○中根
委員 ありがとうございます。
きょうはなかなか重要な日だということがよくわかりました。午前中、そういった
会議があった。それから、きょうは新しい
内閣ができてからちょうど一カ月ということで、
大臣就任一カ月記念になるということでございます。それから、きょうの午前中、東京
地方裁判所で
一つの判決が下りました。例の選択エージェンシーの事件で、石川の
社会保険局にいた森隆行さん、この方に対して、懲役三年執行猶予四年、追徴金四百六十万円という一審の判決が下った日でもありますし、それから、
大臣が
就任された日と同じ日に何があったかといえば、例のカワグチ技研の汚職事件、川崎義幸社長、それから
渡辺俊之
地方課長が逮捕されたのもちょうど一カ月前であったということで、なかなかきょうは
意味のある日だなということで感じさせていただいておるわけなんですけれ
ども。
そういった中で、午前中からの
議論も出ているんですけれ
ども、
社会保険庁は腐っている、それぐらいの気持ちになって、そう
国民が思っていらっしゃるというぐらいの自覚を持って
改革に臨んでもらわなくてはならない。それぐらい厳しい
状況にあるということだと思います。
国民年金の徴収作業に使う金銭登録機をめぐる、今申し上げましたカワグチ事件。カワグチ技研の事件というのは、小泉さんの
言葉をかりれば、まさに
社会保険庁改革の本丸ですね。この部分をきちんと検証していくということが、本当に
社会保険庁が
国民の
信頼を回復できるかどうか、試金石になるというふうに思っています。キーワードとしてある
随意契約、
監修料、天下り、すべてがこのカワグチ事件にかかわって集約をされているわけでありますので、本当に腹を据えて、警察や司法の方に任せてあるということではない、緊張感を持って
対応していただきたい。
随意契約で独占的に受注させた見返りに、
渡辺さんは現金五十万円を受け取った。カワグチ技研の社長の川崎義幸さんとも
どもに、九月二十七日に逮捕され、十月十八日に起訴されました。まさにこれは、社保庁、厚労省を舞台とした公務員と業者との根深い癒着。そしてそれは、これだけではなくて、明らかに氷山の一角であると言わざるを得ません。
そして、川崎義幸さんの奥さんは、御案内のとおり、元厚労省あるいは社保庁の
職員だった。そのことを知っていながら、カワグチ技研に対して、パピアートであるとか、あるいは金銭登録機というものを発注して、購入していた。そのこと自体がモラールというか見識を問われることであろうと考えさせていただいておりますけれ
ども、その義幸さんの奥さんの千尋さん、元社保庁の
職員さんが社長を務めているニチネン企画が、九八から〇二年の五年間で約十一億円の印刷物を随契で社保庁から受注をしています。そして、その見返りとして、この間約一億円の
監修料を
関係の
職員の
方々にお渡しをしているということも、この間明らかになってまいりました。
まさに癒着、個人的なものではなくて構造的なものであるということが言えると思っています。随契の
見直し、
監修料は、どこかで線引きをして、そこから上はやめるけれ
どもここから下はいいということじゃなくて、もう全部一回やめて、凍結して、
関係の業者さんとのそういった癒着の
関係を断ち切ってみる。天下りも一度凍結してみる。そういった思い切ったことをしないと、まさに地に落ちたとも言われている
社会保険庁の看板を立て直すことは、
幾ら民間から、それこそ希望の星、期待の星として登用された
村瀬長官であろうとも、これは難しいということになってきてしまうということだと思っています。
もちろん、私
ども議員の側も、反論もあるかもしれませんけれ
ども、議員
年金はやめる、政治資金規正法はきちんと
国民の
納得できる形で改正をしていく、こういうことも、私
ども議員の側もそういったことはやらなきゃいけない。
九月十七日に示されました、
官房長官のもとにある社保庁の在り方に関する有識者
会議、ここが了承した、当初六十五項目、きのうかおとといつけ加えられまして七十七項目になったと聞いていますけれ
ども、この緊急
対応プログラム、すばらしいと思って、拍手喝采を受けているとは、恐らく
