を尽くしてきました。それにもかかわらず、香田さんがテロの犠牲になられたことは痛恨の極みであります。衷心から哀悼の意を表するとともに、御遺族に対し、改めて心からお悔やみを申し上げます。  御遺体は、十一月三日、クウェートから同行の谷川大臣とともに、御遺族が待つ福岡に到着いたしました。本日、福岡県直方市において執り行われる告別式には谷川大臣が参列いたしております。  無辜の民間人生命を奪った今回のテロは、卑劣極まりない行為であり、強い憤りを覚えます。こうした行為は断じて許すことはできません。我が国は、国際社会協力し、今後とも断固たる姿勢でテロとの戦いを続けなければならないと考えます。  他方で、イラク復興は道半ばであり、イラク国際社会支援を引き続き必要としております。我が国として、イラク復興に引き続き積極的に関与していくことが重要であると考えております。  今回、最悪の結果となってしまいましたが、本件につき御協力をいただきました関係方々に対し、改めて心より御礼を申し上げます。また、本件に関する国会を始めとする国内外の各方面の御理解と御協力に対して御礼を申し上げます。  以上であります。
  6. 太田豊秋

  7. 大野功統

    国務大臣大野功統君) このたび、防衛庁長官を拝命いたしました大野功統でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。  十月二十二日及び十月三十一日のサマー宿営地における事案について御報告申し上げます。  イラクサマーワにおいて活動している陸上自衛隊イラク復興支援群は、現地時間十月二十二日二十三時ごろ、日本時間でいいますと十月二十三日五時ごろでございます、何らかの爆発音及び飛翔音確認したため、必要な退避措置を取りました。  この事案を受けて、翌二十三日朝、宿営地内及び周辺の捜索を行ったところ、現地時間同日六時三十分ごろ、宿営地内南端の空き地においてロケット弾一発を発見いたしました。このロケット弾は、信管が付いておらず不発弾であり、宿営地の北の方向から発射されたものと思われます。  また、現地部隊においては、現地時間十月三十一日二十二時三十分ごろ、日本時間十一月一日四時三十分ごろ、宿営地の北方、北方向での発射音らしき音、飛翔音及び宿営地内で何かがぶつかったような音を確認したため、必要な退避措置を取りました。  現地部隊において宿営地内外を捜索いたしましたが、現時点で砲弾等宿営地内外で発見されておらず、また砲弾等が爆発した形跡もありません。  他方宿営地内の荷物保管用コンテナに何らかの砲弾が貫通したと思われる傷痕、また、当該コンテナの前の地面及びコンテナの後ろの障害物に同様のものが衝突して跳ねた痕跡が発見されました。このような現場の態様から、ロケット弾地面に衝突しコンテナを貫通したと思われますが、引き続き事実関係確認を進めております。  両事案において、現地部隊の人員に異状はありません。現地部隊においては、現地治安機関等と密接に連携を取り、情報収集分析に努力することといたしております。  隊員の安全確保は極めて重要であり、現地部隊においては、今後とも細心の注意を払いつつ、人道復興支援を、支援活動を実施してまいります。  以上でございます。
  8. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) 以上で報告の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  9. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 改めまして香田証生さんの御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、いかなる地域におきましても、国民の生命、財産を守り育てるのが私たちの使命であるとの原点に立ち返り、質問いたします。  先週の週末に外務省の方から連絡をいただきました。正確に申し上げますと、十月三十日の未明、土曜日の早朝なんですが、朝の四時前に連絡をいただきました。香田さんかもしれない遺体が発見されましたということでした。四時ごろに起こされまして、これは私だけではなくて、少なくともこの委員会委員長、与野党の理事さんのところには連絡が行ったと思いますが、その後、私はネットを開き、テレビのチャンネルを回しながら情報を収集しましたが、後に、それが香田さんではなかったということを報道しておりましたし、また政府の方も公式にお認めになられました。その次の日の朝六時三十六分に、今度はまた、今度は本当の香田さんと見られる遺体が見付かりましたという報告外務省の方からいただきました。  そのときに私は思ったんですが、最初遺体は違いましたという報告、少なくとも私のところにはいただけませんでして、大変御多忙だったと思うんですが、そのときに私が思いましたのは、最初遺体はじゃだれだったのかと。国籍身元確認されたのでしょうか。これらの、一部の報道では日本人ではなかったということがあったんですが、これからの日本、もう今の日本でもそうなんですが、日本人でありながら外国人と同様の身体的特徴を持った方というのはもう増えてくると思います。  よもや、香田さんでなければよかったんではないか、香田さんでなければだれでもよかったなんということは考えられていなかったと思うんですが、この最初に見付かった御遺体身元国籍はしっかり、外務省さん、確認されたんでしょうか。
  10. 鹿取克章

    政府参考人鹿取克章君) お答えいたします。  最初に発見された御遺体については、その後、私ども医務官調査して、香田さんではないということを確認しました。また、私ども医務官判断では、日本人でもないと考えられると、こういう御判断でございました。  この御遺体については、その後、アメリカに搬送されまして、米側調査が行われていると思います。  私どもとしては、この御遺体について、国籍身元等については承知しておりません。
  11. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 次に、時間が限られておりますので次の質問に移らせていただきます、身代金申出犯行グループ接触状況について質問させていただきます。  身代金申出に関しましては、もう既にないという見解総理を始めなさっていますが、犯行グループとの接触状況に関しましては、ある政府関係者犯行グループとの接触は一切ないと申され、またある方は第三国経由接触中と言われています。  身代金申出の有無の確認と同時に、どのような接触をどういう経路でどこまでやられたのか、お尋ねしたいと思います。
  12. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 身代金という話は、これは一切ございません。これは政府全体の見解でもあります。  だれと、いつ、どういう形で、どういう接触をしたのかということでございますけれども、私ども、約三十の在外公館大使等がおります。これらに対して平素からいろいろコンタクトを持っている先方、政府を始めいろいろな機関、これは官民を問わずでありますが、ございます。そういうところに対して、必要な対応をするようにということを指示をいたしました。もちろん、その中にはイラク国、今の暫定政府も含まれているわけでございます。  そういうところと具体的なやり取りをしながら、個別の情報が入り、それらを本省の方で分析をしながらまた指示をするということをずっと繰り返してきたわけでございますが、具体にどこで、だれが、いつ、どうしたということは、恐縮でございますけれども、これは相手側との信義もございます。また、さらに、今言われている、テロリストグループとおぼしきグループは現にまだ人質を拘束しているとも言われております。また、今後ともそういう活動をするおそれがありますので、具体の答弁はこの際は差し控えさせていただきたいと思います。
  13. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 邦人安全対策上の問題もありまして秘密保持ということでしょうが、秘密保持なら秘密保持で是非しっかりやっていただきたいと思います。間違っても、社会保険庁や産業再生機構のように、本来なら出てはいけない情報が、国会の場では話しませんと言いながら、どこかで漏れてしまってリークされるような状況に絶対にしないでいただきたいと思います。  例えば、私、外務省さんの方にバグダッド在留日本人安全対策在留邦人の数などについて尋ねましたら、安全対策上、秘密にさせていただきたいとのお答えでした。  ただ、中のジャーナリストの方には、方の中には、民放の中継に堂々と顔を出されて中継でいろいろしゃべっている方もいらっしゃる。今の時代、だれがどこで見ているか分からない時代ですし、画像や映像も瞬時にインターネットで送られる時代でございます。ああいうことをほうっておいていいものでしょうか。秘密保持安全対策ならもっとしっかりやっていただきたいと思うんですが、この辺りの見解についてお伺いしたいと思います。
  14. 鹿取克章

    政府参考人鹿取克章君) お答えいたします。  今、御承知のように、イラク治安情勢は極めて厳しいために、我々としては、今イラク邦人が何名おるかということは安全上の観点から公表しないようにしております。ただし、イラク邦人がいるということは事実でございますが、何名いるということは安全上の観点から公表しないこととしております。
  15. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 念のために申し上げておきますが、確かに報道関係者がいるのはこれはもう画面で明らかでございます。それらと契約を結んでいる親元といいましょうか、メディアの方には早急に退避するようにという強い勧告を東京の方ではやっております。  しかし、これは命令をすることは最終的には今の法制上できません。移動の自由というものがあるということで、そういう法制もないわけであります。  これだけ再三注意を勧告しても、本社の方がそれに、政府の、外務省の意見は分かったが、我々は我々の判断だということで彼らを退避させないでおいているんだろうと、こう想像されます。  そこまでが今私どものできる限界であります。
  16. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 もう一点、秘密保持に関して質問させていただきます。  秘密であり、言えないということは、将来においても、又は将来においては情報公開対象になるんでしょうか。  と申しますのは、これから日本の国際的な役割がどんどんどんどん大きくなりまして、日本人世界でいろんな出来事に巻き込まれるという事例が増えてくると思われます。次世代への教訓とすべき内容もあるんではないかと思うんですが、例えばアメリカでは、何年かの経過が、経過しますと、その当時秘密保持だったものが情報公開されるということになっております。今秘密であり、言えないとしたことは、将来の情報公開対象になるのかどうなのか、見解をお伺いしたいと思います。
  17. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 誠に委員の御指摘、ごもっともだろうと思います。  それぞれの国でそれぞれの情報管理の仕方というものがあるようでございます。すべての国のことを私ども分かっているわけじゃございません。  外務省では自主的に情報公開を行う制度というのを決めておりまして、三十年を経過した文書を対象とする外交記録公開制度というのを持っておりまして、昭和五十一年から昨年まで計十八回にわたり実施をしております。したがって、五十一年からですから、必ずしも毎年というわけではございません。なぜかといいますと、膨大な書類を全部一々精査をして、これは出してもいいとかこれはやっぱりまずいという判断をするものですから、相当の人手と時間が掛かるということなので、必ずしも毎年ではございませんが、今申し上げたように昭和五十一年から十八回にわたり実施するということで、未来永劫全部秘密だということでは決してないと、やはり後世の方々にも適切な判断をしていただく材料を提供するということも非常に重要なことだと、こう考えますものですから、こうした制度を取っているところでございます。
  18. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 次に、イラクに駐留する自衛隊のことに関しまして防衛庁にお伺いしたいと思います。  昨日、第四次派遣部隊編成命令防衛庁長官の方から出されました。期限は三か月の見込みで、今月中旬にも派遣命令が出されるとの見通しだそうです。十二月十四日が一応の期限と言われています。その解釈も含めまして、昨日の編成命令、この意義についてお伺いしたいと思います。
  19. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 現地サマワ活動をしております自衛隊員大変灼熱の中で生活しております。また、生活環境も、限られた宿営地内の中で生活をすると。過酷な条件の中で生活をしております。それから、やはり最愛の家族の皆様と長期間別れて過ごしているわけでございます。  こういうことを考えますと、これやはり、これまで一次、二次、三次と三か月で区切ってまいりました。これ、自衛隊隊務としてそういうふうな配慮をしているということでございます。したがいまして今回も、ちょうど四次派遣隊でございますけれども編成命令を出したところでございます。これは隊務の問題、自衛隊隊務の問題として考えているところでございます。  一方、十二月十四日に基本計画期限切れということになります。これは政治判断で決めていくことでありまして、この方は、度々申し上げておりますように、治安情勢とかイラク復興状況とか、こういうことを勘案して総合的に決める。これは政治の問題であります。したがいまして期限切れ期限延長とか期限切れとか、こういう問題と関係なしに、隊務として三か月で交代させるという観点から派遣、そういう命令を出したものでございます。
  20. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 次に、私が配付させていただきました資料をごらんいただきたいと思います。  十一月三日、休みの日だったんですが、毎日新聞の朝刊の二面に掲載された囲み記事でございます。「攻撃受ける責任 約束果たさぬ自衛隊に」という、大変残念に思う記事だったんですが、地元週刊紙アルサマワというところのこういう雑誌に、ムサンナ県警カリーム・ヘルベット本部長の話として、「ロケット弾攻撃責任は、約束を果たさなかった自衛隊にある」ということが報じられているとの報道が引用されています。「自衛隊人道支援復興のためにやってきたが、それに失敗した。サマワ以外の業者仕事を発注するなどして約束を実現しなかった」、こういうことが報道されているんですが、防衛庁さんの方でこの報道の事実について確認されましたでしょうか。
  21. 大古和雄

    政府参考人大古和雄君) 今御指摘のありましたアルサマワという当該現地紙記事は、二十四日より日本通信社より配信された記事を掲載したものと思われます。  この報道の元となりました日本通信社配信記事に関しましては、事案のあった翌々日、自衛隊宿営地を訪問いたしまして、カリーム・ムサンナ県警本部長現地部隊を訪問しまして、その際確認しましたところ、日本記事に書いてあるような内容発言はしていない、また、自衛隊による復興支援活動を批判するような発言もしていないと述べたとのことでございます。
  22. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 では、この、これは事実が、事実ではない報道アルサマワがやったということですね。それで、アルサマワの方には何らかの抗議なり申出はされたんでしょうか。
  23. 大古和雄

    政府参考人大古和雄君) アルサマワ報道自体カリーム・ムサンナ県警本部長発言でございますので、自衛隊の方から直接抗議はいたしておりませんけれども自衛隊としては現地でも広報に努めておりまして、マスコミ関係者も含めて、自衛隊活動の実態は広く伝わるように努力しているところでございます。
  24. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 もう一つ、記事の中にありますサマワ以外の業者仕事を発注するという事実に対してはどうですか。
  25. 大古和雄

    政府参考人大古和雄君) 自衛隊公共施設補修等をするに当たりましては現地業者を使っておりますけれども、基本的にムサンナサマワを中心としますムサンナ県内業者を使っているということでございます。
  26. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 私は、自衛隊活動に対してはサマワ人たちは大変喜んで、帰ってくれるなというデモまで起きているという報告を受けていましたので、こういう報道があって非常に残念な思いがしましたが、そうではないということを県警本部長が言われたということを聞きまして、また違う思いを持っています。  また、自衛隊は今は給水医療、復旧の三事業に従事していると聞きます。一定の期間がたちました。これらの協力に対しまして地元ニーズ変化はあるでしょうか。もし地元ニーズが、ニーズ変化がありましたらこの三事業、どのように対応されていくのでしょうか。
  27. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 現在、三事業をやっております。  まず、給水でございますけれども、まあ計算の仕方にもよりますが、一日に大体五万人分ぐらいの水を供給している。一人四・五リットル必要だと計算の上で五万人。五万人といいますとサマワ人口の、人口十五万人と言われていますから三分の一ぐらいということであります。また、道路につきましては四か所補修済みでありまして、現在十一か所やっております。それから、病院は四病院について医療技術支援を実施している。  特に、サマワ側から、サマワの住民から要望がありますのは雇用であります。雇用は本当に、自衛隊活動に応じて、例えば警備員とか、あるいは給水手伝いとか、あるいは道路補修手伝いとか、そういうことに限られてしまうんですけれども、それでも一日当たり三百人から五百人ぐらい、現在までに約八万人ぐらいの雇用となっております。ただただ、まだこの八万人程度ではという声もあるわけでございますけれども、まだまだやらなきゃいけないことは残っているということをまず御認識いただきたい。  しかし、だんだんとサマワ地元要望というのは、もうちょっとインフラ整備をやってくれないかと。電力とか水とかですね、そういうインフラ整備をやってくれないかという声も聞こえてまいります。これはODA世界でございますけれども、今後、引き続きこのような要望を実現させていって、ODAとそれから自衛隊活動が車の両輪のような役割を果たしてこの現地の民生の安定に寄与できればな、このように思っております。  したがいまして、現地ニーズ、可能な限り吸収はしておりますけれども、今やっておる給水事業、まだまだ役割は大きくあるし、また、これからインフラ整備と車の両輪でやっていきたい、こういうことであります。
  28. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 そのまだまだ強いニーズを持ってもらっている自衛隊活動に関してなんですが、昨日ですか、ハンガリーでも三月を目途に撤退を表明されました。他国が撤退していく中、自衛隊にはどういう体制が必要かということに対して質問させていただきます。  仮にオランダ軍が引き揚げた後なんですが、もしその後も駐留するということになりました場合、任務や部隊編成の再構築が必要になるのではないかと思うんですが、その辺りどのように考えられているんでしょうか。
  29. 大野功統

