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山崎政府参考人 最後に機会を与えていただきまして、大変感謝申し上げております。若干、感想も含めて述べさせていただきたいと
思います。
今から三年前のきょうぐらいのころ、私は何をしていたかということでございますが、あと数日したらあらしの中にぶち込まれるという
思いで
改革審の
意見書を読んでおりました。この
意見書を読んでいるときに、こんなすごいことを何で三年でできるんだ、こんなむちゃな計画はないというのが正直な感想でございました。その
理由は後でちょっと申し上げますけれ
ども、目の前が暗くなるということはございませんでしたけれ
ども、目がかすむ
思いでございました。
なぜそうかというのは、これを読んでいただければおわかりだと
思いますけれ
ども、
司法制度の分野の中のありとあらゆることが
指摘されておりまして、その中身たるや非常に
国民の生活に密接な影響がある、そういうような大きなものが多々含まれているわけでございます。物によっては本当に哲学論争になるだろうというものもございますし、それから、
制度が変わるというよりも、本当に
日本の文化が変わっていくのではないかというものもあろうかと
思います。これが何であるかは、もう
委員の皆様方はおわかりかと
思いますけれ
ども、私は、そういう
思いがしたわけでございまして、こんなに大切なことを本当にできるかな、しかしやらざるを得ない。
それで、考えたことは、やり遂げるためにはどうしたらいいか。それは、これだけ価値観が多様化した
時代でございますので、全員の言うことを聞いていたら絶対に何もできないということでございます。だから、百点をとろうなんということは絶対に考えちゃいかぬということでございます。最終の到達点が見えているとして、そこへ一発で行かない、走り幅跳びで行くのではなくて三段跳びで行こうということを考えたわけでございます。まず、仏をつくるわけでございます。次に、中身を詰める、魂を入れるわけでございます。それで、最後にその調整をする。この三段階を経て、やっと
制度というのはいいものができるんではないか、こういう気持ちの切りかえをいたしました。
したがいまして、百点はとらない、しかし、余りシャビーでは怒られますし、余り前に進みますとまたこれも怒られるということで、七十点ということを目標にしてまいりました。ですから私は、でこぼこはございますけれ
ども、七十点というのは運転免許証の合格点でございますので、一応の到達点かなということでございます。
これから、それを一〇〇%にするのは、まさに運用の問題でございます。これをどうやって定着させるか、最後の調整、これが望まれるということでございます。この運用の
工夫が今後の最大の課題であるというふうに私は思っております。この定着をきちっとしないと、やはり
国民に信頼していただけないということになろうかと
思います。
この中の一番のポイントは、プロの意識を変えるということでございます。
国民の意識を変える前にプロが変わらなければならないということでございます。私もプロの一員ではございますけれ
ども、大体プロというのは、頑固で、わがままですね。ですから、まずそこから意識を変えていただく、これが重要でございまして、今後、
法曹三者はみずからにそれが問われるということになろうかと
思います。これを真っ先にやって、それから
国民の方に理解をしていただく、こういうことが必要かなというふうに思っているわけでございます。
最後になりますけれ
ども、私、二十年間にわたりまして
法務委員会のお世話になってまいりました。本当に御礼を申し上げます。
法務委員会の厳しい試練に耐えて、私も成長してまいりました。今後はこの経験を生かして活動していきたいというふうに思っておりますけれ
ども、今後は、一
法律家として、もう少し人生をスローに、スローライフで生きていきたいというふうに思っております。また今後とも、いろいろなところでお目にかかる機会があろうかと
思いますが、よろしくお願いを申し上げます。
どうもありがとうございました。(拍手)