村瀬長官も感じておられないのではないでしょうか。そこにかいま見えるのは、
改革よりもむしろ組織防衛という、やはり保身の体質であると言わざるを得ない、そんな内容になっていると
指摘されています。
有識者
会議なるものが発足したのは、
社会保険庁による
年金保険料のでたらめで際限のない流用、あるいはサービスの悪さ、不透明かつ不正な契約のあり方、個人情報の漏洩、こういったものが背景にあって、まさに、少子高齢
社会というより以前に、私たちのこの公的
年金制度が
社会保険庁の
方々みずからによって大きなダメージを受けて、そして
国民から
年金不信を招いて、そのことが収納率の大幅な低下につながっているということを改めて自覚していただきたいと思っています。
したがって、
社会保険庁の存続というものが前提にある
社会保険庁改革というのは、全く力強さを
国民に感じさせることができない。民主党が提案しておりますように、例えば国税庁との統合、まさに
社会保険庁の徴収業務は民間にゆだねる、そういった抜本的なこと、いろいろなそういった思い切った
選択肢をきちんと見据えていかなければ、そしてあり余る危機感を持って
対応していかなければ、とてもこの
改革というものは遂行することができない。言い方を変えるならば、
保険料が適正に使われる、そういう
国民からの
信頼を取り戻すことができるならば、未納、未加入という問題はおのずと解決をする、減少していく、そういう
考え方で取り組んでいただきたいと思っています。
緊急
対応プログラムの中に目立つのは、未納、未加入者への、例えばパスポートやあるいは
国民健康保険、運転免許証の資格取得制限、そういった、ある
意味で本末転倒のようなものばかりであって、まだまだ
社会保険庁の
方々の、あるいは
官房長官のもとに置かれた有識者
会議、こういった
議論に参画している
方々の
認識不足は甚だしいと言わざるを得ないと思っています。
大体、こういった運転免許証とか
国民健康保険証とか、
社会保険庁とか
年金と
関係ないところで何かペナルティーみたいなものを与える、こういうやり方は、
国民から見てやはりちょっとおかしい、ひきょうであるというふうに言わざるを得ない。徴収を問題にするなら、まずその前に、みずからのむだ遣い、流用というものを解消していく
努力を行っていただかなくてはならないと思っています。
予算執行についても、競争入札の導入、あるいは、
保険料を
職員宿舎や公用車、ゴルフボール、プロ野球観戦、ライオンキング鑑賞、こういったものに充てないという当たり前のことが羅列されている。まず当たり前のことからやらなきゃいけないというのは当然なんですけれ
ども、ちょっと余りにも、繰り返し申し上げますけれ
ども、
改革の力強さを
国民に感じさせることはとてもできない。十月十二日の
総理の所信表明演説にも、この
社会保険庁改革について言及された部分はありましたけれ
ども、やはりそこにも、切実さやあるいは真剣さが余り感じられるような内容ではなかったと思っています。ペナルティーよりもまず、入りたくなる、そういう
年金制度をつくるということで考えていっていただきたいと思います。
こういったことを申し上げた上で、まず長官にお伺いしたいと思います。
長官、民間から登用されたということでありますけれ
ども、したがって、しがらみにとらわれず判断し行動していくことができる、そういう立場が、そういうことが期待をされておられると思いますけれ
ども、今までの検討の中で、
社会保険庁の解体とか、私
ども民主党が
一つの
選択肢として御提案を申し上げている国税庁との統合とか、そういったことは今までの中で検討されたことがおありなのかどうか。
あるいは、〇七年に収納率八〇%というものを目標にしておられるわけなんですけれ
ども、この八〇%という数字は、例えばカワグチ技研の金銭登録機を導入する、そのとき、徴収
対策ならば何をやっても許される、そういう理由づけがなされたと思うんです。そのときからもう既に八〇%という数字は出ていた。
村瀬長官が
就任されたら〇七年度に思い切って一〇〇%に持っていくんだ、そういう力強い決意を示していただくことはできないかどうか、まずお聞きをしたいと思います。