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2004-03-11 第159回国会 参議院 内閣委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年三月十一日(木曜日)    午前十時一分開会     ─────────────    委員異動  二月二十六日     辞任         補欠選任      松山 政司君     関口 昌一君      吉田 博美君     中島 眞人君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         簗瀬  進君     理 事                 仲道 俊哉君                 西銘順志郎君                 神本美恵子君                 吉川 春子君     委 員                 岡田  広君                 関口 昌一君                 竹山  裕君                 中島 眞人君                 森田 次夫君                 森元 恒雄君                 山崎 正昭君                 岡崎トミ子君                 川橋 幸子君                 松井 孝治君                 魚住裕一郎君                 小林美恵子君                 島袋 宗康君                 黒岩 宇洋君    国務大臣        国務大臣        (内閣官房長官)        (内閣特命担        当大臣男女共        同参画))    福田 康夫君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)        (内閣特命担        当大臣青少年        育成及び少子化        対策食品安全        ))       小野 清子君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣個人情        報保護科学技        術政策))    茂木 敏充君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣経済財        政政策))    竹中 平蔵君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣規制改        革、産業再生機        構))      金子 一義君    内閣官房長官        内閣官房長官  細田 博之君        内閣官房長官  山崎 正昭君    副大臣        内閣府副大臣   伊藤 達也君        内閣府副大臣   佐藤 剛男君        内閣府副大臣   中島 眞人君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        西川 公也君        内閣大臣政務        官        宮腰 光寛君        内閣大臣政務        官        森元 恒雄君    事務局側        常任委員会専門        員        鴫谷  潤君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○内閣重要政策及び警察等に関する調査  (内閣官房及び内閣府の基本方針に関する件)  (平成十六年度皇室費内閣及び内閣関係予  算に関する件)  (警察行政青少年育成及び少子化対策食品  安全行政基本方針に関する件)  (平成十六年度警察庁関係予算に関する件)  (個人情報保護科学技術政策情報通信技術  政策基本方針に関する件)  (経済財政政策基本方針に関する件)  (規制改革産業再生機構行政改革構造改  革特区地域再生基本方針に関する件)     ─────────────
  2. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る二月二十六日、松山政司君及び吉田博美君が委員を辞任され、その補欠として関口昌一君及び中島眞人君が選任されました。     ─────────────
  3. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 引き続き、内閣重要政策及び警察等に関する調査を議題といたします。  まず、内閣官房及び内閣府の基本方針並びに平成十六年度皇室費内閣及び内閣関係予算について、福田国務大臣から所信及び説明を聴取いたします。福田国務大臣
  4. 福田康夫