    国務大臣大野功統君) オランダは今年の六月に、来年三月十五日までオランダ軍を駐留させようと、こういう決定をいたしております。それから、来年三月になればどうなるか。撤退するという声もあるし、しかしながらそこは最終的にはまだ決まっていない、これが事実関係でございます。  それから、我が国は十二月十四日が基本計画期限切れである、こういうことで、それを延長するかどうか、これは先ほどから再々申し上げておりますように、イラク復興状況、そして現地の治安状況、これらを総合的に判断して決めるということでございます。  それから、全体を、南東部全体を、の治安を管轄しておりますのはイギリス軍でございます。したがいまして、十二月十四日までにつきましてはオランダ軍は駐留しておりますし、その後どういう展開になるのか予断を許しません。オランダの方も、まだいるかいないか最終的に決定していない、こういう状況でございます。  その辺、もし延長ということになりましたら、また改めていろんな角度から検討して、自衛隊安全確保、これはもう絶対努めていかなきゃいけない、こういうふうに思っています。
  30. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 最後に、イラクに対する資金支援についてお伺いします。  債権放棄以外の資金支援は有償、無償でやられていると聞きますが、どのくらいの規模でどんな理念と使い方でやられているんでしょうか。どこまで進んでいるんでしょうか。人員配置や現地ニーズの把握体制について、現地外務省、どのような取組方をされているんでしょうか。教えていただきたいと思います。
  31. 吉川元偉

    政府参考人(吉川元偉君) 御質問の点でございますが、去年の十月にマドリッドで行われましたイラクに対する支援会議におきまして、日本は最大五十億ドルの支援を表明しております。十五億ドルが無償資金協力、三十五億ドルが円借款でございます。  先生お尋ねの理念ですが、イラクの国家再建にとっては政治プロセスと経済社会面での復興プロセスが不可分だというそういう考えから、日本としましては、積極的にイラク支援復興支援国際社会と協調して取り組むという、こういう考えで進めております。  十五億ドルの無償資金につきましては、電力、教育、水・衛生、保健といいましたイラク国民の毎日毎日の生活基盤の再建、治安の改善、これを重視しており、十五億ドルのうち既に十三億ドルにつきまして支援の実施ないしは決定を既にやっております。円借款の三十五億ドルにつきましては、今申し上げました分野に加えまして、電気通信ですとか運輸といいましたインフラ整備を中心に考えております。  また、人員配置とニーズの把握体制についてのお尋ねがございましたが、バグダッドにありますイラクの我が方大使館、それからサマーワにあります外務省の事務所、この辺を動員いたしまして、現地の事情も考えて、例えばテレビ会談、イラク政府関係者、東京、それからバグダッドを結んだ電話会談をやっております。また、イラクの直接担当する各省の方々にヨルダンに来ていただいて、招聘して、そこで調整をするということもやっております。
  32. 田村耕太郎

    田村耕太郎君 終わります。
  33. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  34. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) それじゃ、速記を起こしてください。
  35. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。  この委員会では初めて質問をさせていただきますので、去年から委員会に所属しておられる委員皆様方におかれては当たり前のようなことを質問させていただくことになるかもしれませんが、どうか御容赦をいただきたいと思います。  私は、三年前の選挙で当選させていただいたんですが、ずっと財政金融委員会中心でやってまいりましたが、経済とか国内の問題を議論するのとこの外交防衛問題を議論するのでやはり随分考え方とかアプローチが違うなということを常々感じておりまして、といいますのは、経済問題、例えば金融とか財政の問題ですと我々も結構たくさんの情報を持っていますので、場合によっては行政や政府の皆さんよりも多くの情報を持っている場合もありますので随分深い議論ができるんですけれども、このイラクの問題に関して考えてみますと、私の持っている情報というのは、言ってみれば新聞やテレビで聞かされる情報程度のものしかなくて、なかなか深い議論をするのが難しい分野だなというふうに思っております。  そういう意味では、言ってみれば一般国民と同じ目線で、新聞やテレビでニュースをかいま見ている国民の素朴な疑問を代わりにお伺いするような形で御質問をさせていただければなというふうに思います。  まず、外務大臣にお伺いをしたいんですが、日本はいろんな経緯があってイラク自衛隊派遣したわけでありますけれども自衛隊派遣する前の段階では、当然、国家として、派遣した場合に国際社会において日本がどのようなメリットを受け、どのようなデメリットを受けるのか、あるいは、派遣しないというふうに判断した場合には逆にどのようなメリットがあり、どのようなデメリットがあるのかということを当然比較考量して最終的な政治決断をされたと思うんですが、この点について、どのような比較考量をなされたのかということについて、改めてお伺いをしたいと思います。
  36. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 当然のことではございますけれどもイラク復興に積極的に貢献することが日本国自身の国益に合致すると、こういう判断をトータルではしたわけでございます。  もう少し具体的に申し上げますと、まず、イラクという国と日本とのかかわりを考えましたときに、一番分かりやすい例でいえば、原油の九割弱をこの地域に、中東地域に依存をしているという現状、これを見たときに、この地域の安定に直結するイラク復興というものは正に日本の重要な国益にかかわることだというのが一つあると思います。  それから、イラクが、言うなれば破綻国家とでもいうんでしょうか、テロの温床になるということは、これは日本だけではなくて国際社会全体としても、国際社会の平和と安定にとって深刻な事態になるということから、この国が国家としてきちんとやっていけるような体制作りに日本支援するということが大切であると。  それからもう一つは、多くの国がイラクの国家再建を支援をしていると、これは安保理の決議にもあるとおりでございますけれども、多くの国が支援をしている中で日本がこれに参加をしないということにもしなりますれば、これは日本の国家としての信頼性というものを著しくおとしめることになるというようなこともあろうかと思います。  さらに、イラクの国民に着目したときに、やはり大変なサダム・フセインの圧制の下で苦しんでいた国民が解放された。今、確かに暫定政府という形で、仮の政府の統治の姿でありますけれども、来年からはいろいろな政治プロセスが始まり、選挙が行われ、憲法が成立をし、そして国家としてきちんとした姿に仕上がっていく。  そういう中にあって、一時的にせよ、イラクの国民がいろんな面で大変な、例えば水がない、あるいは治安も確保されない、あるいは必要な経済活動もできない、電力も足りない等々の、そういう人々の苦しみに対して、私どもがそれを黙って見ているということにはやっぱりならないわけであって、そこに日本としてできる限りの最大限のことをしていこうということで、私どもは車の両輪と言っておりますけれどもODAを中心とする資金援助、それから自衛隊を中心とする人を通じての援助をやっていこうと、こういうことでイラク支援をできる限りやっていくと、そういう中の一環としての自衛隊の位置付けというのがあると、私どもはそう考えております。
  37. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 何となく分かったような気もしますが、もうひとつしっくりこない部分もありまして、今幾つか御説明いただいた中で、デメリットとしては、世界各国が支援する中で、今日本がそれに参画しないと信頼を失うというような、そういう趣旨のお話もありましたが、もう少し具体的なデメリットとして、自衛隊派遣した場合には国民に人的被害が出るかもしれないというデメリットは想定していなかったんでしょうか、あるいは想定していたんでしょうか。  これは、自衛隊派遣の僕は是非論をしているわけではないんです。いかなる政策も、決断をするときにはメリットとデメリット、プラスとマイナスを冷静に分析することが政府に求められていると思いますので、つまり自衛隊派遣した場合には今回のような人的被害が出ることもある程度想定をしていたのか。言い方を換えますと、自衛隊派遣しなければ今回のような民間人の被害は出なかったと思われるのか。この点についてお伺いしたいと思います。
  38. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) イラク治安情勢につきましては、自衛隊派遣する以前から決して、安全であるかどうかと言われれば、ほかの国々と比べてもそう安全だと言える状況にはない。そういう意味での邦人の安全について、予断を許さない情報にある、状況にあるというふうに政府も認識をしておりました。したがいまして、自衛隊派遣される前の昨年の二月十四日から継続してイラク全土に退避勧告というものを出しております。  そういう認識の中で私どもとしては自衛隊派遣をするという判断をしたわけでございまして、あらかじめどの程度の人的被害が出るかということを想定したかと言われると、それはなかなかお答えするのが難しゅうございますが、決して安心して出せる状態ではないと。だからこそ、逆にそういう一定の危険が想定されるからこそ、自己完結的に、かつ自らを守る能力のある自衛隊というものの存在が必要であろうと。もし完全に安全な状態であれば、それは民間の方々、企業の方々、NGOの方々、こういう方々イラク復興支援に当たるという選択肢も十分あったんだろうと思いますけれども、それはそういう状態ではないがゆえに自衛隊の皆さん方の御努力にまとうと、自衛隊の皆さん方に大いに汗をかいてもらおうと、こういうことで政府としては自衛隊派遣を決定したと、こういう次第でございます。
  39. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 深い御回答をいただいたんですが、退避勧告を出したというお話がありましたので、つまり退避勧告を出したということは、人的被害が出るかもしれないというふうにデメリットとして認識をしていたと、そういうふうにはっきり言っていただいた方が、国民に対するより明確な注意喚起になると思うんです。それは仮定の話ですから、余りこれ以上この問題を詰めるつもりはありませんが。  しからば、今度は自衛隊について、自衛隊には派遣時において、一年間派遣すると、場合によってはどのぐらいの人的、物的被害が出るかもしれないということを想定していたのか。現にほとんど被害出ていないわけですから、それはそれで大変結構なことだと思いますが、事前にどの程度を想定していたのかについてお話を承りたいと思います。
  40. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 防衛庁長官といたしましては、隊員の安全確保義務があるわけでございます。  どういう状況の下に活動しているか。これ、まず非戦闘地域ということでございます。非戦闘地域の中で治安情勢はどうかということで、治安情勢、非戦闘地域、治安情勢等を勘案いたしましてサマワ活動してもらっていると。サマワも、度々繰り返して申し上げておりますけれどもイラクの中では最も治安のいい地域である。  安全確保のためにはどういうことをやっているか。これは敵に塩を送るようなことに、手のうちを明かすようなことになりますので明確には申し上げれませんけれども、例えば監視装置している、空中監視装置もある。自爆テロが車で攻めてきたら、それは防御できるようにジグザグなこともやっている、ジグザグな構えもしている。あらゆる、考え得るあらゆる安全装置は、安全措置はいたしております。  したがいまして、今後もこのようないかなる事態に応じても安全確保が全うできますように、隊員の方でも、現場に応じてどういう行動を取るか、この訓練もやっております。したがいまして、今回の例えばあの弾、ロケット弾、迫撃砲弾、これは夜中のことでございますけれども、何人かは歩哨というか監視のために起きておるわけですけれども、どういう場合にすぐ退避する、こういう訓練もしているところでございます。  安全確保、これは一番大事な問題であって、その上で人道復興支援という大変崇高な使命をやっているわけでありますから、そういう意味合いで安全確保、ちょっと直接のお答えにはなりませんけれども、直接のお答えになりません、なりませんけれども安全確保については十分配意している、このことを申し上げたいと思います。今後ともその配慮はいたします。
  41. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 まさしく直接のお答えはしていただけなかったわけでありますが、いや、今みたいなところを私はもう少し、もう率直に国民にメリット、デメリット、想定される物的、人的被害、このぐらい最悪の場合にはあるかもしれないということを開陳していただいた上であれば、国民もより深い認識ができますし、いざ自衛隊派遣に賛成するあるいは反対するというときにもそれなりの覚悟のある判断をできると思うんですが、安全確保については万全を期していますという話は、それは分かります。しかし、先ほども申し上げましたように、国内問題、例えば経済の話であっても外交、防衛であっても、それがいずれも政府の政策、公共的な政策である以上、共通することは、政策を打つときには定性的な分析と、これをやった場合のメリット、デメリット、やらなかった場合のメリット、デメリット、定量的な検証はできる範囲ではやっておくべきだと思いますし、そして、ある程度国民に対してその情報を開示すべきものは開示する必要があるというふうに思っておりますので。  今日、通告をさせていただいた一点目、二点目の質問に関して、もちろん明確なお答えがいただけないというのは想定の範囲内でありますけれども、しかし、今の防衛庁長官のお話ですと、じゃ一体防衛庁長官は、自衛隊に被害が出ることも覚悟の上で自衛隊を出したのか、いやいや、絶対に出ないということを前提に国民に語り掛けたのか、そこが全然分からないんですよね。だから、是非そこはもう少しお答えいただければ幸いでございますが。
  42. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 先ほど、イラクにおきましてサマワというのは比較的治安が安定していると、このことを申し上げました。  それから、住民との関係でございますけれども自衛隊の隊員が例えば学校の補修をする、そうすると小学、学生が、子供たち自衛隊が通ると手を振ってくれる、非常に関係がいい。それから、住民との間でも、自衛隊の方でいろいろな七夕祭りをやったりして、住民との間にもう壁がなくなっている、溶け込んでいると、こういう状態を作っている。  しかも、例えば、せんだって日本を訪れましたムサンナ県のハッサーニさんという知事さんは、自衛隊を家族のように思っている、こういう発言もありました。また、私の方からは治安を是非ともお願いしますということに対して、治安を守ります、こういう発言もありました。  そこで、治安は他の、他の場所と比べて大変いいわけでありますけれども、ただただ私は重く、重く受け止めておりますのは、四月に二回、八月に四回、十月に二回、ロケットなり迫撃砲が自衛隊宿営地方向へ向かって飛んできている。そのうち二つはどうも自衛隊の、一回目は自衛隊の中の南部で発見されましたし、二回目の場合はまだ弾は発見されておりませんけれども自衛隊の中ということでございます。これはもう本当に重く受け止めておかなきゃいけない。それに対してその背景をきちっと調査情報収集していかなきゃいけない。  今日も実は、改めて私は、情報収集、例えばオランダ軍にも協力願う、住民の皆さんからも情報を取る、それからムサンナ県の治安当局からも情報を取る、改めてそういうことをきちっと新しく依頼してくれと、こういう指示を出しておりますけれども、この弾が飛んでくるというところだけですね、どういう意図を持ってやっているのか、信管がないというのは一体どういう意図があるんだろうか、だれがやっているんだろうか、こういうことを情報をきちっと取ってまいりたい。  それからもう一つは、今のような状態であれば、今のような状態の弾であれば、上から来ようが下から来ようが、全部夜間ですから、夜間はほとんど宿営地の中で宿泊しております。そういう状態の中では、今のような状態の弾であれば、上から来ようが横から来ようが安全であると、このことだけは、いろんなことを申し上げたいんですが、その相手方の問題あり、手のうち示すようなことがありますので、そこまでは申し上げたいと思います。
  43. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 議論がちょっとスライスをしてきましたので、しからば、せっかく非戦闘地域、戦闘地域の区分について長官がお話しくださいましたので、事前にお示ししています六番目の質問に移らせていただきますが。  戦闘地域、非戦闘地域を区別する判断基準として長官は四つの条件を国会で述べられていたかのように思いますが、あるいは長官が述べられたのではないかもしれません。私の認識では、現に受けている攻撃が継続性を持っているか、組織性を持っているか……
  44. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 前の長官
  45. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 前の長官ですか。  そして、計画性を持っているか、そして国際性を持っているかというこの四つの条件が判断基準だというふうに記憶をしておりますが、その点は間違いないでしょうか。
  46. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 継続性、国際性、計画性、その他あると思いますけれども、四つの要素があると思います。しかし、それはすべて総合的に判断していくものであり、戦闘地域、非戦闘地域ということにつきましては法律上きちっと、特措法上きちっと明記されております。  一々申し上げませんけれども、やっぱり戦闘行為というのは、国際的な武力紛争の一環として行われる、人を殺傷し、物を破壊する、損傷する、破壊するという行為であります。その主体を成すものはやはり国又は国に準ずる者ということであります。そういうことを総合的に勘案して非戦闘地域というものが出てくる。その非戦闘地域というのは、やはりなぜそういう概念を、憲法上の制約でございますが、概念が必要かといいますと、やっぱり戦闘地域で活動するということは大変危険なことでありますし、もう一つは、活動すれば武力行使と一体化になってしまう、こういう疑いも持たれてまいります。  したがいまして、そういう意味で非戦闘地域、大変重要な概念であります。その非戦闘地域が四つの要素、これもそういう議論は当然国会でやっておりますけれども、私はやはり、その要素を一つ一つ見ることは大事でありますが、総合的に判断する、これが大事だと思っています。
  47. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 総合的に判断すること自体は私も賛成でありますが、先ほども長官御自身がおっしゃいましたように、四月から既に八回の攻撃と思われる行動が行われている。そして、私が新聞で読んだ限りでは、二日の参議院の外交防衛委員会長官御自身が、今回は一部少数の組織力のある勢力による攻撃かもしれないということを認めたと新聞には書いてありました、そういうふうに。  こう考えると、先ほどの四条件のうち、継続性と組織性はだんだん具備されつつあるというふうに考えてよろしいですね。
  48. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 継続性については、今回まで八回ですから、それはいろんな言い方があると思います。判断の仕方があると思います。それから、組織性ということは、いろんな情報を総合しますと、一部少数勢力あるいは部族の一部かなということも情報としてあります。そういうことを申し上げたわけでございまして、組織性ということについて具体的に申し上げたつもりはございません。一部の勢力、こういう言い方でございます。
  49. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 長官御自身が具体的におっしゃったかどうかということもさることながら、前長官から業務を継承しておられるわけですので、前長官が掲げられた四つの判断基準のうち二つについては、一年前に比べるとこのムサンナ県においても少し懸念が出てきたと。そして、計画性という三番目の観点でいうと、これはまあこれだけ継続性があり、そして組織力、組織性が出てきたということは、論理的必然として計画性もある程度具備されてきたなというふうに私は感じる次第でありますが、そうするとあとはその国際性という四つ目の条件になるわけですが、その観点で、通告している質問の順番が前後しますけれども、今回の砲弾やその前のロケット弾が一体どこの国の兵器で、どのぐらいの流通をしているものが攻撃をした側に使われたかとか、そういう情報というのはその四番目の国際性を判断する上でも非常に重要だと思うんですが、今日の冒頭の外務省防衛庁からの御報告でも直近の砲弾については詳しい報告はなされませんでしたけれども、一体あの砲弾はどこ製の兵器か、お答えになれますか。これは政府参考人でも結構ですが。
  50. 大古和雄

