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2004-04-15 第159回国会 参議院 総務委員会 第12号 公式Web版

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  1. 政府参考人の出席要求に関する件 ○地方公務員法及び地方公共団体の一般職の任期 (会議録情報)

    平成十六年四月十五日(木曜日)    午前十時一分開会     ─────────────    委員異動  四月十三日     辞任         補欠選任      日笠 勝之君     草川 昭三君  四月十四日     辞任         補欠選任      山下 善彦君     野沢 太三君      高橋 千秋君     佐藤 雄平君      草川 昭三君     日笠 勝之君  四月十五日     辞任         補欠選任      野沢 太三君     有村 治子君      佐藤 雄平君     高橋 千秋君      谷林 正昭君     岩本  司君      内藤 正光君     小川 勝也君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         景山俊太郎君     理 事                 柏村 武昭君                 岸  宏一君                 山崎  力君                 小川 敏夫君                 広中和歌子君     委 員                 有村 治子君                 狩野  安君                 片山虎之助君                 久世 公堯君                 椎名 一保君                 世耕 弘成君                 吉村剛太郎君                 岩本  司君                 小川 勝也君                 高嶋 良充君                 高橋 千秋君                 松岡滿壽男君                 渡辺 秀央君                 鶴岡  洋君                 日笠 勝之君                 八田ひろ子君                 宮本 岳志君                 又市 征治君    国務大臣        総務大臣     麻生 太郎君    副大臣        総務大臣    山口 俊一君    政府特別補佐人        人事院総裁    佐藤 壮郎君    事務局側        常任委員会専門        員        藤澤  進君    政府参考人        人事院事務総局        人材局長     藤野 達夫君        人事院事務総局        公平審査局長   潮  明夫君        総務省自治行政        局公務員部長   須田 和博君        厚生労働大臣官        房審議官     大石  明君        厚生労働省雇用        均等児童家庭        局長       伍藤 忠春君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○地方公務員法及び地方公共団体一般職任期  付職員採用に関する法律の一部を改正する法  律案内閣提出)     ─────────────
  2. 委員長(景山俊太郎君)(景山俊太郎)

    委員長景山俊太郎君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨十四日、山下善彦君及び高橋千秋君が委員辞任され、その補欠として野沢太三君及び佐藤雄平君が選任されました。     ─────────────
  3. 委員長(景山俊太郎君)(景山俊太郎)

    委員長景山俊太郎君) 次に、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  地方公務員法及び地方公共団体一般職任期付職員採用に関する法律の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会人事院事務総局人材局長藤野達夫君、人事院事務総局公平審査局長潮明夫君、総務省自治行政局公務員部長須田和博君、厚生労働大臣官房審議官大石明君及び厚生労働省雇用均等児童家庭局長伍藤忠春君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 委員長(景山俊太郎君)(景山俊太郎)

    委員長景山俊太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 委員長(景山俊太郎君)(景山俊太郎)

    委員長景山俊太郎君) 次に、地方公務員法及び地方公共団体一般職任期付職員採用に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は去る十三日に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 山崎力君(山崎力)

    山崎力君 自民党の山崎でございます。  今回の改正案でございますが、その趣旨というのは、地方公務員任用とか勤務形態多様化制度導入しようというようなことが基本的な考え方であろうと思うわけでございますが、これは一般民間企業もそうでございましたけれども、今までは終身雇用ということでやってきたと。ところが、これは経済情勢あるいはいろいろな事情からそれがだんだん変化してまいりまして、フルタイム勤務からパートタイムあるいは期間限定といいますか、ある程度の時間帯採用するけれどもその後見直すと、いろんな形態が出てきたと。  これは在来型の人事管理がちょっと崩れてきたという中で、そういった中でこういった制度地方公務員の方にも導入して、理事者側あるいは全体、住民に対するサービスを良くしていこうという、そういう枠組みだけはとにかく地方公務員採用の中にも持ち込みましょうというふうなことだと思いますが、その辺のところどのような、民間公務員と、地方公務員とは違うと思うんですけれども、違うところもあろうかと思うんですが、これを導入したという基本的な考え方、それからまた、それに対してどういう期待を持たれているのかという基本的なことをまず大臣からお伺いしたいと思います。
  7. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 今、山崎先生指摘のありましたとおり、最近いろいろな形での勤務形態というものが、企業に限らず地方自治体の方でも変わってきつつあると思っております。  そういった状況に合わせて、今まではフルタイムでも確実にもうかちっとした感じのフルタイムパートタイムかしかなかったわけですから、そういったものと違って、今サービスも、例えばお昼休みも開けるようになったとか、早朝の受付をやるとか早朝保育だとかいろんな形のものでの、ほんの一定期間だけというような部分に関しましてはこれはパートタイム任用制でやれるとか、またイベント、例えば万国博万国博はちょっと大き過ぎます、例えば国民体育大会とかなんとかとかいうようなときではこれはその期間の中だけ、ほぼ三年なら三年間の間そういったものの受付専門にとか、そういったのの企画専門にとかいうようなことのフルタイム任用制というようなことを考えて、いわゆるその充実を図るためにはこういった制度を持っておるということが必要という地方団体からの要望というものもいろいろございましたものですから、国家公務員の方も過日、特許が、非常にたまっております特許を何としても今の時代に合わせてきちんとしておくためには、一定期間だけ特許制度採用する審査官というものの、どうしても要るということに基づいた需要が一番だったと思いますが、そういった形でこの任期制採用させていただいたのに合わせまして、地方の方からも前から声が出ておりましたので、それに合わせてこのような制度お願いをしておるという次第であります。
  8. 山崎力君(山崎力)

