○井上(和)
委員 これだけ社会的に騒がれていても、
詐欺事件として立件されている件数、非常に少ないんですよね。それだけに、やはり
金融庁がしっかりしてやらないと、結局は後手後手になってしまうんじゃないか、結局は
一般顧客が損をするような
状況になるんじゃないかというふうに私は危惧しています。
そこで、ちょっと話題を変えますが、
平成十二年に、
金融商品の販売等に関する
法律が旧大蔵
委員会で議論されました。その際、民主党は修正案を出しているんですね。その
一つに、
法律の適用対象となる
金融商品に
商品先物取引等を加えることにするべきだ、第二に、
説明の際には書面を交付することを義務づけるべきだ、そしてまた第三に、
金融商品販売
業者等に重要事項に係る
説明を行ったことの立証責任を負わせるべきだと、非常に的を得たことを言って、とにかく新たな
金融サービス法の制定をしなきゃいけないということを言っているんですよ。このときの議事録を読みましたが、今回も
委員になっている
岩國委員が、
金融先物取引も非常に
被害がふえているからこれからもしっかりしなきゃいけないということを言っているわけですよね。それを結局何もしなくて、
被害がどんどん大きくなっているというのが今の
現状で。今回の
法案では、
説明義務の中に書面を交付するということが入っていますから、それは一歩前進しているんだなというふうに私は思いました。
実は、私は
アメリカに長く住んでいまして、恐らく
伊藤大臣よりは長く住んでいるんじゃないかと思うんですけれども、以前、
銀行ローンを借りてちょっとアパートを買ったことがあるんですが、そのときにやはりいろんな書類にサインをさせられる。ちょうどそのときはモーゲージを変動
金利で借りたんですが、そのときにやはり、変動
金利に関して非常に
リスクが大きいという
説明書に自分でサインさせられて、ちゃんと変動
金利の
リスクを承諾したというふうに書面にサインさせられた覚えがあります。
つまり、
日本では
適合性原則が今回入っているからそれはいいとおっしゃるかもしれないけれども、適合性というのはあくまでも
説明する方ですから、そうじゃなくて、やはり
一般顧客がしっかりと
リスクを認識するということが、はっきり言ってこの
金融商品の購入にとって最も大事なことですよ。
また外国の例で恐縮なんですが、
アメリカのCFTC、
商品先物取引委員会のルールというのがありまして、ちょっと見てみたんですけれども、
リスク・ディスクロージャー・ステートメントというのがあるわけですね。つまり、
リスクをはっきり公開する、
リスクに関しての宣言というのがあって、この
商品の
取引においては非常に甚大な損失をこうむる
可能性があると、最初に出てくるんですね。そして、したがってこのトレーディングが自分の資産の
状況にふさわしいかどうか慎重に検討すべきですよということをしょっぱなに書いてある。そして、これはプロミネントリーディスプレーと書いてある。プロミネントリー、
大臣は英語がわかると思いますけれども、つまり非常に目立つように書いてなきゃいけないと。
つまりは、私はこの
法律を見てもその辺がやはり非常に弱いと思うんですよ。結局、重要事項としておられる。
リスクのディスクロージャーが重要事項の中の一項目になっていて、大体、何枚もあれば、どっちみちこういうのは最後の方に書いてあって、読む前にみんなサインしちゃう、最初ぐらいしか読まないですから。
だから、こういうものをきちっと最初に、CFTCは文章まで決まっているわけですよ。
外国為替証拠金取引に関しては、
金融庁のホームページにも書いてあるでしょう、一般の人がやるべきじゃないと。それを、文章をちゃんと契約書というか別紙にきちっと書いて、それを本人が確認するというぐらいしなければ、
顧客の保護はできないですよ。さっきも言ったように、八十歳、九十歳の人が契約するわけでしょう。
だから、その辺の
リスクディスクロージャー、単に重要事項とかそういうことじゃなくて、やはり
リスクに関してきちっと
説明する、そして販売
業者に
説明義務があるということをはっきりさせない限りは、
消費者保護はできないと思います。
大臣、どうですか、この件に関しまして。