    国務大臣福田康夫君) 内閣官房及び内閣府の事務を担当する大臣として、所信一端を申し述べます。  小泉内閣は、構造改革なくして日本再生発展はないという方針を堅持し、改革を進めてまいりました。これまで政府一体となって全力を傾注してきた、地域再生特殊法人IT犯罪対策といった広範な分野構造改革推進により、その成果が着実に現れてきています。  本年は、日本再生の歩みを確実にするため、手綱を緩めることなく、郵政事業道路公団民営化地方分権を進める三位一体改革年金改革などこれまで困難とされてきた改革具体化にも取り組んでまいります。  私は、小泉内閣総理大臣の強力なリーダーシップの下、内閣官房及び内閣府の事務全般責任者として、政府一体となった施策推進のため全力を尽くす所存であります。  続きまして、内閣官房及び内閣府の所管行政について申し上げます。  内閣官房におきましては、内閣を直接支える立場から、内外の特に重要な役割、政策課題に強力に取り組んでまいります。  北朝鮮による拉致問題については、帰国被害者五人の方の御家族早期帰国実現、安否未確認の方々の事実解明等問題解決に取り組んでまいりますが、それとともに、被害者方々及び御家族の御意向も踏まえながら、関係地方自治体とも緊密に連携協力して、被害者等に対する支援を実施してまいります。  国内テロ対策や大規模自然災害など、国と国民に重大な被害を及ぼすおそれのある各種緊急事態に対しては、内閣官房中心政府一体となって対処する態勢の整備に一層努めてまいります。また、国際テロを始めとする国際犯罪組織に対応するため、周囲を海に囲まれた我が国にとって主たる国境である国際空港や港湾に危機管理官を設置いたしました。  情報収集能力強化するため、昨年三月に打ち上げた情報収集衛星第一号機二機については、四月から本格的な運用を開始し、我が国安全保障及び危機管理のために必要な情報収集分析能力を一層強化してまいります。なお、昨年十一月の二号機二機の打ち上げ失敗については、政府としての原因究明を徹底的に行っているところであり、その結果を踏まえて、所期の目標である四機体制確立に向けて努力してまいります。  国際平和協力の形態が多様化していることにかんがみ、今後の我が国国際平和協力在り方全般について、国際平和協力懇談会報告書の提言の趣旨も踏まえ、引き続き幅広く検討を進めてまいります。  地域の知恵や民間のやる気を生かし、都市再生本部中心関係省庁とも連携を図りつつ、都市再生に関する施策重点的に推進してまいります。  また、政府一体となって知的財産立国実現するための政策を強力かつ迅速に推進し、世界で高く評価されている映画、アニメなどの著作物を活用したビジネスを振興し、文化、芸術を生かした豊かな国づくりを進めてまいります。  内閣府におきましては、経済再生科学技術創造立国実現防災などの重要課題に関し、経済財政諮問会議総合科学技術会議中央防災会議などを活用して英知を結集し、総合的、戦略的な政策の下に、各般の施策を的確に実施してまいります。  男女がその個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会実現は、政府の最重要課題の一つであり、男女共同参画担当大臣として、総合的かつ計画的な施策推進を図ってまいります。具体的には、二〇二〇年までに、社会のあらゆる分野において、指導的地位に占める女性の割合を少なくとも三〇%程度に引き上げること等を盛り込んだ女性チャレンジ支援策に基づき、関係府省連携協力の下、地域レベルでのチャレンジ支援ネットワーク構築など様々な支援策を講じてまいります。また、世代や性別を超えて広く国民理解が得られる男女共同参画社会実現に向け、本年春を目途に、政府の目指す具体的な将来像を取りまとめてまいります。  