    山崎力君 御趣旨はよく分かりました。  この辺で、新しい制度ですからいろいろ問題もあろうと思いますし、特に地方公共団体自治体の方でそういう、こういったことに積極的な首長さんもいればそうでないところもあるでしょうし、そういったところでこの制度趣旨を徹底して地方の方にお知らせするということは重要だと思います。それと同時に、それが強制みたいな形になるというのもこれもまた行き過ぎだと思いますので、その辺のあんばい加減が非常に総務省としては大切なことになろうかと思います。  その辺を踏まえて、是非この法律成立後、指導方をよろしくお願いしたいと御要望申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
  9. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 民主党・新緑風会の高嶋良充でございます。  まず、任期付採用法について質問をいたしたいというふうに思いますが、かなり実務的な質問になると思いますので、大臣最後決意表明をお伺いしますので、ちょっとゆっくりと聞いておいていただきたいというふうに思います。    〔委員長退席理事山崎力着席〕  現行法関係でいうと公務員任用制度については、基本的な原則というのは、恒久的な職については原則として任期定めのない任用を行うと、こういうことになっているわけであります。ただ、特例的に任期付採用も認められるということになっておりまして、その任期付きについては、専門的な業務必要性が生じたときに部内においてこれに従事をできる知識経験又は識見を有する職員が存在しない場合と、それに対応して特例的に任期付採用が認められると。  こういうことになっていたわけでありますけれども、しかし今回、第一条において趣旨改正をされたと。これは現行任用制度原則や特例としての任期付採用の性格に対して任期定め採用を行うと、こういうことですから、この定義についてはどのようなものなのか、まず明らかにしていただきたいと思います。
  10. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) お答え申し上げます。  御指摘のように、現在の任期付採用法の第一条におきましては、一般職について「専門的な知識経験又は優れた識見を有する者の任期定め採用」としてございますが、今回の法案におきましては、「一般職職員任期定め採用」と改正することとしてございます。  これは、今回新たに導入することとしております任期付採用制度及び任期付短時間勤務制度が必ずしも専門的知識経験の有無を考慮しない制度であるということにかんがみまして規定を整備するものでございます。したがいまして、法案には任期付採用定義という形では提起してございませんけれども法案趣旨からしますと、これまでの任期付採用に今回新たに導入する任期付採用を加えた、すなわち法案の第三条あるいは新第四条及び新第五条のそれぞれに一定要件規定してございますけれども、そうした要件に合致するものとして任期定め採用する者が改正後の法におきます任期付採用に該当するものと理解しております。しかし、今回の任期付採用法改正当たりましても、御指摘公務中立性確保職員長期育成を基礎とする公務能率性追求などの観点から、公務運営任期定めのない常勤職員中心として行われるべきであるという基本的な考え方は変わるものではないと考えております。
  11. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 最後のくだりで御答弁をいただいています公務中心を成す公務員への部分については任期定めのない常勤職員中心にして行っていくと、その基本原則は変わらないと、こういうことでございますから、その点は今後とも明確にしながら各自治体には助言、指導お願いをしておきたいというふうに思っております。  次に、第二条の関係で、短時間勤務職員定義関係についてでありますけれども、これは今回、再任用短時間勤務職員定義を準用をされているわけでありますけれども、この地公法の第二十八条の第五項、その第一項に定める短時間勤務というのは、定年として定められた年齢に達した者だけを対象にしているわけでございますが、ここで言う短時間勤務意味について明らかにしていただきたい。  なお、短時間勤務というのは、再任用短時間勤務職員と同様に、一週間当たり通常勤務時間が常勤勤務を要する職員に比べて短いことだと、こういうふうに理解をしているわけですけれども、それでいいのかということと、また新たな職の創設ということも改正をされているわけですけれども、他の職における任用にこの新たな職の創設影響を与えるんではないかという危惧もあるんですけれども、その辺について、基本的には影響を与えるものではないというふうに私どもは考えているんですが、その点も明確にしていただきたいと思います。
  12. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 今回導入することとしております任期付短時間勤務でございますが、これは通常非常勤職員が専ら補助的業務に従事するものとされているのに対しまして、御指摘のように、既に制度化されております高齢再任用の場合と同様に常勤職員と同様な本格的な業務に従事することができるものとしているところでございます。  したがいまして、御指摘のように、第二条の短時間勤務意味につきましても、高齢再任用の場合の二十八条の五を引用しまして、一週間当たり通常勤務時間が常時勤務を要する職員に比し短いことを意味するものと考えているところでございます。  そして、もう一つの御質問でございました他の職、あるいは他の任用等との関係のところでございますが、今回の任期付短時間勤務職員制度でございますけれども、これはあくまで任用形態多様化を図るための制度一つと考えておりまして、その制度導入が既存の他の任用制度に直接的な影響を与えるものではないと考えております。
  13. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 第三条関係についてお伺いしますけれども、ここで適用要件拡大をすると、こういうことになっているわけですが、私は適用要件拡大が必要なのかどうかというのは疑問があるところなんですけれども改正案の第四条における適用要件について現行制度においても十分に適用することが可能な範囲になるんではないかと、こういう考え方を持っているところです。しかし、それが今回改正をされて要件拡大を図ると、こういうことになっているわけですが、任期付採用適用要件のなぜ拡大をするのかと、この点に関する明確な見解についてお伺いをしたいと思います。    〔理事山崎力退席委員長着席
  14. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 御指摘現行法でも任期付採用ができるのではないか、この場合の現行法地方公務員法第十七条のことかと存じますけれども、確かに地方公務員に関しまして、この地方公務員法第十七条を根拠としまして本格的な業務を行う常勤職員任期付採用することができるかどうかという点、この点については議論のあるところと承知しております。  ただ、この点につきます最高裁の判例でございますけれども期限付任用が例外的に認められる場合があるとしておりますが、それがどのような場合に認められるかについて必ずしも明確にはなっておりません。したがいまして、地方公共団体におかれましても、この現行法による任期付採用につきましては結果的に慎重になっておりまして、そういった意味から、今回のような制度としての任期付採用創設に対する要望が寄せられているところでございます。  したがいまして、今回の法案におきましては、基本的に国家公務員におきましてこうした規定が設けられておりますので、その制度と同様の観点に立ちまして、時限的と考えられる職について常勤職員任期を付して採用することができることを明確化し、任期付採用拡大を求める地方公共団体要望にこたえようとするものでございます。
  15. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 この現行任期付採用法がこの参議院の委員会審議をされたときに、御承知のとおり、情実人事を求める圧力又は働き掛けその他の不当な影響を受けることのないように留意することという附帯決議が付されたのはもう御承知のとおりであります。  私は、今回のまた改正によってそのような情実人事というのが増えるのではないかという危惧を抱いているんですが、ただ、今回の法律措置において公平委員会機能の強化が図られているという部分については若干評価をされますけれども、しかし、先ほども言いましたように、適用要件拡大をされることについて、人事行政の公正、中立性を阻害をすることになりはしないかということであります。  そういう観点からいえば、附帯決議等関係も含めて少なくとも厳格な運用が図られるべきであるというふうに考えているんですけれども、この点について政府としてはどのような見解をお持ちで、そして情実人事が起こらないように人事の公正、中立性追求をしていくために、具体的な対応措置についてどのようにされようとしているのか、お聞かせをいただきたい。
  16. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、今回の法案におきまして任期付採用拡大することになりますが、これはあくまで特定期間業務量が増大することが予想される場合等一定の場合に限られたものでございまして、任期定めのない常勤職員中心として公務運営するという現行制度基本的考え方は変わるものではございません。  また、今回導入される任期付職員及び任期付短時間勤務職員でございますが、これは、これまでの任期付き採用が、採用当たりましては若干裁量の余地があったのに対しまして、これは採用当たりまして競争試験又は選考とすることにしておりますので、任期付採用拡大によりまして人事行政の公正、中立性が阻害されることはないものと考えております。  さらに、今回の法案におきましては、公平委員会機能充実もそうでございますけれども、同時に地方公共団体人事行政運営における公正性及び透明性確保を図るため、各地方公共団体におきまして職員任用給与状況等住民に公表することとしております。  総務省としましては、このような今回の法案趣旨全体を含めまして、地方公共団体に対しましては、その趣旨を十分周知徹底してまいりたいと思っております。
  17. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 今回、この法律改正の前提となった研究会があるんですが、有識者なり関係者意見を聞かれて、その研究会でいろいろ議論をされてこられたということを聞いております。研究会が出してきている「分権新時代地方公務員制度」の検討過程において、同研究会が九九年に策定をいたしました「地方自治・新時代地方公務員制度」が指摘をしている一般的な短時間勤務職員制度、これの創設を強く求める意見があったというふうに聞いているんですが、さらにその研究会においても、この一般的な短時間勤務職員制度というのは中長期的な課題として、民間状況国家公務員制度、更にはその動向注視をしつつ慎重に検討すべきであると、こういうことになったというふうに伺っています。  そこで政府にお伺いしますけれども、これらの有識者関係者における研究会検討経過の中で出されたこの意見をどのように認識をされているのか、明らかにされたい。
  18. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 御指摘のように、この地方公務員制度調査研究会におきまして、一般的な短時間勤務職員制度、すなわち任期定めのない短時間勤務職員制度導入を積極的に求める意見があったことについては、私どもとしてもよく承知しております。  しかしながら、同じその場におきまして、この意見に対しましては、無原則に短時間勤務を認めることは人事管理が複雑になり過ぎ、また任期定めのない常勤職員中心とする公務運営という地方公務員制度原則にも反するとの意見もあったと承知しております。さらに、その結果としまして、研究会最終報告書におきましては、御指摘のように、短時間勤務職員採用が無限定にならないよう、任期その他の要件を設けることを示した上で、任期定めのない短時間勤務職員制度につきましては中長期的課題として慎重に検討すべきものとされているところでございます。  したがいまして、今回の法案におきましては、短時間勤務職員一定期間における特定業務を想定したものとして構築し、その上で任期定め採用する制度としたものでございます。  御指摘任期定めのない短時間勤務職員制度につきましては、この研究会の結論を十分に念頭に置きながら、民間状況国家公務員制度における検討動向ども注視しつつ慎重に検討すべきものと考えております。
  19. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 慎重に検討すると、こういうことを言っておられるわけですけれども、私は、今回のこの改正措置はいろんな問題点も多いんですが、ただ国公準拠地方公務員、あるいは民間準拠公務というそういう観点からいえば、国公民間に先駆けて今回のような法改正法律措置を講じられるということについての総務省の意欲については非常にその点は評価をしているわけですけれども、しかし一般的な短時間勤務職員制度創設については非常に、民間国家公務員動向注視をしてという、そして慎重に検討すると、こういうことでかなり後退をされているわけであります。  私は、任期定めのない本格的な短時間勤務制度創設というのは、地方公務員制度固有の問題もありますけれども、それ以上に現在の国家公務員制度、さらには民間におけるパートの問題等々、非常に社会問題にもなってきておるわけでございまして、その点からいえば、改めて任期定めのない一般的な短時間勤務職員制度を早急に創設をすべきではないかと。そのための早期の検討が図られるべきではないかというふうに思っているんですが、その点を強く要請をしておきたいと思いますが、もう一度その考え方をお聞かせください。
  20. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 任期定めのない短時間勤務職員制度創設でございますけれども、この点になりますと、必ずしも地方公務員制度固有の問題ということではなく、国家公務員制度民間における短時間勤務職員制度ども含め、社会全体の動向念頭に置きながら検討すべき課題という点につきましては、御指摘のとおりだと思っております。  したがいまして、総務省としましては、先ほど申し上げましたが、繰り返しで恐縮ですけれども研究会報告書を十分に参考にしながら、民間動向国家公務員制度における検討動向ども注視しつつ検討していきたいと考えております。
  21. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 次に、地公法改正の方に移らせていただきます。  まず、第十四条、情勢適応原則について、新たに人事委員会勧告に係る規定を設けておられるわけですけれども、これはどのような趣旨によるものなのかということなんです。  具体的に申し上げますと、国家公務員法における情勢適応原則との相違を含めてどのようなことになるのかということと、この改正によって、給与勤務時間その他の勤務条件について、制度運用実態等、そのすべてにおいて何らかの変更を与えるものになるのか、あるいはならないのか、その点をお聞かせをいただきたいと思います。
  22. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 人事委員会勧告でございますけれども、この人事委員会勧告につきましては、従来より、地方公務員法上の第八条第一項第二号に規定する給与勤務時間その他の勤務条件に関する研究及びその成果の報告という規定、及び同項第三号に規定します職員に関する条例の制定、改廃に関する意見具申規定根拠としているものでございます。  今回の法改正におきましては、人事委員会の権限を追加することとしておりますので、今回、勤務条件に関する勧告根拠規定をより簡明なものとすべく第八条第一項に規定するとともに、御指摘のような国家公務員法の例に倣いまして、情勢適応原則規定人事委員会による勧告権を明記することとしたものでございます。  いずれにしましても、今回の改正によりまして、従来の取扱いに何ら変更を加えるものではないと考えております。
  23. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 従来の取扱いに何ら変更を加えるものではないという御答弁をいただいているわけですが、その点についても周知はきちっとお願いをしておきたいというふうに思います。  地公法の第八条の関係で、研修及び勤務成績の評定についてでございますけれども人事委員会総合的企画事務を今回削除をされて研修事務変更する、こういう措置を取られたわけでありますけれども人事委員会による総合調整のための企画専門的立場からの勧告という権限を、これは変更をされるということになるんではないかというふうに私は考えるわけですけれども、どのような概念と必然性によってこのような変更をされようとしているのか、明らかにしていただきたい。
  24. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 今回の研修及び勤務成績の評定におきます人事委員会の役割の変更でございますけれども、この点に関しましては、現行地方公務員法におきましては、人事委員会研修及び勤務成績の評定に関する総合的企画を行うこととされているのは御指摘のとおりでございます。また、国の人事院におきましては、研修のほか、勤務評定の根本基準を規則で定めるなどの総合的な企画も行っているところでございますが、しかし、地方公務員に関しましてはこうした研修及び勤務成績の評定は元々任命権者の権限とされているところでございまして、人事委員会は任命権者に対して研修の方法及び勤務成績の評定の立案について勧告を行うことができるにとどまってございます。とどまっておりまして、人事院規則に相当するような制度の設計、実施はできないものとされているところでございます。  したがいまして、今回の法改正におきまして、人事委員会も含めて総体としての地方公共団体研修に関する基本的な方針を定めるものとすることに併せまして、この点をより明確にすることとしたものでございます。したがいまして、御指摘の箇所の改正自体によりまして人事委員会の役割あるいは権限に何ら変更を加えるものではないと考えております。
  25. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 研修というのは、職員の能力開発にとっても極めて重要な機会であると同時に、公務能率全体の増進を目的としているというふうに考えているんですけれども、そこで、研修が有効に機能させていくために、この企画立案についても当事者である職員職員団体の参加と関与が必要であるんではないかというふうに思っているんですけれども総務省としてはどのような見解をお持ちですか。
  26. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 今回の法改正趣旨でございますけれども、これは各任命権者が行う研修に統一性を持たせまして、総合的かつ計画的に実施するために、研修に関する基本方針を地方公共団体として作成することとしたものでございます。この方針に基づきまして、具体的な研修を有意義なものとするためには職員が主体的に研修に取り組むことが重要な一つの要素と考えているところでございます。しかしながら、研修の実施につきましては、あくまでこれは任命権者の責任で行うべきものと考えているところでございます。
  27. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 最終的には任命権者の責任で行うということだろうというふうに思いますけれども、いずれにしても、公務能率の向上という立場とか職員自身の能力開発にかかわる問題ですから、やっぱり職員参加という部分は、前段で御答弁をいただいていますが、是非、職員参加を図る研修制度の内容の充実と、そういう観点で御努力をいただきたいというふうに思っているところであります。  そこで、職員の苦情処理の関係も新たに出されてきておりますので、その点について、今日は人事院にもお越しをいただいておりますから、まず人事院の方からお伺いをしたいというふうに思います。  新たな法制度として措置をされてきました地方公務員職員の苦情処理について、既に国家公務員関係は先行して実施をされているというふうに伺っているわけですけれども、これまでの国家公務員制度運営によって明らかになった問題点課題というのがかなりあるとも聞いているんですが、その点も含めてその実施状況も明らかにしていただきたいと思います。
  28. 政府特別補佐人(佐藤壮郎君)(佐藤壮郎)

