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清治政府参考人 河川局長でございます。
このたびの
新潟県
中越地震並びにその前に発生いたしました
台風二十三号の
被災状況につきまして御
報告をさせていただきます。
なお、今から二十五分前でございますが、十時四十分に大きい
余震がございまして、
新潟県の中越で
震度六弱でございます。
震度六以上の規模の
地震がこれで五回目ということになりまして、ただいま官邸の方に
緊急参集がかかっている
状況にございます。
昨日降っておりました雨のこともありますし、さらに二次
災害等が懸念されるところでありますが、これから
情報収集に当たりたいと思います。
それでは、お手元に二つのとじた
資料があろうかと思います。それから、お話をしていくときに参照していただくために
地図を用意してございますので、あわせてごらんいただきたいと存じます。
それでは、
地震の方から先に御説明申し上げます。
資料の一ページ目をお開きいただきたいと存じます。
今回の
地震は、狭い
範囲に
震源地が集中しておりまして、岩盤の中での逆断層による
地震ということでございまして、深度が非常に浅いということが
特徴でございます。
第一回目の本震でございますが、二十三日十七時五十六分でございます。
震度六強を
小千谷で観測しております。
右側の方に
震度五弱以上を観測した
地震の経過を載せてございますが、この中で、赤で塗ってございますところが
震度六強でございます。一日の間に、十七時五十六分から十八時三十四分までの間に三回発生してございます。それから、
震度六弱が二十三日の十九時四十五分、そして、先ほどの
震度六弱が発生しているということでございます。
十月二十六日の十六時現在での
被害状況を左の方に書いてございますが、
死者二十七名、
行方不明者三名となっておりまして、現在
避難を続けていらっしゃる
方々が十万人を超えているという
状況にございます。
右側に
地震の回数の経緯を書いてございます。
余震はまだ続いておりますが、かなり減ってきているという
状況でありますが、まだ一週間くらいは注意が必要という中での
震度六弱の
余震が発生したということでございます。
次の二ページ目を見ていただきたいと思います。
ライフラインの重要な要素でございます
道路でありますが、
国道並びに
高速道路でかなり大きい
被災がございまして、ここで示してございますのは、現在、
余震が発生いたしましたのでまた
状況は変わっているかと思いますが、
高速道路につきましては、
北陸自動車道につきまして、昨晩、
一般車に対しても
交通を開放したところでございます。それから、
関越自動車道並びに
国道十七号、
国道八
号等の
幹線道路につきましても、
緊急車両の
輸送のための
通行を確保しているところでございます。
左側に
写真が三枚ございますが、この中段の
写真が、
地図でいきますと八番の
地点でございます。川口町の
天納地先というところでありまして、これが
国道十七号のほとんど全幅にわたりまして大きく崩落しております。この下に、見にくうございますが、鉄道が見えると思います。これが
上越線でございまして、線路が宙づりになっているという
状況で、
復旧の
めどが立っていないわけでありますが、
国道十七号の方は、ここで白い線が二本入っていると思いますが、山側の方に
道路を振りまして
通行を確保したということでございます。
その下の
和南津トンネルというのがございますが、
地図で九番の
地点でございます。これが現在
緊急復旧の工事を進めておりますが、
県道を迂回することによって
緊急通路を確保しているわけでございます。
次に、三ページ目でございますが、今申し上げましたことのほかに、丸の
二つ目でございますが、
救援物資等を運搬する
車両についての
通行料金を徴収しないような
措置を講じてございます。
それから次に、四ページ目の
鉄道関係でございます。
新幹線につきましては、開業以来の脱線が発生しておりまして、現在、
車両を搬出する作業にかかっております。一部脱線している
車両につきましては、クレーンでつって撤去するという準備を進めているところでございます。
それから、
左側の表の中に
在来線も含めて書いてございますが、右の
地図の中に色をつけて路線を示してございます。これは、表の中の「
運転中止区間」という色と一致しているわけでございますが、これらの線が現在
運転中止となっている
状況にございます。
それから、
新幹線の
橋脚等にも
被害が発生しておりまして、
トンネル内の
崩壊等とあわせて
復旧の
めどが現在立っていない
状況にありますが、一日でも早く開業にこぎつけたいという
状況にございます。
それから、五ページ目でございますが、
河川管理施設の
被害でございます。
この
地図の中に
震度六強を観測いたしました
震源地を三つ落としてございますが、これの周辺で多数の
河川管理施設の
被災を見ております。右の表にございますが、直轄管理しております
施設で百四十一、県が管理しているものについては六十一。これらにつきましても、今後の
出水等に備えるために緊急の
復旧を進めているところでございます。
次の六ページ目、これが、
信濃川の
本川の
堤防が大きく
被災したところでございます。
堤防延長百五十
メーターにわたりまして
堤防断面の半分ぐらいが崩壊しているということでありますが、これにつきましては、二十四日の未明からかかりまして、十月二十五日の二十四時に完成を見ておりまして、現在は、
