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国務大臣(
石破茂君) 防衛庁の省移行につきましてお尋ねがございました。
先生よく御案内のとおり、
平成九年の十二月に行革会議最終報告がなされておりまして、これはそのときに政治の場において議論をするんだと、こういうような整理がなされております。私
どもといたしましては、それに従うべきかというふうに考えておりますが、これ、旧来、旧保守党さんから法案が出ておりました。先般、自由
民主党におきましてもこの防衛庁の省移行への法案というものを決定をしていただいたというふうに承っております。
おかげさまで、
イラクへの
自衛隊派遣も多くの国民の方が賛成をしていただけるようになりました。各地におきまして
自衛隊員たちが命に従いまして黙々と働いておる。そして、これはもう
委員にもよく御
指摘をいただくことでありますが、事に臨んでは身の危険を顧みず身を挺して国民の負託にこたえる、その誓いを実際に黙々とやっておる、そういうような若者たちが
日本にいる。そういうことに対する共感が広がってきたのはとても有り難いことだというふうに思っております。
で、防衛庁をなぜ省にしなければいけないか、私も
大臣になります前、党の中でいろんな議論をさせていただきました。別に、防衛庁が防衛省ではなくて庁であるならば士気が低いのかと、そのような問題ではございません。防衛庁が庁のままであったとしても隊員たちは黙々と一生懸命努力をいたしております。士気が高いとか低いとか、そういう問題ではございません。
しかしながら、これ、防衛庁は
内閣府というお役所がありまして、それの外局として位置付けられております。
農林水産省というお役所があって水産庁や林野庁が外局であるように、
財務省というお役所があって国税庁が外局であるように、
内閣総理大臣を長といたします
内閣府というお役所があって、その外局として防衛庁がある。防衛庁
設置法において、その長は
国務大臣をもってそれを充てるということになっておるわけでございます。
これは党内でも議論があったことでございますが、それでは国防という、
委員御
指摘のように、そういうような任務を、これを外局にやらせてよいのだろうかという御議論がその本質であったように、私、記憶をいたしております。
同時に、これ、庁というのは訳しますとエージェンシーということになりますわけで、ディフェンスエージェンシーといいますと、厚い辞書を引きますとエージェンシーというのは代理店とこう出てまいりまして、その次には公社、公団とこう出てまいりまして、ジャパン・ディフェンスエージェンシーというと
日本防衛公団かよと、こういう話になりまして、それはいかがなものかというような御
指摘もありました。
私たちは、耳障りがどうとか士気がどうのとか、そういうことを申し上げておるわけではございません。国防というものを国家の中においてどう位置付けるのかということが党内における
委員に御指導いただいた議論の中心ではなかったかというふうに考えております。ただ、先ほど申し上げましたように、これは
平成九年において政治の場で議論すべきことというふうに位置付けられました。
私
どもとしては、それに従いまして、どのような名前でありましょうとも、私
ども、きちんと任務を国民のために、世界のためにやってまいりますけれ
ども、政治の場においてどうか御議論をいただきまして、防衛庁、省に相なるべくは移行させていただければこんなに有り難いことはないと、このように考えておる次第でございます。