    政府特別補佐人佐藤壮郎君) 人事院は、国家公務員法定めによりまして従来から職員の苦情相談に対処してきたわけでございますけれども、この数年、非常に相談件数が増えてまいりまして、そのために体制の整備、具体的には職員相談室というものを作りましたし、それから平成十二年度には人事院規則を作りまして手続の明確化をいたしました。具体的に、平成十四年度の例を取ってみますと、苦情処理件数は九百五十件ございました。特に多いのは、任用関係が二百七十五件、それからセクシュアルハラスメント等、いじめ、嫌がらせなどの関係が二百五十件になっております。  それで、私どもの経験から問題点といいましょうか留意点を三点ほど申し上げたいと思うんですが、一つは、職員への周知でございますね。こういう制度がある、あるいはどこで処理を受け付けているという周知が必要、大切ではないかというふうに思います。私どもといたしましては、ポスターやパンフレット、それからホームページ等を使いまして周知を図っているところでございます。  それから、第二点目は、職員から見てアクセスしやすい環境を作るということだろうと思います。これにつきましては従来、電話あるいは手紙による受付だけだったんですけれども、今年からEメールによる受付を開始しております。  それから、三点目は、苦情の原因となったものを改善するためには、各府省の協力がどうしても必要でございます。そのために、各府省の担当者と連携協力を十分図るということが必要だと思います。具体的には、私どもといたしましては各府省の担当者との連絡協議会を毎年開催しておりますし、それから研修もやっております。  以上三点が留意点というふうに申し上げられると思います。
  29. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 じゃそこで、総務省に伺いますけれども国家公務員制度参考にして導入をされてきていると、こういうことになると思うんですが、この職員の苦情処理について、地方公務員における今回の制度と、今までの導入をされてきています国家公務員における制度との相違というか異同というのはどのようになっているのかと。具体的には、人事院規則の一三—五並びに関係人事院事務総長通知において規定される内容に対して、自治体においてはいかなる措置を図るということになるのか、また自治体における具体化についての規定はどのように整備されようとしているのか、その点についてまず伺います。
  30. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 今回、地方公務員制度導入しようとしております職員の苦情の処理、いわゆる苦情処理制度でございますけれども、これにつきましては基本的には、御指摘のように、既に制度化されております国家公務員制度における苦情処理制度と同様な内容を想定しているところでございます。  しかしながら、その対象となる範囲あるいは措置の内容などの具体的な内容につきましては、各地方公共団体の実情を踏まえまして、人事委員会規則又は公平委員会規則で定めることとしているものでございます。したがいまして、人事委員会又は公平委員会が、この国の制度参考としまして、それぞれの地域に適切なものとなるよう必要な規定を整備していただくことを期待しているところでございます。  総務省といたしましては、先ほど人事院から御説明がございました苦情処理の実施状況とか、あるいは留意すべき点なども含めまして、地方公共団体に対しまして必要な助言を適宜行うことによりまして、この苦情処理制度の地域への導入が円滑に進むよう努めてまいりたいと思っております。
  31. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 地方自治体の条例整備との関係もございますから、若干具体的にお聞かせをいただきたいというふうに思うんですが、まず、人事管理に関する苦情というのはどのような範囲、事項を指すものなのかということであります。具体的には、人事管理とされていることについて、措置要求における勤務条件の範囲を超えて広く人事管理全般にわたるものというふうに理解していいのかどうか、その点についてまず伺います。
  32. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) この点につきましては、現在の国における苦情相談は、職員任用給与勤務時間その他の勤務条件、服務等人事管理の全般に関する苦情を対象としておりまして、その中には、職場におけるいじめや嫌がらせ、セクシュアルハラスメントに関する苦情なども含まれるものと承知しております。  したがいまして、こうした国におかれます範囲を想定し、念頭に置きまして、具体的にはいかなる苦情に対応するかにつきましては、やはり各地方公共団体人事委員会又は公平委員会の判断に基づきまして人事委員会規則又は公平委員会規則で定めていただきたいと考えております。
  33. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 じゃ、相談についてはどのような権限を有しているのかというのもお聞かせをいただきたいんですが、例えば相談の結果、任命権者によって是正措置が必要だと、こういうことが明らかになった場合にどのような対処をしていったらいいのかということですが。
  34. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) この点も、基本的には各地方公共団体の実情を踏まえてそれぞれの委員会規則で定めていただきたいと考えておりますが、国の苦情相談の場合は、人事院が関係者に対して助言などを行うほか、指導、あっせんその他の必要な措置を講ずることができることと承知しております。  したがいまして、各人事委員会又は公平委員会は、こうした国の制度参考としてそれぞれのケースにおいて適切な措置が講じられるよう対応していただきたいと考えております。
  35. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 人事委員会公平委員会の対処の関係を言われていますけれども、この相談の有無あるいはその結果にかかわらず、措置要求権であるとか公平委員会の公平審査の請求権というのは確保されるものだというふうに私どもは理解しているんですが、それでよろしいですかね。
  36. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 基本的には各地域におきまして規則で定められるべきものでございますが、いかなる手段による利益保護を求めるかは事案に応じましてその申出者が判断するものであることから、苦情を申し出たことをもって行政措置要求権などを制約することは適当ではないものと考えております。
  37. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 職員が相談をするといろんな、この種の相談というのは、非常に職員のプライバシーあるいはその他の職員のプライバシーにもかかわる問題が相談をされるというふうに思っているわけですけれども、この職員のプライバシーはどのように保護され、保障されるということになるのか、その点について伺っておきたいと思います。
  38. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) この苦情相談に係る事務にかかわります人事委員会及び公平委員会委員及び職員につきましても、地方公務員法第三十四条に規定します守秘義務が課されるものでございます。したがいまして、この義務に違反したような場合には懲戒処分や刑事罰の対象となり得るものでございます。  こういったことから、苦情相談に関する職員のプライバシーは十分に保護されるものと考えております。
  39. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 守秘義務との関係も含めて言われておりますけれども、ただ、このプライバシーの関係でなかなか相談できないという、相談しにくいという、そういう部分国家公務員制度関係ではあるようにも聞いておりますから、是非プライバシー保護という部分についてはこの周知徹底を図っていただきたい、そういうふうに要望しておきたいというふうに思います。    〔委員長退席理事山崎力着席〕  次に、地公法の第五十二条の二項の関係で、人事行政運営の公表についてが出されてきています。  先ほども、それらの部分を公表することによって一定の担保にすると、こういう答弁もあったわけでありますけれども、この人事行政運営の公表という部分職員個人のプライバシーの保護という観点でお伺いをしたいんですけれども職員団体における正当な利益をプライバシー保護という観点からも阻害してはならないというふうに思っているんですけれども、その点についてどのような見解をお持ちなのかと、人事行政運営の公表という部分でですね。  なお、そのような前提における報告、公表の範囲というのはどの程度のものなのかということについて、その辺の線引きも含めてお答えをいただきたいと思います。
  40. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 今回の公表の関係でございますけれども、これは、人事行政運営状況を最終的な使用者でございます住民に対して明らかにすることによりまして人事行政の適正な運営確保するというものでございます。  公表の内容でございますけれども、法の、新しい改正法案の中には、「職員任用給与勤務時間その他の勤務条件、分限及び懲戒、服務、研修及び勤務成績の評定並びに福祉及び利益の保護等」ということでくくっておるところでございます。また、では、そうした法律に基づきまして具体的に条例で定めるに当たりましては、職員のプライバシーを侵害することのないように十分な配慮が必要と考えているところでございます。  また、職員団体における正当な利益という点につきまして、必ずしも具体的な内容を私ども承知しておりませんので一般論となりますけれども、各地方公共団体の情報公開条例において保護されるものとしている法人等の不開示情報に該当するもの、こういったものであれば公表の対象にはならないと考えております。
  41. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 法人との関係職員団体の部分、今の御答弁では各地方公共団体の情報公開条例との関連だと、こういうことでありますけれども、いずれにしても、職員団体の部分での正当な利益を阻害をしないという前提の中にも職員個人の、その職員団体に入っている組合員個人のプライバシーの関係の保護も該当してくる部分もありますから、是非慎重な対応を取られるように周知をお願いをしておきたいというふうに思っております。  次に、人事委員会勧告制度についてお伺いをいたしますけれども、第二十六条と併せて地方公務員の労働基本権制約のいわゆる代償措置の性格を有するものだとこの人事勧告制度は言われてきていますけれども、それは当然のことですが、しかし、一昨年ですか、二〇〇二年の十一月にILOの結社の自由委員会で採択をされています第三百二十九次報告では、現在のこの人事委員会勧告制度が代償措置たり得ないものだというふうに批判をされているわけですね。これはもう総務省も御承知のとおりだろうというふうに思っています。    〔理事山崎力退席委員長着席〕  ところで、今回の改正案は、このように指摘されてきた人事委員会勧告制度について、その性格及び内容に何らかの変更を行うことになるのか否か、また、改めて人事委員会勧告制度意味について政府はどのように考えておられるのか、その見解を明らかにしていただきたい。
  42. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 人事委員会勧告制度意味につきましては、一つは、公務員の労働基本権が、その地位の特殊性と職務の公共性にかんがみ、国民全体の共同利益の保障という見地から制約を免れ得ないということ、そしてもう一つ、一方、公務員も勤労者であり、その生存権の保障の見地から労働基本権の制約に見合う適切な代償措置が講じられる必要があること、これらの点から制度上整備された代償措置一つであり、過去の最高裁判例におきましてもこれらの代償措置の下における現行の労働基本権の制約は合憲とされているところでございます。  今回の改正でございますけれども、この従来から行われておりました人事委員会勤務条件全般に関します勧告権根拠を明確にするためのものでございまして、人事委員会勧告制度につきまして何ら変更を行うものではございません。  なお、御指摘のILO勧告につきましては、私どもとしましては、人事委員会勧告などの我が国の法制度についての理解が十分でなく、またILOの過去の見解と整合しない部分もあると認識しており、政府といたしましてはILOに対し必要な情報提供などを行い、我が国の見解につきまして十分な理解を求めることが必要と考えているものでございます。
  43. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 先ほど過去の最高裁判例も持ち出されましたけれども、私ども制度上整備をされた労働基本権の代償措置として満足だと、こういうことであれば今のような御答弁でもいいとは思いますけれども、しかし、先ほども言っていますように、ILOでさえもその代償措置たり得ないと、こういう批判をしているわけですから、これはこの法案での直接かかわるという問題よりも、これからの政府全体の公務員制度改革の中で解決を図っていただかなければならない課題ですので、そのときにも強く申し上げてまいりたいというふうに思いますけれども、いずれにしても、人事委員会勧告制度、今回は何らの変更も行うものではないと、こういう考え方は示されておりますので、そのことも含めて次に進みたいというふうに思っています。  地公法の九条の関係で、公平委員会の設置の関係であります。  単独、共同、委託などの公平委員会の設置についての類型が存在をしているわけでございますが、これらの設置の類型にかかわりなく権限の特例等が適用されるというふうに考えてよろしいんでしょうか。また、職員競争試験及び選考並びにこれらに関する事務と、こういうことになっておりますけれども、このことは人事委員会に付与されている事務権限と公平委員会も同一のものとして付与されたと、こういうふうに理解してよろしいですか。
  44. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 御指摘のように、公平委員会の設置につきましては、共同設置、委託、そしてまた単独設置とございますけれども、この中で共同設置や委託を行わずに単独で公平委員会を設置している場合には、公平委員会の権限の特例措置がそのまま適用になるところでございます。  しかしながら、既にこうした公平委員会の事務を委託している場合でございますけれども、その場合、既に委託している事務よりも今回の競争試験等の業務の方がかなり専門的で高度な業務と理解しておりますので、そういったものだけを地域で自らやるということはちょっとバランスを失するのではないかという、もありまして、今回の法改正におきましては認めておりません。  また、共同設置の場合でございますけれども、この場合につきましては、複数の自治体で共同で設置するということから、いろんな種類のものがありますとかなり事務の繁雑化を招くということもございまして、この点につきましては、競争試験等を行う公平委員会を置く地方公共団体同士での共同設置の形でのみ認められることとしているところでございます。  なお、人事委員会に付されている事務権限と今回付される権限は同一のものかという御質問でございましたが、これは基本的に同一のものでございます。
  45. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 予定の時間も参っているようでございますから、最後総務大臣、長い間お待たせしました。決意も含めてお聞かせをいただきたいんですが。  今回の法律措置については、公務員制度改革大綱による制度改革ではないということなんですけれども、さらに、今回の措置が公労使の三者構成による地方公務員制度調査研究会検討結果の具体化によって改正が行われてきたということですし、先ほども申し上げましたけれども、これまでの国公準拠による規制ではなくて、自治体の役割と実施に基づく正に分権的な視点からの改革の第一歩というふうにもとらえられるわけですので、私は、その分権的な視点という観点からいけば、この改正については一定評価をしておきたいというふうに思っています。  ただそこで、総務大臣も、引き続いて今後の地方公務員制度改革についてはより分権的な視点を重視をしていくことが重要だという考え方に立って、改革を実行あらしめんための努力をいただきたいというふうに思っているわけですけれども大臣見解と認識をお伺いしたいと思います。
  46. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 今、高嶋議員から御質問があっておりましたとおり、今回のこの改正は、いろいろ時代に合わせて、また地域性に合わせて、随分、地方公共団体も独自性というか、いろいろ特殊性含めて、いろいろ地域が違ってきていると思っておりまして、均衡ある国土の発展から特色ある地方の発展、国土の発展という言葉が通用、言われるようになったこと、大きく変わってきておりますので、独自性は基本的には発揮しやすくなるように考えるというのがまず基本というのは私も全く同じでありますので、そういった意味では、多様な任用とか多様な勤務形態業務形態、いろいろあろうと思いますけれども、そういった地方公務員制度を作るためにというのが基本的な目的というように今回の法律も考えております。  したがいまして、今後とも地域を、地域主権とか地方分権ということになりますと、これは基本的には地域間同士の競争が健全な形で行われるということが望ましいとも思っておりますので、いろんな意味で、そういった地域主権化の流れに合わせて柔軟な制度が作られてしかるべきだと思いますので、地方の首長というか、経営を、経営というか、運営をする責任者の発想が生かされるように、柔軟な制度というのが望まれているところでもあり、またそういったものに対応していくべきものだと基本的には考えております。
  47. 高嶋良充君(高嶋良充)

