○中川(正)
委員 さっきの認識に、少し視点の持ち方の誤りがあるんじゃないかなと思うんですよ。
迫撃砲が飛んでくる、あるいはロケット砲、また、オランダ軍は直接攻撃をされた。その攻撃をしてくる相手、これは市民とは全く次元の違う、例えば、テロ組織をネットワーク化しているその流れが
活動をこういう形で活発化してきているということ、あるいは、先ほどお話が出ましたが、サドル派がそれなりの、
ムサンナ県の中でも
勢力を伸ばしつつある、あるいはまた、それ以外のさまざまな形で、ひょっとしたら市民の中にアメリカに対する敵対心というものが醸成されてきて広がりつつある、そういう背景と、一般の市民が、
日本の
自衛隊があそこで道を直してくれる、あるいは水を供給してくれるということで歓迎して手を振ってくれるという話とは、全くこれは違う次元の話なんです。
我々が何とか
自衛隊の安全を
確保していこうとする相手というのは、
長官、あなたが見てきたその姿じゃないんですよ。その後ろに隠れている、そして、その
勢力が広がりつつある、それがどこでどういう形で爆発するかしれないという、そのエネルギーをどういうふうに評価するかということがこれからの一年の決め手になると思うんです。そういう
意味で、私はさっきのような
説明というのは、記者会見等々通じて何回も何回も目で見るんですけれ
ども、いや、これは違うな。
我々が入っていった中でも、さまざまな人たちから話を聞いていますが、NGOの人たち、あるいは、特に外人記者クラブで聴取した話。これは入っていったというのは、実は、ことし、この
委員会で再び入っていったんですよね。そのときに、
イラクの中に入るということで我々その準備をしたんですけれ
ども、どうも中谷筆頭の話によると、そのときには、まだ
防衛庁長官が
現地に入っていないから
委員会は先に行くなというふうな話もあって、大義としては危ないからという話だったんですが、そんなことで我々は阻止をされまして、クウェートの前線基地でとまってしまったんですよ。
しかし、アンマンで、さまざまな人たちが
イラクから出てきた。出てきた人たちに聞いていると、どうも
防衛庁長官の話は表面的な話であって、中は非常に大きな流れができてきている、アラブ全体が
一つの渦中に入りながら大きな流れができてきている、そういう感覚を私は持っています。そういう
意味で、相当話が違うんだろうというふうに思うんですね。
それと同時に、もう
一つ、
ムサンナ県の知事、あるいは、私たちはこの
日本で
イラク政府の閣僚とも懇談をしているんですが、彼らも同じように
日本の
自衛隊の
活動というものには感謝をしています。これは共通で出てきます。これは当然のことだと思うんですが、しかしもう一方で、実は本当にしてほしいことは、さっき
長官も言われましたけれ
ども、社会
インフラ、特に電力関係ですね、こういう大規模プロジェクトへ向けてしっかりとコミットをしてくれないだろうか、それぞれの経済を根本から回してくるような形で資本コミットをしてくれないだろうか、あるいは、最終的には雇用というものをしっかり創出してくれないだろうか、これですよ。これは、
自衛隊とは関係のない話なんですよ。
自衛隊あるいは軍隊というのは武力をもってその機能をなすわけですから、これは
治安なんですよ。
日本に本当に
イラクの人たちが期待をすることというと、もう
一つの部分、
日本ができることはもっとあるでしょう、もっとコミットしていただけることがあるでしょう、こういう部分なんですね。それに対してこたえていないということが、よく報道でも言われる、向こうの期待と
日本がやっていること、
日本は
自衛隊ばかりにこだわっている、何とかアメリカに顔を立てなきゃいけないというので
自衛隊ばかりにこだわっているから、その話と、それから、実際に
イラクの役に立っているのかという話とがだんだんだんだん乖離してきて、何のために我々が貢献をしているかというのが特に
現地の人たちにとっては見えなくなってくる、そのことが、ここから一年先、起こってくるんじゃないかということ、ここなんです。
そういう
意味からいって、
外務省、
大臣の方に答えていただきたいんですが、こういう流れでいいんですか。改めて
お尋ねします。こういう流れで本当にいいんですか。貢献できているんですか。