○和田
委員 大臣に御説明いただいたように、私も同じ感覚は持ち合わせますけれ
ども、そうであれば、
問題点は、
予算の手当てというよりは、
被害の把握とそれに対する
復旧の、どういった内容にするかを早く決めることだというふうに考えます。
そこで、時間も迫ってまいりましたので最後の
質問になるかもわかりませんが、
復旧をしていくときの手法としまして、もう
大臣もお詳しいところかとは思いますが、おさらいのために申し上げます。
日本の今の
災害復旧は、原形
復旧と呼ばれる、もとどおりに直すことが原則でございます。そしてそれにプラスアルファとして、どうしてもそこから先、このまま直したんでは
災害がまた起こってしまうというときに、改良
復旧という概念の名の中でいろいろな国の援助が行われます。
お配りした資料の二ページ、三ページ、ごらんになっていただければと思います。
これは、手短に言いますと、私が見聞した中でちょっとひどいのかなと思いましたけれ
ども、もとどおりに直すことが数回も
災害が起きるたびに続いておる案件でございます。すなわち、起きるたびにもとどおりには直るんです。しかし、そのときに、本当にそれでいいのかという
検討がどうも真剣に行われた形跡はございません。
左半分でごらんになっていただければと思います。これは、直すたびにその岩盤の下にしっかりとした詰め物をせず、かつ、コンクリート道路に何のくいも打たれておりません。右側をごらんになってください。これは
堤防の高さが問題になるわけでございますが、もとどおりの高さが石垣の高さでございます。そこはきれいに残っている部分が多いかと思いますが、それから先、コンクリートの塊をそのまま乗っけられておりました。これが今回のように大規模な自然
災害では、コンクリート塊そのものが凶器と化す危険性までございました。家の近くまで波で飛ばされました。
三ページ目をごらんになっていただければと思います。
三ページ目は、本来なれば、
堤防が普通ならこの全域にわたって築かれてなきゃいけないのに、ごらんになっていただきます
堤防はわずか百メートルもございません。その後ずっとはるかに、見えなくなっているかと思いますが、あとはテトラポッドだけでございます。常人で考えて、やはりこれでは
災害は防げないんではないでしょうか。
こういったことを現地で見聞きするにつけ、その
問題点はどこにあるかというのを自分で考えてみました。それは、今の
災害復旧の
制度が、原形
復旧という
制度については、まず皆様方が緊急に
復旧するところも含みますので、国庫
負担が三分の二まで上昇する。三分の一は地方の
負担ですが、その地方の
負担についても将来は交付税
措置で全部埋め合わされる。すなわち、国の
負担で全部が行える。
一方、改良
復旧は、それを上回る部分について改良
復旧というわけですけれ
ども、国庫
負担の割合が半分に落ちる。そして、残りの地方
負担について、交付税
措置で面倒を見る部分もあるんですけれ
ども、すべてではない。すなわち、地方の
負担が必ず生じるというスキームになっております。
この中で
大臣にお考えいただきたいのは、必ず
負担が生じる改良
復旧を地方の
防災担当者が選ぶゆとりがどの程度あるかということでございます。
こういったことを考えていきますと、今の
制度に問題があるのか、そのままこの
制度を続けるのであれば、もっともっと国の担当者が地域の担当者としてきっちりと把握しながら最善を尽くされるべきか、どちらかだと考えます。
しかし、
制度については、今のところ
補助金制度を、大きく言えば、国の方から地方に移譲されるところまではいっていないように見受けられます。一方で、国の方がしっかりとするという
方向をとるのであれば、そこは、現担当者が、まずは所管省庁だと思います、それから、最後は国庫を預かる財務省だと思います、そういったところがしっかりチェックしてしかるべきだと考えます。
こういった中で、
大臣の、今お聞きいただいた内容に対する御所見を最後にお伺いしたいと思います。まず、これは両
大臣にお伺いしたいと思いますが、まず事務方から御答弁いただいて、では、
大臣にいただけますか。