年齢や障害の有無にかかわりなく国民が安心して生活できる社会実現を目指し、高齢社会対策障害者施策バリアフリー施策等を総合的に進めてまいります。  交通安全対策については、昨年の交通事故死者数は八千人を下回りました。十年間で五千人以下にすることを目指し、さらに、交通事故発生件数及び負傷者数減少を図るため、諸対策を一層強力に推進してまいります。  国際平和協力業務については、現在、国連東ティモール支援団及びゴラン高原に展開する国連兵力引き離し監視隊へ自衛隊の部隊等を派遣しており、今後とも国連中心とした国際平和のための努力に、積極的に参加していく所存であります。  中国における遺棄化学兵器の問題については、化学兵器禁止条約上の我が国の義務を誠実に履行するため、引き続き廃棄処理事業を進めてまいります。  栄典行政については、社会経済情勢の変化に対応するため、昨年秋の叙勲及び褒章から栄典制度改革を実施したところであり、今後とも、改革趣旨に沿い適切な運用に努めてまいります。  政府広報については、政府重要施策に関し、国民理解協力を得ることにより、その円滑な遂行を図るため、構造改革推進などの重要施策重点を置いた広報広聴活動を、機動的かつ効果的に実施いたします。タウンミーティングについては、平成十三年六月に開始して以来、開催回数が通算百回を超えました。今後も、地域再生タウンミーティングを集中的に開催するなど、全国各地域で様々な形で開催し、国民と活発に対話してまいります。  国の機関が作成し、又は取得した公文書等は、組織活動記録であるだけでなく、国民にとっても貴重な記録であり、我が国の歴史を後世に伝えるための資料として不可欠なものです。これを体系的に保存することは国の責務であることから、公文書館における適切な保存利用のための体制整備を図ります。  私は、内閣官房及び内閣府がその機能を十全に発揮するよう万全を期してまいります。  委員長を始め、理事委員各位の御理解と御協力をお願いいたします。  引き続きまして、平成十六年度における皇室費内閣及び内閣関係予算について、その概要を御説明申し上げます。  皇室費平成十六年度における歳出予算要求額は六十九億二千七百万円でありまして、内廷に必要な経費三億二千四百万円、宮廷に必要な経費六十三億三百万円、皇族に必要な経費三億円を計上いたしております。  次に、内閣所管平成十六年度における歳出予算要求額のうち、内閣官房に係るものとして、情報収集衛星システム運用開発等内閣重要政策に関する総合調整等のための経費八百二億二千万円、内閣法制局に係るものとして、法令審査等のための経費十億二千六百万円を計上いたしております。  次に、内閣府所管平成十六年度における歳出予算要求額のうち、内閣府本府に係るものとして、経済財政政策科学技術政策青少年健全育成男女共同参画社会の形成の促進国民生活行政食品安全確保沖縄対策沖縄振興開発防災対策原子力安全対策政府広報国際平和協力業務化学兵器禁止条約の実施、北方領土問題対策推進京都迎賓館(仮称)の整備等のための経費三千九百六十億一千七百万円、宮内庁に係るものとして、皇室の公的御活動皇室用財産維持管理に附帯して必要となる事務等のための経費百八億三千三百万円を計上いたしております。  以上をもって、平成十六年度の皇室費内閣及び内閣関係予算概要説明を終わります。
  5. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 次に、警察行政青少年育成及び少子化対策食品安全行政基本方針並びに平成十六年度警察庁関係予算について、小野国務大臣から所信及び説明を聴取いたします。小野国務大臣
  6. 小野清子

