○
町村国務大臣 いろいろなレベルの必要性といいましょうか意義といいましょうかがあろうかと思います。やはり世界大で見たときには、私
どもは確かにWTOという世界レベルのそういったメカニズムというのを大切にしよう、これはこれで今一生懸命
交渉し、来年の年末までに一定の成果を得ていきたい、これはこれであります。
それはもう釈迦に説法でございますけれ
ども、それによって世界
経済を全体として活性化させる、物、人、お金、それぞれの流れをよくしていって、
経済全体の
経済的な厚生を高めていこうということはあろうかと思います。それに役立つということが
一つあります。それからもう
一つは、今度は
日本という国にとってみても、先ほどるる申し上げておりますように、具体的なメリットがある、
日本経済の活性化にも
意味がある。
あと問題は、その中間にある地域的な感覚であります。これはあくまでも排他的な、特に戦前にあったような排他的な関税同盟的な色彩を持った、その中だけでやれ、あとはむしろ排除していくということであるならば、これはまさにWTO、ガット違反ということになるわけであります。そういうことではない。
ただ、さはさりながら、その地域地域でのつながりを、世界にもそれはメリットはあるけれ
ども、一義的にはまずその域内でということになると、やはり
日本はアジアというものが伝統的に、地理的にも、当然のことながらアジアということが意識にあります。そうすると、シンガポールから始めて、次にアジアに行かないで何で
メキシコに飛ぶんだという御疑問が出てくるわけであります。
シンガポールという国は、ある
意味では大変
経済的にも進んだ国で、
日本と似たような部分があります。ですから、そういう言い方をするとあれですけれ
ども、
一つのモデルとしては非常に勉強、第一歩を踏み出すにはとてもいい勉強相手であったというような言い方ができるかもしれません。
メキシコになりますと、多少今度は農業というものが絡んでまいります。シンガポールの場合は、農業問題というのはほとんどなかったわけであります。この農業問題が今度アジアの方に行くとますます大きくなるというのはわかっておりますから、まずその農業問題にどう対応するのかという、
一つの、これもモデル
ケースとしての位置づけというものもあって、
メキシコとやってみました。
もちろん、それだけではなくて、先ほど申し上げたさまざまなメリットもあるわけですけれ
ども、今後の
EPA交渉の
展開を考えたときに、私は、
メキシコというのは、そういう
意味ではまたもう
一ついい勉強材料と言うと
メキシコに失礼かもしれませんが、そういうような部分もあった、こう思います。
いよいよこれからアジアに向けて本格的な広がりを持った
EPA交渉を
展開していく、来年四月からはASEAN全体との包括的なそういう
EPA交渉もやっていくということで、ここまで明示的に
政府で統一見解をつくったわけじゃないと思いますが、私の少なくとも問題意識の中では、やはりアジアというものを相当強く念頭に置いてこれから取り組んでいくということであろうと思います。
現に、実はチリで今度はAPECが開かれますけれ
ども、チリを初め中
南米諸国からもそういう要求があります。あるいは、インドとか幾つかのそういう国々からもあります。その際に、どこをこれから重点に考えていくかというと、私はやはりアジアというものに、もちろん
南米がどうでもいいとかそういうことを言うつもりもありませんけれ
ども、やはりアジアというものの中でのより密接な
経済関係を
強化していくという意識を持って今後の
EPA交渉を取り組んでいく必要があるのではないか、私はそのように考えております。
〔
委員長退席、
首藤委員長代理着席〕