    政府参考人大古和雄君) ロケット弾で申しますと、八月二十一日に、失礼しました、十月二十二日に撃たれたものにつきましては、宿営地内でロケット弾は発見されておりまして、百七ミリ砲だと思われますけれども、どこ製のものかということは分かりません。
  51. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 本当に分からないんですか。それは国家としてその兵器の製造元、本当に分からないんですか。
  52. 大古和雄

    政府参考人大古和雄君) 宿営地内で発見しましたのはロケット弾だけなんですね。兵器全体のシステムではございませんので、防衛庁としてもどこ製のものかは分からないということでございます。
  53. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 いや、冒頭申し上げましたように、私は一国民として今日聞いていますので、この国民の生命と財産の安全を守る、安全保障をつかさどる役所が、日本に向けて使用された兵器が一体どこ製のものかすら分からないというようなことは、これは一国民として私が今テレビを見ていたらぞっとしますね、これは。これは、例えばこれがアメリカ製であったとしても、ソ連、ロシア製であったとしても、だからアメリカがどうだとかロシアがどうだとかって、そんなことは言うつもりもないです、いろんな形で流通していますので。  ただ、この戦闘地域、非戦闘地域の判断基準の一つに国際性ということを掲げられるならば、日本に向けて使用された兵器についてのトレースというのはきちっとされるべきだと思いますが、もう少し詳しい情報を開示していただけませんか。もうこれでは「NEWS23」見ていた方がよっぽど詳しい情報が分かりますからね。
  54. 大古和雄

    政府参考人大古和雄君) 百七ミリのロケット弾につきましては、旧ソ連製のものがあったり、それがソ連の友好国がコピーで作ったりとか、いろいろございますけれども、今回宿営地内で発見されたロケット弾について、防衛庁として特定のものだ、国のものだと、製造のものだと断定できる根拠は持っていないということでございます。
  55. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 だから、百七ミリ砲というのは、どちらかといえば東側、旧東側の国で使っていた口径だということは分かっているわけですから、そのぐらいのところまでは最初のところできちっと言ってくださいよ。中学生や高校生でもミリタリーに興味のある人たちは知っていますよ、そのぐらいのことは。  そういう、本当に国会を、これは財金でもいつも申し上げているんですけれども、これだけ大勢の大人が集まって物すごい高いコストの言わば人件費を費やしてやっている会議ですから、付加価値のない議論なら集まる意味がないですね。これは、政府参考人はその辺はしっかり自覚して御答弁をいただきたいと思います。  その上で、先ほど田村委員派遣延長にかかわる部分の質問をちょっとなされておりましたので、私もそれについてお伺いをしたいと思うんですが、まず、現在の派遣期限十二月十四日、これは延長するのかしないのか、これからまさしく議論をするわけでありますが、仮に延長しないという判断をする場合、これは十二月十四日までに自衛隊員が完全に撤退完了しているということを意味するんでしょうか。
  56. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 十二月十四日が基本計画期限でございます。したがいまして、十二月十四日までは給水活動等をやっている、十五日はやっていない、これが期限の意味でございます。したがいまして、十四日で、十五日でやめまして、それから、これ仮定の話今やっていますけれども、十五日から出発して何日か掛けて帰国してくると、こういうことでございます。
  57. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 そうすると、派遣を延長しない場合は十四日以降は活動しないということで、若干撤退についての期間は要する、これは常識的な判断だと思います。  じゃ、しからば、仮に延長するという御判断をされる場合ですけれども、この場合は次の派遣期間というのはどのぐらいに設定をされる可能性がありますか。現在のお考えで結構です。この最初基本計画と同様に一年なのか、あるいはもっと長いのか、もっと短いのか、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
  58. 大野功統

    国務大臣大野功統君) どのぐらいの期間延長するか。まず、延長するかしないかがまずあって、それからの問題でございます。現段階で申し上げることはできません。ただ、延長するとなればどのぐらいのニーズがあるんだろうか。しかし、一年、これまで一年だったから一年ということが目安になって、どうするんだろうか。これ、今からの検討課題になりますので、今の段階で申し上げるわけにはいきません。
  59. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 今からの検討課題だということは私も理解していますが、しかし、検討するに当たっての与件というのが幾つかありますね。例えば、先ほど田村委員との議論の中で出てましたオランダ軍の問題ですね。オランダ軍は三月十五日に何らかの判断をされるわけであります。ということは、三月十五日にオランダ軍はいなくなる可能性もあるわけであります。  しからば、私が防衛庁長官であれば、大変僣越でございますが、延長する場合でもまず三月十五日までの延長で区切りを付けるべきだと。もちろん、その先再延長もあると思うんですよ。それはなぜかといえば、三月十五日より先に期限を、延長の期日を設定してしまった場合にまずいことが生じるからですが、それは、まずいことというのは長官はどのようにお考えになりますか。
  60. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 人道復興支援といいますのは、やはりイラク復興の道のりがどうなっているんだろうか、そして民生はどの程度安定していくんだろうか、他の国際機関あるいは他の国がどの程度やっていて、日本はどの程度の協力、貢献をしていけばいいんだろうか、イラクの新政権がどういう判断、要請をしてくるんだろうか、いろんな要素があると思いますね。私は、治安の維持、オランダ軍が今担当しております治安の問題につきましては、いろんなことを検討してやっていけばいいのであって、期限の問題というのは、今申し上げましたように日本がどこまでやったらこのイラク人道復興支援が、イラク復興が可能なんだろうか、こういう観点からやはり考えていくべき問題ではないか。  しかし、余り長くなってもそれは大変ですから、申し上げましたように、今、国際情勢とか他の国の協力具合とか新政権、イラクの新政権の意図とか、そういうことを要素にして、しかし今申し上げる段階ではないということを再度繰り返さしていただきます。
  61. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 いや、長官、私は今具体的な方針を示してほしいと申し上げているわけではなくて、与件として考えられること、日本がもし三月十五日より先の延長まで決めてしまうとまずいことが起きるかもしれませんというその頭の体操をさしていただいているわけでありまして、仮に日本が、例えば六月だ七月まで期限を延長してオランダ軍が撤退すると言っちゃった場合には、三月十五日以降、ムサンナ県においては治安を守る人たちがいない中で自衛隊活動しなければいけなくなる可能性がありませんか。それについてはいかがですか。
  62. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 先ほども申し上げましたけれどもイラク南東部の全体の治安の責任、これはイギリス軍がやっております。そういうことも含めて、やはり手だてを、治安維持の手だてをこれから考えていかなきゃいけない。治安、三月十五日という区切りよりも、私が申し上げたいのは、やはりイラク人道復興支援のために日本がどこまでどういうふうに考えるか、こういうことを申し上げております。  なお、安全確保は絶対、責任としてやってまいります。
  63. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 南部においてイギリスが統括しているというのは私も存じ上げております。したがって、オランダ軍がいなくなったから、即イギリスも関係なくなるわけではありませんので、長官のおっしゃることも理解はできます。  ただし、ムサンナ県は今、現実にオランダ軍が守っているわけでありますので、私が申し上げたいのは、派遣延長の是非ではなくて、論理的に、防衛庁長官として、あるいは政府として派遣期間の延長を考えるならば、次の区切りという節目に三月十五日は非常に重要な節目だということを申し上げているだけで、三月十五日にするべきだとも私はまだ言っていません。ただ、やはりそういう、オランダ軍が一時的にいなくなって、イギリスが守っているとしても、空白期間が生じるかもしれないということを念頭に置く、それが派遣延長の期間を考える上での与件の一つだということを申し上げているんです。  じゃ、しからば、別のお話もお伺いしたいんですが、これは政府参考人でいいですけれども、国連決議の一五四六の十二項というものに、ものには何が書いてありますか。
  64. 吉川元偉

    政府参考人(吉川元偉君) 先生お尋ねのはイラクの開発基金についての言及だと思います。
  65. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 いや、違います。一五四六の第十二項。
  66. 吉川元偉

    政府参考人(吉川元偉君) 申し訳ありません。間違ったことを申し上げました。  御指摘の一五四六のパラ第十二項には、多国籍軍の権限について書かれております。
  67. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 これは、イラク政府の要請に基づき、又は本決議の採択の日から十二か月の時点において見直されることというふうに書いてありますが、十二か月というのは期日はいつになりますか。大事なところですよ、ここは。
  68. 林景一

    政府参考人(林景一君) 決議一五四六は六月の八日、日本時間で九日でございますけれども、に採択されておりますので、それから一年後ということでございます。
  69. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 いや、おっしゃるとおりなんですよ。この一五四六は去年の、あっ、今年の六月八日に決議されていますから、一年後というと来年の六月八日。私が申し上げたいのは、もう長官お分かりいただけると思いますが、三月十五日には治安維持について状況変化が起きるかもしれない、そして今度は六月八日については多国籍軍の権限について状況変化が起きるかもしれないわけです。  そうすると、一年前に基本計画を立てたときに一年先までコミットするのと今度の延長のときに六月までとか十二月までコミットするのとは、ちょっとその与件が違うんですね。  そういう意味でもう一つお伺いをしたいと思いますけれども、これも参考人でいいです。特措法の附則の二項、三項には何が書いてありますか。
  70. 増田好平

    政府参考人(増田好平君) お答えいたします。  附則の二条、三条についての御質問だと存じます。
  71. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 はい、はい。
  72. 増田好平

    政府参考人(増田好平君) 二条、三条は、この法律の失効、イラク特措法の失効に対する規定でございます。  読み上げますと、二条は、「この法律は、施行の日から起算して四年を経過した日に、その効力を失う。ただし、その日より前に、対応措置を実施する必要がないと認められるに至ったときは、速やかに廃止するものとする。」。  それから、第三条は、「前条の規定にかかわらず、施行の日から起算して四年を経過する日以後においても対応措置を実施する必要があると認められるに至ったときは、別に法律で定めるところにより、同日から起算して四年以内の期間を定めて、その効力を延長することができる。」。
  73. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 もう一つ協力してください。  国連決議の一五四六の四項については、イラクの今の政府がいつまでに何をすると書いてありますか。
  74. 林景一

    政府参考人(林景一君) 要点でございますけれども、二〇〇四年六月三十日までに統治権限を引き受ける主権を有するイラク暫定政府の設立、その後、イラクの社会の多様性を反映した国民会議の開催、可能であれば二〇〇四年十二月三十一日、遅くとも二〇〇五年一月三十一日までの暫定国民議会の直接選挙の実施、暫定国民議会はイラク移行政府の形成及び二〇〇五年十二月三十一日までの立憲政府につながるイラクの恒常憲法の起草の責任を有する。  以上でございます。
  75. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 私が是非長官にお伺いしたいのは、この一五四六が決議されたのは六月八日、したがって今の基本計画ができた後なんですね。で、この一五四六ができたことによって、今御説明くださったように、来年の十二月三十一日までにイラクというのは新しい民主国家になるはずだというストーリーで今進んでいるわけですよ。その一方、特措法は、さっき読み上げてくれましたけれども、できた時期が時期ですので、附則において期限は四年と、「ただし、その日より前に、対応措置を実施する必要がないと認められるに至ったときは、速やかに廃止するものとする。」と。  ところが、論理的に考えると、この国連決議の一五四六に合わせて特措法は、別に今確約していただく必要ないですよ、現時点では、この決議一五四六との整合性を考えれば、来年の十二月三十一日で廃止するのが筋だと思うというところまでは正しいでしょうか。いや、お考えで結構です。
  76. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 今後、国連決議がどうなっていくのか、新たな国連決議が出てくるのかどうか、こういう問題は頭の中にしっかりと入れておかなきゃいけないと思います。で、例えば国連決議が六月八日にでき上がって一年ということであれば、そういうことも頭に入れておかなきゃいけないのかな、いろんなことを頭に入れながら考えていかなきゃいけないなと、難しい問題だなということを今考えております。
  77. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 同じことを外務大臣にもお伺いしたいんですが、どのように考えますか。この特措法の期限とこの国連決議が今想定しているストーリーの時間的な整合性についてどのようにお感じになりますか。
  78. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 先ほど来から大変貴重な御示唆にある御意見を承らしていただいておりますが、確かに今の形式は、多国籍軍という形式の中に入って、しかし指揮権は独自に持っていると、こういう形式を取っております。じゃ、多国籍軍がなくなった後に自衛隊の今行っているような人道復興支援活動というのが要らなくなるかどうかという実態も、一つは見る必要があるんだろうと思います。  もちろん、その時点で十分な、例えば水道、今、給水というのは大きな、浄水、給水というのは大きな活動としてやっておりますけれども、もうその時点で、依然として、その当該地域のそういった国民の日々の活動に必要なそういうインフラができていない、まだまだ自衛隊協力をしなければいけないというようなことになりますと、これはPKOの活動で行くのかどうするのかということの議論が分かれるかもしれませんが、更に日本として自衛隊の能力を活用して必要なそういう活動というものがあり得るのかもしれないなとは思います。  ただ、その場合は、今のイラク特措法という形で出すのがいいのかどうか、そこはもう少し頭の体操というか、よく議論をして考えてみなけりゃいけない課題であろうと、こう今私は直観的に思っております。
  79. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 私は、財金の方でも出口問題にかかわっていまして、今経済の方では二つの出口問題がありまして、一つは日銀のゼロ金利政策やこの超金融緩和をどうやってエグジットするのかという出口問題があります。それから、今郵政が議論になりつつありますが、郵政の議論の本質というのは入口の話ではなくて出口の話でありますので、出口というのが最近頭にこびりついていて、今日この委員会でいろいろ頭をつらつら悩ませていたら、これまた出口の話なんですよ。  私が申し上げたいのは、いろんな事情があって今イラク自衛隊派遣しているのは、これは事実としてやむを得ないと思いますが、しかしそれによって、冒頭の質問に戻りますけれども、これは私の考えですが、自衛隊派遣していなければ恐らく民間人の方が被害に遭う確率は低かったと思います。  そういう中にあって、なるべく日本国民にそういうリスクを負わせないような国家の運営をしなければならないということは、このイラク問題についての出口を、可能性のある出口を幾つか最初から設定しておかないと駄目なんですよ。  そう考えれば、例えば十二月十四日の派遣延長の問題についても、まあこれは総理がお答えになる話かもしれませんけれども、例えば次の節目は諸般の事情を考えると三月十五日だ、その次の節目は六月八日だと、その次の節目は来年のイラク政府ができる二〇〇五年の末だと。更に言ってしまえば、四年先で法律は切れることになっているからそこが節目だとか、あらかじめ出口について対外的にコミットメントをしておくことが、日本として国際社会に対して説明責任を果たすことと国民に過剰なリスクを負わせないというその両方の面で必要なことだと思いますが、この点、この点について外務大臣の御意見を伺いたいと思います。
  80. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 一般論としては、私は今議員が言われたことはよく理解できます。恒久法ではなくて時限法であるという性格も御指摘のとおりであろうと思いますし、自衛隊もずっと向こうにいるということは、それはございません。  例えば、最近の例で、これはちょっと違うかもしれませんが、東チモールでもこれもどこまでいる必要があるんだろうかという議論が相当あったわけであります。あるいは、これは私が前、外務政務次官のときに、大変な台風が、ハリケーンが来まして、そこへ医療援助に行ったんですね。ところが、すばらしい自衛隊医療チームを出したんでありますけれども、向こうはもうとにかくいてくれ、一日でも長くいてくれと、もう大変な要請が来まして、現にもう、変な言い方だと大はやりなんですね、すばらしい医療サービスができるもんですから、テントの中なんですけれども。さあこれいつ出ていくかというと、もう明らかにそのハリケーンの被害でない普通の病気の方々がどんどんどんどん来てしまって、立ち去れずに立ち去れず本当に困ったというようなこと。  だから、おっしゃるとおり、どこの出口を求めるのかということは非常に重要なポイントでありますし、今回延長するかしないか、もし延長するに当たってはその出口をどこの辺に置いたらいいかということは、当然これも考えながら総合判断をしていくべきことであろうと、私もそのように思います。
  81. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 大変建設的なコメントをいただいたと思うんですが、もちろんこれは、ここで答弁されたからといって、決断されるのは総理ですから、後でじっくり議論をしていただければいいと思うんですけれども、今後の延長議論において三月十五日というのは一つの節目だと思うという現時点でのお考えを、外務大臣長官として同意をしていただけるかどうかというのが、今後、総理との議論においてですね、それが一つの検討ポイントになるわけですので、改めてお伺いしますが、やはり私は、今回もし派遣延長を決めるならば、まずは次の延長期限は取りあえず三月十五日とするべきだと思いますが、いかがでしょうか。  お二人にお伺いしたいと思います。
  82. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 再三申し上げているように、総合判断だろうと思いますが、一つの考え方としては、これは私は、パウエル長官とのやり取りの中で、別に延長を前提にした話じゃございませんけれども、オランダ軍の話が出たのも事実でございます。  そのときパウエル長官が言ったことを、まあちょっとここで言っていいのかどうか分かりませんが、まあしかし必要な、重要なポイントだと思いますから申し上げますが、力の空白ができるということはあり得ないと。それは、あの地域はアメリカではなくてイギリスが担当しているというのは分かった上での話ですが、力の空白ができるということはあり得ないというふうにパウエルさんは言っておられたことは、私にとっては大変印象的な言葉であったということを申し上げさせていただきます。
  83. 大野功統