    高嶋良充君 大臣の決意も含めてお伺いをいたしました。  今大臣の方から、多様な任用勤務形態、これらについて、その導入制度化も含めて、地域主権というか、分権の流れに即応した、地方自治体としても柔軟な制度の構築に努めていきたいと、こういう趣旨だろうというふうに思っております。  この大臣答弁が、私が先ほどからも申し上げています任期定めのない本格的な短時間勤務職員制度創設も含めて、今後の地方公務員制度全体の改革に対する総務大臣としての基本的な立場であり決意だろうというふうに前向きに受け止めさせていただいて、以上で質問を終わらせていただきます。
  48. 日笠勝之君(日笠勝之)

    日笠勝之君 公明党の日笠勝之でございます。  まず、総務大臣、先日の当委員会で、私、地方公務員の退職日に特別昇給、名誉昇給とも言うところもあるそうでございますが、号俸が一ないし二上がりまして、いわゆるお手盛り退職金と、こういうのがありますよと、国家公務員もそれを全廃するというなら、地方公務員も同じように同じ日からやるべきではないかと、このように申し上げたところ、早速にも四月十三日付けで、いわゆる特別昇給制度の廃止と、国家公務員に準じて廃止しますということで通知を出されたということでございまして、このことにつきましては敬意をまず表するところでございます。  さて、今回の法律改正につきまして何点かお伺いをしたいと思います。  まず、公平委員会人事委員会が見直し、兼職の見直しをするということでございますが、この事務局ですね、事務局の事務局長とか職員、担当職員、こういう方々は兼職、いわゆる役場なら役場、市庁舎なら市庁舎の中でのほかの仕事との兼職というのは可能なんでしょうか。
  49. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 公平委員会委員につきましては……
  50. 日笠勝之君(日笠勝之)

  51. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) はい、職員の方につきましては、法律上他の一般職との兼職は禁止されておりません。しかしながら、公平委員会がそもそも人事行政の中立、公正性確保するための第三者機関として設けられていることを踏まえれば、公平委員会の役割に疑念をもたらすもの、例えば長部局の人事担当者などについては慎重に対応すべきものではないかと考えております。
  52. 日笠勝之君(日笠勝之)

    日笠勝之君 例えば、昇任試験を公平委員会の、例えば小さな規模の町村辺りが独自でやりますと、これは可能なわけですから。その場合、小規模の市町村の試験問題を作ったり運営する人と受ける人が同一になるようなこともあり得るわけですよね、小さいところですから。これ、遮断しなきゃいけないわけですが、そういうことについてはどうお考えでしょうか。
  53. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 御指摘のようなケースにつきましては、法律上直接言及する規定はございませんけれども、御指摘のような形で競争試験等の作成者と受験者が同一となるというようなことは、この昇任試験の厳正、公正性に対して疑念を挟むこととなりまして、やはりそういうものにつきましては好ましくないのではないかと思っております。  したがいまして、そういうような形で競争試験等を実施するようなことがないよう、人事配置なども含め、受験者がそうした競争試験にかかわることのないよう配慮するなど適切に対処することが必要かと思っております。
  54. 日笠勝之君(日笠勝之)

    日笠勝之君 公平性であり厳格性というものがなきゃいかぬわけでありますが、小さな町村になりますと、みんなよく知った人ばっかりですから、なれ合いということがないような厳正な対応というものをきちっと周知徹底をお願いをしておきたいと思います。  それから次に、ちょっと通告している順番が異なりますけれどもお許しいただきたいと思いますが、いわゆる公務員の人員合理化、これについて、削減と言った方がいいかもしれませんが、これは新聞報道でございますが、総務省は、中央政府の電子政府構築計画が進んでいけば、いろんな意味で、事務統合ができたり、いろいろITが進めば事務手続などの効率化も進めれると、何か六千人ぐらいそれだけで削減できると、こういうことをまとめた試算があると、こういうふうにお聞きしておるわけですが、これと同じように、電子自治体ということを言っておるわけでございますから、地方公務員の方もこういうふうな事務の業務の効率化、ITの活用によりましてできるんではないかと。一体全体、各市町村、特に大きな市、東京都に十二万人も公務員がいるとか、そういう例えば大きなところはこのことが如実に費用対効果で表れなきゃいかぬわけですね。  そういう意味では、地方はこの電子自治体進展に伴ってどの程度人員が削減できるのかと、こういうふうなことの何か試算というか、方向性というか、中央省庁だけじゃなくてお考えなんでしょうか。
  55. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 今、御存じのように地方公務員約三百十二万人だと存じますけれども、平成七年からですから九年連続、公務員の数というのは約十七万人減ということになって、今、ITとかICTとかいうものの前から基本的には増やさない、むしろ減らすということでずっと純減をしてきておりますのは御存じのとおりで、今もそういった方向で動いておりまして、今後とも四年間で更に四万人を純減ということで、地方公務員の数も減らすということにいたしております。  ちなみに、昨年も警察官等、いろいろ治安関係のものにつきましては増員ということをいたしたにもかかわらず、実質数では減になっておりますんで、そういった方向では動いておるんだと思っておりますが、今の段階でITをどれだけ使いこなし切るかが結構大きなところだと思いますんで、これをやりますと、単純作業と言えるような例えば号俸数とか俸給数とか、ああいったような計算というものがこれによってかなり合理化されるということになりますと、大幅に人が減ることはもう十分に予想できるところだとは思いますが、それによって今三千あります市町村全体でどれだけ今減らせられるかという数字が、今出せと言われても今の段階で明確に申し上げるわけ、のような数字をつかんでいるわけではございません。  ただ、方向といたしましては、平成十六年度の地方財政計画におきましても約一万、正確には一万九百八十人の、約一万一千人の純減ということになってきておりますんで、方向としては、それができるようになる背景の大きなものとしては、いわゆるICTの利用、活用によります純減がしやすくなっておるという状況にはあると思っております。
  56. 日笠勝之君(日笠勝之)

    日笠勝之君 そうですね。私が今お聞きしたかったのは、電子自治体計画が進展をすればどの程度の、例えばある県なら県の事務量が何万時間ぐらい減って、それを単純な計算すると何人ぐらい削減できますよと、例えばそういうふうなことがこれから全国の自治体において、小さな千人以下の規模の町村はちょっと無理だと思いますけれども、大きな市以上ですね、ぐらいはもうそういう計画なきゃ、一生懸命年間地方全体で何千億円というITに関する投資をしても、全然人員の削減、コストの削減というものがなければ、これは余り意味がなかったのじゃなかろうかと、こう思うわけでございます。  そこで、例えば千葉県なんかは事務統合ソフトというものを自分たちで開発しましたと。各県これを買ってください、また市町村買ってください、五千人以上の市町村であれば絶対これは費用対効果で得しますよと、人件費が浮くんですと。というのは、もう各部局ごとの時間外手当だとか給与計算だとか、いろんなところの庶務担当といいましょうか、こういう人たちが要らなくなるんですね、事務統合ソフトですから、パソコンから一挙にもういっちゃうわけですからね。そういう意味では、間違いなく五千人以上の市町村であれば私どもの事務統合ソフト、パッケージソフトですから、この前みたいな、消防庁のように全国九百の消防本部が勝手にそれぞれ作れば、一億でできるものが四億になっちゃうわけですけれども、そうでなくて、これをもう著作権も全部こっちが持っていますからどうぞ使ってくださいと。  横須賀というところは電子入札制度を取り入れました。自分たちが開発したんです。非常にこれがうまくいって、大体九七、八%の落札率が八五パーになっている。全国からどんどんどんどん視察に来るんです。じゃ、これを皆さん買ってくださいと、もう開発しなくてもこれを買ってくだされば間違いなく公共事業の落札率はどっと下がりますよと、一〇%下がりますよということで売っているわけですね。それで、入札担当の職員がそこで減るというようなこともあるんだそうでございます。    〔委員長退席理事山崎力着席〕  そういう意味では、電子政府もそうでございますが、電子自治体で一生懸命、今各地域も地方も予算を投入して効率化を目指しておるわけでございますから、当然それが即いろんなところへのコスト削減に結び付かないと、何のための投資かなと、こうなるわけでございます。  確かに、今大臣おっしゃったように、消防だとか警察だとか、治安とか安全の部分での職員は増えます。それは分かりますけれども、こういう事務的な合理化ができるところは、これは思い切って、この進展に合わせて当然削減すべきものは削減するということで、一つどこかモデル地域を、サンプルを一つ作っていただいて、一遍ちょっとやっていただいたらどうかなと。大きい市、中間ぐらいの市、何か所か分かりませんが、そしてこの電子自治体進展に伴ってどれぐらい削減できているかという、そういうことも一度調査をしていただければなと、こう思いますが、いかがでしょうか。
  57. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 検討させていただきます。
  58. 日笠勝之君(日笠勝之)

    日笠勝之君 続きまして、このたび修学部分休業であるとか高齢者部分休業とか、多彩な勤務状況職員というものが採用できると、こういうことになったわけでございます。  そこで、例えば修学部分休業についてお伺いいたしますと、これ、一週間の勤務時間の一部は勤務しないことを承認することができると、こういう言い方、裏を返せば一週間何時間かは勤務しないでもいいと、こういうことだろうと思います。  そこで、この勤務状況はどういうふうなことになっておりましょうか。例えば、これは一週間の勤務時間の一部を勤務しないことを承認という、この一週間の勤務時間の一部というのはどの程度のことを考えておるのか。どうでしょうか。
  59. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 今回導入する修学部分休業でございますけれども、これは御指摘のようにあくまで勤務を継続するということを前提とした部分休業としておりますので、改正案におきましても一週間の勤務時間の一部を勤務しないことができるとしているところでございますが、じゃ、この一部というのはどの程度かということに関しまして、私ども大体二十時間以下というようなことでイメージしているところでございます。
  60. 日笠勝之君(日笠勝之)

