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政府参考人(
樋渡利秋君) 諸
外国には業務を遂行する過程において作成又は保管された書類につきまして、その旨の証明があれば伝聞法則の例外として
証拠能力を付与するとの
法制度を有している国があり、これらの国から業務書類の提供に関する
共助要請があるときは、当該業務書類が業務の過程で作成又は保管されたことについての
関係者による証明書の提出が随伴して
要請されることが多いのでございます。そして、その場合の
関係者による証明書の提出は、虚偽であれば刑罰による制裁を受けることの
制度的担保の下で行われることが必要とされているのが通常でございますが、
我が国では公務員以外の私人が虚偽の
内容の文書を作成いたしましてもそれだけでは直ちに
処罰されないことから、従来は、
証人尋問を行いその結果を記載した
証人尋問調書を送付することによりかかる
要請にこたえてきたところでございます。
しかしながら、
証人尋問は
裁判所で行う必要があり、期日の設定等に時間を要することから、簡易な証明書の提出によりかかる
要請に直接的にこたえることが迅速かつ
効果的な
共助の実施に必要不可欠でございます。加えまして、ここで想定される証明
内容は、当該書類の作成又は保管の
状況という定型的かつ事務的な事項に限定されるのでございまして、証明書の提出という証明形式になじみやすい上、その方がかえって
証人尋問を実施するよりも証明者の負担軽減につながるものだと考えます。
そこで、本
改正におきましては、第八条第三項を新設いたしまして、
検察官又は司法
警察員に業務遂行過程において作成又は保管された書類等の作成者又は保管者に対しその作成又は保管の
状況についての証明書の提出を求めることができることとするとともに、第九条を新設して、証明書の提出を求められた者が虚偽の証明書を提出したときは一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処するものとして、諸
外国からの
要請に迅速にこたえ得る
制度を整備したものでございます。