    国務大臣大野功統君) あらゆる要素を念頭に検討して、考えてまいります。
  84. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 誤解のないように申し上げたいのは、私は別に派遣延長を賛成しているわけではありませんので、その派遣延長については先ほどの四条件、戦闘地域、非戦闘地域のこの四条件のうち三つが満たされつつある中で、四番目、国際性というのがどういう定義か、これも議論のあるところですが、これを重々よく議論すれば派遣延長すべきではないんではないかという気持ちを今持っておりますが、まあ仮に延長するにしてもという話だということは是非御理解をいただきたいと思います。  その上で、今、力の空白はあり得ないということを外務大臣はおっしゃったんですが、だからこそ三月十五日が重要なんです。私が自衛隊をねらっているテロリストであれば、仮にオランダ軍が撤退するということを表明した場合には、その三月十五日前後、攻撃しやすいなと思いますよ。それは、そのときにどういう状況になっているか分かりませんから一概に申し上げられませんが、力の空白を生じさせないためにも、アメリカに対してもイギリスに対しても、日本も三月十五日を区切りにすると。  したがって、仮にオランダが撤退するということになった場合には、そのときの治安維持の機能の円滑な移行がなければ日本自衛隊協力することはできないということを言いやすくなるわけですよね。力の空白を生むリスクを減らせるわけですよね。そういう意味もあって、やはり三月十五日、六月八日、来年の十二月末、まあひょっとしたらその後についても幾つかの時間的な注視すべきポイントが出てくるかもしれませんけれども、是非そういうことについて与件をきっちり整理をして御対応いただきたいなと。何となく、前が一年だったからまた一年というようなことのないようにお願いをしたいというふうに思います。  その上で、今、将来の話をしていましたけれども、過去にさかのぼってちょっとお話をお伺いしたいと思いますが、これは外務大臣にお伺いしたいと思います。  結局、是非は別にして、現実に今、自衛隊イラクに行ってしまい、そして国民に被害が出ているのは事実でありますので、まあ随分議論し尽くされた話かもしれませんが、自衛隊派遣する前に、イラクが大量破壊兵器を保有していると、その蓋然性が高いという前提で日本アメリカ協力する形を取ったわけでありますが、アメリカの議会の報告書、もう御承知のとおりでありますので、改めてお伺いをしますが、イラクが大量破壊兵器を保有していると当時認識していた政府の認識は、これは間違いだったというふうに今お認めになりますでしょうか。
  85. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) その時点での政府判断は、実際にイラクが過去に大量破壊兵器を使用したという事実があったこと、これはいろいろくどくどしく説明しなくても既にクルド族への使用等々が言われておりますが、それから国連の査察団の指摘、これは例えば二〇〇三年の三月六日付けの国連監視検証査察委員会報告あるいは一九九九年一月の国連大量破壊兵器特別委員会報告などなどございます。これらの指摘している数々の未解決の、当時にしてみると未解決の問題というのがあったわけでありまして、したがって、この対イラク武力行使が開始された当時に大量破壊兵器があると想定するに足る十分な理由があったからこそ政府は累次の答弁をしたというふうに私は理解をしております。
  86. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 当時はそういう認識をしていたというのはよく分かります。したがって、現時点においてその当時の認識が間違っていたという整理でいいですかということをお伺いしているわけです。
  87. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 実際に武力行使が行われて初めて実はその時点で存在しなかったということが分かったわけでありまして、もし武力行使がなかりせば、今日に至るも依然としてそういう疑惑がずっと続いているという状態が続いていたわけでありまして、したがって、私は武力行使が直ちに正当化されないということにはならないと思います。そして、私ども日本政府は、武力が、その大量破壊兵器があったかなかったかということは、分かりやすい説明としては使ったかもしれませんけれども、もう少し論理的に言いますと、ここは、これも累次、当時の総理大臣等が言っておりますけれども、かつて大量破壊兵器を使用したことのあるイラクが安保理決議に従わなかった、累次の安保理決議に従わなかった、そして国連査察団が大量破壊兵器をめぐる疑惑を否定し得ないというそういう状況の下で、要するに累次の安保理の決議に従わずに、最終的にその安保理の決議を拒絶したということからして武力行使が行われた。  だから、私どもは、この国際の平和と安全を維持するという観点からの安保理決議に基づいた行動であるということで、その正当性を私どもは認識しているのでありまして、現実に大量破壊兵器があったかなかったかということだけで判断したわけではない。安保理決議に従って行動をされたものについて私どもはそれを承認をした、支持をしたということでございます。
  88. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 今、その開戦当時からの政府見解をずっと何かこう整理していただいて恐縮なんですけれども、そのとおりなんですよ。開戦当初はイラクが大量破壊兵器を持っている蓋然性が高いと、これはもう当時の政府見解です。最近の小泉首相は何を言っているかというと、イラクが国連決議に従っていれば戦争は起こっていなかったということを言っておられるんですね。  町村外相御自身は二日の衆議院の本会議で、我が党の藤田議員の質問に対して、仮にイラクで武力行使が行われなかったならば、大量破壊兵器疑惑から生ずるイラクの脅威は現在も続いていたと、こういう御答弁をされたわけでありまして、この答弁に関しては翌日の新聞は、だんだん自衛隊派遣の、あるいはその開戦の正当性の根拠がこう変わってきているというふうに、これは私が言っているんじゃないんですよ、新聞がそういうふうに書いているんです。  じゃそこで、いや私は冒頭申し上げましたように、もうこの外交防衛というのは、例えば私自身もイラクが安全地域なのかどうなのか分からないんですね、自分では。分からない人が分からない人に聞いて議論をしているんですよ、これ。ここが、この例えば銀行の問題でしたら私はある程度銀行で何が起こっているか想像付きますから、エビデンスもありますから、具体的な議論ができるんですけれども。  じゃそこで、やっぱり私は、この分野の政策論議というのは過去の間違いから学ぶということがなかったら、また同じことを繰り返すと思うんですね。  そこで長官、ちょっと想像力たくましくして思い浮かべてほしいんですけれども、ここに一人の子供がいるとします。ここに一人大人がいます、怖い顔をした大人が、柳田先生のような顔かもしれませんけれども。で、この大人がこの子供を殴り掛かろうとしている。そこに長官しかいません。その長官はどういう行動を取られますか。
  89. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 柳田先生が怖い顔をしているとは思いませんけれども、もし子供に殴り掛かったら、私は直ちに柳田先生の腕を止めに掛かります。
  90. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 いや、正しい行動だと思います。別に柳田先生と言っているわけじゃないですよ、柳田先生のように怖い顔をしていたらという話をしているんですが。  ただ、止めに掛かった、その大人に何をするんだと言って長官がまあ言わば逆に一発食らわした、その時点では正しい行動です。ところが、後で、実はお父さんだった、子供は悪いことをしてお父さんにしかられるところだったということが判明した。その大人を殴ったこと、止めに入ったことに対する正当性をどのように主張されますか。
  91. 大野功統

