○岩本荘太君 無所属の会の岩本荘太でございます。
本日最後の
質問でございますが、私自身も最後の
質問となりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
平成十三年一月の通常国会から私、この農水
委員会に所属をさせていただきまして、一人会派なものですから差し替えがなしにずっと
質問を毎回やらせていただきまして、そういう意味ではいろいろな面から勉強させていただきましたことをまず感謝申し上げたい。
と同時に、私自身、あれですね、政治的対決というような立場でなくて、農林行政といいますか、日本の国の
農林水産業がいかにうまくなればいいかというような視点からいろいろと
質問をさせていただいたつもりでございまして、その姿勢は今も変わっておりません。いわゆる行政監査的な視点だったと思いますけれども、本日もそういう視点からちょっと
質問させていただきたい。したがいまして、余り細かいことは
質問いたしませんけれども、事務方の作文でなくて、皆さんの本当のところを教えていただきたいと、こういうふうに思っております。それと同時に、ちょっと脱線するかもしれませんが、その辺はお許しを願いたい。
まず最初の脱線は、先ほど
松山委員の
質問の中にもございました中
山間地域の直接
支払、あれについては私も地元から随分強く言われております。したがって、あれは、私もその
評価というところまではよく知りませんけれども、これだけ地元の人が言っているところを見ますと、かなりいい
施策ではなかったかな。したがって、よくうまく次に続くように御
努力を願いたい。
それと同時に、先ほどの
議論を聞いていましても、何か
農林水産業のために、あるいはそこに住んでいる人のためにというような感じがほかの省庁の方々から見るとあるような感じがいたしますけれども、農林省はこれ、いわゆる現地住民、
農業のためということでなくて、もっと強い姿勢を持っていいと思うんです。ということは、私は、本当に中
山間地域をどうするかということ、維持するということは、これはたまたまそこで今
農業が、農林業が中心だからそういう、
農水省がおやりになっているということだろうと思うんですけれども、本当に中
山間地域をきちっと健全な姿にするということは全然違うんですね。これは私はむしろ都会の人だという感じがしております。
例えば、水源の問題にしてもしかりで、きれいな水を送りますし、さらに、私以前、もうこれ、こういう
委員会で
指摘したことあるんですけれども、地元でいろいろ中
山間地の問題に携わってきたときに、要するに、中
山間地がある都会の方の企業から非常に土地を買われているというような情報がありまして、それは何のためかというと産廃施設のためだと。産廃施設はいけないというわけじゃないですけれども、要するに、野放しにしてそういうものができますとどういう状態になるかということはもう見えているわけですね。
したがって、そういうところをきちっと健全な整備というか、健全に守っていくということは、そこにやっぱりコミュニティーといいますか、いわゆる住む人がいないとなかなか監視ができない。そういう人たちを、きちっとそういう人たちのためにやるというのが中
山間地の対策ではないかなと私は思うんですね。したがって、今、
農業をやっておる人がいますから、そういう人たちには直接
支払でいろいろ補償なりをおやりになる、これは大変いいことだと思うんですけれども。
そこで、これからいろいろなことを考えなきゃいけないと思うんですけれども、私なりに考えますと、やっぱり中
山間、今の直接
支払制度、いいんですけれども、どうしてもちょっと受け身な感じがするんですね。足らざるを補うと、それだとどうしても、何というか、発展が、余り期待していない。しかし、中
山間地域が、今もそういういろいろなところで見られていると思いますけれども、古くからの文化、伝統とか、あるいは
地域特産、いろいろな面で前向きにやれる場なんですね。そういうものを引っ張り出すというための補償
制度といいますか、ポジティブな補償
制度というのも私は必要じゃないかと思うんです。
それで、前からこれ言っているんですけれども、例えば、そういう意気込みのある人、これはやっぱり素手で入り込むわけですから、どこか一年なり二年なり、何らかの所得の補償がないとやっていけない。そういう人たちに何か補償といいますか、何か手だてを考えるのも
