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小川勝也君
質問をさせていただきましたけれども、大変これは難しい
課題だろうというふうに思っているところであります。できれば、意欲があってやる気があって能力がある人はできる限り就農の道を広げていただきたいなというふうに思うわけであります。私も、残念ながらもう青年ではありませんけれども、
農業に深い
思いを持って、いつか参入したいと思っている一人としてもお願いをしたいわけであります。
しかしながら、先ほど申し上げましたように、
農地法の
考え方もこれ大事でありますので、あだやおろそかに適当に
農地を任せるというわけにいかないということも重々
承知をしているところであります。今、特に
北海道なんかは大いなる不景気でありますので、特に、戻るところがあるというのは大変大事なことであります。
農地解放以前の
農業者はこれまた大変だったろうというふうに
思います。無産党なんという党もあって、今サラリーマンの子弟はみんな無産党に近いわけでありますけれども、
農地があるというだけでもこれは大変なスタート地点が違うわけでありますので、そのことも踏まえまして、ちょっと最後の
質問に入りたいわけでありますけれども。
この意欲あるいわゆる青年にあるいは農外から就農していただきたい。さもないと、先ほど申し上げましたように、
農業人口のバランスも崩れ、
耕作放棄地もちらほら増えてくる。そうなるとどうなるかといいますと、今もうスタートいたしましたけれども、
農業生産法人とか株式会社の資本参入などという形になってまいります。そうしますと、家族
経営でいいますと、リスクの分散とか、あるいはいわゆる
農業機械とか資材の購入等で、様々、法人
経営に比べてコストパフォーマンスが悪いわけであります。
例えば、
農地を集積して百ヘクタール、トマトのハウスを作る、そういうふうなことがもし実現したとするならば、相当コストを下げることができるかと
思います。アメリカの中にはそういう
農業も出現しているというふうに
思います。そうしましたら、これは最後は資本力であります。きちっとした施設を造る、それからいわゆる減価償却費をうまく使って、必要な機械、資材を整える、有効に
利用する。そうしますと、市場価格を押し下げるという、こんなメリットが出てきます。これは必ずしも
消費者にとっては悪いことではありません。
今、いわゆる
流通とか量販店とかスーパーマーケットをめぐる、
野菜を始めとする
農業生産は確実にその方向に向かっています。
産地化、ブランド化、そして集積によるコスト削減、そしてそこに海外の
生産拠点というもう
一つの変数も加わってくるわけであります。
そうしますと、例えば、私はスーパー
小川チェーンから頼まれてトマトだけを作る。万が一、病気とか様々なアクシデントのときには補償契約も結ばれている。そうすると、トマトに使わない機械や薬は、肥料は一切買わなくていい、連作障害の話は別にして。これをやるわけであります。そうすると、トマト一個当たりの値段がどんどんどんどん下がってくる、これが今行われていることだろうというふうに
思います。そうしますと、いわゆる資本のあるグループとグループが戦う、
生産地と
生産地が戦う、
生産者と
生産者が価格
競争をする、
生産法人と
生産法人が価格
競争をするというあおりの中で、いわゆるところの伝統的家族
経営がどんどんどんどん苦しくなっていくわけであります。
後継者不足というのは一言で片付けられると言う人がいました。これは
農業も漁業も同じであります。なぜ
後継者がいないのか、それは収入が安定的に得られないからであります。例えば、羽田
委員の地元のある村ではしっかりと
後継者が育っています。それはお金が得られるかどうかなんです。
そういうことを考え合わせますと、せっかくいろんな
工夫をしてきたけれども、やっぱり大手資本やでかい
生産法人にはかなわないということになっていくとするとすれば、いや、こんなつらい仕事は息子に任せられない、これじゃ帰れないという、いわゆるところの悪循環になっていくんじゃないかと思う。
農業生産法人の参入も株式会社の資本参入も必要なことだとは思うけれども、大変難しい
課題の中に我々はいるんだろうというふうに
思います。最終的にこれを決めるのは
消費者でありますけれども、本当に
農業がその姿に向かっていくということだけでいいのかどうか、これは少し大きな問題として
大臣に提起をさせていただきたいというふうに
思います。
新たな
思いを持って農外から青年が参入するというのは大変美しい話でありますけれども、そういった難しい状況にあるということも御
認識をいただきながら、
大臣に一言御
感想をお
伺いをしたいと
思います。