    国務大臣大野功統君) どういう想定の下の御質問かちょっと理解できませんけれども、私は、止めに掛かった段階で、柳田パパは恐らく、おれは親だと、これで解決だと思います。
  92. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 いや、どういう想定かというと、つまり……(発言する者あり)いや、くだらないことじゃないんですよ。いいですか。この止めに入ったときは、止めに入られた行動は正しいんですよ。しかし、後でこれがお父さんだと分かったら、まあ余計なことをしてしまったかもしれないけれども、あの時点での判断は正しかったと、私もそれをサポートします。  イラクで起きていることは、少なくともそれと同じことではないかということを申し上げたいんです。大量破壊兵器があるかもしれないということで、アメリカ協力して今の活動を始められた。それ自体は、もしその証拠があれば正しいことだったと思います。  ところが、今証拠が出てきてないわけですから、少なくともあの時点での判断は間違っていたかもしれないけれども、今現実に既にイラク自衛隊派遣してこういう状況になっているんだから、それは仕方がないといって過去の間違いをはっきり認めていただいた方が議論が建設的に進むということを表現したいために申し上げているわけですが、それについてのお考えはいかがでしょうか。
  93. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 正しい、米英の行動を支持したことは、私は正しいと思っています。  ただ、情報がなかった、情報が間違っていたと、これは私が柳田先生がパパであるということを知らなかった、こういう情報の不足だと思います。  そこで、ブレア首相も言っておりますとおり、情報の過ちにつきましてはおわびをする、間違いであったことを認める、ただし、あの武力行使が間違っていたということであれば、あの過去においてやったこともその時点で正しかったし、今もあの時点でやったことは正しいと思うと。私はそのとおりだと思っています。
  94. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 外務大臣にもお伺いしたいんですが、その政府見解の推移というのはさっきもう大臣自身もおっしゃいましたし、私も整理したとおりですが、もう一回、この一般国民の気持ちでお伺いをしますけれども、あのとき、国民に大量破壊兵器があることはほぼ間違いがないという説明をして国民に支持を求めたのは間違いであった、しかし今現在こうしてイラクにかかわっていること自体は、そのときの判断が間違いであったとしても、私たちは正しいと思うので御支援いただきたいと、こういうふうに説明していただけると、考えさせられるんですよ。  ところが、あのときの判断は間違いだったでしょというふうに聞くと、小泉さんも含めてそれについては直接お答えにならずに答弁が変わっていくという、この論理のすり替えをやっているとまた同じような外交上の過ちを繰り返すかもしれないということを申し上げているわけで、イラク派遣したことの是非を今言っているわけではなくて、外交における思考パターンの、あるいは国民に対する説明のパターンのあるべき姿を外務大臣にお伺いをしたいと思っているんです。  外務大臣のお考えを聞かしていただけないでしょうか。
  95. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) イギリスやアメリカは自らの情報収集能力があって、その自らの情報収集したそれに基づいて判断をしたわけですね。その情報収集は間違っていた、そこは謝罪をする。しかし、だからといって武力行使そのものは何ら謝罪するわけではなくて、むしろ国際社会の平和のためには必要だったという先ほど大野大臣の答弁、私はそのとおりだと。  じゃ、日本はどうか。残念でありますけれども日本は自ら、大量破壊兵器の有無について自らの手で調査をしたわけではございません。また、調査する率直に言えば能力もございません。私どもは、じゃ何に基づいて判断したかというと、それはあくまでも国連に出された、先ほど累次申し上げたいろいろな調査委員会調査資料、報告、それに基づいて私どもはそういう判断をしたわけであります。だから、その時点で私どもとしてはその判断が間違っていたとは思わないわけであります。  そしてそれは、そういうことを背景にしながら、しかし武力行使そのものはどういうことで私どもが正しいかとその時点で申し上げたかといえば、支持発言をしたかといえば、それは累次の国連決議に違反をしているイラク、しかも、言うならば、かつて罪を犯し、例えがまたいいかどうか分からない、執行猶予付きの人間がまた罪を犯したんだから当然執行猶予が取り消されるという意味での武力行使の支持という意味で私は今日もなお正しかったと、こういうふうに判断をしているわけであります。
  96. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 堂々巡りになりますのでこの辺でやめさせていただきますが、私が申し上げたいのは、過去の判断や行動の間違いは間違いだったということを素直に認めた方が国民の理解が進む場合もあるのではないかということを問題提起させていただいているということでありますので、是非御理解いただきたいと思います。  しかし、そういう国民とのコミュニケーションがなければ、やはりどうしても、じゃそのとき判断した証拠は何だったんだという、こういう言わば議論に発展しがちなわけでありますので、最後に一つ、やはりその証拠というかエビデンスにかかわる質問をさせていただきますが、先ほど来、特措法であるとか国連決議を幾つか引用させていただきましたが、今年の六月十八日付けの閣議了解の中に、これはお手元にお持ちかと思いますけれども、これは、イラクの主権回復後の自衛隊人道復興支援活動についてというタイトルでの閣議了解ですが、引き続き自衛隊が多国籍軍の司令部の下にはあるが司令部の指揮下に入るわけではないということについて、多国籍軍及びその統合された司令部の主要な構成国である米英両政府我が国政府との間で了解に達しているというふうに、こう書いてあるんですね。何を了解に達していて、その了解に達したエビデンスというのは何かということについて御説明をいただきたいんですが。
  97. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 六月十八日の閣議了解を受けて、また国会でも当時いろいろ議論があったようでございます。追っ掛けて六月二十一日に、これはまた文書で公表し、国会にもお出しをした文書がございまして、我が方の在英国大使館公使とイギリス外務省高官との間で、また在米国大使館公使と米国国務省高官との間で下記の内容について公表することを了解したということで、一、二、三、四、五と五点あります。これ全部読み上げてもいいんですが、ちょっと時間の関係で、これらの点について了解を取れたということを国会にも御報告してございます。
  98. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 今のこの閣議了解については、そのようなやり取りがあったからこそ言ってみればその後の、この件に関してだけ言うと議論が紛糾しないわけでありますので、元に戻りますけれども、大量破壊兵器があるないのああいう部分についても、エビデンスをちゃんと国民にあるいは国会に御提示いただくということが議論を紛糾させないやはり非常に重要なプロセスだと思いますので、これから派遣延長にかかわる議論が行われると思いますけれども、その際においても、戦闘地域、非戦闘地域についての判断基準に資する、判断をする上で資する資料をお出しいただいて、あるいは情報をお出しいただいて、野党も納得のできる御議論をしていただきたいということをお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
  99. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。  まず、冒頭、香田証生さんがお亡くなりになったことにつきまして、心からお悔やみを申し上げたいと思います。  これは申すまでもないことでございますけれども政府におかれましては、やはりこういった事件、日本民間人があのような残虐な形で殺されるということがあったわけでございますので、この再発の防止にあらゆる努力をしていただきたいというふうに思っております。  私個人といたしましても、二〇〇〇年の三月に初めてイラクに一度参りまして、それ以来四回イラクに行ってまいりました。昨年の十二月には神崎代表と一緒にサマワにも行かせていただいたわけでございますけれども、私のイラクに四回行きまして印象を申し上げれば、二〇〇〇年の時代はサダム・フセインがまだいたころでございますけれども、その当時も今も、基本的には普通に町歩きますと平穏な雰囲気がほとんどでございました。  しかしながら、サダム・フセインの当時、私はイラクの北部のクルド人自治区に入ったわけでございますが、ある日突然、フランス人のNGOのスタッフが一人で作業をしておりましたら拉致をされまして、翌日、頭を撃ち抜かれて殺されているのが発見をされた事件が私が滞在していた町でございました。  今もバグダッドでも日本人に限らずいろいろな拉致、誘拐といったものが起こっておりますし、殺害も起こっているということでございますので、私、マスコミもいろんな角度からのイラクに関する報道あるわけでございますが、是非日本の国民の方々に、このイラクの危険性のこの中身というか質といったものについて、しっかりと政府側も努力をしていただいて、普通に歩き回って、平穏に見えるところはたくさんありますから、例えば、私、イラクのバグダッドにベースを置いている日本人のジャーナリストとお話をしたときには、よく日本報道を見ていますと、道路上で爆弾が突然爆発して米兵が殺される、あるいは負傷するという事件が毎日のように場合によっては報道されておるわけですが、で、毎日のように報道されていたときに、私がそのバグダッドにいる日本人の友人に、あなたはこの一か月間、道路で爆弾が爆発しているのをバグダッドで見たこと自分であるかと聞いたら、一度もないと言うんですね。ですから、そのマスコミの報道だけ見ていますと、あたかも毎日のようにどこかで爆弾が炸裂をしていて、バグダッドに滞在していればだれでもそれを見ていると思いがちですけれども、実際はそうではない。  他方で、実際に拉致、誘拐をされて殺される方も出てくると。そういう非常に、はっきりありていに申し上げれば治安が悪いという状況でございますので、その点を国民も政府もしっかり認識をして、正しい情報の共有というものが必要だというふうに申し上げたいと思っております。  ただ、今回、政府テロに屈しないという姿勢を取ったことに対しましては、私はそれを支持する立場でございます。なぜならば、やはりこの民間人を拉致、誘拐をして、政府を脅して国の基本政策を変えることができるということが分かれば、これはイラクだけの問題じゃないと私は思っております。世界じゅう今、日本民間人はおるわけでございますし、残念ながらテロ組織も世界じゅうにあるわけでございますから、これはイラクに限らず、ほかの国でも可能性としては起こり得るということを考えましたときに、やはり政府としてはテロ組織に対しては強い姿勢で、毅然たる姿勢で臨まなければいけないというふうに思っております。  さて、質問に移らさせていただきますけれども、まず町村外務大臣にお聞きをしたいと思いますが、先日の我が党の党大会の採択した政策文書の中でも、イラクムサンナ県での日本の貢献を念頭に、自衛隊活動、それから、今ムサンナ県では外務省ODAも川口前大臣時代から前倒しでやっておるわけでありますが、ODA、そして将来的には、これは治安の回復が前提ですけれども、NGOによる人道復興支援活動。この自衛隊活動外務省ODA、そしてこのNGOの活動を有機的に連携をさせて、そしてこの日本の総合的な援助効果というものをやはり高めるということを制度化するということに着手をすることが大事なんではないかということを我が党としても政策文書の中で初めて書かせていただきました。  町村外務大臣よく御存じのとおり、東チモールでは自衛隊活動ODAとそしてNGOの活動のいろいろな連携の可能性というものが模索された事例が既にあるわけでございますが、外務大臣としてこういった方向性を模索することについてどのような御見解をお持ちか、お聞かせください。
  100. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 先般の公明党の全国大会での政策課題、国際テロ時代における新しい平和主義という文書を私も拝見をいたしました。御趣旨につきましては私も全く同感でございまして、自衛隊活動、そしてODA、さらにはNGOとの連携と、それらを総合的に、有機的に活用して日本国際社会のために積極的な貢献をしていくと、私ども全くそう思っております。  一、二の例を申し上げますと、既に、今ムサンナ県のお話が出ましたけれどもムサンナ県の水道局に給水車の供与をODAによってやっておりますけれども、この給水車は、陸上自衛隊宿営地に隣接する運河から引いて浄水した水、これをそのODAで供与した車によって一般の皆さん方に使ってもらっているという例もございます。  あるいは、医療分野で申し上げますと、ムサンナ県内の四大病院ODAを活用して医療器材等を供与したり、あるいはサマーワの総合病院の修復等をODAを活用してやっておりますけれども、その病院自衛隊の医官が、その供与された医療器材の使用方法でありますとか、診断とか、治療技術を言わばオン・ザ・ジョブ・トレーニングのような形でやっていると。既にそういう活動が部分的ではございますが始まっておりますので、今後更に、今お話のあったNGO、もうちょっと平和になりましたら活動していただきたいと思っておりますが、そことODAとの連携ということも十分念頭に置いて取り進めるべきであろうと、私もかように考えております。
  101. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 ありがとうございます。  次に、防衛庁長官にお伺いをしたいと思いますが、最初にこのロケット弾、十月三十一日、現地時間で午後十時三十分、日本時間で一日午前四時半に、ごろにロケット弾が着弾をしたと。この事案について防衛庁が概要を公表されたのは十九時間後であるということでございます。また、その前の十月二十三日のロケット弾の着弾の際は、ちょっと短いんですが、しかしながら概要公表までに十五時間半掛かっておると。さらに仄聞するに、この理由として防衛庁の方では、この同じ日の夕方発生した新潟県中越地震に対応していたために概要公表が遅れたというふうな釈明をしたというふうに聞いております。  しかしながら、この新潟県の地震の対応で自衛隊の皆さん活躍されたことはもう大変高く評価するわけでありますが、そのこととイラクロケット弾の着弾の概要公表が遅れたことをリンクするのはちょっといかがなものかと思いますし、さらに、地震が発生したわけでないその後のロケット着弾についてはさらに十九時間掛かったということで、ちょっと、まあ早ければいいということではございませんし、誤報してはいけないという配慮もあったかと思いますけれども、もう少し迅速に公表できる体制がなかったのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
  102. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 今、遠山先生御自ら、誤報があってはならないという配慮かなと。そのとおりでございます。正に、隊員の人命、人身にかかわることでありますから、やはり正確を期して発表したい、こういう思いが我々にはあります。  したがいまして、十月二十二日の件について申し上げますと、ロケット弾を発見する、当該ロケット弾の安全性を確認する、着弾の状況を見る、爆発音等との関係を見る、さらに、その背景は何だろうか、やはりそういう作業を経てという思いがございます。したがいまして、遅れてしまったということでございます。  さらに、新潟県の中越地震でございますが、これはもうそんなこと全く関係ございません。これはこれできちっと、両方別の問題ですからきちっとやってまいります。  それから、十月三十一日の件につきましては、何さまなかなか弾が見付からない、弾を見付けてからという思いがあったわけでございます。今、いまだに見付かっておりませんので、これも本当に時間を浪費したのかなとは思いますけれども、やはり我々としては、どうも宿営地内に着弾したとすれば、その弾を十分発見してからこういう正確な情報をお伝え申し上げたい。身体に影響する問題でございますので、繰り返しになりますけれども、誤報があってはならない、正確な報道を申し上げたい、こういう気持ちで遅れてしまいました。  このような、今後このような事案が発生した場合には、事実関係をきちっと確認して、した段階で、全貌がすべて分からないとしても、その段階でこういうことですよというような発表ぶりも検討していかなきゃいけないのかな、こんな思いでございます。
  103. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 正に誤報はあっちゃいけないと思うんですが、ただ、最近はマスコミが先に先行していろんな報道されて、それに基づいて、はっきり言うと、国会議員も何かマスコミの報道でやや踊らされたりしているところがあって、後から聞いたら全然違うじゃないかということもありますので、それはやはり防衛庁自衛隊そのものですから、そこから中間的な報告でも出していただくと、そういった報道の混乱による混乱は避けられるかなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  最後に、防衛庁長官、もう時間がないので一点だけ。  細田官房長官が二日の記者会見で、先ほどの戦闘地域にかかわる話ですが、攻撃してくる相手がはっきりしてなくても、その攻撃の形態によっては戦闘地域になる可能性がある、つまり、自衛隊サマワから撤退しなきゃいけないような状況があり得るといった趣旨の発言をしたという報道が翌日あるわけでございますが、私は、これは防衛庁長官の今までの御答弁とも食い違っておりますし、従来からの政府の答弁ともちょっと違うのではないかと。あくまでも国又は国に準ずる組織が武力紛争の一環としてやった行為が起こらなければこれは戦闘地域と呼べないと思うんですが、この点について簡潔にお答えいただきたいと思います。
  104. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 戦闘地域、非戦闘地域についての考え方は従来どおりであります。何ら変更ございません。  官房長官の御発言でございますけれども、国又は国に準ずる者による行為判断し得るケースもあり得るという意味での御発言ではなかったかと、このように思う次第でございます。  繰り返しになりますが、そういうものと判断し得る場合もあるのではないかと、こういう趣旨の御発言でありまして、何ら解釈は変わっておりません。
  105. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 終わります。
  106. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 イラクでの米軍の軍事作戦についてお尋ねいたします。  ファルージャ等での掃討作戦が無辜の一般市民におびただしい犠牲を出している、これは限られた報道の中でも明らかだと思います。イギリスの医学誌ランセットは、市民十万人の犠牲者を出していると伝えているほどでもあります。  テロリストの掃討といいながら、実際には無辜の多数の市民を犠牲にしている米軍の作戦、外務大臣にお尋ねしますけれども、率直にどう思われますでしょうか。
  107. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) もとより、一般市民に被害が出ない方がいいという意味では、全くそれはそのとおりだろうと思います。  ただ、現実に一月の選挙に向けてある種の緊張が高まっており、先ほどどなたかの御指摘にもあったように、来年の年末までにしっかりとした憲法に基づく政府ができる、その言わば整々粛々としたプロセスをいかに妨害するのかという観点から様々なグループが様々な活動をしているということでありまして、言わばそうした王道を歩む行為に対する妨害行為をいかに排除していくのかということであろうかと思います。  したがいまして、一時的なそうした被害、混乱があったとしても、私は長い目で見たときのイラクの真っ当な国づくりという際に、米英軍を中心とした武力行使が今なおあるわけでございますけれども、それはある意味ではやむを得ない部分もあるのかなと、こう考えたりもしております。
  108. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 一時的な混乱があってもやむを得ない、私はこれはやはり言ってはならないことだと思うんですね。大臣おっしゃられたように、このイラクにおける政治プロセス、これをきちっと全うする上でも、正にこの米軍の軍事作戦というのは大きな問題になっているわけです。  ファルージャの事態は今や暫定政府の中の対立まで生む、そういう事態になっているわけですね。現地では、一番直近でいうと十一月一日の夜から二日未明にかけて、米軍が空爆を実施いたしました。住民代表にテロリストを引き渡せと要求して、従わなければ大規模な軍事作戦を実施するという方針が今問題になっております。これについて、イラクのヤワル大統領は、軍事作戦は逆効果、力ずくでの解決方法は効果がないと述べて交渉継続を主張している、そう言われています。  イラクの完全な独立に向けて作られた暫定政権が米軍の作戦によってこのような形で分裂する、あるいは意見の対立が生まれる。私は、このように、米軍の作戦そのものが大臣が言われたような目的ということがあるかもしれないけれども、しかし実際にはこういう大きな対立を生んでいる。私は、イラクの今後の政治プロセスにとってもやはり非常に重大な事態を生み出している、そう思います。  大臣、いかがですか。
  109. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) その今、イラク暫定政府のどなたか分かりませんが、発言の一つ一つについて私は承知をしておりませんので、この際、コメントはいたしません。
  110. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 だれそれじゃなくて、ヤワル大統領がそう述べているんですよ。やはりそういう事実をきちっと押さえていただきたい。米軍の行動は逆効果だと言っているわけですよ。そして、こういう無辜の市民を殺傷する軍事作戦はやめてほしいと言っているわけですよ。そのことをお尋ねしております。大臣
  111. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 御意見として承っておきます。
  112. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 私は、そんなことじゃ済まない問題だと思うんですね。やはり今の事態をやはり外交をつかさどる大臣として非常に軽視されている、あるいは甘く見ていると言わざるを得ないと思います。  イラクでは、米軍が占領を開始した当時というのはやはり今とは全く違った雰囲気がありました。私も現地で見てまいりました。しかし、今日では、イラクの国内の世論調査を見ても、米軍は撤退せよ、これが六六%にも達している。米軍の駐留とその作戦が一般市民に対してどういう影響を与えているか、このことは非常にはっきりしていると思うんですね。反米感情を高めてきたわけですよ。  こうした現実を直視して、やはり外務大臣としてもやはりイラク問題を考えていただきたいし、やはりイラク政策をどう進めるのか、その点についてやはりきちっとした見解を持っていただく、正にこうした事態を真剣に考えることが問われていると思います。その点、いかがですか。
  113. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) 例えば米軍の駐留に対する評価というものがイギリスのオックスフォード・リサーチ社による世論調査が出ておりますけれどもイラクを解放したと見る向きが五〇・三%ということになっておりまして、そういう評価が出ておる。あるいは、最近の日常生活、良い悪いで聞くと、良いという方が七割を超えていると。やはりだれしもがかつてのサダム・フセインの圧制下に戻りたくないということの表れだろうと、こう思っております。  また、十月十四日に、小泉首相とイラクのサーレハ副首相が来日されたときの会談で、副首相はこう言っておられます。かつて武力行使に反対していた人々は、武力行使の結果としてイラクでは内戦が勃発し、人道危機が発生し、国として一つにまとまることができずイラクは分裂するだろうと主張していたが、実際にはそうしたことは起こっていない、こういう発言もございます。
  114. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) 質問の時間が経過をいたしております。
  115. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 はい、最後です。  大臣、やはり現実をしっかり見ていただきたいと思います。やはり今のイラクというのは、明らかに反米感情が高まる、そういう事態が進んでいるわけですよ。ですから、私は、米軍の様々な行動がそういう事態を招いている。イラクのグラウンドで今起こっていることが、国連のテーブルで作られた計画を実施できないほど多くの矛盾を生んでいる。しかも、イラク政府の中で大きな矛盾を生んでいる。このことをしっかり見極めていただきたい。そして、そういう立場を、そういうことを直視して政策を進めていただきたい、このことを要望して質問を終わります。
  116. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 時間がありませんので、端的に質問させていただきます。  まず、外務省にお伺いいたします。  在日米軍基地所属の各部隊あるいは日本の港湾を母港とする米艦船が現在イラクへどれくらい派遣されていますか。また、そのうち日本に帰還した部隊があれば、いつ、どれくらいの規模で帰還したのか、把握している範囲で結構でございますので御説明ください。
  117. 海老原紳

    政府参考人(海老原紳君) 在日米軍のどのくらいが具体的にイラク派遣されているのか、あるいはそのうちどのくらいが戻ってきているのかというような米軍の運用につきましては、我々承知する立場にないわけでございますけれども米側が発表しているということで申し上げれば、主要な部隊としましては、本年の初め、二月から三月にかけまして派遣された第四海兵隊連隊の三個歩兵大隊約三千人、あるいは本年八月に派遣をされました第三十一海兵機動展開隊約二千二百人ぐらいがあるものと承知をいたしております。  また、第七艦隊というお話がございましたけれども、これまた米側の説明によりますれば、空母キティーホークが昨年の二月に中東地域への派遣命令を受けまして、五月には横須賀に帰港したというふうに聞いております。また、その他ミサイル巡洋艦カウペンス、同じくミサイル駆逐艦ジョン・マッケーンもイラク派遣されたことがあるというふうに承知をいたしております。
  118. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 沖縄からイラクへ出ております海兵隊は帰ってきたでしょうか。そして、帰ってこないとすれば、今後帰ってくる可能性はありますか。
  119. 海老原紳