一つの手じゃないかなというような気が私はしているわけです。
それから、それ以外に、これは農林省の問題じゃないかもしれませんけれども、中
山間地はやっぱりコミュニティーを維持するために、例えば今、中
山間地の
農業がどんどんどんどん縮小されていく、どうしても人が都会に、都会というか都市部に行っちゃうと、これで過疎化がずっと進んでいるというような感じがするんですけれども。
私は、実はもうこれは大分前ですけれども、ドイツに行ったときに、ドイツの中
山間地に行ったとき驚いたんですけれども、余り過疎化がないというんですね。過疎化という話は余りされない。どうしてかと思いましたら、やっぱりそこは住民が
農業を捨てて都会に働きに行く、ところが住居を変えないんですよ、まあ自然環境がいいということだと思うんですけれども。なぜ変えないで済むかといったら、アウトバーンがあるんですね。無料でもう一時間ぐらいの通勤距離で通えるんですね。
だから、私はこれ、そういう
地域であれば、日本でも有料道路をその区間だけ、全部の有料道路を無料にしろというわけじゃないですけれども、通勤通学とか、そういうものについての人は無料にするとか、そういう手によって中
山間地維持できると。これは何も
農業ということじゃなくて、農村という視点で見なきゃいけないと思いますから、もっと広い目で
大臣がいろいろごらんになっていただければ、それでいいと思うんですけれども。
さらに、ついでで先言わせていただきますと、中
山間地を寂れさせないというか、もっと
活性化させるためには、農林業以外に、分かることでも、医療あり教育があると思うんですね。やっぱり中
山間地に住んでも、病気にかかったときにこれは大変だというところでは住めない。これは厚生省の所管になる。
教育の問題では、これは私、前に決算
委員会で有馬
大臣、遠山
大臣に申し上げたことあるんですけれども、要するに、教育環境が非常にいいところだと、そういう環境のところにむしろ優秀な
先生を入れて教育を
活性化したらいいんじゃないか、こういう話をしましたら、割と賛同していただきまして、事実、私の県なんかでも一部それに近いことをやっているようなところございまして、そういう総合的にやって日本の国土としてしっかりと守ると。その辺を私は、
予算要求なり、そういうときに十分農林省は主張をしていただきたい。これはお答え要りません。私の気持ちとしてこういうことを
要望させていただきたいと思っております。
それともう
一つなんですが、実は昨日、私の地元の県の、県連の役員がずっと何人かお見えになりまして、いや、今日やるこれでおまえ賛成しろよと、こういうことなのかなと思いましたら、そうじゃないんですね。この
農協法は
農協法でさておき、何で私のところへ来たかといいますと、やっぱりWTO交渉、それと
基本農政の問題、これが今非常に、メジャーがこの先どうなるか分からぬと、そういう不安を物すごく持っているんですね。
特に、WTO交渉なんかは、かつてウルグアイ・ラウンド、一九九三年ですかね、あのときに、まあ私なぞは知識がないせいか知りませんけれども、予想もしなかったミニマムアクセスというのがぱあんと出てきて、あの
影響がいまだにあるわけですよね。もう十年以上たちましたけれども、いまだにあると。そういうことを考えますと、この先何が出てくるか分からぬ、おまえ、落としどころどこか分かっているんじゃないかというような話まで出ておりまして、そういう不安を持っている。私は全然落としどころは知らないわけですけれども、そのぐらい不安に思っていると。
それと、
農協の職員の方々はそういう不安持っておりますけれども、こういう海外との貿易交渉というのは、本当の末端の生産者には何か遠い話のように見えるというんですね。ところが、実際にこれぱっと決まっちゃうとすぐの問題になってくる。そういう非常に、そういうはざまに置かれて
農協の職員、幹部の方々も非常に不安に思っていると。
したがって、このWTO交渉の帰結はどうなるか分かりませんけれども、これはこういう
農業関係者の気持ちに対して、もし
大臣がお答えになるとしたらどういうふうにお話しいただけるか、ちょっと通告しておりませんでしたけれども、お願いいたします。