○中川(正)
委員 そうした切りかえをどんな形であらわしていくのか、これは、これからしっかりと、この
国会の
議論の中でもあるいは
国民に対するメッセージの中でも、私たちは見詰めていきますから、そのつもりで、もう一回、腹、しっかり位置を、スタンスを置き直してやっていただきたいというふうに思うのです。
もう
一つ、さかのぼって
議論を持っていきたいと思うのですが、今回のこのにせもの騒ぎは、どう
考えても不自然だし、余りにもこれは稚拙といいますか丸出しなんですよね。これは、いろいろな解釈ができる。さっき午前中にも
質問が
一つ二つ出ていましたけれ
ども。
実は、この解釈の仕方によって外交スタンスも大きく変わってくる、そういうことだろうと思うのです。私は、これは三つぐらいの類型が
考えられるんじゃないかなと思うのですよね。
一つは、もともとあの国というのは、ハリウッドの映画を見ているだけで、やることが稚拙で、全く
日本をばかにした、そういう外交スタンスしかないんだ、そういう体質で全部が流れているんだと、これは、単純にこんな割り切り方。これは、実は、今そんな流れになっているので、これは私は、どうもそれで終わってしまったらいけないんじゃないかなという気がするのですよね。
二つ目の類型というのは、
金正日と
小泉総理の間の共通スタンスですか、共通の目標というのは、早いところ国交正常化をやろうじゃないか、こういうことだと思うんですよ。こんなことをしていたら、国交正常化どころか、これは
経済制裁が入ってくるわけですし、それから
日本の
国民感情としても、そんな、国交正常化して経済援助をやるよというような、そういうバックをつくれるはずがない。これはだれが見てもわかる話なんですよね。
ところが、それが全く違った方向にこうして来ているというのは、どうもこの国交正常化のプロセスを
北朝鮮の中でも邪魔をする勢力があって、それが意図的にこうした工作をしている可能性がないのかどうか。ここのところをどの程度の、皆さんは、皆さんはということは今の
政府は、情報を握りながら、情報を
考えながらここの
判断をしているのか。これはぜひ知りたいところですね。
それから三番目の、もう
一つの類型があると思うんですよ。それは、
金正日自身が
考え方を途中で変えて、特に六カ国
協議を進めていく上で時間稼ぎをしたい、いわゆる核装備というのをある程度のレベルまでやって、その上でアメリカと交渉に臨んでいきたい。今、六カ国
協議の
状況というのはまさにそういうことだと思うんです、時間稼ぎをやっているんだろうということ。
これは、アメリカの情報筋でもそうした前提に立って焦っているわけですね。特に、先制攻撃を唱える人たちにとっては、もうそのチャンスはこれで消えてしまっているんじゃないか、ある程度の核の数を
北朝鮮が持っているとすれば、そうした意味でのおどしといいますか、そうした意味での軍事行動というのは完全にそがれてしまっているんじゃないかというような
議論も出ているぐらいにこの問題が今表に出てきております。
そういうことから
考えていくと、
金正日自身が、全体の雰囲気、全体の流れというのを引き延ばして六カ国
協議とひとつ同調をしていく、時間的に合わせていくということ、こういうことをねらっているんじゃないかというふうにも
考えられると思うんです。
こうした類型が幾つも出てくるわけですが、実際、では
日本がこれから何を向こうに対してカードとして打っていくかということを
考えていくときに、こういう類型のどの前提に立って
日本は
考えていくのかということによって中身が全部変わってくるんですよね、やり方が、
経済制裁も含めて。この辺はどのように整理をされるんですか。