    政府参考人(海老原紳君) 先ほど申し上げました、沖縄に駐留をしておりました海兵隊約五千二百人が現在イラクに駐留しているというふうに承知をいたしております。沖縄の方に帰ってきたということは聞いておりません。米側の説明によりますれば、いずれは沖縄に帰ってくる予定であるというふうに聞いております。
  120. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 いま一つ北米局長にお伺いします。  昨日の外交防衛委員会で、外務省に対して、米軍の再編に関する米側の提案内容につきましてお尋ねしましたところ、海老原局長は、まだ具体的なものは全くないという趣旨のお答えでございました。しかし、二〇〇四年今月号、十二月号の諸君の共同通信の久江記者の解説文によりますと、今年の八月一日の時点で米政府日本政府に対して、米陸軍第一軍団の座間への移転、それから米空軍横田基地のグアムへの移転等を提案していると具体的に示しております。それから、先日私がお尋ねしました下地島空港の問題についても極めて具体的に解説しておりますが、こういうことは全く外務省としてはつかんでおられないわけですか。そして、可能性としてもそのようなことはあり得ないと断言できますか。  と申しますのは、先日も申し上げましたように地域住民は非常に不安がっておるわけですよ。もしそういうことがないとすれば、いたずらに地域住民を不安がらせる必要はないと思いますが、この点、いかがでございましょうか。
  121. 海老原紳

    政府参考人(海老原紳君) これは度々、町村大臣からも御答弁されていることでございますけれども、現在、米軍の再編の問題について、米側とは情勢認識等の基本的な論点についての議論、これを行うとともに、在日米軍の兵力構成につきましてもいろいろなアイデアについて議論を行っているという段階でございまして、提案というような形でのやり取りはないということでございます。  将来どうかというようなことでございますけれども、今後とも兵力構成の在り方については、最も適切な構成は何かという観点から米国側と話し合っていきたいというふうに考えておりますので、今後の議論を予断するということは差し控えさせていただきたいと思います。
  122. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 防衛庁にお伺いいたします。  細田官房長官は二日の午後の記者会見で、サマワの陸自の宿営地が砲撃された件に触れて、組織的な武力、武装勢力でなくてもこうした攻撃が相次げば、自衛隊活動する非戦闘地域の要件を満たさなくなる可能性もあり得るとの考えを示されました。  そこで防衛庁長官にお伺いしますが、この間二回宿営地内にロケット弾が着弾したわけですが、たとえ攻撃の相手が不明であっても、今後更にこのような攻撃が相次ぐ事態が出た場合、イラク特措法第九条の隊員の安全確保への配慮義務の点からして長官はどのような立場をお取りになりますか。
  123. 大野功統

    国務大臣大野功統君) まず、現在サマワが非戦闘地域である、戦闘地域になったという判断はできません。非戦闘地域であるということであります。それからもう一つ、今後、治安の問題を十分考慮して隊員の安全確保を図らなきゃいけません。それは長官に、防衛庁長官に課せられた重大な責務でございます。  で、治安全体は比較的いいんでありますが、もう本当に重大に受け止めなきゃいけないのは、あのロケットなり迫撃砲がここ八回ばかり、どうも自衛隊宿営地の方へ向けて撃ってきているという事実でございます。その背景が何なのだろうか。去る二十三日の事件の場合は、なぜ信管を抜いてあったんだろうか、なかったんだろうか、いまだに、調査中でございますけれども具体的には分かっておりません。  で、安全確保はもう何度も申し上げておりますけれども安全確保、万全を期しております。先ほども御答弁申し上げましたので繰り返しませんけれども、もし仮に、今は安全です、今は安全確保を十分やっております、しかし仮に治安が悪くなる、具体的な判断としては隊員の安全が確保できなくなる、こういう状態になれば当然撤退なり、活動の中止あるいは撤退なりを考えていかなければならないと思っています。
  124. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 ありがとうございました。  終わります。
  125. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) 午後二時三十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時三分休憩      ─────・─────    午後二時三十分開会
  126. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) ただいまからイラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、若林秀樹君が委員辞任され、その補欠として芝博一君が選任されました。     ─────────────
  127. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) 休憩前に引き続き、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動等並びに武力攻撃事態等への対処に関する調査のうち、イラクにおける邦人人質事件に関する件及び十月二十二日及び十月三十一日のサマー宿営地における事案に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  128. 阿部正俊

    ○阿部正俊君 自民党の阿部正俊でございます。短時間でございますけれども質疑をさせていただきます。  総理、大変、我が委員会に御出席いただきましてありがとうございます。御苦労さまでございます。  最初に、人質事件ということでございますが、香田さんがイラクで武装組織に誘拐されて殺害されたと。誠に残念でございます。心から香田さんの御冥福をお祈りする次第です。  ただ、全く関係のない、罪のない日本の若者を人質に取りまして、あえて残虐非道な手段で殺害をして、国の主権でございます自衛隊派遣ということについて変更を迫るというふうなものは、誠に道理が通らないということであり、深いというか強い憤りを覚えるものでございます。  そういう中で、今回の事件の処理に当たりました政府対処の仕方、総理の対応の仕方、それぞれ適切なものであったというふうに私は考えております。  さて、今日はそれも含めてイラクの問題について、最近の状況等について、二、三、短時間でございますので総理の簡潔な御答弁をちょうだいできればというふうに思いますので、お尋ね申し上げます。  第一点は、現在約八百名の隊員がイラクあるいは、まあ、イラク復興支援の任務に当たっているわけでございますけれども、この自衛隊派遣ということはいろんな考え方、評論がございますけれども我が国自身の判断で、我が国自身の言わば広い意味での国益といいましょうか、自主的な判断で行ったんだということを、やはり再度確認しておかなきゃいかぬことなんじゃないかというふうに思っています。  ただ、そうはいいながら、派遣してから相当の期間もうたちます。あと、御存じのとおり、せんだって大統領選挙も、深くかかわりのある米国の大統領選挙もありました。いろんな意味での状況変化もございます。  そういう中で、今改めまして我が国がなぜこのイラクに、ある意味では苦しい道でしょう、だけども行かなきゃいかぬというふうなことでの一つの自衛隊派遣ということをやっているわけでございますので、その自衛隊イラク派遣し、復興支援協力していくというふうな我が国の立場、考え方、これからの展望ということについて簡潔に改めて総理にお語り、国民に向かって話してもらいたいというふうに思います。言わば、嫌々ながらやるんじゃないんだというふうなのが基本だと思うんです。我が国としての、つらいけれども勇気ある決断といいましょうか、という中での苦渋の選択ではないかと思いますので、そうした趣旨での御発言総理からの口から語ってもらいたいと、こんなふうに思います。よろしくお願いします。
  129. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 短く言えということですが、これは説明すればかなり時間を要する問題なんですが、できるだけ短くするように努めます。  まず、イラク復興をどう考えるかと。  イラクに安定した民主的な政権が作られることが望ましいということは、与野党、私は共通した見方を持っていると思います。そういう中で、じゃ日本は何ができるか。今、このイラク支援アメリカ始め世界各国が手を引いたらイラクの状態はどうなるか、正にテロリストの思うつぼであります。だからこそ、イラク開戦の経緯に当たっては、意見の違いもありましたけれども、現状において国連で全会一致で、イラクに安定した民主的政権を作るために各国がそれぞれの国にふさわしい支援をしようということで、全会一致の決議が国連で採択されたわけであります。  日本としても、世界の平和と安定の中で日本の安定と発展があるんだということを考えれば、イラクイラク人の手によって安定した民主的政権作ってほしいと、それで現在イラク暫定政府ができて、イラク人が自らの国づくりに立ち上がっております。それに支援の手を差し伸べるというのは、世界の平和と安定の中で日本の安全と繁栄があるんだということならば日本にふさわしい支援の仕方があるんではないかということで、人的支援と資金的支援、いろいろ日本にできることをやろうということから、日本は、アメリカやイギリスと同じように治安活動とか武力行使ということはしない面で人的支援があるのではないか、また資金的支援があるのではないかということでやっているわけであります。  今、外交官なり民間人が殺害された中で自衛隊が手を引いたら、ほかの企業とか民間人支援できるかというと、なかなかそういう状況ではありません。自衛隊イラク人の皆さんと協力しながら人道支援復興支援に、サマワに赴いて連日汗を流しております。そして、来年一月には選挙が行われます。そういう中で、私はイラク暫定政府の大統領なり首相なり、あるいはサマワ地域の知事なりに、それぞれ直接話を聞き、会談をいたしましたが、すべてが自衛隊支援に高い評価を与えて謝意を表明しております。継続してくれと要望もしております。  そういう中で、我々としては、ようやく、イラク人が今一番苦しんでいる、テロリストたちと戦っている、この妨害に負けない、そういうときに、苦しんでいるときに日本ができるだけの支援をするということは、将来、ああ一番苦しいときに日本イラク人の安定した政権を作るために手を差し伸べてくれたな、イラクの友人だな、苦しい中、自分たちとともにイラクの国づくりに支援してくれたということを考えるならば、今の時期に私は手を引くべきではないと。  サマワの地域においても、バグダッド等ほかの地域に比べれば比較的安定しております。そういう中で、政府としては、資金的な支援あるいは物質的な支援と同時に、自衛隊人道復興支援、地域の住民と協力しながらやっていくのが日本の将来の国益、それから現在の日本の立場、日本の国力にふさわしい、日本にふさわしい支援の仕方として適切ではないかなと判断しております。
  130. 阿部正俊

    ○阿部正俊君 残された時間三分でございますので、二点まとめてお聞きしますので、一言総理からお答えいただければと思います。  一つは、いわゆる開戦の大義について。何か大量破壊兵器が発見されないということは、いかにも何か大義なき戦いのように言われていますけれども、ここで一番大事なことは、数年前でございます、その前でございますが、イラク・フセイン政権は大量破壊兵器を製造し、所有し、しかもかなりの殺害に使用したという実績があって、そこから事が始まっているということをやはりどんな場合でも確認しておくことが大変大事なんじゃないかと。ただ、あるかないかだけで、あればオーケーで、なければ駄目だというものではないということについて、そう思っておりますけれども総理のお考えをひとつお聞かせいただきたいということ。  それからもう一つは、やはり国際的な協調ということ、どうしても必要だと思います。国連決議が全会一致で行われましたけれども、その後の理事国の、常任理事国の活動などを見てますと、必ずしも皆さん積極的な感じではないと、残念ながら。日本もこれから常任理事国入りの態度も表明しておりますけれども、そういう面からも国際的な協力が、打って一丸となれるような形を作るように御努力いただきたいなということ。  それから三点目が、十二月十四日というのがいかにも何か、何か派遣期限のように言われておりますけれども、私は、法律上はあくまでも四年間の時限立法でございますが、十二月十四日というのは閣議決定の言わば期限でございまして、派遣期限とは全く別物ではないかなと、こんなふうに思っていますので、そこのところを明確にしていただければと思っていますが、以上三点について簡潔にお答え願えればと思います。  ありがとうございました。
  131. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 一分以内でこの三点に答えろというのは難しいんですけれども、まず、過去にイラクは大量破壊兵器を使用した経緯がある、だからこそ一連の国連決議で、ないということを証明しなさいと、これを生かさなかった、それが第一点。そして、今回、各国それぞれがふさわしい支援をしようということでありますから、私は十二月十四日の件につきましては、その時点で総合的に判断して継続すべきかどうかを判断すればいいのではないかと思っております。
  132. 阿部正俊

    ○阿部正俊君 終わります。
  133. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 民主党・新緑風会の齋藤勁でございます。  折しも今日、先ほど、イラク人質になって亡くなられた香田証生さんが告別式ということで、心から本当にお悔やみ申し上げたいという、御冥福をお祈り申し上げたいと思いますし、御家族の方に心からお悔やみを申し上げたいと思います。そして同時に、このイラクにおけますこの戦争でもう多くの方々が命あるいは財産を失われております。一日も早い本当に平和がイラク全土にということを心から願わざるを得ません。  今の議論を聞いていますと、総合的に総理、このいわゆる基本計画期限切れとなります十二月十四日、今の答弁で総理自身は自衛隊の引き続き派遣延長決意を申し出られたと、表明したというふうに受け止められそうな答弁だったんですが、いかがですか。
  134. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 私は、今答弁いたしましたように、十二月十四日、自衛隊活動を継続するかどうかというのにつきましては、まだ時間があります。そして、サマワ状況もよく見なきゃならないと思います。特に現在、一月に選挙が行われるためにできるだけイラクの治安を回復したいというイラク暫定政府の意向と、そして多国籍軍の中でも選挙実施に向けて武装勢力の排除をどう進めようかと。一方では、武装勢力にとっては、いかにこの選挙を妨害するかということに大変重点を入れていると思うのであります。  片っ方で治安を回復するという努力と、この回復させまいとする勢力との争いというのは予断を許さない。極めて大事な時期に直面しておりますので、私どもとしては何とか一月の選挙を成功させたい。そういう中で十二月になりますと、これからますますそういう妨害勢力も必死に抵抗してくると思います。  そういう状況をよく見て、サマワの地域、こういう地域の情勢がイラク特措法にかなっているかどうか。そして、イラク国民が今自分たちの民主的な政権を作るために立ち上がっている、継続してくれという要請、要望、こういうものをわきまえて、なおかつ日本がここまで支援してきたと、イラク国民に失望させてはいけない、安定した政権を作る努力に手を抜いてはいけないという点もあります。そういう点を総合的に考えて判断するのに、今はっきりと十二月十四日以降もするんだと、あるいはしないんだという状況ではないと、まだ時間があるというふうに考えております。
  135. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 今、総理から若干総合的にイラク状況認識も含めて答弁いただいたんですが、私の質問に対しての部分でいいますと、総合的ということと、サマワ派遣をしているわけですからサマワの治安の状況ということに今一番気掛かりだということで、これは一致する、多分すべての国民が心配していることじゃないかと思います。これ、後ほどもう少し深くお尋ねいたします。  二点だけ先にちょっと、全体的な認識についてどういうふうに、見通しに立っているのか伺いたいんですが、特に暫定統治機構以降の治安状況について、全体的にどういうふうに見ているのか、悪化しているのか、悪化していないのか。そして、もし悪化しているとしたらなぜなんだろうかということについて、今いみじくも選挙そのものが本当に執行できるかどうか非常に不安でしようがないという、そういうような発言もあったと思うんですが、そうなると、当初のもくろみから外れているんではないかということにも立たざるを得ないわけで、そしてそのことと併せて、今後イラク全体が治安についてどういう見通しに総理自身立っているのかということが一つ。  もう一つ。過日、盟友でありますブッシュ大統領が再選をされました。このことに関しまして、ブッシュ大統領が第一声でもう、テロとの戦いというのを再び第一声で発言されてニュースのテロップに出ておりますけれども、この再選がされたということを踏まえまして、政府自身、アメリカがこの対イラク政策に対して変わっていく、変わっていかない、どういうふうに見解を取っているのかどうか。そして、我が国自身の対応について、新たなブッシュ政権との、この政策、イラク政策に関する考え方について、基本的な点でありますので述べていただきたいと思います。
  136. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) サマワ状況とこのブッシュ政権の今後の姿勢ということだと思いますが、アフガニスタンもようやく妨害勢力と戦いながらも選挙が行われ、カルザイ氏が大統領に当選いたしました。この間二年掛かっているわけでありますが、私は、イラクにおきましてもこの民主的な政権を作るために一月に選挙を行おうとしている、この状況に、先ほどもお話ししましたけれどもイラク人は、多くのイラク人は、これは妨害勢力は中にはイラク人の武装勢力、フセイン政権の残党もあるけれども、むしろ外から入ってくれる、入ってくるテロリストグループ、これは自分たちも許すことはできないし、イラク人と見てくれるなということを心ある人たちは言っております。  そういう、この選挙をイラク人の国づくりのために役立たせたくない、妨害したいという勢力との戦いというのは、どのような見通しかというのは今の時点ではっきり見通すことはできませんが、失敗は許されないと。この暫定政権が一月に選挙を断行しようということについて、選択は成功しかないということをはっきりとイラクの今の政府の要人たちは言っております。  そういう中での、先ほど言った妨害勢力とこの選挙を成功させようとするイラク暫定政府、多国籍軍、国際社会の展開ですが、私もこの問題につきましては失敗は許されないと思っています。選択は成功のみ。もしイラクテロリストの拠点を作って今多国籍軍が撤退するということになったら、もう世界の平和と安定にとって大きな脅威であります。だからこそ、この一月の選挙への成功に向けて、国際社会が一致しようということで今やっているわけでありますので、これは何としても成功させたいと思っておりますので治安が、安定させるような努力を今後とも必要だと思っておりますし、日本は治安活動はいたしませんけれども、そういう面から人道支援復興支援あるいは資金的支援、物質的な支援をしていきたいと。  同時に、私は、ブッシュ政権が再選されて、これからこのイラクの問題にも大きくかかわってくるわけでありますが、ブッシュ大統領と会見する際にはいつも国際協調の重要性を私は申し上げました。だからこそ、先般国連で、イラクに対して各国が支援をするというときには、フランスもドイツもロシアも中国も含めて全会一致のイラク復興支援の決議が採択されたのであります。これは、アメリカがいかに国際協調体制を重視しているかの典型的な一つの例だと思います。  そういう中にあって、私は、ブッシュ政権も国際協調の重要性を十分認識しておりますし、日本政府としては国際協調と日米同盟を両立させる、これはもう外交政策の基本であります。こういう点については、イラクの安定政府を作るためにも国際協調が欠かせないという認識を持っております。この点は、私は齋藤議員とそう大きな違いはないと思っております。
  137. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 さてそこで、イラク状況認識はいろいろやり取りしたいんですが、全体の時間限られていますから、いわゆる今日の議論はやっぱりこの十二月十四日ということで、今も議論ございましたが、この法律そのものはもっと長いわけですけれども、今のこの基本計画という部分で十二月十四日ということで、サマワ状況認識ですね。  この間の衆参の委員会とか、総理の本会議での答弁をずっと拝見させていただきますけれども、非戦闘地域と戦闘地域ということが、この国、国及び準ずる者、者ということで、ずっとこのことが戦闘地域、非戦闘地域の線引きの議論としてありましたが、それはそれで議論としてあるけれども、この自衛隊の隊員の生命、危害、まああるいは、等を含めて、サマワにおける治安、このことが延長、派遣を引き続き延長するかどうかの大きな判断の、総合的判断の中のポイントを占めているということで、このことについてやはりある程度の見通しが立たないと踏み切れないということを選択肢の大きな課題にしているというふうに総理の答弁から、あるいは大臣からの答弁で判断されるが、そういうところについて変わりありませんか。
  138. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 私は、イラクにおいてサマワ地区は比較的安定した地域だと認識しております。また、先日も暫定政府の副首相あるいはムサンナ州の知事とも会談いたしましたけれども、安定していると、決して戦闘地域ではないという話を伺っておりますし、今後も、自分たちサマワの住民も自衛隊に撤退してもらっては困ると、活動を継続してほしいということで協力しているんだということでありますので、現時点で戦闘地域であるという、イラク特措法にある戦闘地域であるという認識は持っておりません。
  139. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 いや、その治安が、治安の問題。
  140. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 治安につきましても、私は比較的安定しているところであろうと、そして、迫撃弾の砲撃もつい先日ありましたけれども、これが組織的な継続的な動きにはなっていないと見ております。
  141. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 総理ね、そうじゃないんだ。非戦闘地域と戦闘地域はこれはもうさんざんやっています。私なんかが思いますと、元々国及び国に準ずる者というのは、今これから、今もあの地域からこれから出てくるのかどうか、今みたいな状況で。元々自衛隊をこの復興支援の下に派遣するための私はある意味での表現の仕方だと思っていますよ。  今延長問題で、自衛隊の延長の問題で、判断の一つの課題ですね、判断する対象の課題として治安、サマワの治安、戦闘地域か、非戦闘地域じゃないと。治安問題について大いなるやはり危惧があるからこそ慎重にしたいということじゃないですかというふうにお話ししているんです。
  142. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 治安、安全面につきましては十分な配慮が必要だと、そういう認識は持っております。
  143. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 ですから、これ、だれも変わらないと思うんですよ、治安問題については。治安については本当に平穏であればいいわけですから。ただ、率直に言って、迫撃砲からロケット弾、ずっとここにはこの間、大変、最終的には、ここ最近では宿営地ロケット弾が撃ち込まれました。  これ、総理、そのたんびか直後か、どのような報告防衛庁から随時受け止めている、報告を受けているんですか。その迫撃砲なりそれからロケット弾なり、どういう説明を受けていますか、総理自身。
  144. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) その都度報告を受けておりますが、まず大事なのは事実をしっかりと確認すること、それと自衛隊員の安全配慮、これが第一だと。自衛隊の隊員の安全に影響を及ぼすようなことがないように十分配慮しなさいという報告と同時に私は指示を出しております。
  145. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 防衛庁長官、簡単でいいんです、外交防衛委員会でも若干やり取りしましたから。  この迫撃砲とロケット弾の違いですね、性能の違い。そして加えて、これはもう日本報道でも出ていますが、「サマワ日本イラク友好記念碑に爆弾」。これは、報道によりますと、イスラム教シーア派強硬派ムクタダ・サドル師派の民兵組織のメンバーが記念碑は仏教を象徴しているので破壊すると以前から公言をしていたというということで、これはまあいろんな見方があるかも分かりませんが、私にすれば、元々こういうようなことを、この灯籠が壊されたわけですけれども、こういった灯籠が壊されるようなおそれがなかったのかと、そういうような見通しをした上で記念碑を作らなかったのかどうかということについてございますが、これはまあちょっと議論はさておきます。  それから、お尋ねしていて私の方から説明しますが、要は迫撃砲とロケット弾の飛び方も違います。今回、逐次、残念ながら命中精度が高くなってきているということがあります。加えて、防衛庁長官自身も、これは一部、一部部族の襲撃ではないかということも閣議後の会見で言わざるを得ないという状況になっています。気持ちとしては、イラクはだれもが平穏でいてほしいというのがあっても、実態としてはそうじゃないことについて、総理に対し、迫撃砲やロケット弾やこういった灯籠が壊されていることについての、治安の刻々々変わってきている状況についてきちんと説明して閣議をやっているかどうかということについて、そういうことも含めて説明いただきたい。簡単で結構です、時間がないので。
  146. 大野功統