写真の右下にありますような
状況で、
緊急復旧を完了している
状況にございます。
それから、七ページ目でございますが、
施設の
被害がありまして、
妙見堰という大きい堰がございますが、
長岡市の
妙見地先でございます。左の下の
地図は
小千谷市と書いてございますが、修正願いたいと思います。
これは
長岡市の上水道を確保しなければならない堰でございまして、現在、右にありますように、
移動ポンプ車等を持ち込みまして水を供給している
状況にございます。この真ん中の、
妙見堰の
管理棟が
被災している
状況にありまして、この中で操作をするわけでありますが、この
建物自体が倒壊するおそれがあるということでございまして、職員が入れない
状況になっております。現在、堰は全部開いておりまして、
洪水等に対しては支障がないような
措置を講じてございます。
それから、八ページ以降は
土砂災害でございます。
多数発生してございますが、主なものとしまして、九ページ目に、
長岡市の濁沢での
土砂害でございますが、これは
地図では二番の
地点でございます。ここで
死者二名が発生しているわけでございます。
それから、十ページ目でございますが、これは
地図では三番の
地点の少し下のところになります。浦柄というところでございますが、朝日川という川が
信濃川に合流する
地点で大きい
地すべりがございまして、
県道がふさがっております。
下の小さい
写真を見ていただきますと、
上越線の
トンネルがここに二つ通っているわけでありますが、ここが、きょうも
テレビで流れておりましたが、車が一台巻き込まれておりまして、女性の方とお子様が二人、車ごと行方不明になっている
場所であります。現在、
救出活動に入っているわけでありますが、二次
災害の
危険性がありますので、
国土交通省の
専門家も
けさ地元に入りまして、この
救出活動の
技術的支援をするということで現在対応を進めているところであります。
十一ページ目は、
山古志村。
村民全員に
避難指示が出まして、
自衛隊等の
救出によりまして
長岡市に今村民が移っておりますが、これは、
山古志村の
地域がたくさんの
地すべり、
土砂の
崩壊等によりまして
裸地になっているという
状況でございます。二次
災害等、今後非常に懸念されるわけでございます。
十二ページ目が、
山古志村の油夫というところであります。
地図では六番の
地点になります。
それから、十三ページ目でございますが、
地すべり等によりまして
土砂が
谷合いの川をふさいでしまって天然の
ダム状になっておりまして、そこに水がたまって
浸水被害、あるいは、この
天然ダムの決壊によりまして
下流に大きい
被害をもたらすおそれのありそうな主なところを三カ所お示ししてございますが、これらにつきましても緊急な対応が必要ということでございます。
なお、これに関係します
浸水の
危険性のあるところ、あるいは
下流で二次
災害が起こるおそれのあるところの住家の
方々には
避難指示を出しまして、
避難をしていただいているという
状況にございます。
十四ページ目には、海上保安庁が今回
救援物資の
輸送あるいは
被災民の
輸送等を行った実績を載せさせていただいております。
次に、引き続きまして、
台風二十三号の概況を御説明申し上げたいと思います。
地図はもう一枚の方をごらんいただきたいと存じますが、京都府と兵庫県の両方にまたがりまして、
由良川とそれから
円山川について御説明申し上げたいと思います。
一ページ目でございますが、ことし十六年度の
豪雨災害を概観する
資料を載せてございます。
台風が
史上最多の十個上陸したということでありますが、今までの記録は六個でございますが、それを大幅に上回っております。
左側に
台風の経路、それから
梅雨前線あるいは
台風ごとの
被害、主なものを集計で載せてございます。
右側にそれを見ていただきやすいようにグラフにしたものでございますが、今回の
台風二十三号は、亡くなられた方、そして
行方不明者が、ことしの中で飛び抜けて多かったということが
特徴でございます。それから、下には
豪雨災害の
浸水戸数でありますが、これにつきましても、ことしの一連の
災害の中で一番大きい
被害を受けたわけでございます。
二ページ目でございますが、今回の二十三
号台風の
被害でございます。左の上に書いてございますが、
死者八十二名、
行方不明者八名、
床上浸水が約二万棟、それから
床下浸水が約三万七千棟というような
被災でございました。
右側に県別の
被害状況を載せてございます。
それから、三ページ目でございます。ここには、
一級水系が百九ございますが、その中で、この
台風二十三号で
計画高水位を上回った七水系九
河川ございますが、それを赤で示してございます。その中の
円山川、
由良川について御
報告をさせていただきたいと存じます。
四ページ目が
円山川の図でございますが、
豊岡市、出石町等で大きな
被害が発生してございますが、この中で、濃い青で塗ってある部分が
堤防の破堤によりまして大きく
浸水した
地域を示してございます。
円山川本川の河口から十三・二キロ付近でございますが、
豊岡市の
中心街の対岸になります。ここで
堤防が破堤しておりまして、広い
範囲が
浸水しております。この
地域一帯は
大変地盤が低いところでございまして、
地盤高が標高で二
メーターから三
メーターというような大変低いところでございまして、常時、
内水排除等の対策が必要な地区でございます。
それから、この
