○
政府参考人(
中川坦君) このワクチンの問題というのは大変難しい問題だというふうに私
どもは率直に感じております。
現在、世界じゅうで利用可能なワクチンというものは、私
どもいろいろ
専門家の御意見を聴きましても、なかなか完全なものではないと。端的に申し上げますと、このワクチンは鶏がウイルスに
感染すること自体は防げないと、発症することは防げるけれ
ども感染自体は防げないということでありますので、ワクチンを打った鶏であっても、
感染をしてしまいますと、打たない場合に比べて量は減りますけれ
ども、やはり体外にそのウイルスを放出をするという点がございます。そうすると新たな
発生源にもなりかねないということでありまして、
食品安全委員会の健康
影響評価の際に附帯的な意見で示されております
ように、やはりこの
鳥インフルエンザに対します防疫
対応の
基本は、まずは早く見付けて早く淘汰をすると、そして、その地域、日本であれば日本の
国内からウイルスの存在を根絶をするということが第一だというふうに思っております。
これが、ですから防疫
対応の
基本でありまして、この
早期発見、
早期摘発、淘汰ができる限りにおいては、やはりワクチンを使わないでこの
ような
対応を取っていきたいというふうに思います。
そこで、さはさりながら、こういう
対応ではできない場合、つまり、
発生が一か所ではなくてどんどん広がっていると、そして、摘発、淘汰では
対応できない場合の最後の手段としてワクチンを使うということも想定しなきゃいけないわけでございます。その際に、どういう基準でどの
ように使うのかという点、確かに
一定の、何といいましょうか、ガイドラインというんでしょうか、そういうものを作っておくべきだというふうに私
ども思っております。
家きん疾病小
委員会の
委員の
方々にも御相談しながら、これはできるだけ早くそういった点も詰めたいというふうに思っておりますし、またもう一方で、ワクチン自体が持っております冒頭申し上げた
ような問題点、これにつきましても、できればそういうマイナス面を少なくしたワクチンの開発というのができれば問題も少なくなるわけでありまして、この点につきましては、ワクチンの接種によって抗体がどの
ように作られているのかという接種
試験ですとか、あるいは実際にワクチンを打った鶏に対してウイルスにさらす、暴露させて、きちっとそういったワクチンの効果があるかどうかといったもの、これはきちっとした閉鎖系の、ウイルスが外に拡散をしない
ような厳密な
施設の中で実験をする必要がありますけれ
ども、そういった
試験を国の方で、
動物衛生研究所の方でやることによって、ワクチン開発、民間などが行いますそういったワクチン開発の
支援もしていきたいと。
この両面でこのワクチンの問題については
対応したいというふうに思っております。