    日笠勝之君 それ、条例で定めるんですか。その通知か何か出されるんですか。
  61. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 基本的には、「条例で定めるところにより、」となってございますので、その点はそういうふうな形で定めていただきたいと思っております。
  62. 日笠勝之君(日笠勝之)

    日笠勝之君 そうはいいながら、例えばもうこの、例えば大学やその他条例で定める教育施設が役場のすぐ近く、市庁舎のすぐ近くで、私の場合は二十時間と言わずに三十時間ぐらい週働きたいと、三十時間働きたい、もうすぐ行けますからと、隣の教育施設がありますから。そういう場合はそれでもいいんでしょうか。今、二十時間働くのを三十時間働きたい。
  63. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) これは、部分休業としまして、全然働かないでもらったら困りますよということで設けているものですから、三十時間働きたいという形でのものは可能だと思っております。
  64. 日笠勝之君(日笠勝之)

    日笠勝之君 それから、その部分就業、修学部分休業の代替職員として任期付短時間職員採用できると、こういうことでございますが、私どもの、私どもじゃない、私の考えからすれば、一人分の給料が、例えば一週間二十時間の修学部分休業の人と、その代替職員としての任期付短時間勤務職員と給料は折半だろうと、給与等々は。ということですが、どうも、二十時間とした場合ですよ、そうじゃないんじゃないのかなと。    〔理事山崎力退席委員長着席〕  例えば、今郵政公社も短時間職員ということで採用しております。これは平成六年に施行されたわけで、ちょうど私が郵政大臣のとき、郵便局というのは早朝と夕方が郵便物がどっと来て、一番忙しいんですね。あとはどっちかというと暇なんです。ですから、早朝の四時間、夕方の四時間、それだけの短時間を制度作ろうといったら、正直、人事院がそういう制度は試行してもらわなきゃいかぬというようなことで、一部のところで試行して非常にこれが好評だということで、全国展開今できておるわけであります。  そういうふうなことで、郵政公社に、今日、昨日ですか、ちょっと聞きましたら、何だかんだ言うけれども、例えば雇用保険は入らなきゃいけませんね、それから定期の健康診断も受けてもらわなきゃいけませんね、制服も要りますねというようなことで、やっぱり半分じゃなくて、やっぱり六割ぐらい、だから二人で一・一か一・二ぐらいの、やっぱりトータルの給与とか経費は要るんだと、こういうことでございますので、この修学部分休業、また高齢者部分休業がどんどんどんどん進みますと、その市町村全体のいわゆる人件費、物件費ですね、制服なんか物件費でしょうから、そういうものが増えちゃって、ますます地方財政圧迫するんじゃないかなと、こういうふうなことを心配するわけでございますが、その点はいかがお考えなんでしょうか。
  65. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 今回の法案におきまして、御指摘のように、部分休業の代替職員となるような形で任期付きの短時間勤務職員採用することができるようにしてございますが、じゃ、そのコスト的にどういうことかという点につきまして、全体のコストを考えるとなりますと、部分休業を取る人は働かなかった部分の給料は減額されることになるし、他方で任期付きで入ってきた人には給与を払わなくてはいけない。この場合、部分休業の人の、今働いていて部分休業を取る人の給与がどのような状況にあって、新しく任期付き採用しようとしている給与がどのような状況にあるかによっても決まるところが多いと思いますので、一概にコストが増加するとは言えないのではないだろうかと考えております。  いずれにしましても、今回導入する制度は、基本的な考えとしまして、地方行政の効率化を推進しつつ住民サービスを向上することを目的としておりますので、いたずらに地方公共団体のコスト増をもたらすような運用は法の趣旨にはそぐわないのではないかと考えております。
  66. 日笠勝之君(日笠勝之)

    日笠勝之君 結果的にそうなるんじゃないかと。なぜそういうことを言うかというと、例えば修学部分休業で何かの資格や学歴といいましょうか、単位を取って、終わったと。直ちにもう辞めましたと。おかげさまでロースクール行って、司法試験も受かりましたので転職しますと、ありがとうございましたと。あり得るわけでしょう、これ。職業の選択自由です。そういうふうなことに、せっかく将来のために還元を我が市、我が町にしてくれるだろうと思ったらトラバーユしてしまうと。これは阻止できませんよね。  考えてみれば、その二年間なら二年間の間に、自分の給料が、半分だけならまだしも、いろんな、通勤費は両方とも支払ったでしょうし、余分な費用も払ったかもしれません。ということで、そういう方の場合は何か防止する策というのはあるんでしょうか。
  67. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 今回の修学部分休業でございますけれども、これはあくまでも職員が自主的に申請する形ではございますけれども、目的としまして公務における能率を向上するために申請するというものでありまして、さらに部分休業後の公務にも役立つものとして任命権者が承認すると、そういうふうな形になっておりますので、通常の場合、御質問のように職員が修学部分休業を取得して直ちに退職してしまうというようなことは想定し難いのではないだろうかと思っております。  また、こうした形での修学部分休業を取った職員でございますけれども、これは条例で定めるところによりその休業をする時間に相当する給与は減額して支給することになりますし、また学費等は自費で行うことになりますので、一般的に言われている派遣研修とは事情を異にしているものと思っております。  したがいまして、こうしたことをちょっと考えますと、例えば何か行った後に退職したという場合、金を返せとかというような、そういう議論はあることは承知しておりますけれども、こうした修学部分休業の性格を考えた場合、万が一退職した場合におきましてもそうしたペナルティーを科すとか、そういうことは、そこまでの必要はないのではないだろうかと考えております。
  68. 日笠勝之君(日笠勝之)

    日笠勝之君 今、公務員に対する国民の目は非常に厳しいわけですよね。そういう中で、修学部分休業で、どうあれ半分でも給料もらいながら二年間なら二年間、大学院なら大学院行って資格取ったと、それで、はい、さよならと。税理士取りました、公認会計士取りました、司法試験通りました、何とかの学位取りましたと。そういうのでいいのかというふうに、必ず、恐らく住民は、自分たちの税金ですから、授業料は違いますと言ってみたってその間ぬくぬくと二年間生活できておったわけでしょう、きっと。そういう根があるからきちっと防止する策を市町村なり総務省は考えなきゃいけないんじゃないですかということを申し上げておるわけであります。秋霜烈日じゃありませんが、非常に厳しいですよ、見方は、今。そういうことで、ひとつ対応をお願いしたいと思います。  最後になりますけれども、今日は園遊会で早く終わらなきゃいけないということで予定時間より早く終わりますが、最後一つ。  今、年金改革の審議が衆議院、参議院でも一部熱心に行われておるわけでございます。そこで、やはり問題は国民年金ですね。国民年金に加入しなければならないであろう方々の未納問題というのが盛んに今言われております。国民年金に加入しなければならない方の三八%ぐらいが未納だと、こういうことでいろいろ言われておるわけでございます。やはり、これは未納対策というのは国を挙げてやらなきゃならないんだろうと思います。  今回の国民年金法改正でも、四段階に分けて、その人の収入によって四段階に分けて払いやすい保険料ということにはしておりますが、それでも恐らくまたいろいろと風評なんかで危ないんじゃないかとかもらえないんじゃないかというようなことで、年金に入らないという方も結構若い方には多いというようなデータもございます。  そこで、人事院総裁、今日来ていただいておりますが、人事院総裁、それから総務省地方公務員採用の試験などなどもいろいろ関連があるかと思いますので、両方からお聞きしたいのは、この試験の願書ありますね、いわゆる俗に言う受験申込書、そこに年金の基礎年金番号を書いてもらうと、書いてもらうと。こういうふうなことはできないのかなと。書いて、それを調査するかどうかということはしなくていいと思います、抑止力が働けばいいんですから。自分が入っておれば基礎年金番号みんなあるわけですから、それを書いてもらう。書くだけですよ。ということだけでも、恐らく相当の方々のこれは抑止力になって、年金というものに対する認識が高まるんじゃないか。もっと言えば、国家試験ですよ。総務省所管のいろいろ国家試験も幾つかあるようでございますが、この国家試験にもちゃんと書いていただくと。  これは、政府・与党の年金改革協議会で、私も与党の一員でございまして、そのことをその場で申し上げました。大臣もいらっしゃったと思います。竹中大臣からは、それは非常にいいお考えである、今後検討させてくださいと、こういうお答えもいただいております。  そこで、この受験申込書、国家試験、国家公務員地方公務員ともにこの年金の基礎番号を記入してもらう、そういう願書に改めてはいかがかと、こう提案をいたしますが、いかがでしょうか。  まず、人事院総裁から。
  69. 政府特別補佐人(佐藤壮郎君)(佐藤壮郎)

    政府特別補佐人佐藤壮郎君) 御質問の御趣旨は大変よく分かるんですけれども、現時点では大変難しいんではないかというふうに申し上げざるを得ないというふうに思います。  理由でございますけれども、まず採用試験の願書は、まず受験者が試験機関に受験の意思を伝えるということ、それから試験機関が当該受験希望者が受験しようとしている採用試験にかかわる受験資格を有しているか否かということを確認するためでございまして、受験者の平等取扱い原則からいって、書かせる事項というのは必要最小限にするということにしております。  それから二点目といたしまして、仮に年金保険料の納付が受験資格になるというようなことにいたしますと、これはやっぱり国家公務員になる門というのは国民に対して広く開かれているというのが国家公務員法の大原則でございますので、法律改正等を含んだ慎重な検討が必要ではないかというふうに思います。
  70. 日笠勝之君(日笠勝之)

    日笠勝之君 どうぞ、総務省
  71. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 総務省といたしましても、基本的には人事院と同様に、難しい問題ではないだろうかと考えております。
  72. 日笠勝之君(日笠勝之)

    日笠勝之君 終わります。
  73. 宮本岳志君(宮本岳志)

    ○宮本岳志君 日本共産党の宮本岳志です。  冒頭一問、通告していないことを大臣いらっしゃいますのでお伺いをしたいと思うんですね、大臣ね。  大臣は、十三日の閣僚会議後の記者会見で、この今のイラクにおける三人の人質事件、そしてその御家族の問題について、何だか知らないけど、イラクの話を北海道東京事務所でやっている、不思議に思わないかと、こうお述べになったと。これに対して、直ちに高橋はるみ知事は、十三日、記者会見で、私も子を持つ母であり、家族のいろいろな気持ちは理解できる、できる限りのお手伝いしたいのは我々の気持ちだと家族を気遣ったと、こう報じられておるんです。  それで、大臣の御発言の後から、相当やっぱり北海道庁にはメールやファクスでいろんな声が届いていると。もちろん、このことについて声を上げることはあっていいことだと思いますけれども、中には差出人不明の誹謗中傷の封書が被害者の実家に届くとか、あるいは死ねというような嫌がらせ電話が掛かるとか、こういう事態にまで発展していると報じられているわけです。  大臣もまさかそういうようなことを想定して、そういうことをあおろうとしておっしゃったわけじゃないと思うんですけれども、こういったことが今現に行われているということについて、それはやっぱりよろしくないと、そういう嫌がらせだとかそんなことは本意でないと、これは大臣も間違いないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  74. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) この話は、私、その北海道東京事務所の隣なんです、うちの事務所は。えらく迷惑しております。はっきり申し上げて、道路は全く遮断、全然通れない。そこに通っております人方は、もうほとんどマスコミで埋まっておるんです。物すごい数。で、私は、首都高に抜けられないために、ずっと遠回りしていかにゃいかぬということに毎日なっております、私の実態といたしまして。これを、私の置かれております状況でありますから、少なくともこの方の所属しておられるNPOとか、これらの方々を支援しておられる団体が何らかの面倒を見られるとか、外務省が何とかされるというのは分かりますよ。何で北海道東京事務所なのかというのが私にとっては正直疑問だったから、何で北海道東京事務所なんですかねと申し上げて、別に不思議なことは何もないんじゃないでしょうかね。  それをどうとらえるかまで分かりませんけれども、私のところにも同じように、おまえは血も涙もないみたいなファクスは一杯来ましたよ、毎度のことですけれども。そういうのはよく来ますんで、私の方はその種のファクスに慣れておりますので、ファクスの紙代は向こうに持ってもらうと助かるんですけれども、紙代はこっち持ちなものですからいつもたまらぬなと、正直思っております。
  75. 宮本岳志君(宮本岳志)