    国務大臣大野功統君) まず第一点は、ロケット砲とそれから迫撃砲の違いでございます。  まず射程距離が違います。ロケットは十数キロ、それから迫撃砲は数キロということであります。それから、飛び方が違います。飛び方は、迫撃砲は放物線を描いて飛んでいく、それからロケット弾はやや直進的に、昔流でいいますと川上の弾丸ライナーみたいな飛び方をするんじゃないかと。それから、両方とも、類似点は両方ともたくさんの弾を撃っていくということであります。したがいまして、照準を合わせて、照準を合わせて命中、あそこへ命中させるという意味でのロケット弾、ロケットであり、迫撃砲であるわけではありません。  それから、第二の記念碑の問題でございますが、この記念碑の問題は、本当に、自衛隊が発案しまして、そしてイラクの方にデザインをお願いして作ったんですね。何だか私ども日本の好意が、イラクよ早く復興してくれという好意のメッセージが何だか傷付けられたような気がして残念でたまりません。その背景でございます、問題はその背景、後で述べます。  それから、治安全体でいいますと、治安というのは、もう総理がおっしゃったように、もう比較的サマーワはいい。それから、自衛隊とそれからサマーワの住民の間も非常にいい。ハッサーニ知事さんも、本当に自衛隊は我が家族のように思っている、そしてその地区の宗教指導者も、言わば自衛隊を守ろう、ここまで発言してくれております。また、その自衛隊自身も、住民に溶け込もう、こういう努力を一生懸命しておりましていろんな、七夕祭りとかいろんな祭りをして、それが地元のメディアに度々報道されています、七十数回報道されている、こういうことであります。  だから、一般的に言うと非常に比較的にいいわけですけれども、問題は、問題は先ほど先生がおっしゃった、記念碑が破壊された、あるいはロケット、迫撃砲が、八発ですよね、合計八発飛んできた。これは本当に私、自衛隊の安全を預かる責任ある者として重く受け止めております。だから、どういうふうにその背景があるんだ、一体あの、この間飛んできたロケット、信管がないのはどうしてだ、これが、いろんなところを情報収集しているんであります。今日も情報収集、いったん心を新たにして一生懸命やるように防衛庁指示したところでございます。  それから、最後、安全の問題でありますが、安全は、度々申し上げておりますけれども安全確保のために、装備も、監視カメラ、監視装置あるいは空中監視装置、それから自爆テロが自動車に乗ってやってきた場合の構え、それぞれやっておりますし、今言えますことは、今飛んできているようなロケット弾あるいは迫撃砲が仮に当たったとしても、それは、これ全部夜間です、昼間は全部分かりますからね、夜間にそういうことがあったとしても、宿営、宿舎内に入っている自衛隊員は安全である、ここまでは申し上げます。それ以上のことはちょっと控えさせていただきます。したがいまして、今後とも安全確保責任ある者としてやっていきたい、こういうことでございます。  結論言います。もう一度結論言います。治安安定している、比較的安定している。その中で気掛かりなのは、ロケット弾が飛んでくる、迫撃砲が飛んでくる。これは重大に受け止めて情報収集に努めていると、こういうことであります。
  147. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 四月だったと思うんですが、この特別委員会で前大臣と迫撃砲の議論をしたんですね。放物線描いてくるから時間が掛かるから、見てこうやって退避させるんだというような、悠長なことを言っていられるんだなということでやってましたけれども、今大臣が、長官がおっしゃったように、今度水平的に近いと。百七ミリという午前中の説明でしたね、百七ミリ。百七ミリのですと、タイプ六三、タイプ八一とこれは二つあるということで、これは仕様書を見ますと、十二連装、多連装なんですね、今お話しになりましたように。それから、相当やはり私は、もうどこに当たるか分からないということでなくて、確実に宿営地に向けて発射されているということ、間違いないと思います、完全に。  それと、先ほど来から治安のことで警察のいろいろな話はありましたが、田村議員が午前中やりました毎日新聞の報道ですが、政府の説明ですと、地元週刊紙アルサマワに対するムサンナ県警カリーム・ヘルベット本部長は、ロケット弾攻撃責任は、約束を果たさなかった自衛隊にあると報じたけれども、隊舎に来たときのこの県警本部長さんの言い方はこんな発言をしていないというふうに言ったと。一体どっちが本当なんだと。大変なことですよ、これは。であるならば、この地元週刊紙にこのヘルベット本部長さんはこんなこと言ってないというのをこの人自身が抗議をしなきゃならない。しかし、そうしないんじゃないかと思いますよ。  というのは、元々、自衛隊に対して何を期待していたかということについては、当時、そのとき様々な前後して報道ありましたけれども自衛隊に対するサマワ人たちの市民の気持ちというのは、雇用だとか様々なことに関して期待をした。ところが、そうではないということについて落差がある。率直に私はそのことを指摘をせざるを得ませんし、これは議論になっていませんでしたけれども、これも日本報道ですが、日本寄贈の警察車、爆弾テロで損傷、サマワと。四十台、ムサンナ郡警察、県警察に四十台寄贈されました。この警察の寄贈車には何か日の丸か何かのステッカーが張ってあるんですか。もし知っている方がいたら答弁してください。張ってあるか張ってないかでいい。
  148. 吉川元偉

    政府参考人(吉川元偉君) 御指摘のパトカーは、日本が経済協力を通じましてイラクの内務省に寄贈したものです。
  149. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 張っているか張っていないかでいい。
  150. 吉川元偉

    政府参考人(吉川元偉君) 日の丸は張っておりません。
  151. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 そうすると、その四十台の贈呈したのには日本車と、日本、何か贈呈したということについて印象付けるものはないんですね。そこだけちょっと気掛かりだったものですから、あえて。
  152. 吉川元偉

    政府参考人(吉川元偉君) 日本が寄贈しました警察車両はいずれも日本製でございます。しかし、日の丸を張ったりということはしておりません。
  153. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 これは、また報道ですと、遠隔操作で爆弾を爆発させた可能性があるというふうに言っていまして、当然そこを通過するであろうという車両を見掛けて爆弾を仕掛けたということですから、表示をしてあるかしていないかというのは別な角度の問題かも分かりません。  なぜこういうことを言ったかといえば、総理が非戦闘地域、戦闘地域と言うこともあるけれども、非常に治安の問題について平穏であると、他のイラクの国内より比較して平穏であると言っているにもかかわらず、このように非常に迫撃砲からロケット弾からこの友好碑も爆撃されるなど、どういう背景があるにせよ、現実の事実ということに関して。これは十二月十四日、編成命令防衛庁長官出されましたけれども、これから編成命令から派遣命令へ行きますね。派遣命令に至る間が今度は決定、閣議になっていくと思うんですが。  総理に伺いますけれども、この我が今臨時国会、私たち国会は十二月三日まで会期です、臨時国会。十二月三日までに閣議をされて、当然だれもが心配をするようなこのサマワの治安の状況について国会に説明して提案をして、承認事項じゃないにしろ、そういう努力を私はすべきだと思います、国会の在り方等を含めて。三日、もう、十四日、十日しかありません、十四日までの期限の間ですね。三日までの間にやはりそういった、政府として国会イコール国民に対して状況を説明をして、延長の是非について私はただすべきだと思いますが、そういう姿勢がありますか。
  154. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 十四日の期限後に自衛隊活動を継続するかどうかというのは、その時点までまだ時間がありますので、三日前に決めた方がいいのかどうか、三日後に決めた方がいいのかという点についても、私はその時点で判断すればいいのではないかと。  私は、いずれにしても、国民に説明するということは国会報告するということでありますので、手続面しっかり踏んで、継続すべきかどうか報告しなければならないと思っております。
  155. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 総理ね、十二月三日、十二月十四日、十一日間。普通、総理大臣であれば、行政のトップであれば、国民に対してきちんとしたこの状況の説明を国会を通じてしながら、国会の議論に供するというのは私は普通の姿勢だと思うんです。もし、気持ちの中に、政府の中に三日から十四日、いろいろサマワ状況が変わるんではないかという思いだったら、それほど深刻だということですよ。それほど深刻だということだ、逆に言うたら。  その前に、全く心配がないから、かねてから継続したい、継続したい、継続したいといろいろ言っていたんです、総理自身は。しかし、最近、迫撃砲やロケット弾や様々なことがやはり宿営地に来ている中で、いつ何どき何があるか分からないという、私は当然、人間であれば、リーダーであれば思うのは当たり前だと思うんですよ。そういうのが私は脳裏の中に、かつては戦闘地域と非戦闘地域しか言わなかったのを、治安ということを具体的に言い出したんですよ。言葉として出されている。今日もそういうふうに言われています、防衛庁長官も。そういうことを見ると、逆な、もう一つ言わせてみれば、国会の在り方は一つ先ほど申しましたけれども。率直に申しまして、我が党は、あるいは多くの国民は、一部世論調査では六割以上の人たちが引き続き自衛隊派遣というのは見送るべきだというふうに答えていると思いますが、こういうことに関してそういう立場に立つべきだというふうに私は思いますけれども。  二つですね。一つは、十二月三日まで国会がやっているならば、むしろ国会を通して国民にきちんと説明する。もう一つは、今申しました、派遣延長すべきでないというふうな、今、これは今、先ほどから言っている同じような答弁になるかも分かりませんが、再度お尋ねしたいというふうに思います。
  156. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 私が自衛隊活動を継続したいと言っているんじゃないんです。継続すると言っているんです。なぜか。状況に変わりがないからです。イラク人が自衛隊活動を評価している。そして、治安状況に現在のところ、戦闘地域であるとは見ていないということ。継続、要請があるということ。そういう面で、人道支援復興支援国際社会責任ある一員としてこれはしていくべきだと考えているから、私は十二月十四日まで特別の事情の変化がない限り継続するということをはっきり言っているんです。十二月十四日以降どうなるかというのは、その時点で考えなきゃならない問題だということを考えているわけであります。  私は、齋藤議員は現在でも自衛隊は撤退すべきという考え方と、私は撤退すべきでないという考え方ですから、それは認識の違いがあることは分かっております。だから、そういう点もよく考えて、私はしたいというよりも継続するということを申し上げているんです。
  157. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 総理、私の質問のときに最初それをお尋ねしたんですよ、それを。そういうことだと、そういうようなことを先ほど披瀝したんではないですかというふうに言ったら、いろいろ、これからまだいろいろ判断を、総合的に判断をすると言うからこういった議論になっていくわけです、サマワ状況について。特別な事情ということについて、特別な事情というのが治安の、治安の状況でしょうということで議論をしたわけです。そういうことなんでしょう、要は。特別な事情ということについては。そうしないと無駄になっていきますから、議論が。もうするんならするでずっと特別な事情なんて言わないでくださいよ、すると言って。  それから防衛庁長官は、今、部隊の指令、部隊に対する三か月三か月ごとのこのローテーション、だから部隊に対する編成命令だと言っている。このことと延長の問題とは関係ないと、これは多分そうだと思うんですね。  そうすると、これから検討すると言っていますけれども、同じことなのかな、やっぱり特別な事情ということを長官もおっしゃるんですか。特別な事情がない限り継続をするということなんですか。
  158. 太田豊秋