    国務大臣小野清子君) 国家公安委員会委員長並びに青少年育成及び少子化対策食品安全担当内閣特命担当大臣として、所信一端を申し述べます。  まず、警察行政について申し上げます。  昨今の治安情勢は、平成八年以降七年連続で戦後最多を記録していた刑法犯認知件数が昨年は減少に転ずるなど、犯罪増加傾向に一定の歯止めが掛かったところでありますが、強盗を始めとする凶悪犯罪住宅対象侵入盗が増加来日外国人暴力団などによる組織犯罪深刻化するなど、依然として厳しい状況にあります。  こうした厳しい状況の下、国民の不安を解消し、世界一安全な国日本の復活を図るため、警察庁策定した緊急治安対策プログラムや、犯罪対策閣僚会議策定した犯罪に強い社会実現のための行動計画に沿って、総合的な治安対策を強力に推進してまいります。  第一は、犯罪抑止のための総合対策推進であります。  近年急激に増加し、国民が身近に不安を感じている街頭犯罪侵入犯罪発生を抑止するため、空き交番の解消を含めた交番機能強化街頭活動の一層の強化関係機関地域社会等連携した防犯対策推進など、総合的な対策推進してまいります。  また、昨今の少年非行等情勢は、少年凶悪犯が高水準で推移する一方で、児童被害者となる犯罪増加や深刻な児童虐待事件が見られるなど、極めて厳しい状況にあります。二十一世紀を担う少年健全育成国民すべての願いであり、少年非行防止保護の両面にわたる総合的な対策推進してまいります。  第二は、組織犯罪対策強化であります。  治安悪化の大きな要因となっている来日外国人暴力団などによる組織犯罪に対し、各部門の情報収集共有化関係機関との連携による重点的取締り海外治安機関との連携強化資金源対策の徹底、銃器・薬物事犯取締り強化など、組織に打撃を与え壊滅することを目指した対策推進してまいります。  第三は、テロ対策等強化であります。  米国における同時多発テロ事件以降も、世界各地テロ事件が続発し、テロは依然として重大な脅威となっております。テロ未然防止に万全を期するため、テロ関連情報収集分析関係機関との連携及び重要施設の警戒警備等総合的な対策強化するとともに、装備資機材整備等テロ対処能力の更なる向上に努めてまいります。  また、北朝鮮による日本人拉致容疑事案につきましては、引き続き、関係機関連携し、全容解明に向け最大限努力してまいります。  第四は、総合的な交通事故防止対策推進であります。  昨年の交通事故死者数は、昭和三十二年以降四十六年ぶりに七千人台まで減少するに至りましたが、交通事故発生件数及び負傷者数は再び増加に転じ過去最悪となるなど、交通事故情勢には依然として厳しいものがあります。交通事故死者数を十年間で五千人以下にするという政府目標を達成するため、道路交通法の改正を含めた各種交通安全対策を積極的に推進してまいります。  以上、警察行政の当面の課題対策について申し上げましたが、厳しい治安情勢に的確に対応していくためには、警察力の一層の充実強化が必要であります。平成十四年度四千五百人、平成十五年度四千人の地方警察官増員を行ってきたところでありますが、なお一万人以上の不足が見込まれることから、平成十六年度予算には三千百五十人の増員を盛り込んだところであります。今後とも、人的基盤強化や処遇の改善に取り組むとともに、警察改革の一層の推進を図り、真に国民信頼にこたえることができる警察確立に努めてまいります。  また、既に提出をいたしております警察法の一部を改正する法律案につきましては、現下の厳しい治安情勢に速やかに対応するため、早期成立に向け関係各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。  次に、平成十六年度警察庁予算について、その概要を申し上げます。  警察庁平成十六年度における歳出予算要求額は、二千五百九十八億九千二百万円を計上しております。これは、警察庁、その附属機関及び地方機関経費並びに都道府県警察費補助等のための経費であります。  なお、北海道警察や静岡県警察などの予算執行をめぐって幾つかの問題が生じておりますが、これにつきましては、警察庁に設置いたしました予算執行検討委員会により早期事案解明を図るとともに、適正な予算執行について督励してまいります。  続きまして、青少年育成及び少子化対策について申し上げます。  これらは、二十一世紀我が国社会在り方にかかわる国政上の極めて重要な課題であります。  まず、青少年健全育成に関しましては、今日、少年非行深刻化、不登校、引きこもり、若者の就労の不安定化や親への依存の長期化など、様々な問題が生じております。また、痛ましい児童虐待事件など、青少年被害者となる事件も後を絶ちません。我が国社会在り方そのものが問われていることを再認識し、社会全体が青少年の健全な育成に真正面から取り組む必要があります。  こうした認識の下、政府においては、青少年育成に係る政府基本理念と中長期的な施策方向性を明確にした青少年育成施策大綱を昨年十二月に策定いたしました。私としましては、青少年行政総合調整立場から、同大綱に基づき、関係行政機関相互の一層の連携の下、政府を挙げて関係施策の総合的かつ効果的な推進に努めてまいります。  次に、少子化対策でありますが、急速な少子化経済地域社会活力の低下、子供育成環境への影響など、将来の社会経済に深刻な影響を与えることが懸念されます。子供を安心して産み、子育ての喜びを実感できる社会を目指し、昨年成立した少子化社会対策基本法に基づく総合的かつ長期的な施策大綱を本年五月を目途策定するなど、少子化対策の総合的な推進に一層の力を注いでまいります。  最後に、食品安全行政について申し上げます。  米国におけるBSEや国内外での鳥インフルエンザ発生等により、国民の食の安全への関心が高まる中、食の安全と信頼確保することは国政の重要な課題であります。このため、食品安全委員会において、科学的で中立公正な食品健康影響評価を行うとともに、消費者等関係者との間の幅広い意見情報の交換、重大な食品事故などの緊急時における政府全体としての取組などを通して、国民健康保護を最優先とする食品安全行政の更なる推進全力を尽くしてまいりたいと考えております。  以上、所管行政について申し上げましたが、国民の皆様がこれまで以上に安心して安全に暮らせる社会実現するため、全力を尽くす覚悟でありますので、委員長理事及び委員各位におかれましては、よろしく御指導と御鞭撻を賜りますようお願いをする次第であります。
  7. 簗瀬進

