○市村
委員 今、官の自由裁量でという言葉、
民事局長からもありました。この国で公益活動を法人格をとってやろうとすると、官の自由裁量の中での許可、これは許可がなければできないわけですから、結局、自由にはできないわけです。そういうことが
民法三十四条、明治三十一年でしたか、施行されたというかできました、この
民法三十四条には書かれているわけです。その後、この
民法はずっと生き残っておりまして、今日まで生きているということでございます。
では、この
民法がどういう
社会をつくったのか、つくってしまったのかが大変重要なわけでございます。
結局、
先ほどからの議論の中で申し上げておりますように、公益法人というのは非営利法人の一類型であります。一類型なんです。
非営利法人の中には、公益法人もあれば、大きくくくれば共益法人、例えば同窓会とか、生協もそうでしょう、労働組合もそうでしょう、共益、メンバーシップですね。会費を出し合って組織
目的を達成しようとする組織のこと、法人のことを含みますが、そうした、本来であれば非営利法人の一類型である公益法人なわけです。その公益法人は主務官庁の許可なくしてできない、自由にできないという
流れの中で何が起こってきたかなんですね。
結局、戦後、高度経済成長期だと思います、特にそこからが顕著になってきたとは思いますが、官が、これが自由裁量でつくれるということになりますと、どんどん税収が伸びていきますとどうなってくるかといいますと、結局、それによって、例えば公害問題等がある、住民、
国民のさまざまなニーズが出てきた。本来であれば、NPOがしっかりと発達した
社会であれば、そこがある
程度の役割を負って、
先ほどから申し上げているように、官の公平性とかにこだわらず、迅速に民の知恵を生かしてできるはずだったんですね。
ところが、この国ではどうなっているかといいますと、税収は伸びている。それで、
民法三十四条に何があるか。官がどんどん公益法人をつくれるわけですね。官だったらつくれるんです、簡単に、オールマイティーですから、自由裁量ですから。官がいいと言えばいいんです、別に。
そういうふうな中で、もちろん、取り決めもあったと思いますよ。取り決めというのはあったと思いますよ。でも、結局は、
法律的にはそういうことになっているんです、この
法律によって、この
民法によって。
もちろん、省庁間の取り決めがあるというのも重々承知をしています。しかしながら、やはり、
現実を見ますと、何か民間が、では、財団法人や社団法人をつくりたいといっても、これはなかなか許可されない。もう何年もたなざらしされたまま。ところが、官がつくろうと思うと、結構、数カ月でできる
ケースだって、これはあったんですね。あるんですね。
そこで、この間からも
指摘をしていますが、例えば、予算案にしても、予算
関連法案の中にどんどん、公益法人何たら、財団法人何たらをつくりましょう、社団法人何たらをつくりましょうということで、紛れ込ませてきた歴史もある。そうして、結局それでどうなるかというと、官が
自分たちの天下り先をつくるとか、こういうことにこの
民法三十四条が非常に利用されてしまったというふうなことになってしまっているわけです。
今日、天下り問題があります。公益法人の天下り問題あります。そしてまた、例えば予算の流用問題もあります。結局、官がオールマイティーでできる、このことを残してしまった、残した、このことによって今日のさまざまな官にまつわる問題が発生している、その根拠の一つになっているのがこの
民法三十四条だということなんです。
ここをやはり私たちはしっかりと踏まえた上で、今後の
社会をつくっていく際に
考えなくちゃならない。特に、
先ほどから私がずっと主張しておりますように、非営利
制度、非営利組織
制度、非営利法人
制度をつくっていくというこの大きな
目的に即しても、この
民法三十四条を何としてでも見直していかなくちゃいけない、あるべき姿に戻さなくちゃいけないと私は思っています。
では、あるべき姿は何なのか。それは、
民法三十三条に法人が規定されています。三十五条に営利法人が規定されています。本来であれば、
民法三十四条には何が規定されなければならなかったかといいますと、非営利法人が規定されなくちゃいけなかったんです。ところが、非営利法人の一類型である公益法人を規定し、そして、それを許可
制度にかかわらせたんですね。ここが大きな問題なんです。
ここの反省なくして、これからの
社会の、いや、非営利法人、頑張ってくれといったところで、ここの部分で大きな
制度的ネックになっている。いまだに、これがあるために、官僚は、官の世界では、どんどんつくれるわけです、
自分たちの都合のいいように。そこまで言っちゃ申しわけないけれども、ある
意味でいえば、そこまで言ってもいいぐらいの状況に実はなっていると私は思っています。
そのような状況になって、官ならば、官僚ならば、それこそ
法律に潜り込ませたりして、いつの間にかできてしまっている。何でこんなものできたんだろうというものができて、今や、この公益法人の実態を見れば、それこそ
皆さんの先輩方とかが天下っていくような状況で今推移している。
本来であれば、公益法人はNPOの一種なんです。ところが、さっきの、きょう午前中使ったフリップの示しますとおり、結局、官が、申しわけないけれども、私利を追求しちゃだめなんだけれども、私利とまで本当は言いたくないけれども、結局、
自分たちの天下り先に利用するような状況になってはいないか、ここに今の
民法三十四条が持っている問題があると私は思います。
村上
大臣、私のこの話を聞いて、いかに思われますでしょうか。