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山花委員 もう随分そのころから時も経過をいたしておりますので、場合によってはバージョンアップも必要かもしれません。当時、例えばDVであるとかストーカーなどは、まだそういう防止法な
ども成立をしていない時期のものでございますので、これは要望ですけれ
ども、そういったものも含めて改訂作業などをやっていただければと
思います。
ところで、九〇年代に入りまして、
犯罪の
被害者についてということで、各国でも議論が非常に盛んになりました。例えば、アメリカの多くの州であるとかドイツでは、
憲法そのものに国家の
保護義務が
規定をされておりますし、アメリカでは、九八年までに、すべての州で
被害者権利章典が制定をされております。二十九の州では
憲法上の
規定でそういった
権利が与えられている。
イギリスでは、九〇年に政府が
被害者憲章、そして九六年には新
被害者憲章を発表しております。この憲章というのは、刑事司法
機関や
犯罪被害者援助機構等の実務規範というふうになっておりまして、事実上の規範力、拘束力というのを持っております。イギリスでは、
被害者補償
制度、これが大変
充実をしておりまして、このことについても大変有名で、いろいろな研究書でも、清和法学で奥村
先生であるとか、あるいは産大法学で、これも奥村
先生ですね、こういう方が発表されたりしております。
オランダでは、九五年に、
被害者支援法などによりまして
刑事手続や
支援組織との
連携を深めて、
被害者に対してさまざまな救済のプログラムを実施しております。
また、欧米諸国のみならず、九八年は台湾、また韓国などアジアでも同様の動きがある中で、大変私たちとしても少し焦るぐらいの気持ちがありまして、本当に日本はこういったトータルな
支援がおくれているのではないかと思っていたんですけれ
ども、政府もそれなりにいろいろと研究はされていたようです。
法務総合研究所の
犯罪白書、
平成十一年度版は「
犯罪被害者と刑事司法」という、きょうはコピーを持ってまいりましたけれ
ども、こういうことで各国の事情について研究をされていたようであります。
また、後ほど
内閣官房にも少し
お話をしたいとは思っていますけれ
ども、
平成十二年の三月には
犯罪被害者対策
関係省庁連絡
会議の報告書というものが出されておりまして、さらには十二月二十五日、クリスマスのときには
犯罪被害給付
制度その他
犯罪被害者支援に関する提言、こういう取りまとめもなされております。
ところで、引き続きまして
警察庁の方にお
伺いをしたいと
思いますけれ
ども、この
被害者対策
関係省庁連絡
会議でも
指摘をされておりますけれ
ども、特に性
被害であるとか、あるいはこの報告書ではストーカーだとかDVだとかのことが書かれておるわけですけれ
ども、
被害女性対策ということで、大変残念なことに、大変
努力されていることは承知はいたしておりますが、それでもいまだに、
被害女性の側が実際交番などに行った、あるいは一時的に
警察にいたところ、
対応について不快感を示されるというケースが時としてあるわけであります。もちろん、女性
警察官がたくさんいればそれでいいというわけではなくて、ちゃんと
対応できる方がそこにいるということが大事なんだと
思います。
ただ、女性
警察官志望者もそんなに、要するに母数の問題もありますから、ふやせ、ふやせと言っても、全体の警官の人員配置の問題もありますし、また受験生がそうそうふえている、増加傾向にあるというわけでもない中で、なかなか難しいことかとは
思いますが、一方で、こういう対策のためにということですので、少なくとも、比率の面で、比率だけでいうと女性
警察官、大変少のうございますので、そこの部分を上げるというような取り組みがあってもいいのかな。
いろいろ
施策を講じることということがこの
法案の
中身で要請をされておりますので、そういった取り組みをやっていただきたいと思うわけでございますが、この点について、特に
警察官だけの話ではないかもしれません。女性の
被害者に対してのバックアップ体制について、今後もしっかり取り組んでいただきたい、そのことに対して御所見があればお述べいただきたいと
思います。