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川口国務大臣 まず、事前通報制度でございますけれども、これは、東シナ海の
我が国の排他的な経済水域内における中国の海洋
調査船による海洋
調査活動、これにつきましては、おっしゃった相互事前通報の枠組みというのが
平成十三年に成立をしております。そして、東シナ海においては、
平成十四年の九月以降はこの枠組みに違反する事例は確認をされていないということでございまして、基本的にこの枠組みは東シナ海においては有効に機能をしてきたということであるかと思います。
一方で、ことしの五月になりまして、この水域で中国の海洋
調査船「奮闘七号」という船ですが、これによって事前通報を行わない
調査活動が行われたという事実がございます。これにつきましては、
日本から直ちに、現場水域において、そして外交ルートを通じて
活動の即時中止を申し入れたということでございます。
枠組みの有効性について、東シナ海においては今申し上げたような
状況でありますけれども、それ以外の海域についてどうであるかということで申し上げますと、
国連海洋法条約に基づく事前申請を行わない、または
我が国が同意を与えた水域とは異なる水域で海洋
調査活動を行う事例というのが増加をしているわけです。この事例につきましても、
日本から現場の水域及び外交ルート、これを通じまして、その都度、
調査、これについては
調査活動の即時中止を厳重に申し入れているということでございます。
例えば、私も李肇星外交部長に対しましてこれを言いましたし、それから四月二十二日に事務レベルで海洋
調査船に関する日中
協議、これを開催いたしまして、
日本から中国に対して、中国海洋
調査船への指導監督及び違反事例の再発防止、これをさらに徹底していくということを強く要請したわけであります。
そこで、中国側の反応はどうかということでありますけれども、外交ルートから申し入れるということについて、中国側からは、中国側はこれを真剣に受けとめている、そういう旨の反応もあったわけでございます。このような事態が重なるということについては非常に遺憾であるというふうに考えておりまして、引き続き中国側に対して、海洋
調査船への指導監督、そして類似の事態の再発防止、これを徹底するように要請をしていきたいと考えています。
それでは何ができるかということになるわけですけれども、通常この中国の海洋
調査船というのは公船である、通常これは
政府機関に所属をするということでございまして、公船であるということですので、
関連の海洋法条約上、基本的には、旗国である中国以外の国の管轄権からは免除をされているということになっています。それで、
国連の海洋法条約上、この
政府の船舶に対して管轄権を行使しない形で
調査活動の停止、終了、これを促すということについてまでは、禁止をされているということを言うというのは言いがたい。もう一度申し上げますと、管轄権を行使しない形でこれに対して
調査活動の停止、終了を促すことまでも禁止をされているとは言いがたいだろうというふうに思っております。
こういう
考え方でございますけれども、具体的にどういうような対応が可能であるかということについては、
日本として真剣に検討をしておりますし、今後とも検討していくということでございます。