  8. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 科学技術政策個人情報保護を担当する内閣特命担当大臣並びにIT担当大臣として、所信一端を申し述べさせていただきます。  科学技術は、我が国の将来の発展基盤を築く上で極めて重要な、未来を切り開くかぎです。平成十六年度は、第二期科学技術基本計画の四年度目であり、計画の成否を左右する重要な年度です。そこで、平成十六年度の科学技術振興のための予算については、科学技術分野構造改革を進め、各府省施策優先順位付けを行った上で対前年度比四・四%増額予算を計上いたしました。引き続き、国民理解増進を図りつつ、総合科学技術会議機能を十分に発揮させ、科学技術創造立国実現を目指します。  まず、政策の柱を四点申し上げます。  第一に、科学技術戦略的重点化を進めることです。このため、まず、新たな知識の源や国の発展の礎になる基礎研究重点的に推進します。また、経済活性化につながる研究開発プロジェクトである、みらい創造プロジェクト強化するなど、ライフサイエンス情報通信環境ナノテクノロジー・材料の四分野への重点化を進めます。  第二に、優れた成果の創出、活用のための科学技術システム改革を大胆に進めることです。このため、産学官連携推進等により民間活力を引き出すとともに、科学技術を核とした地域づくりに取り組みます。さらに、大学改革とも歩調を合わせて、競争的研究資金改革充実知的財産戦略推進するとともに、科学技術関係人材育成確保等研究基盤の一層の充実を図ります。  第三に、科学技術分野において、公正でかつ分かりやすい評価を実施することです。国の研究開発に関する評価在り方について府省横断的に見直すとともに、大規模研究開発その他の国家的に重要な研究開発については総合科学技術会議評価を行います。  第四に、科学技術政策国際調和を図ることです。特に、アジアを重視した二国間の政策対話に取り組み、科学技術に関する協力関係強化します。また、科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム開催支援します。  以上に加え、特に重要なポイントを申し上げますと、宇宙開発利用については、最近の国内外状況を踏まえ、我が国として進むべき方向性について検討を進め、本年夏を目途取りまとめを進めます。さらに、ヒト胚の取扱いについて国民各層の御意見を踏まえ、総合科学技術会議による取りまとめに向けた議論を進めるなど、生命倫理に係る重要課題に取り組みます。  原子力政策については、原子力安全委員会の独立的、専門的な機能を最大限に生かすなど、安全確保に万全を期すとともに、国民理解協力が得られるよう、最大限努力します。  また、エネルギー安定供給二酸化炭素排出量の削減に寄与する原子力発電基幹電源として位置付け、これを引き続き推進するとともに、資源の有効利用を進める上で重要な基本政策である核燃料サイクル確立に取り組みます。  さらに、原子力を取り巻く最近の情勢が現行の原子力長期計画策定された平成十二年の時期から大きく変化していることから、国民各層の幅広い意見を踏まえ、原子力委員会において次期原子力長期計画策定に向けて検討を進めます。  将来のエネルギー源として期待される核融合については、地上に小さな太陽をつくるというITER計画を、国際協力の下、政府全体で積極的に推進し、日本への誘致を目指して取り組みます。  個人情報保護に関しては、来年四月の個人情報保護法全面施行に向けて、関係省庁とも十分に連携を図りつつ、同法に基づく基本方針策定法制度の周知のための広報等の準備を進め、制度に対する国民信頼を一層高めてまいります。  IT革命は、産業革命に匹敵するものであって、今後の社会生活を大きく変えるものであります。私は、IT担当大臣として、二〇〇五年までに世界最先端IT国家となることを目指し、就任以来、e―Japan戦略推進に取り組んでまいりました。  これまでの取組の結果、我が国IT化は大きな進展を見ました。高速インターネット利用者数は爆発的に増加し、今や一千三百万人が世界で最も廉価で高速なサービスに加入しています。  本年は、IT革命を更に加速させるため、e―Japan戦略加速化パッケージ政府一体となって実行してまいります。具体的には、IT分野におけるアジアとの二国間、多国間協力推進セキュリティー政策強化コンテンツの流通の促進コンテンツ産業振興民間に書面での保存が義務付けられている文書の電子保存の容認などIT分野における規制改革電子政府電子自治体構築などを積極的に進めます。  これらの政策は、多くの府省にまたがる重要な政策であり、利用者の視点を重視するとともに、各府省連携を一層強化し、今後とも政府一丸となって、国民ITの恩恵を実感できる社会実現に取り組みます。  簗瀬委員長を始め、内閣委員会理事委員各位の御理解と御協力をお願いいたします。
  9. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 次に、経済財政政策基本方針について、竹中国務大臣から所信を聴取いたします。竹中国務大臣
  10. 竹中平蔵

