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中川国務大臣 私が前回、当
委員会一般
質疑で御答弁を申し上げたのは、そういう御趣旨でございます。
日本が二百海里の中間線で主張しているというか認定しているラインというのは、前にも申し上げましたが、本来、
日本から二百海里が排他的
経済水域だということ、これがまず第一原則であって、他方、中国からも引くと当然重なり合うので、その重なり合った水域を
お互いに半分ずつしましょうということで中間線にしているんだ。これは、中国の存在を、あるいは中国の海洋法
条約に基づく主張を配慮して中間線にしているんだという前提がございます。
他方、中国は、
日本の二百海里というものをそもそも認めない、したがって中間線を認めない、自分たちは、自分の大陸から二百海里を黙って引いて、そして大陸棚を自然延長していくと沖縄のすぐ手前の沖縄トラフのところまで行くんだから、そもそも中間線を認めない、つまり
日本の主張を認めない、ある
意味では
日本の物理的な存在というものを認めない。それじゃ話にならないでしょうと。
したがって、中国側が、この前、二十五日の
会議でも、では、
日本側が文句をつけている中間線と我々の権利である沖縄トラフとの間を係争水域にしましょうと先方が言うものですから、いやいや、係争水域というのであれば、
日本の主張している二百海里までのところが係争水域ですよということを、十月二十五日、薮中
アジア局長、我が省の小平エネ庁長官から主張したわけであります。
したがって、係争水域があるとするならば、
日本としては二百海里まで、あるいは向こう側は沖縄トラフまで、こういうことになるわけであります。
他方、海洋法
条約の七十四条、八十三条では、
お互いに意見が違うときにはとにかく最後まで話し合いなさいというとてもいい規定なんですけれども、では、話し合ってどうなんだというところが全然書いていないというのがちょっとこの
条約の、我々としてはその先の
ルールが書いていないということになるわけでありますが、今おっしゃられたように、では、西側についてはどうなんだというと、中国は、他方、認めていないけれども
日本側の中間線に配慮して前に出ていないんだ、こういう主張なんですね。したがいまして、春暁も前に出ていないんだ、あくまでも、
日本が勝手に主張しているとはいえ、中間線の内側でやっているんだから
日本には
関係ないでしょうと。あるいは、私どもが言っております、丸々
日本側にあるところに鉱区を設定したという情報がありますけれども、これもどうなんだと言ったら、いや、そんなところで作業はしておりません、したがって、認めていないけれども
日本の中間線の中では作業をしておりません、こういう主張であります。
だから、万が一、係争区域の議論は議論として、現実に
日本の中間線の中で先方が資源開発なり資源探査なりをしているということがはっきりとわかれば、だから、そうじゃなければ情報をくれということを言っているんですけれども情報をくれないわけでありますが、そういうことでないという前提であれば、とりあえず向こう側のいろいろな平湖等の海洋開発についても、
日本としては、七十四条、八十三条の係争水域だから話し合いをしましょう以前の問題として、
日本側でもやっていないんだから係争水域にはならないでしょうという実際の行動と同じ
レベルとして、今の段階では、向こう側でやっているものについては問題にする
レベルになっていない。
これが、それでいいんだということでは決してございませんけれども、向こう側が
日本の側でやっていないと言っている以上は、
日本も向こう側について何らかの行動を起こすということには現段階ではなっていないというふうに理解をしております。