○郡司彰君 皆様のところに
委員長のお計らいで資料を配らせていただいておりますが、
大臣、この資料でございます。(資料提示)これは、NA
FTAの教訓ですよということでこういうグラフがあったんでありますけれども、
メキシコの
自給率、かなり、元々低くなってきていたんでありますが、右の方に一九九三年というのがNA
FTAが発効した年でございます、それ以降
メキシコの
自給率はここまで下がってきているというようなことなんですね。
それで、今農水省の方から、例えば豚肉の
輸入量は
アメリカからどのぐらいあるんですかというと、七万七千トンだそうでございます。今回、
日本が
メキシコからの豚肉の
輸入で枠を設けて、一定関税を低くしようと言ったのは八万トンだったですね。余りにもいい数字で合うわけでありますけれども。
それから、先ほど外務省の方もお話をいただいた、それから農水省の方からもお話をいただきましたが、この貿易は確かに相当増えているんですね。しかし、おおよそのところは、米企業の企業内の貿易というような数字が非常に多いんですね、これは。
労働コストについては、二三・二%
メキシコで下がったということになっております。これはほかの
アメリカもカナダも一緒なんですね。それで、世論
調査をやりましたところの数字を見ると、六割から八割の方が、これはNA
FTAは失敗だと、やめろという答えの方が多いんですね。
こういうふうな数字を見てみると、先ほどの数字は、それは私も事実の数字だろうというふうに思います。しかし、中身が全然違う。例えばカナダに対するグリーンフィールドの投資、新しい工場を作って雇用をやるというようなことではなくて、投資先というのはほとんどもう合併とか買収ですよ。ですから、新たな工場ができて新たな雇用をするなんということがほとんどない。しかも今回の場合は、これ
メキシコの場合で見ますと、これは新規雇用は増えているんです。大変に増えているんです。しかし、その五五%は法定
基準を満たしていない。社会保険、社会保障。それから、休日年間十日も満たしていない。それから、
日本で言うところのボーナスが、向こうで言うクリスマスボーナス、これもほとんどゼロとか、大変にこの労働
条件が悪くなっている。それから、
農業の
関係だけでいうと、全体で
農業そのものは、
食品の価格は二五七%上昇したんだけれども、
農業収入は一八五%しか上がっていないというようなことになってくる。国や企業は非常に
FTAにとってメリットがあったけれども、そこに住んでいる人たちにとってはかなり厳しい
条件の就労になっていたり、そういうことがある。
それから、
メキシコと
アメリカの
関係だけからいいますと、その国境地帯、マキラドーラという何か独特の地帯がありますね。そこのところの
輸出それから原油の
輸出、これが
輸出全体の五四%になっているんですよ。ですから、今までも、NA
FTAの
メキシコと
アメリカの
関係を見れば、その地域からは、黙認をされていたものが数字になってはっきり出るようになったから、大変多くなっている。それも、貿易そのものの数字も大きくなってくるけれども、ほとんど
アメリカの企業が買収をしたことによって企業内のトレードですよ。
こういうふうなところを多分外務省の方も御存じなんだと思いますけれども、今私の方で申し上げたような中身は違っておりますか。