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国務大臣(
川口順子君) まず、このネイバ、ドベルジェの両地区について、そのときに
先生がお引きになられたようなそういう
表現というのも確かにそこにあるわけですけれども、またその文章の違うところを見ますと、例えば、今時視察の結果を総合するに、ネイバ、ドベルジェ両地区とも概して良好なりとの印象を得た。上述のごとく、地質、水量、気候等については横田支
部長より
報告あるはずであるが、これを、要するに諸般の条件はダハボン地区と大同小異であって優劣を論ずることは至難であるということも書いてございまして、そういうおっしゃったようなことは書いてありますが、そういう総合的な判断としては今申し上げたようなことがあるわけでございます。
いずれにしても、この点、二〇〇〇年から訴訟がありまして、正に国の責任をめぐってこれは訴訟が行われているわけでございます。我々としては、
政府はこれについては責任がないという立場から司法の場で議論をさせていただいているわけでございます。係争中のことでございますので、いろいろ
委員のお立場その他十分によく分かっておりますけれども、この場でそういったことが、判断が妥当であったかどうかということを議論させていただくというのは適切ではないというふうに思っております。
ただ、いろいろ、この前
予算委員会で
委員から御
質問があって以降、私も、阿部副
大臣に行っていただいたり、そのお話を伺ったり、それからそれなりにいろいろな話も聞いたわけでございます。それで、確かにいろいろな、大分、もう四十年を超える昔の話に始まったことでございますので、いろんな事情がその当時あった。その結果として、何人か
日本にお帰りになられた方もいらっしゃいますし、
昭和三十六年の時点で閣議決定をして、そういった措置を取るという事態もあったわけでございまして、一方で非常に
現地に行かれて成功していらっしゃる方もいらっしゃいますし、他方で不幸にしてそういうことではなかったという方もいらっしゃいますし、そのいらした方々、成功なさった方も失敗なさった方も、当時のその
状況での暮らし、異郷での暮らし、これは大変なものがあったというふうに私も思っております。
そういった方の本当に御苦労というのは大変なことであると思いますけれども、それはそういった認識を持ち、かつ、その方々、それぞれの方は、成功なさろうと思って行かれた中にその志を達せられなかった方がいらっしゃるということについては本当に私はお気の毒だと思いますけれども、それは司法の場で別途争われているということでございますので、ここについて、
委員は国に責任があるというお立場で議論を展開をしていらっしゃるということでございますけれども、国としては別な立場で今司法の場で議論をさせていただいておりますので、そういったことにつきましては国の立場を司法の場で主張をさせていただきたいということであるわけです。
それから、いろいろな話あるいは
報告等を聞いて一つ私が思いますことは、大変に、三十六年の、阿部副
大臣のお
言葉で言えばリセットの後、その後うまくいった方もいらっしゃるわけでして、ただ、不幸なと私が思いますのは、
ドミニカという国にあって仲良くみんなで暮らしていき、そして
日本と
ドミニカの友好の懸け橋になっていただきたい、行かれた方々が今その訴訟ということをめぐって二つに分かれているということが私は非常に不幸な
状況であるということ、いうふうに思うわけでございます。
それで、国として、これは大変に難しい問題でもあるこの今の
状況をどうやっていくかということは大変に難しい問題であるというふうに私は認識をしておりますが、やらなければいけないことというのは、やはり今後その
日本と
ドミニカの関係を考えていきますときに、この
現地で分かれている日系人の社会、これをやはり一つにまとめて、
日本と、この方々がせっかく行かれているわけですから、
日本と
ドミニカの懸け橋になっていただくような、その皆さんが一緒に仲良く暮らしていけるような、そういうようなことにしていかなければいけないということであると私は思っております。
それで、そのためにどうしたら国としていいかと。訴訟は訴訟といたしまして、それとは、
政策の話として今後どのようにそれを、仲良くしていただくために国として働き掛けることができるかということは
現地の大使も今一生懸命にやっておりますけれども、このことに関心をお持ちの諸
先生方にも私としては是非そういった角度からいろいろお知恵もいただきたいと思っておりますし、御協力もいただきたいというふうに思っております。
いろいろな問題はたくさんあるわけでございまして、訴訟の場での議論は議論、そして、今大事なことは、今いる人たちがいろいろまだ苦労を重ねているとしたら、その方々に何が国としてしてさしあげられるか。そして、何よりも大事なことは、協調して一緒に仲良く日系人の社会を作っていく、これができないということは非常に不幸であって、それをどのようにしたらいいか、是非諸
先生の御協力もいただきたいと私としては思っております。