○遠山清彦君 公明党の遠山清彦でございます。
最初に、
外務省、
外務大臣にお伺いをいたしますけれども、先ほどもちょっと言及がありましたNGO、
日本のNGOの邦人職員の
現地活動についてちょっとお伺いをしたいというふうに思っております。
先ほども出ましたけれども、今年四月のあの邦人人質事件の後、
日本の人道
支援、緊急援助のNGOは邦人スタッフの
現地イラクへの
派遣というものを基本的にはしていないというふうに私も理解しております。
政府・
外務省も基本的には、特にあの人質事件の後、
治安状況が不安定な場所については
派遣を自粛するようにと強く勧告をしているというふうに私理解をしておるわけでございます。
政府・
外務省の立場から見れば、NGOが仮に自己責任の下に邦人スタッフを
派遣をしたとしても、実際に彼らが
現地で誘拐とか拉致の被害に遭った場合というのは、当然これは
政府に邦人保護義務が生ずるわけでございますから、他の国のNGOのスタッフもいろいろな被害に遭っている現状にかんがみれば、邦人スタッフの
派遣について消極的な立場になることは私も一定の理解をしているわけでございます。
しかし、私も議員になる前にNGOのアドバイザーで、
イラクにも入っておりますし、それから東ティモールにも行って
活動した立場から申し上げれば、一九九〇年代に入ってからもう、
川口外務大臣よく御存じのとおり、
日本に限らず
国際社会全体の人道
支援あるいは援助の現場でNGOの存在感というのは物すごく増大をしてまいりました。
その
一つの背景というのは、仮に
治安がかなり不安定で危険な
状況であっても、国の機関がなかなかいろんな理由で制約を受けて動けないときでも、NGOはフットワーク軽く機動性を持って現場にすぐ駆け付けて、そして初動の大事な援助をすると。それができるのはNGOだということで、九〇年代に入ってからかなり、もう今は
日本でも少なくとも、少なく見積もっても百以上そういう国際NGOありますし、また海外を含めれば三万以上そういう団体があるというふうに言われておるわけです。これは一九八〇年代には三千ぐらいしか世界じゅうでそういう団体がなかったという研究もありますから、十倍増えているんですね。
そういうことを
考えたときに
日本のNGO見たときに、欧米の、欧米
諸国のNGOよりは出遅れましたけれども、最近は、ジャパン・プラットフォームに
参加している団体に象徴されるように、かなりリスクマネジメント、危機管理能力の高いNGOの団体が出てきております。それからコストパフォーマンスにおいても、ODAの予算を活用してかなり顔の見える援助というものができる団体が増えてきているわけです。
ところが、この邦人の人質事件の後の今の
状況が続くとなかなか、
日本として
イラクの
支援にコミットしますよと言っていても、実際に
日本のNGOは現場に行けない。それは
政府の職員もそうなんですが、制約ありますから。そういう
状況がずっと続いてしまう懸念があるわけですね。
私は他の先進
諸国の例をちょこっと研究をいたしましたら、ほかの国においては、
政府とNGOがこのリスクマネジメントあるいはセキュリティーマネジメントの部分について緊密な
協議を行って、場合によってはガイドラインを作って、いわゆるNGOと
政府のお互いの信頼の上に官民の役割分担と責任の所在を明確化して援助
活動を、仮に危険な
地域であっても行っているということがございます。
私はこれ、邦人人質事件の心理的ショックというのは非常に大きかったわけでありますから、なかなか
日本人のスタッフが例えば
イラクに行って再び現場で
活動するというのは難しいというのは一般的な印象であることは私も当然理解をしておりますが、しかし、このままの状態でずっといっていいかというと、私はそうではないと思っております。
そういう意味で、是非、
外務省とこのNGOの
代表で、このリスクマネジメント、あるいは
治安が不安定な
状況であってもどういう条件と了解事項の下であればその
活動ができるかということについて、場合によっては我々立法府のメンバーも入って真剣に話合いをした方がいいと思うんですが、
外務大臣の見解をお願いいたします。