○谷博之君 おはようございます。私は、民主党・新緑風会の谷博之でございます。
先ほど
有馬委員から専門的ないろんな
質問がございまして、その
質問とも若干重複する部分もありますけれども、この法案の改正内容の問題点について順次
質問をさせていただきたいと思っております。
まず、
質問に入る前に、私の基本的な
考え方を冒頭申し上げさせていただきたいと思いますが、
我が国の
原子力安全の
規制をする法体系というのは
原子力基本法というものが根幹にあって、そして
原子炉等規制法、いわゆる略称の
原子炉等規制法、さらにまた本法の
放射能被害
防止法、これは昭和三十二年に制定されておりますけれども、こういう
法律が一つの柱になって現在の
原子力の安全性といいますか、対応というものが制度化されているというふうに思っております。そして、今回はそのうちの
放射能被害
防止法に関する法改正ということであります。
文部科学省の
原子力安全課の
説明資料を見ておりますと、今回のこの法改正の趣旨、目的についてはこのように書いてあります。
国際
原子力機関、IAEA、
世界保健機関、WHO等の定めた国際標準値、これは括弧して
規制対象下限値というふうに言っておりますが、この導入に伴って数量及び
濃度の小さい
放射性同位元素、RI、ラジオアイソトープの
規制を合理化する等所要の改正を行うことを目的としていると、こういうふうに
指摘しております。
この目的、趣旨というものを見ておりますと、これまで
日本は
日本独自の基準で行ってきた
放射性物質のこうした
規制というものを国際基準に合わせるということですから、これは極めて
当たり前のもっともな改正だというふうに普通は思われます。ただしかし、もう少し
考えてみますと、今回の法改正は、いわゆる次のステップとして
放射性物質の
廃棄基準であるクリアランス
レベルの導入、あるいはまた
原子炉等規制法の改正に向けて、どうもそこにリンクしたそういうふうな露払い的な法改正ではないかというふうに我々は見ざるを得ない。
そういう意味で、今日は
文部科学大臣並びに関係各省庁の
皆さんに
質問をさせていただく機会が与えられましたので、私は次の二つの視点を前提にしてお伺いをしてまいりたいというふうに思っております。
そのまず第一点は、
世界唯一の
我が国は被爆国でありまして、そして半世紀以上の独自のいろんな取組をしてきた、そういうふうな思いがあるわけでありますから、これらを踏まえた慎重な議論、検討というものがなされるべきであるということが一つ。
それからもう一つは、いかなる法制度も、少なくともその
法律を広く国民が理解をしないとその
法律はいわゆるざる法になってしまいます。ましてや、とりわけ高度な
科学技術を求められるようなこのRI法の改正、こういうふうな問題については、特に具体的な平易な分かりやすい
説明、広報というものが必要であるということを
考えておりまして、これらの前提を是非踏まえながらいろいろ
質問をしてまいりたいと思いますので、お答えをいただきたいというふうに思っているところでございます。
そのまず第一点は、先ほど
有馬委員からも御
指摘がございましたけれども、
規制免除
レベルの国際標準値の問題であります。
これは、国際
原子力機関、IAEA並びに
世界保健機構、WHO等が定めているこの国際標準値というこの言葉なんですけれども、この言葉については国際免除
レベルとかあるいは
規制免除
レベルという、こういうふうな言葉も使われているわけでありますけれども、今回、
文部科学省はこの法改正に当たってこの言葉を国際標準値ということで統一をされました。この問題についての矛盾は若干後で私は
指摘をしたいと思いますけれども、そういうふうなことの中で、一方、これとは別に、先ほど申し上げましたクリアランス、このクリアランス
レベルというものがあって、当然、
規制の範囲内にある
放射性物質やあるいはその
放射性物質を装備した機器などの本格的な導入に対しても、現在、
原子力安全委員会で導入が検討されていると、こういうふうなことがあるようであります。
そういうふうな中で、現在、このクリアランス
レベルと
規制免除
レベルのこの整合性について検討がされていると、随分いろんなところで議論がされているというふうに言われておりますけれども、特にそのIAEAではクリアランスの対象物質の種類や大きさによってそのクリアランス
レベルが
規制免除
レベルより高くならないように規定をしているというふうに聞いておりますが、もしそうだとすれば、例えば
医療や産業
研究の現場から生じてくる
廃棄物、あるいは
原子炉のいわゆる施設の解体
廃棄物、こういったつまり
規制や物量の異なるクリアランスについてもIAEAの定める
規制免除
レベルよりも高くならない値に設定されているんでしょうか、まずお答えいただきたいと思います。