○赤羽
委員 公明党の赤羽一嘉でございます。
きょうは大変限られた時間でございます。また、昨今大変多くの、大きな
外交テーマがございますが、FTAの問題、また対日関係の問題等々について絞らせて御
質問させていただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
まず、ASEAN各国とのEPA、FTA
交渉の件でございます。私たち公明党の中にも、FTA推進プロジェクトチームというものがございまして、私はその事務
局長を仰せつかっております。この十月の上旬、臨時
国会の開会前にも実はフィリピン、タイを訪問いたしまして、フィリピンでは経済産業のプリシマ
長官またアキノ次官、またタイでは
外務省のピサン副次官また商務省の政務官、こういった今回の
日本とのFTA
交渉の
責任者の皆さんと率直に
意見交換をしてきたわけでございます。
その中で、
両国とも、彼らにとっても、例えば鉄鋼ですとか機械、自動車、こういったものを
日本に対して関税をフリーにするとか、これは大変大きな実はリスクを踏むんだ、しかしそのリスクを踏んでも、
日本との相互交流、補完的な位置にある
日本とのFTA、EPAを結ぶことは中長期的には相互に大きなメリットがある、そう考えていると。しかし、なかなか、
日本との
交渉をしていると、総論賛成なんだけれども現実的には大変各論としては問題がクリアできない、本当に
日本は一体このFTAをやる気があるのかなというような、本音というか率直な
意見も出されたわけでございます。
私、この問題、実は今回、臨時
国会の予算
委員会でも
質問に立たせていただきまして、総理にも見解をただしたわけでございますが、総理は、このFTA、EPA、推進を大いにやらなければいけない、タイのタクシン首相とも実はこの問題で話し合った、米以外の問題についてはもう自由にやろう、米については、WTOでも一〇%は例外品目を認められるから、米についてはなかなか譲れない、こういったことは合意した、こういうような御答弁がありました。
そういった中で、恐らく
政府部内の中でもそれなりの進捗
状況であって、きょうの
新聞にも、見ておりますと農産物の関税について農水省は米を除き削減対象にするというような
記事が、マスコミ
報道でありますがあるようなので、それなりに進んではいるのかなとも思いますが、私、これは大変難しい
交渉なのではないかというふうに思うんですね。
メーンスピーカーは多分
外務省でありながら、実体は経済産業省や農水省や厚生労働省だ。ですから、対
外交渉をやりながら、ちょっと言葉は悪いかもしれませんが、対内
交渉というか各省庁折衝というか。それで、この省庁の利益というか、どのようにマネジメントするかというのが、こういったことを相当全権を委任されなければ、
交渉のメーンスピーカーである
外務省、
外務大臣であり藤崎さんなのかもしれませんが、大変しんどいネゴシエーションになるんではないかというふうに大変危惧をしております。ですから、それで特命
大臣云々という話はなかなか、またこれも屋上屋を重ねるような話になるというような、ここの
委員会でのやりとりもありました。
私、FTAの関係閣僚
会議というものがあるように聞いておりますが、なかなかそれは、官邸に対してどうなっているかというのを御報告されているような形で終わっているとも伺っております。しかし、FTAの関係閣僚
会議のところでしっかりと本音を話し合って、何が国益なのか、FTAを結ぶことは国益なのかどうなのかということも本当に率直に話し合って、それなりに、
外務省なら
外務省、どこに権限が移譲されるかはわかりませんが、
交渉の持ち方というものをしっかり話し合わないと、なかなか
最後の大詰めを詰めることはできないんではないか、こう懸念するわけなんです。
私が申し上げました、ASEAN各国とのFTA
交渉を妥結することが本当にメリットと考えているのかどうかということも含めて、今の
外務省の、
交渉の一応
責任者であると私は認識しておりますが、
外務省としての御見解を伺いたいというふうに思います。