    ○宮本岳志君 これは被害者の方が、北海道の方がいらっしゃるから知事がそういう措置を取っておられると思うんですね。是非、その御発言の結果、やっぱりそういうことも現に起こっているわけですから、今後是非お気を付けいただきたいというふうに私は思っております。  さて、そもそも今回の改正案ですけれども、一九九九年の地方公務員制度調査研究会報告をベースにして、昨年既に作成されておりました地方公務員法改正案のうち、能力等級制に係る部分を外して法案化したものというふうに思います。そして、地方公務員任用勤務形態多様化ということが言われているわけですけれども、私は、今回の法案は、地方公務員一般職にまでこの間に大問題になってきた有期雇用契約を拡大しようというもので、到底認めることはできないと考えます。昨年、労働基準法の改悪というのがやられましたが、正にこの点が激しい議論になったわけであります。  今日は厚生労働省に来ていただいておりますが、まず確認をさせていただきたい。昨年六月十二日、参議院厚生労働委員会で我が党の小池議員が、三年有期労働契約の導入は常用代替を促進するものではないかと、こう質問したのに対して、坂口厚生労働大臣は、今はパートやアルバイトという不安定雇用を三年任期とはいえ正規労働者に置き換えるものであって一歩前進だと、しかし、その先にさらに常用雇用の方向に向けて流れを作っていくのが厚生労働省に課せられた仕事だと、こう答弁をされておりますけれども、間違いないですね。
  76. 政府参考人(大石明君)(大石明)

    政府参考人大石明君) ただいま委員指摘のように、当日の坂口厚生労働大臣は、今フリーターと言われる人が増えてきている状況の中で、パートやアルバイトを少なくとも三年あるいは五年の正規の職員にという方向で新しい働き方を認めて、そしてできるだけ常用雇用の方向に向けた流れを作っていくことが我々に課せられた仕事であると思っておりますといった旨の答弁をいたしております。
  77. 宮本岳志君(宮本岳志)

    ○宮本岳志君 改悪労基法は今年一月の一日から施行されました。  今日は、新宿労基署が行った改正労基法への対応及び健康管理対策に関する調査、この調査結果を資料の一と二に付けてございます。新宿、中野、杉並、三区内の百人以上の事業場を中心とする一千四十六事業場を対象に調査を行ったと。五百十三事業場から回答を得ております。驚くべきことに、現在、有期労働契約者の雇入れがあると答えたのは八五・六%、ないはわずか一四・四%です。そして、今回の法改正で上限期間が三年に延長されたが、現契約の契約期間の延長を考えているかとの問いに早くも二〇%が延長を検討していると答えております。  また、日本IBMは、今年二月から幹部社員らを対象に有期雇用契約を導入。新プロフェッショナル人事制度と称して、当初は三年契約、その後毎年更新する有期雇用契約と一年ごとに更新する準業務委任契約の二種類で構成されるというもので、約二千人がその対象となっております。  それで、厚生労働省にお伺いするんですけれども、昨年の答弁では常用代替を進めるものではないと繰り返し答弁されたわけですけれども、実態は我々が指摘したとおり常用代替が大手を振ってまかり通っていると思うんですが、いかがですか。
  78. 政府参考人(大石明君)(大石明)

    政府参考人大石明君) 委員指摘のように、改正労働基準法、本年一月から施行されたばかりのところでございます。  今御指摘のありました新宿監督署のアンケート調査、事業主に対するアンケート調査によりましても、これは法の施行前のアンケート調査ということで、事業主もまだ状況が必ずしも分かってない中での意向の表明かと思いますけれども、そうした中で、現行のままとし、延長は検討しないというものが三分の二等々からそういったこともうかがえるわけでございますが、いずれにいたしましても、人を雇うということというのは各企業の言わば総合戦略、経営戦略の一環でございます。そうした中で、どういう人をどういう形でどのぐらい雇うかということというのは非常に総合的に決められていくものというふうに考えております。  有期契約の上限が三年に延ばされたということによって直ちに個々の企業において常用労働者から有期契約労働者の方に移っていくという状況では必ずしもないというふうに考えております。  いずれにいたしましても、今後、有期労働契約の契約期間の上限の延長に伴う問題につきましては、昨年の基準法案質疑のときに附帯決議指摘されておりますけれども、トラブルの状況というものを、発生について、その状況の把握というものに今後努めてまいりたいというふうに思っております。
  79. 宮本岳志君(宮本岳志)

    ○宮本岳志君 三分の二が考えていないと答えていると先ほどおっしゃったけれども、その理由は事情変更に伴う中途解約のリスクがあるためだということで、時期が来ればということでもありますし、IBMの二千人というのは、全社員二万人ですから一割に達するわけなんですね。私は、あなた方が言うようにそれが影響ないというふうには決して言えないと思います。  それで、今回、正に公務員にもこういう任期付採用と、つまりは三年有期契約というものを持ち込むという法案が出されてまいりました。私の地元大阪でも、太田府知事は関経連など経済団体に、高校新卒者の正規雇用について申入れや要請を行っております。それが十分かどうかは別として、地方自治体にとってその地域の新卒者の就職難というのは深刻な問題であります。大阪など大都市では相手は経済団体なんですけれども地方都市に行くとそれこそ一層問題は具体的で、顔が見える話になってまいります。地方都市では市町村長さんが地元の高校の新卒者の就職について、その地方企業に対して、是非きちんと正社員や常用雇用で雇ってやってくれと、こういうふうに繰り返し要請をされている、そういう御苦労をいただいているというふうにも私、聞いているんですね。  ところが、今回、地方公務員一般職職員にまでこのような三年任期という有期雇用を導入すれば、正にその町長さん、あなたのところも国が旗を振ってやっているじゃないかと、これでうちも大手を振って三年任期の雇用社員でやらせてもらいますよということになるのではないかと。これではまるで公務から常用雇用の代替を奨励するような結果になるのではないかと私は思いますが、これは総務省、いかがでしょうか。
  80. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 今回の任期付採用法改正当たりましても、基本的な考え方としまして公務中立性確保職員長期育成を基礎とする公務能率性追求、こうした観点から、公務運営任期定めのない常勤職員中心として行われるべきであると、この基本的考え方は変わるものでないと考えております。  ただ、一方で、地方公共団体におきまして公務の能率的運営観点から、その職あるいは業務が一時的又は時限的なものであり、任期定めのない職員によって対応するものであるために、その常勤の職員をそのまま充てると必ずしも効率的でないと、こういうふうな場合も考えられるということで、任期定めた常勤の職員採用についての要望等あったところでございます。  したがいまして、今回の新たな任期付採用制度は、このような地方公共団体におけるニーズを踏まえまして、任期定めのない常勤職員による公務運営はこれは基本としつつも、一定の期限を要する、一定の、特定業務に対しまして、こういったものに従事する場合に限って任期付採用を可能とするものでございます。
  81. 宮本岳志君(宮本岳志)

    ○宮本岳志君 その今回新たに設けられる三年任期一般職職員というのは、しかしこれは従来の臨時職員とは違って本格的業務、これに就くものとされております。ということは、つまりは任期のない一般職職員と同じ仕事ができると、つまりこういうことですね。
  82. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 今回の新たに設けられる任期付職員でございますけれども一定期間におけます特定業務に関して、任期定めのない常勤職員と同様の本格的な業務を行うことが可能になるというものでございます。
  83. 宮本岳志君(宮本岳志)

    ○宮本岳志君 これまで作られてきた研究職の任期付職員や外部の専門家を対象とした制度と違って職種の限定はないわけであります。したがって、例えば保育所を三年後民営化するとか、公民館の運営を三年後指定管理者制度に移行するとか、そういう方針を立てれば、当該の保育所や公民館はこの制度の適用対象となる。任期のない一般職員が行っているのと同じ職務を任期付職員が担うということになってまいります。  そこで、これも総務省にお伺いしますけれども任期付職員給与水準はどのようなものになると想定しているのか。もう一問、任期付職員の俸給表にもそれぞれの市町村の人事委員会勧告によって適正な水準が確保されるのか。この二つについてお答えいただけますか。
  84. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 新しい任期付職員給与水準についてでございますが、これは任期定めのない常勤職員と同様、職務と責任に応じ、また国、他の地方公共団体職員民間事業者の給与などの事情を考慮して定められるべきものと考えております。  ただし、この任期付職員は、一定任期の下、特定の職務に就くことを前提として採用されておりますので、任期定めのない常勤職員と比して、おのずとその給与水準に違いは出てくるものと考えております。  いずれにしましても、その具体的な給与水準につきましては、各地方公共団体におきまして、当該職員の就く職務を念頭に、職務と責任の度合いを判断して決定されるべきものと考えております。
  85. 宮本岳志君(宮本岳志)

    ○宮本岳志君 もう一問、給与勧告
  86. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 失礼いたしました。  人事勧告関係につきましては、この新たな任期付職員給与につきましても、任期定めのない常勤職員と同様、基本的には人事委員会勧告の対象事項でございまして、これにより適正な水準が担保されるものと考えております。
  87. 宮本岳志君(宮本岳志)

    ○宮本岳志君 この任期付職員も労働基本権の制約を受けるわけでありますから、勧告の適用は当然だということになろうかと思います。  ただ、冒頭おっしゃったように、給与の水準は要するに低い、低くなることを想定していると、こういうことでありますし、しかし私は、この制度というのは自治体の本格的業務を担うということがあなた方から繰り返し説明されているわけですよね。つまり、任期定めのない職員と同様の職務に就くわけであります。それで、一定期間内に終了するとか業務の増加が一時的だというのは、それはその職務の質の、内容の問題じゃなくて、雇う側の都合といいますか、つまり何年後にその職場をどうこうするとか、こういう話でありますから、任期定めのない正規の職員、例えば保育所であれば保育士と何の仕事の中身に違いもないわけですね。  同一の仕事をするのであれば、当然任期定めのない正規の自治体職員と同等の給与水準が保障されるべきだと、私はこう自然に思うんですけれども、そうならないのはどういう理由ですか。
  88. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 繰り返しになりますけれども、今回のような形で任期を付けた常勤職員ということでございますので、一般任期定めのない常勤職員におきましては、全体のキャリアローテーションという中で様々な仕事を経験したりしながら、またそういうふうな過程でその成熟度なども高めながら地方行政に貢献することを想定しておりますが、この任期付きの者は、あくまで一定期間特定の者、それがその時期だけ増えてくるというものでございますので、その仕事にそのまま対応する者として、そういった職務に対応するような者として給与が決定されるのが適当ではないかと考えているところでございます。
  89. 宮本岳志君(宮本岳志)