    国務大臣(竹中平蔵君) 経済財政政策を担当する内閣特命担当大臣として、所信一端を申し述べます。  小泉内閣経済財政運営においては、徹底した構造改革によって経済を活性化し、需要面にも十分に目配りしつつ、歳出の拡大を食い止めることによって、中長期的な観点から財政の健全化を目指してまいりました。  日本経済は民需を中心に着実に回復しています。一方で、平成十六年度は国と地方を合わせた基礎的財政収支の改善が見込まれるなど、財政健全化に向けた着実な動きも始まっています。まだまだ困難な道ではありますが、断固たる決意で改革路線を堅持し、更に加速、拡大してまいります。  現在、構造改革の芽が着実に出始めています。  第一は、金融システムの強化であり、不良債権残高は着実に減少しています。第二は、企業再編の活発化等による企業部門の再構築です。企業収益は改善を続けており、設備投資も増加しております。第三は、さきに述べた基礎的財政収支の改善や予算手法の改革による財政の健全化、効率化に向けた動きです。  これに対し、今後立ち向かうべき更なる課題についても認識せねばなりません。  第一には、デフレ克服に向けた政府、日銀一体となった取組強化、第二には、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にという方針の徹底、第三には、国民の安心と生活の安定を支える社会保障制度確立です。  今年、経済財政諮問会議は、経済の面でこの国の形を問い、更に大きな制度改革に取り組みます。  第一は、規制改革や官業の民間開放等の抜本的な推進です。郵政民営化については、平成十九年に実現するという小泉総理の方針を踏まえ、経済財政諮問会議の場で幅広い国民的議論を行います。  第二は、地域の自立と再生に向けた取組強化です。三位一体改革については、更に加速、強化し、改革の全体像をお示しできるよう、取り組んでまいります。また、地域再生推進のためのプログラム等により、地域が主体となった取組支援します。  第三は、社会保障制度の総合的かつ一体的な改革です。今後とも、経済財政諮問会議で、医療、介護等の改革に向けた議論を行い、持続可能な社会保障制度確立を目指します。  また、国民が安全で安心して暮らせる社会を築くことは、健全な経済社会の基盤であります。このため、これまでの消費者政策を抜本的に見直すことにより強化し、二十一世紀にふさわしい消費者政策として再構築するなど、暮らしの構造改革を進めてまいります。  その一環として、近年、企業の不祥事が内部からの通報により明らかになる事例が相次いでいることを踏まえ、公益のために通報した従業者が解雇等の不利益な取扱いを受けないようにする法案を先般国会に提出いたしました。法案の詳しい内容につきましては改めて御説明させていただきますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  日本経済は、自律的で持続的な成長軌道に本格復帰する重要なチャンスを迎えています。平成十六年を更なる飛躍に向けた極めて重要な年と位置付け、断固たる決意で構造改革に取り組んでまいります。  委員長を始め、理事委員各位の御理解と御協力をお願いし、所信の表明といたします。
  11. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 次に、規制改革産業再生機構行政改革構造改革特区、地域再生基本方針について、金子国務大臣から所信を聴取いたします。金子国務大臣
  12. 金子一義