円山川というところの
上流側に
出石川という支川が入っておりますが、これも直轄の
管理区間でございますが、この
円山川との
合流点から上流に五・四キロ
地点の左岸で破堤をしておりまして、大きく
浸水しております。
この破
堤地点が集落があったということで、ここで家屋が流される、全壊するというような悲惨な
状況になったわけでございますが、いずれも、この
外水はんらんにつきましては、二日あるいは三日ぐらいの間に
浸水状況が改善されてきているということでございます。
面積につきましては、破堤による
浸水面積が十五・八平方キロという広大な
面積でございます。
一方、
円山川の
左岸等について薄い水色で塗ってございますが、これらが、
地盤が低くて、内水を
本川の方にはかなければならないわけでありますが、
本川の
水位が上がったことによって、排水のための
ポンプがございますが、これを停止せざるを得なかったということで
浸水をしているエリア、一部には川からの越水によって水がついているところもあります。
それから、
豊岡の
下流の城崎町にかけては、
河川の
水位が上がったことによりまして
はんらんを見ているところがずっとありますので、ほぼ全域にわたって
浸水したという
状況にあるわけでございます。
五ページ目には雨の
状況を示してございます。
今般の
円山川の
流域平均雨量は二百八十六ミリ、
由良川が二百七十五ミリ、時間
雨量は、それぞれ、
豊岡の
観測所で最大の時間
雨量が四十五ミリ、
由良川の福知山で三十七ミリということでありますので、一時間の
雨量としてはそう大きいものではありませんでしたが、一日ぐらいの間にかなり集中した雨が降って、大きい出水となったわけでございます。
六ページ目でございますが、先ほどの、
堤防の破堤した箇所に関係する近くの
水位観測所の
水位データを載せてございます。
立野という
円山川の
本川の
地点におきましては
計画高水位を十三センチ超過している、それから、
出石川の弘原という
水位観測所で九センチオーバーしているということでございますが、
円山川の
堤防につきましては
完成堤を見る段階に至っておりません。基本的には
計画高水位までの高さを確保しているのがようやくといった状態でございまして、今後、
堤防のかさ上げ、
強化等に取り組んでいくわけでございますが、
地盤の悪いところでございますので、ゆっくり盛っていかなければ、一遍には盛れないというような実情もありまして、今後、技術的な面でも検討が必要と思っております。
それから、七ページ目に、その破
堤地点の
状況の
写真を
航空写真と
地上写真でお示ししてございます。
八ページ目は
復旧の工法についてお示ししたものでございますが、この
本川の
堤防につきましては、十月二十六日の十一時二十分に
復旧を完了してございます。
それから、次の九ページ目でございますが、
出石川につきましても、二十五日の早朝に仮
復旧を完了してございます。
それから、十ページ目でございますが、
由良川の
状況でございます。
由良川は、福知山盆地から舞鶴にかけまして、
山間狭窄部といいますか、非常に狭いところを流れておりますので、この間については、
堤防の整備という形ではなかなか対応できないというところでございまして、
治水対策としては、
輪中堤をつくるとか、それから、集落だけを地上げして対応するというような
区間になっているわけでございます。
国道百七十五号がこの
川沿いに走っておりますが、
舞鶴市内でございます、赤く
場所を示してございますが、河口から十キロぐらいのところで
バスが立ち往生して、
バスの上に三十七名の方が
避難して
救出を待ったということが
テレビ等で報じられていた
場所でございます。
十一ページ目にその
状況を示してございますが、このような
状況になっておりまして、下の
写真にドライブインと書いてあるところがありますが、ここに現在その
バスが移されておりますけれども、一連の水がついた
区間で
バス、
トラック等が同様な
状況で
救出を待ったということでございます。一名の
犠牲者が出たというふうに聞いておりますが、ほぼ全員無事に
救出されたということであります。
それから、十二ページ目でございますが、
土砂害につきましてまとめてございます。十三ページ以降にそれぞれ載せてございますが、これは
円山川、
由良川とは別でございまして、十三ページ目は岡山県の玉野市の
状況でありますが、ここで五名の
死者が出ております。
それから、十四ページ目でありますが、京都の宮津市の
土砂害の
状況、ここでは二名の方がお亡くなりになっております。
それから、十五ページ目に、海岸でございますが、室戸市の
菜生海岸というところで高潮の
堤防がございます。これが、今まで日本で観測した、我が国で観測した波の中で一番大きい波を観測したというような大きい高波によりまして破壊しまして、この背後にありました
市営住宅でございますが、十三戸の家屋のうち
市営住宅十一戸が
被災しておりまして、ここで三名の方がお亡くなりになったということでございます。
参考までに波高を書いてございますが、今まで一番大きかった波高が、室津という
観測所で九
メーター四十五でありましたが、今回は十三
メーター五十五という非常に大きい波を観測しているわけでございます。
十六ページ目に、海難も幾つかございましたが、その中で、報道がなされておりました
海王丸の座礁、それから
ロシア船籍の客船の
被害、そういうものに対して載せさせていただいております。
概況、以上でございます。