    ○宮本岳志君 多様な任用形態とか行政のニーズとおっしゃるわけですけれども、結局は自治体の本格的業務にまで安く、いつでも要するに任期付きで首の切れる不安定な労働力を導入しようというものにほかならないと思うんですね。そういうことを進めていくとどういうことが起こるかということで、一例を挙げたいと。  この調査室の資料によると、この法案提出の経緯の中に構造改革特区の問題が出てきております。それで、私の地元堺市では、正に、さかいバリュアブル・スタッフ特区というものが認定されているわけですけれども、これはまず公務員部長、承知していただいていますね。
  90. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) はい。堺市で、さかいバリュアブル・スタッフ特区としまして、構造改革特別区域法に基づき、地方公務員の臨時的任用事業としまして平成十五年十一月十八日に認定されているものと承知しております。
  91. 宮本岳志君(宮本岳志)

    ○宮本岳志君 堺市当局は、昨年度の職員の新規採用を全く停止する一方、昨年二月五日、突如としてバリュアブルスタッフなる制度導入を発表しました。  これは、従来のアルバイトと同等の賃金で正職員に準じた仕事を行うというものでありまして、従来、正規職員が担ってきた合併問題、危機管理、国際交流、生活保護受給者自立支援、DV対策、児童虐待対策、税務徴収体制強化などの業務職員とともに従事していただく方だとされていると。正に本格的業務ですね。  それにもかかわらず、この募集要項、今日はお付けしたんですが、資料の三と四に付いていますけれども、賃金、日額五千六百円と、こうなっているんです。資料四、バリュアブルスタッフの賃金、日額五千六百円、勤務時間は八時間ですから時給七百円と。この前、私、大阪の駅前でチラシ配りをしている学生に聞いたら、時給千円からですと言うていましたから、これは学生アルバイト以下の勤務条件で、今ずらずらと申し上げたような、危機管理に至るまでの自治体の本格的業務をやらせようという話になってきているわけですね。  これは総務大臣に、経営者ですから、総務大臣は、一方で、お伺いしたいんですが、こういう雇い方で、しかも本格的業務をやらせるということについて、大臣はどのようにお考えになりますか。
  92. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 一番最初に、私、この話よく詳しく知りませんけれども、それが本当にバリュアブルかどうかが問題ですな、一番の問題は、と思いました、最初聞いて。それは堺市にとりましてもそちら側にとっても、名前はえらくいいけれども、この名前の英語の意味が分かって使っておるのかなというのは正直な、今、話を伺ったときの感想なんですけれども。  いずれにしても堺の場合のあれなんで、いろいろ、特区関係でいろいろ考えられたうちの一つなんだとは思いますけれども、まあ臨時的採用というものを特区制度の中に活用しようとしたというところはそれなりに分からぬことはありませんけれども、こういうのは、宮本先生、これは結果が出てこぬと何とも言えぬところで、今の段階でちょっとどうだこうだというのは、ちょっと正直、現場を見ておらぬし、内容を余り詳しく知りませんので、どう思うかと言われると、ちょっと結果次第としか言いようがないかなというのが正直なところです。
  93. 宮本岳志君(宮本岳志)

    ○宮本岳志君 そういうことをやっていくとどういう話になっていくかと。堺で大問題になったのは、税務職場なんですよ、このバリュアブルスタッフをめぐって。  昨年四月の採用を当初百人と見込んでいたんですが、七人は税務署へ配属を予定していたと。しかし、税務の職場は自治体住民の極めてナイーブな個人情報ですね、取り扱うと。堺市の職員団体は直ちに、短期臨時職員を徴税吏員として任命するなどというのは地方税法に違反する暴挙だと抗議をして、さすがに税務職場の管理者も含めてこれはちょっとまずいなということになり、市長に撤回を申し入れた結果、少なくとも税務の職場にはバリュアブルスタッフの配置はしないということになりました。  徴税業務だけではないんです。バリュアブルスタッフの配属先には生活援護部門とか家庭内暴力、児童虐待についての相談部門というのも含まれております。ケースワーカー的な仕事は正規職員がすべきという声が今多数出てきているんですね、現場から。  やっぱり僕は、プライバシーにかかわる業務というのは非常にこういう問題大事だと思っているんですね、大臣、私。私、郵政や情報通信の分野をこの間国会で受け持たせていただいて、信書の秘密、通信の秘密というようなものをしっかり守るというときに、それを担う職員の身分的な安定というのは本当に大事だということをつくづく思うんです。個人情報保護の要諦は正にそれを担う人にあるわけですよ。つまり、おかしなことをすればただ立ち所に発覚し、そして一生を棒に振るという立場の人が担わないと、もう期限付で、その次はどこへ行くか分からないという人が担うということになると様々な問題が起こってくるというのがこの間の最大の教訓だと思うんですね。  だから、幾ら頑張ってもどうせこの職場にいるのはあと何か月だというような公務員を増やしていく、そしてそれを本格業務のそういうセンシティブな情報に触れる場所に配置していくと様々な問題が生じると私は思うんですけれども、そういうことについて総務大臣はそうお思いになられませんか。
  94. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) これは臨時的な任用職員ということになるんでしょうけれども、これは守秘義務はどうなっています。それはそのまま守秘義務はかぶさることになっていますでしょう、とは思うんですね、ちょっと堺市の内容をよく知りませんので答えようがないんですが。守秘義務が付いている場合ですとそれは一応担保されることにはなるんだとは思いますんで、住民のプライバシーを扱うという職場に任用、赴任した場合においては、特にその点がきっちりされておかぬと問題起きるなというのは率直な実感です。
  95. 宮本岳志君(宮本岳志)

    ○宮本岳志君 守秘義務はもちろん掛かっているわけですけれども、それはそういう意味ではヤフーBBだろうが何だろうが全部守秘義務掛かっているわけでして、そこで起こっているわけですね。漏らしていいというようなところで漏れて問題になっているんじゃなくて、漏らしたら駄目というところで漏れているから問題になっているわけですから、守秘義務を掛けるだけでは駄目で、やっぱりこういった不安定な労働形態というものによって担わせるということがやっぱり今問題あるんじゃないかという議論になっていると思うんですね、大臣も御理解はいただいていると思うんですけれども。  実際、この法改正で今後、任期付任用が歯止めなく広がっていくだろうと一番危惧されているのは保育の現場なんですね。今社会問題となっている保護者による児童虐待の背景に、子育てに悩んでいる、あるいはまあ虐待にまでは至らなくても子育てがうまくできないで苦労している、そういう親御さんの姿があることが指摘をされております。  今日はもう一問、厚生労働省に聞きたいんですが、そういう父母の悩みにこたえる上で保育士の役割は大きい、とりわけ経験ある保育士の役割が従来にも増して重要だと、これは間違いないと思うんですが、いかがですか。
  96. 政府参考人(伍藤忠春君)(伍藤忠春)

    政府参考人伍藤忠春君) 家庭あるいは地域の子育ての力が低下をしておるというのが昨今の状況でございますから、そういった中で地域における子育ての力を高めていくために保育士の役割が重要になっておるというのは私どもも全く同じ認識でございます。  そういった観点から、既に平成十三年の児童福祉法の改正におきまして、保育所に勤務する保育士につきましては、相談あるいは助言を行うための知識や技能の向上に努めなければならないという努力規定が入っておりますが、こういった趣旨を踏まえて今いろんな各種研修事業等を行っておりますので、こういったことでいろいろ工夫をしていきたいというふうに思っております。
  97. 宮本岳志君(宮本岳志)

    ○宮本岳志君 資料の五に、三重の保育団体連絡会が三重の県内全市町村の保育行政担当者と保育者を対象に行ったアンケート調査を付けたんです。このアンケートを見ても、経験を積んだ保育士ほど子供と家庭をめぐる様々な問題点をよく気付くということが分かります。それだけ早く手も打たれているということであります。  例えば、児童虐待のサインを見付ける上でも経験というのは非常に大事なんですね。私、先日、私の地元岸和田で起こった虐待事件を調査する中で痛感しました。やけどの傷一つとっても、それを見分ける目というのは経験の中で培われると。例えば、子供のやけどが直線的に手にやけどが付いているという場合は、これは虐待の可能性が強いというんですよ。熱湯につけられている可能性が強いと。ハプニングで起こったやけどの場合は飛び散った形でやけどができるんだけれども、真っすぐやけどをしている場合は疑うものだと。こういうこともやっぱり長年の経験の中で培われると思うんですね。もちろん、どんな場合でも臨時職員の保育士がいてはならないなどと私は言いません。しかし、公立、民間問わず臨時的な職員ばかりでは、保育の質は確保されないことは明らかだと思うんですね。  そこで、大臣に、この制度が保育の現場に無限定に短期職員を増やすものであってはならない、その点では、くれぐれも総務省法律の二つの要件を守るように自治体にきちっと周知すると、これは大臣、お約束いただけますね。
  98. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) 御指摘の保育の話ですけれども、基本的には任期任期というか、任期定めというもののない常勤職員というものを中心として行われるべきというのは当然のことだと思いますんで、また任期付きが、任期付き採用拡大されるということになるんだと思いますけれども、これは無限定にどんどんどんどん広げていいというものではないということははっきりしておりますんで、今御趣旨の点踏まえまして、地方公共団体に対してその点に関しては周知を徹底したいと思っております。
  99. 宮本岳志君(宮本岳志)

    ○宮本岳志君 本法案は、これまで専門的な職員限定した特例的な制度であった任期付採用制度一般職にまで拡大し、二つの要件を付けたとはいえ基本的に容認するものであります。本格的業務にこのような制度導入すれば、公務の継続性や住民のセンシティブな個人情報の保護などが危険にさらされ、結局は住民サービスの後退につながることは明瞭だと考えます。さらに、公務にまで有期雇用計画を導入することによって、昨年の労基法改悪時に我々が繰り返し指摘したような常用雇用の代替を一層あおる結果となりかねないと考えます。そして、これは保育所や公民館などを廃止、民営化していくためのてことして用意されたものであることも明瞭です。  これでは、住民サービスの後退だけでなく、一層社会全体に不安定雇用を蔓延させ、地域経済に打撃を与えるとともに、地方税収を落ち込ませることによって、結局、自治体財政にも悪影響が及ぶということを指摘して、私の質問を終わります。
  100. 又市征治君(又市征治)

    ○又市征治君 社民党の又市です。  最後ですから、今までただされた問題点、確認という問題が幾つか出てまいりますが、よろしくお願いしたいと思います。  まず初めに、人事委員会あるいは公平委員会委員の独立・公平性の問題についてお伺いをしてまいりたいと思いますが、新しい第九条二の九項で、人事委員、公平委員は附属機関の委員、つまり審議委員などを兼ねてもよい、こういうふうにされていますね。しかし、人事委員であるとかあるいは公平委員は労働基本権制約の代償機能という役割の上、職員の権利救済という機能もあるわけでありますから、首長から独立した立場で職務を遂行すべきであって、そういう意味では比較的長期の任務と強い身分保障がむしろ求められるんではないかと、こう思います。  他方、審議会の委員などというのは、首長の政策を支持する立場であることも間々あるわけでありまして、兼任となると二つの異なる立場の報酬を併給することにもなります。国の人事官は当然兼職禁止されておるわけでありまして、これとも整合性が取れない、こういうことになるんではないかと思います。  むしろ、今でも各自治体が共同で人事委員会を設置する、あるいは公平委員会を設置する、こういうことをやっていますし、あるいは委託もしている、こういう現状があるわけですが、この人事委員、公平委員の独立性あるいは公正性中立性を保つためには安易に兼職禁止の制限を解除することには疑念を持たざるを得ない、こんなふうに思うんですが、逆にむしろ、今もやられている共同設置あるいは委託の方が、こういう兼職をやるくらいならばむしろ効果的ではないかと、こう思うんですが、この点についての見解をお伺いします。
  101. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 御指摘のように、人事委員会公平委員会委員につきましては、公正中立な人事行政確保するという観点から、本来的には兼職は望ましくないものと考えております。  しかしながら、特に小規模な地方公共団体におきまして、現行の兼職規定の下では人事委員会等の委員として適切な人材を確保することが困難な場合も見られるところでございますので、そういった意味でより広範にこうした人事委員会公平委員会にふさわしい人材を求めることができるようにすること、できるようにすることが望ましいのではないかと考えているところでございます。今回の改正は、このような地方公共団体における実情を踏まえまして、人事委員会等の委員として公正中立な人材を確保する観点から、その兼職禁止を緩和することとしたものでございます。  なお、国の人事官の御指摘でございますけれども、その点、こうした地方の小規模な地方公共団体と全国的に人材の確保を図ることが比較的容易な国の人事官とではやはり同列に論ずることは難しいのではないだろうかと考えております。  さらに、複数の人事委員会公平委員会の兼職につきましては、各地方公共団体がそれぞれの判断において適切な人物を選任した結果で生じる、そういうふうな形であれば従来から行っているところでありますので、そういったことも今後とも使っていっていただければよろしいのではないかと思っております。
  102. 又市征治君(又市征治)