    国務大臣(金子一義君) 規制改革産業再生機構を担当する内閣特命担当大臣行政改革構造改革特区・地域再生担当大臣として、所信一端を申し述べます。  日本経済に明るい兆しが見られる中、改革の芽を日本再生という大きな木に育てていくためには、民間活動促進、地方経済の活性化及び時代の要請に対応した行政の構築等を目指した総合的な取組を加速していくことが重要であると考えています。私は、改革の現場を預かる大臣の一人として、民間にできることは民間に、地方にできることは地方にとの理念の下、以下に述べる改革に引き続き全力で取り組んでまいります。  規制改革につきましては、今月中に十六年度を初年度とする新たな規制改革推進のための三か年計画策定し、改革推進してまいります。  また、総合規制改革会議が終了する今月末以降も間断ない形で一層充実した取組を展開するため、引き続き民間人主体の新たな審議会を設置するとともに、政治的リーダーシップの下で改革を進める観点から、政府にも閣僚を構成員とする推進本部を設け、両者が互いに連携を図りつつ、これまで以上に規制改革を強力に推進してまいります。  産業再生機構については、昨年五月の業務開始以来、これまでに十二件の支援決定を行い、うち十件については債権買取り等の決定を行ったところであります。  また、これまでの機構の業務運営に寄せられた指摘を踏まえ、先般、産業再生機構の一層の活用に向けた方策を策定いたしました。今後とも、適切な施策を講じていくことにより、金融と産業の一体再生を図るという機構の設立目的を達成できるよう、全力を尽くしてまいります。  行政改革については、特殊法人等、公務員制度、公益法人の三分野改革を進めてまいります。  特殊法人改革については、特殊法人等整理合理化計画に基づき、これまでに百六十三の特殊法人等のうち約八割の法人について廃止、民営化等に向けた法改正等の措置を講じております。  また、独立行政法人については、特殊法人等からの移行に当たって役員数を約四割削減するとともに、役員退職金をこれまでの約三分の一の水準に削減する等の措置を講じておりますが、今後とも、特殊法人改革推進本部参与会議等を通じ、厳格な評価、監視に努めてまいります。  公務員制度改革については、公務員制度改革大綱に基づき、現在、能力・実績主義の人事制度の導入、適正な再就職ルールの確立などに取り組んでおります。職員団体を含め幅広く関係者と話合いを行いつつ、公務員が国民全体の奉仕者として職務に専念できるよう、改革具体化を進めてまいります。  公益法人制度改革については、時代の要請に即して民間非営利活動促進する等の観点から、昨年六月に閣議決定した基本方針に基づき、制度の抜本改革を進めてまいります。現在、検討を進めている有識者会議においては、本年秋ごろを目途に報告を取りまとめていただく予定であり、政府としては、本年末を目途改革の基本的枠組みの具体化を図るなど、関係府省との緊密な連携を図りつつ、閣議決定に掲げられたスケジュールに沿って鋭意改革を進めてまいります。  構造改革特区については、既に二百三十六の特区が全国に誕生しており、特に、教育、医療、農業など、これまで困難とされてきた分野での改革も進んでおります。  去る二月二十日には、昨年十一月に行った第四次提案募集を踏まえて、教員の特別免許状の授与権者として市町村教育委員会を追加するなど、新たな規制改革を五十項目追加することといたしました。また、一昨日、医療分野への株式会社参入等に向けた特区法改正法案を国会に提出したところであります。今後、特区制度の更なる周知を図るとともに、四月から始まります評価委員会における評価を踏まえ、特区の成果を速やかに全国に広げてまいりたいと考えております。  地域再生については、昨年十月に地域再生本部が設置されて以来、担当大臣として取り組んでまいりましたが、第一弾として地域からの提案募集を行ったところ、六百七十三件もの構想が提案されました。これに基づく支援措置の要望について検討を進め、二月二十七日に、廃校校舎等公共施設の転用など百四十一件の支援措置を地域再生推進のためのプログラムとして決定いたしました。今後、同プログラムを踏まえ、地域再生計画が全国各地で数多く策定され、それぞれの地域で目に見える成果が上がるよう、全力を尽くしてまいります。  委員長を始め、理事委員各位の御理解と御協力をお願いを申し上げます。
  13. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 以上で所信及び予算説明の聴取は終わりました。  大臣の皆さんは、どうぞ御退席ください。  この際、山崎内閣官房長官、細田内閣官房長官中島内閣府副大臣、伊藤内閣府副大臣、佐藤内閣府副大臣森元内閣大臣政務官、西川内閣大臣政務官及び宮腰内閣大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。山崎内閣官房長官
  14. 山崎正昭

