○伊藤
基隆君 私もこの質問をするに当たって様々なことを勉強しましたが、例えば墨田工業
高校が就職内定率一〇〇%という、この
現場の努力が報道されています。私自身も体験をしておりますが、大変な努力を
現場の就職担当の
先生が特にやっておりますね、そういう人がめげないでずっとやってくれることを祈るばかりですが、
指導と激励というのも必要だと思いますので、是非お願いしたいと思います。
さて、違う
観点から
教育の
課題について申し上げたいと思いますが、金融ビッグバンの話を少しします。金融ビッグバンという
改革が行われてから久しく時間が経過しております。私は、この金融ビッグバンの時期に財政金融
委員会で一通常
国会で十何回と質問しました。大変危惧する問題でしたので、やった経験がございます。
これは、一九八〇年代ごろに英国のサッチャー政権の下で、金融資本市場の自由化政策の集大成として、ニューヨークに押されていたロンドン金融街、シティーを復活させて、活性化させて、一時期は国際金融センターとしての地位を回復させた特効薬として注目されました。ただ、グローバルスタンダードというのは
アメリカンスタンダードであるということは周知の事実ですが、
アメリカに占拠されたというような
状況であります。同じアングロサクソンだからいいんではないかという説も当時ありました。
日本でも、橋本内閣のときにこの政策の導入を図りまして、フリー、フェア、グローバルを三原則として、市場原理が働く自由な市場、透明で信頼できる市場、国際的な先進的な市場を目指したものの、その後の金融経済危機を経験した今日では、一時の
評価とは異なって、最近では金融ビッグバンという
言葉さえ余り耳にしなくなったのではないかと私は思っております。当時、私は様々な角度からの心配、
問題点を質問いたしたわけですが、問いただしたんですが、なかなかそういうことに明確な回答が得られないまま実施に入っていったということを今感じております、私の突っ込みも足らなかったんではないかと思っていますけれ
ども。
ただ、この金融ビッグバンによって、我が国の金融は銀行中心に行われてきた、
国民の資産もほとんど預金であったという時代から、貯蓄は大事だが、多少の投資、自己
責任でリスクマネーにも手を出すという考え方の人
たちが増えてきていることも事実だと思います。現に、金融商品の多様化、業種の垣根を越えた販売窓口の多重化が進んでおりますが、新しい金融商品の複雑な中身、仕組みを理解しないまま証券会社や銀行に勧められるままに購入して、株価の低迷などを契機とした金融トラブルに巻き込まれてしまったという、言わば善良な被害者の姿も数多く見られています。
かつては商品先物取引関連の不祥事が主流だったようですが、抵当証券、ゴルフ会員権購入に際しては融資を絡ませたもの、株価に連動する金融商品、最近では外為証拠金取引という外貨相場に関連するという新手のものも送り出されております。しかも、携帯電話のiモードを使って勧誘がなされるなど、これまでの君子危うきに近寄らずだけでの考えでは身が守れない時代にもなってきたように思います。今日のように生命保険への信頼性が低下し、ゼロ金利によって貯蓄への期待が薄弱となっている中で、特にこのような被害が発生しやすい事情も無視できないんではないでしょうか。
政府も、当時の宮澤大蔵
大臣が二宮尊徳的貯蓄精神では駄目なんだというようなことを言っておりまして、奨励をしていた
状況が様々な問題を派生させる、我々が考える健全な投資という問題からは外れたような動きがたくさん出ているんじゃないかと思います。
そこで、当時も私は大蔵省に対して質問をしておりますけれ
ども、金融に対する基礎的な知識を身に付ける、あるいは消費者
教育というものに取り組んでいく必要があるのではないかというふうに思っております。
これは
文部科学省の問題ではないかもしれません。しかし、一般的な消費者
教育と同時に、少なくとも
高校を卒業するまでには、金融商品、また金融にかかわる問題等について基礎的な知識はきちんと植え付ける必要があるんじゃないか。そうでないと、様々、
大学生がネズミ講まがいのマルチ商法に手を出して引っ掛かっているというような事実が盛んに問題になりまして、
文部科学省が注意を呼び掛ける通知を各
大学に出したというような
新聞記事も目にしておりますけれ
ども、
大学生でありながらそういうことになってしまうような、ある
意味では
社会的には幼い側面がかなり強くて心配されるところです。特に
アメリカでは厳しい消費者
教育というのが高卒段階までに行われているようでありまして、それらについてどのように考えているか、
大臣の所見をお伺いします。