  159. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 長官の前に、いいです、小泉総理大臣、特別な事情というのはサマワにおける治安状況、こういうことでよろしいですね。先ほどからずっと議論をしているんですから。
  160. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) それは、自衛隊活動ができないような状況、いわゆるイラク特措法に定めた自衛隊活動をしている地域が非戦闘地域ではないという認定をされた場合には、これは自衛隊を引き揚げるということは十分考えられる。しかし、今の時点においてそういう状況じゃないし、これからの状況、まだ十二月十四日までありますから、これは今予見を持って判断すべきではないのではないかと、私はそういうふうに判断しておりますから、現在は継続します。現在は継続します、十四日まで。そして、特別の事情の変化がない限り、私は、イラクが一月に選挙を行われるんですから、その時点で何ができるかということを考えればいいのではないかということを申し上げているわけであります。
  161. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 我が党と多くの国民は、自衛隊の撤退と、延長などということについても求めていないのが大多数だと思います。  一部議論の中に、延長、延長をしても撤退の時期を明示すべきではないかと。総理、総裁の党内に有力者の方がいらっしゃいますね、撤退時期を明示して延長すべきではないかという案が。そういった考え方については選択肢の中に入っているんですか。
  162. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 私は、このイラク暫定政府の首脳と会談した際にも、イラクが選挙に成功して、イラク人の力によって安定した民主的政権ができる方向に進めて、治安状況イラク全土にわたって今よりも改善されるならば、自衛隊よりも日本の企業も出ていくでしょうと。NPOを始め民間人も出ていけるでしょうと。そういう時期が一日も早く来れるよう、イラク人、イラク人の政府、頑張ってくださいと激励しているんです。自衛隊の諸君よりも、日本人は、企業においても民間人においても何とかイラク復興支援したいという人たちがたくさんいますからと、そういう状況を早くイラク人自身で作ってくださいということを申し上げているわけであります。
  163. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 質問したことに答えてよ。撤退時期を明示して延長をすべきだというのが議論としてありますけれどもどうですかというのを尋ねたんで、それに答えてくださいよ。  それから、イラク人によるイラク人の手というのは、これはだれもが多くの方が望んでいるんじゃないんですか。  じゃ、一つ具体的に聞きますけれども、今、宿営地で浄水、給水イラク人たちがやっていますが、浄水事業をやっていますが、浄水活動というのはもうイラク人の人たちに教えて、技術援助してできるというもう期間、期限が来ているんじゃないですか。まだイラクの、自衛隊の人がやらなきゃなんない事業なんですか、業務なんですか。二つお尋ねしますよ。
  164. 大野功統

    国務大臣大野功統君) 浄水事業でございます。この今、計算の仕方にもよりますけれども、大体一日五万人ぐらいの供給をしております。それで、その他でもNGOでもやっております。しかし、それは浄水じゃなくて給水ということでございます。だから、今本当に喜んでいただいているのは、イラクのお母さん方、これまで病気になっていたのが日本の、日本のお水をもらって元気になりましたという言葉であります。  それから、今後、自衛隊活動じゃなくて、例えばODAでこの問題をどうやっていくか、これは別問題だと思います。
  165. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 いや、委員長ね、もうなくなりましたから……
  166. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) 時間ですので、簡潔に。
  167. 齋藤勁

    ○齋藤勁君 じゃ、もう答弁、答えていないんで。  要は、もう何か月もたっていて、本来、イラク人のイラク人の手によるというふうに言っていますけれども、この浄水のことだってイラク人の人たちできるんですよ。そういうことをやってこなかった。引き続き宿営地にいる、そしてこの宿営地の中にロケット弾、迫撃砲を撃ったらこもったり、本当に隊員の人たちの命と財産、命をどういうふうにやって守っていくんだという観点もなし、まあ、口で言っているようなこととやっていること、まあ大違いじゃないかと思います。  最後に何かちょっと厳しいこと言うのは恐縮でございますけれども自衛隊派遣につきまして、イラクの治安状況を十分見極めた上で私は判断していただきたいと思いますが、現状からいえば、もう派遣延長を求めるべきではないというふうにいたすべきだと思いますので、そういった方向で閣議で検討をされ、結果を出すことを求めさせていただきまして、終わりたいと思います。
  168. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。午前中に引き続きまして御質問させていただきます。  冒頭に、香田証生さんの御遺族に対しまして改めてお悔やみを申し上げるとともに、香田さんの亡くなられた状況というのは大変痛ましいことだというふうに思っております。頭部を切断して殺害をして、しかもその映像をウェブサイトに流すという、非常に残虐非道極まりないやり方をこの犯行グループやっているわけですが、総理、これ要望でありますけれども、今すぐにはイラクの中で日本政府として、あるいは警察として防衛庁として何かこの件について大きく動くということはできないと思いますが、行く行くこのイラク復興が順調にいって安定をした際にも、是非ともこの犯行グループの捜査、でき得れば逮捕、告訴等について真剣にやっていただきたいと思っております。これをちょっと最初要望させていただきたいと思います。  最初防衛庁長官、簡単に。先ほどもちょっと出たんですが、一部の報道で、防衛庁長官が、今回のこのサマワ宿営地に対する迫撃弾とかロケット弾の攻撃が、地元の部族の中に一部不満があって、それで起こされているのかもしれないというような趣旨のことを防衛庁長官が御発言になったということが報道されまして、私も長官の記者会見の記録を読んだんですが、私が読んだ限りではそういうふうにとらえられなかったんですが、ここのところ明確に、長官として、地元部族の中に自衛隊に向けてロケット弾や迫撃弾を撃つというぐらいの不満があるというふうに今お考えなのかどうか、お願いいたします。
  169. 大野功統

    国務大臣大野功統君) まず、私の記者会見からそういう報道になったということでございます。お読みいただいたとおり、私はそういう趣旨の発言はいたしておりません。ただ、いろいろな面で一部の不満分子があるのじゃないか、部族の中にそういう不満分子もあるのじゃないかという情報はありますと、こういう趣旨でございます。
  170. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 分かりました。  やはり、どんな人道復興支援活動も、地元の皆さんからやっぱり理解をしていただいて支援を受けながらでなければ成功しないと思いますので、防衛庁長官並びに総理のリーダーシップでしっかりと地元の部族との良好な関係を築いていただきたいと思います。  総理にお伺いをいたします。  一部マスコミ等の報道で、最近この自衛隊に対して、この迫撃弾やロケット弾の着弾、宿営地の中あるいは付近にあるということで自衛隊の隊員の皆さんがなかなか宿営地の外に出て行けない、行かない。そして、この宿営地の中にこもって、中に引きこもっていて、浄水作業は中でできますので浄水、給水はやっているけれども、その他の活動については抑制的になっておって余りやっていないんではないかという意見をマスコミ等で散見をいたします。私は、これはちょっと、私が聞いている範囲でも事実と違うんではないかと思っております。  なぜかといいますと、自衛隊活動は、浄水・給水活動もございますけれども、それ以外に学校の補修であるとか、あるいは医療支援等をやっておるわけですが、正にこの国会の場で与野党の議員から、自衛隊が行ったときに全部自衛隊で一から十まで作業するのはよくないと、地元はやっぱりある程度雇用を求めていると。前防衛庁長官の石破さんもこの場で、自衛隊がたくさんの人を雇うことはできないかもしれないけれども、なるべく地元の方を雇用して作業しましょうということを言って、そしてそのとおりやったと。ところが、やったら、全然自衛隊宿営地の外で姿見ないとか、そういった話になっていると思いますが、私、ここは政府の説明不足、PR不足もあると思うんですが、自衛隊は、決してこう何か宿営地の中に引きこもって、中で何かこう、きゅうきゅうとやっているわけではないということについて、ちょっと総理からお言葉をいただきたいと思います。
  171. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 私は、できるだけ現地イラク人の住民の皆さんと協力してできるような環境を作っていくべきだと。自衛隊がやらなくても現地の人ができるように指導も必要でしょうと。そういうことから、私はでき得れば現地の皆さんが自衛隊の手をかりないでいろんな活動、今自衛隊がやっている活動できるようになればいいなと。現在でも、できるだけ多くの仕事も、住民でできることなら譲っていけるように指導なり管理をすべきだというように指示しております。  そういう中で、自衛隊でなくてはできない仕事、そういう点についてはやっぱり自衛隊はやらなきゃいけない。その際には安全面に十分配慮してやりなさい、そのためにも現地の住民と良好な信頼関係を築いていくのが極めて大事ですと。そういう中で個別具体的な活動を展開していると思っております。
  172. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 分かりました。  最後の質問になりますが、これは総理か、あるいは外務大臣でも結構でございますが、今後のイラク政治日程というものを考えまして、先ほど来このイラク自衛隊派遣延長問題が出ておりますけれども、それは総理何度も答弁されているように、十二月十四日の近くなったところで総合的に御判断されるということを聞いております。派遣するなんてことは言ってないと思います。先ほどは、要するに十二月十四日までは継続するという御趣旨でお話しになっていたんだというふうに私は理解をしております。  そこで、その派遣判断をされるときに、来年の政治日程でいいますと、一月に暫定国民議会の設置、八月に憲法の起草、十月に憲法の国民投票、十二月中旬に国民議会の選挙、そして、一部の報道では来年の末に多国籍軍の駐留終了ということまで出ているわけでありますが、そういった来年の末に多国籍軍の活動が終了するということを念頭にこの御判断されるのかどうか、それを最後にお聞きしたいと思います。
  173. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 今の日程の問題でありますが、十四日以降の活動についてはできるだけ十四日に近づいた時点で判断しなきゃならないと思っております。  そういう中で、先ほども撤退時期を明示しなさいという御意見を伺いましたけれども活動必要なかったら期限内でもいつでも撤退できるんです。そして、私は、この自衛隊活動を継続するというのは、今の時点においては十四日まで継続すると言っているんです。その後のいつまでというのは、先ほど言ったように総合的に判断して決めるということでありますので、今言った日程をよく考えながら判断していかなきゃならないと思っております。
  174. 遠山清彦

    ○遠山清彦君 終わります。
  175. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 まず、香田さんが武装勢力に殺害されたことに対して強い憤りを表明したいと思います。  総理にお伺いいたしますけれどもイラク戦争以前にイラクの中で外国の民間人が拉致殺害されるという、そういう事件はあったのでしょうか。
  176. 町村信孝

    国務大臣町村信孝君) イラクの武力行使以前にというお問い合わせですね。ちょっと正確な数字は持ち合わせておりませんけれども、特に今年になってから大変増えてきているのは事実だろうと思います。
  177. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 なかったと思います。  それでは、総理にお伺いしますけれども、民間外国人の拉致殺害事件は米軍によるイラク占領が始まった後に発生して、特に米軍がファルージャ等での掃討作戦を進めた今年四月以降に激しくなった、そう思いますけれども、その点いかがでしょうか。
  178. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) そのイラク開戦前にあったかどうかというのは正確には私も存じておりませんが、四月以降増えているということは事実ではないかなと思って判断しております。
  179. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 そのとおりですね。三十一件そういう殺害事件がありました。そのうち二十八件が四月以降という、そういうことであります。  掃討作戦の強化の中で、イラク人は米軍が日々国内で無辜の民間人、特に子供、女性、巻き込まれて殺害される、それを目の当たりにしているわけですね。そして、その米軍と協力している自衛隊を一体で見るようになっている。これが国内で起こっているそういう側面だと思いますし、それが強く指摘されていると思います。  総理にお伺いしますけれども、そういった点で米国の軍事作戦の見直しが必要になっていると思いますし、自衛隊はやはり撤退すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  180. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) それは、自衛隊を撤退させるべきだという御意見は御意見として、共産党の立場からすれば自衛隊派遣そのものに反対だと思うんです。当然、だから、そういう立場に立てば、現時点でも撤退すべきだという意見は分かります。  私は、自衛隊派遣しているからテロが多発している、あるいは人質、誘拐が多発しているということについては必ずしも断言はできません。なぜならば、日本人だけじゃありませんから、誘拐されたり人質になって殺害されているのは。イラク人自身も殺害されていますし、そういう点については今はっきりとこうだと断言できるような状況ではない。  また、自衛隊人道支援復興支援に今いそしんでいるわけでありますので、地域のイラク人からは評価を受けて、また謝意を受けているというふうに認識しております。
  181. 緒方靖夫

    緒方靖夫君 やはりイラクの現実を直視していただきたいと思います。  四月の日本人三人の人質事件の際に解放に努力されたイスラム聖職者協会のムハマド・ファイディ師、彼はこう言っているんです。外国人の拉致殺害を根絶させる道は、その根本原因である米英の占領軍を撤退させること。そして、武装勢力に拉致の口実を与える状況が存在する限り、これと効果的に戦うことはできない。米英の占領こそ根本問題であり、日本政府は撤退を決断すべきだと。さらに、イラクで著名な政治評論家のワリド氏は、日本の指導者に米軍の占領を支持することをやめ、早期に自衛隊を撤退させることを忠告する、そうでなければ日本は永遠にイラク国民の敵として記憶されるだろう、大変重い言葉だと思います。  私は、総理に、こうした重い言葉をきちっと受け止めていただいて、自衛隊撤退させる、このことを強く要求して、質問を終わります。
  182. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 社民党の大田でございます。  最後の質問でございますので、よろしくお願いいたします。  まず、総理にお伺いしますけれども、ブッシュ大統領の再選を受けて、イラク戦争の今後の展開については楽観論、悲観論いろいろございますけれども総理御自身は今後イラク戦争はどのような展開を見せるというふうに見通しておられるのか、御所見を賜りたいと思います。
  183. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 私は、将来、今イラク暫定政府が自分たちの国を自分たちの手でつくろうとしている努力が報われる日が必ず来ると思っています。今、何とかイラクを混乱させたいと、安定した政府を作るのを妨害しようとする勢力と戦っております。この妨害勢力には決してくじけないで、時間は掛かったとしても必ずイラクに自分たちの手で安定した政権を作るという今の政府方々の努力が報われる日が来ると思っています、厳しい状況でありますが。その意欲、情熱を日本としても支援していきたいと思っております。
  184. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 これは恐縮ですが、ちょっと通告はしてございませんけれども、極めて基本的なことでございますので、あえて総理に質問させていただきたいと思います。  午前中の当委員会での質疑の中で、沖縄の米海兵隊が約五千人余りイラク戦争に参加しているという趣旨のことが判明いたしました。これは、私の考えでは明らかに事前協議の対象になるのではないかと思うわけなんですが、以前の外交防衛委員会で質問しましたところ、事前協議の対象にはならないという趣旨の答弁でございましたし、またこれまで事前協議制度というのは一度も適用されたことはないということも判明いたしました。その点につきまして、総理はどのように認識しておられるか、お聞かせください。
  185. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) これは、日本政府としては事前協議の対象ではないと判断しております。また、何千人、その海兵隊がイラク派遣されているかというのは、現時点で私は正確には把握しておりません。  この問題につきましては、移動の件に関して、また事前協議の対象として協議にする必要はないという判断の下に行われていると私は承知しております。
  186. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 最後の質問になりますが、総理は、去る十月十四日の参院本会議で、同僚議員の米軍の再編に関する質問に対して、政府としては在日米軍の抑止力を維持しつつ、沖縄等地元の過重な負担の軽減を図る観点から、米側との協議を進めていくという趣旨のことをおっしゃいました。抑止力を確保しながら兵力を削減するというのは、どちらかといいますと二律背反的な面がありますが、どういう形でその政策を進めていかれるお考えでしょうか。
  187. 小泉純一郎

    内閣総理大臣小泉純一郎君) 抑止力と、言わば日本の平和と安全にとって侵略勢力に誘惑を与えるような、備えをおろそかにしてはいけないというその抑止力、日本を侵略しようとした場合には手痛い損害を被るという、そういう備えは常にしておかなきゃならない。  それと、沖縄の基地の負担をどう軽減していくかということでありますが、私は、今はこれだけ科学技術あるいは武器の著しい性能の向上ということを考えますと、人数を多く沖縄に派遣していれば抑止力が保てるかという問題も考えなくてはいけないと。人数を削減する、あるいは基地を削減する中で抑止力を維持することができるんじゃないかという観点から沖縄の基地の負担も考えるべしということをアメリカ側に言っているわけであります。  そういう点、今後も十分協議していかなきゃならない問題だと思っております。
  188. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 ありがとうございました。  終わります。
  189. 太田豊秋

    委員長太田豊秋君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十六分散会