    内閣官房長官山崎正昭君) おはようございます。内閣官房長官山崎正昭でございます。  簗瀬委員長を始め、諸先生の皆様方には御指導、御鞭撻を賜りながら、福田官房長官を補佐してまいりたいと存じますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。  また、私も当委員会の委員でございますので、委員長さん始め、委員の皆さんも適時御指導を賜りますよう、併せてお願いを申し上げまして、ごあいさつといたします。  ありがとうございました。
  15. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 細田内閣官房長官
  16. 細田博之

    内閣官房長官(細田博之君) 内閣官房長官の細田博之でございます。  簗瀬委員長を始め、諸先生方の御指導、御鞭撻を賜りながら、山崎長官とともに福田官房長官を補佐してまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
  17. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 中島内閣府副大臣
  18. 中島眞人

    ○副大臣中島眞人君) 内閣府副大臣中島眞人でございます。  内閣府本府の事務のうち、総合科学技術政策男女共参画青少年育成少子化対策食品安全、栄典、個人情報保護及び国際平和協力業務などの政策を担当いたしております。  官房長官を始め、関係大臣を支え、力を尽くしてまいりたいと考えておりますので、委員長を始め、理事委員各位の御指導と御協力をよろしくお願い申し上げます。
  19. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 伊藤内閣府副大臣
  20. 伊藤達也

    ○副大臣(伊藤達也君) 内閣府において経済財政及び国民生活関係を担当させていただきます副大臣の伊藤達也でございます。  竹中大臣を補佐し、誠心誠意職務に当たってまいりますので、簗瀬委員長を始め、委員の先生方の御指導、御鞭撻のほど、心からお願い申し上げます。
  21. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 佐藤内閣府副大臣
  22. 佐藤剛男

    ○副大臣(佐藤剛男君) 内閣府副大臣内閣総理大臣補佐官の佐藤剛男でございます。  規制改革産業再生機構構造改革特区、地域再生及び行政改革推進等にかかわる施策を担当いたしております。  特命担当大臣を支え、力を尽くしてまいりたいと考えておりますので、簗瀬委員長を始め、理事委員各位の御指導と御協力をよろしくお願い申し上げます。
  23. 簗瀬進

  24. 森元恒雄

    大臣政務官森元恒雄君) 内閣大臣政務官森元恒雄でございます。  内閣府本府の事務のうち、規制改革構造改革特区、産業再生機構男女共参画、栄典及び国際平和協力業務などを担当しております。  関係大臣を補佐し、職務に精励してまいります。よろしくお願いを申し上げます。
  25. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 西川内閣大臣政務官
  26. 西川公也

    大臣政務官(西川公也君) 内閣大臣政務官の西川公也でございます。  内閣府本府の事務のうち、経済財政政策青少年育成少子化対策食品安全及び国民生活関係政策を担当いたしております。  特命大臣を支え、政策遂行に努めてまいりたいと考えておりますので、どうぞ皆さんよろしくお願いいたします。
  27. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 宮腰内閣大臣政務官
  28. 宮腰光寛

    大臣政務官(宮腰光寛君) 内閣大臣政務官の宮腰光寛でございます。  内閣府本府の事務のうち、総合科学技術政策個人情報保護及び原子力関係政策を担当いたしております。  特命担当大臣を支え、誠心誠意取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
  29. 簗瀬進

    委員長簗瀬進君) 本日はこれにて散会いたします。    午前十時三十九分散会