    ○又市征治君 今、前段の方で言われましたから、むしろ一番大事なのは公平性や独立性や中立性をしっかりと担保するということが大事なわけであって、小さいからできないというようなばかな話はないわけですよね。  この点について、後ほど最後に、ちょっと今大臣おられませんが、大臣からもこの点については見解を後ほどお聞きしたいと思います。  次に、任期付採用の件についてお伺いしますが、今回の改正は働く者の側からの多様な働き方を求める要求をかなえる面もあると思います。しかし、反面、先ほど来出ていますけれども、大きな流れとして、民間に見られます正規雇用からむしろ非正規雇用へ、安心して働ける職場から不安定でだれがいつ首切られるか分からない、で、競争の場へ変えていくという、またその脅しによって低賃金に甘んじさせられているという、こういう動きが残念ながら民間の部門に多くあるわけで、そういうことではないのかという危惧が当然一面では持たれているわけです。  そこで、まず、今回の改正常勤職員を削減するためではなくて、膨大な数の自治体における臨時・非常勤の者を公務員身分を与えることをもって、そのことを、ちゃんと身分を安定をさせる、このことをちゃんと自治体にしっかりと周知をしていただきたいと思いますが、この点についていかがですか。
  103. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 今回の任期付採用拡大でございますけれども、これは一定の期限を有する特定業務に従事する場合に限定するなど、常勤の正規職員を代替する措置じゃないところでございます。  また、同じく今回導入します任期付短時間勤務職員制度は、専ら補助的な業務に従事する者とされている臨時・非常勤職員に対しまして、本格的業務に従事することが短時間勤務職員制度創設するものでありまして、これは基本的には別個の制度として考えております。  こうした新たな任用制度考え方につきましては、各地方公共団体において制度の適切な運用が行われるよう、総務省としても十分な周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
  104. 又市征治君(又市征治)

    ○又市征治君 常勤をこれに置き換えてはならぬと、こういう趣旨だろうと確認をさせていただきたいと思います。  で、今の臨時・非常勤の職員は、実際には常勤と同じような仕事を行っていながらパート労働法も適用されず、不安定な雇用が継続をされて、諸手当が支給されないとか、あるいは昇給がないとか休暇制度が不備だとか、機会均等とはもう、均等待遇とほど遠い条件の下に置かれている例が多いわけですね。したがって、これも改正しようということなんでしょうけれども。  現行法の非常勤の制限、つまり原則六か月ですよ、更新は一回ですよというのは、不確定な身分の状態のまま余りに長期に継続させるのは酷であるから、なるべく正規の長期的、継続的任用にすべきだとの趣旨に基づいてこういう規定が設けられたものだと思うんですが、そういう意味では短期で切るためにわざわざこんな規定を設けたんではないと思うんですね。  民間企業でリストラや労働条件悪化が続く中、自治体は公共団体であり、労働条件の維持確保あるいは労働者の権利の保護のモデルとならなきゃならぬという、こういう要素はもちろんのこと、労働行政もやっているわけですから、あります。  今回、正規に地方公務員とする以上は、勝手な雇い止めをしないことであるとか、あるいは賃金改善、昇給制度導入あるいは諸手当の支給、休暇制度充実など、フルタイム職員との均等待遇、この実現は当然のことだと思いますけれども、この点について御確認いただきたいと思います。
  105. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 今回導入することとしております任期付短時間勤務職員につきましては、任期定めがあり特定業務に従事する者であること、また勤務時間が短いこと、こうしたことに由来する制約はございますが、本格的業務に従事することができる職員として給料及び一定の手当が支給されることとしたほか、休暇につきましても、勤務時間に比例して与えられる年次休暇を除き、フルタイム職員と基本的に同様なものが与えられるべきと考えているところでございます。  各地方公共団体におきましては、本制度趣旨を十分に理解し適切な処遇がなされるよう、必要に応じ適切な助言等を行ってまいりたいと考えております。
  106. 又市征治君(又市征治)

    ○又市征治君 そこで、もう一つですが、短時間勤務の希望者が今日の社会情勢を反映して出てきたということと、一方で任期を三年とか五年で切るということとは本来関係がないわけですね。それは、そういう短時間の勤務ということと期間を区切るということとは、これは別問題なんです。  したがって、この多様性を認めた今回の改正趣旨からすれば、任期定めのない短時間勤務という範疇もあってもいいんではないのかと、こんなふうに考えるわけですが、将来的に、ここのところは明確になっていないわけですが、将来的にこれは認める考え方あるのかどうか、この点について伺いたいと思います。  検討するなら検討するでいいですよ。
  107. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 任期定めのない短時間勤務職員につきましてお尋ねでございますが、この点、先ほども申し上げさせていただきましたが、地方公務員制度研究会におきまして、これを無限定に認めることは人事管理が複雑になり過ぎ、また任期定めのない常勤職員中心とする公務運営という地方公務員制度原則にも反するとの意見があったと承知しております。その結果、この研究会におけます最終報告書では、短時間勤務職員採用が無限定にならないよう任期その他の要件を設けることが示された上で、この任期定めのない短時間勤務職員制度につきましては、中長期的課題として慎重に検討すべきものとなったと承知しております。  したがいまして、総務省といたしましても、この任期定めのない短時間勤務職員制度につきましては、この研究会報告書を十分に参考にしながら、民間動向国家公務員制度における検討ども注視しつつ、慎重に検討すべきものと考えております。
  108. 又市征治君(又市征治)

    ○又市征治君 是非、中長期的にというか、将来的にこれは検討をしっかりやっていただきたいと、こう申し上げておきたいと思います。  次に、人事委員会公平委員会の苦情処理機能の新設問題で少し人事院にお伺いをしたいと思いますが、改正案では人事委員会公平委員会の職務として職員の苦情処理が追加をされました。職務の重大な、重要な拡大でありますし、これを保障するだけの体制を充実させる必要があるんだろうと思います。  先ほども人事院総裁から、最近増えてきていると、この苦情問題が増えてきているという御答弁だったんですが、ここ三年ぐらいで件数はどの程度なのか、ここらのところを、ちょっと総務省の方はよく地方の分は分からないというお話なので、国家公務員状況について、もう一度改めてお伺いをしておきたいと思います。
  109. 政府特別補佐人(佐藤壮郎君)(佐藤壮郎)

    政府特別補佐人佐藤壮郎君) 過去三年間における苦情相談の処理件数でございますけれども、平成十二年度が千九件、それから平成十三年度が八百七十件、それから平成十四年度が九百五十件でございます。それから、十五年度、今集計中でございまして、正確な数字はまだ出ておりませんけれども、大体千二百件程度になろうかというふうに思います。
  110. 又市征治君(又市征治)

    ○又市征治君 一年で、国家公務員が大ざっぱに言って五十万で約一年に一千件ちょっと、〇・二%という数字なんですけれども、多くないように見えるけれども結構な数字ですね。  地方公務員では苦情窓口がより近いだけに、もっと比率が高くなる可能性というのが高いんじゃないかと思うんですね。地方公務員、大ざっぱに全部含めると三百万。そうすると、国家公務員のやつを当てはめると年間六千件以上になる、こういう可能性が非常に高いんではないかと、こんなふうに推測ができるんですが。  現実には、地方でも既に相談の実態があるんだと思うんですが、だれがどのようにこれは処理をしているのか、そのような状況などの概況、総務省の方で把握ですか、お聞かせをいただきたいと思います。
  111. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 職員の苦情処理の実態でございますけれども、私ども詳細は必ずしもつかんでございませんが、地方公共団体人事担当部や人事委員会又は公平委員会におきまして、適宜、職員の相談に応じたり助言等を行っているものと認識しております。  ただ、今回の改正との関連もあるわけでございますけれども、この人事委員会及び公平委員会職員の苦情の処理にかかわる場合、本来でしたら中立的な立場から行う調査も可能なわけですけれども、この点につきましては、これまで苦情処理に関する明確な権限の規定がなかったこともございまして、こういったことは行っていないと承知しております。
  112. 又市征治君(又市征治)

    ○又市征治君 さっき人事院総裁が同僚議員の質問に答えられている中身でいいますと、おおむね任用関係が約三〇%前後ですね、そして、いじめ、嫌がらせ、セクハラ関係、これがまた大体三〇%程度と。これ、人事担当部へ持っていきようがないですね、これ、この種の問題は。そうすると、これ、しっかりと公平委員会なりあるいは人事委員会にそうした機能が果たされるようにしていかないと話にならぬわけでありまして、プライバシー守られない、独立して秘密が守られなければ、これは相談のしようがない。  そうすると、全く苦情がそういう意味ではうっせきをして職員の不満が増すだけ、こういう状況になるわけでありまして、これは、当然のこととしてこういう苦情処理機能というものが時代状況に応じて必要になったということで新設をするわけですから、ここのところのやはり人員配置を含めて、当然これはやらなきゃならないんじゃないかと思うんですが、その点についての総務省としての考え方はどうですか。
  113. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 苦情処理に対応するための人員配置でございますけれども、この点につきましては、各団体におきましてその自らの規模や行政能力を考慮した上で判断すべきものでございますし、まず行政組織の簡素合理化と併せて、全体として体制が整備されるべきものではないかと思っております。したがいまして、苦情処理業務の新設により、必然的に団体において人員配置が必要になるというふうには思っておりません。
  114. 又市征治君(又市征治)

    ○又市征治君 簡素効率化の問題と。逆に今、それだったら、こんなものは正に形作って魂入れずじゃないですか。何のためにこういう制度を作るのか全く分からないわけであって、やはりしっかりとここらのところは、本当の意味公務能率を上げていくとか、そういうことを含めておっしゃるならば、やはりここらのところは検討して、一面そういう人々も配置をしないと大変な問題になってくるんだろうと思うんです。  これは、まあ時間がありませんから、本当はそういう点でいえば人事院の見解も聞きたかったんですが、是非検討いただくようにお願いをしておきたいと思います。  余り時間がありませんから、もう一つ競争試験の問題について、公平委員会のもう一つ改正点、競争試験を実施をできるようにするということなんですが、公平委員会競争試験等行う場合、事務局の設置が可能とされましたけれども、実際には人の配置、能力の強化が図られる必要があると思いますね。  この改正によって全国でどのぐらいの数の公平委員会競争試験を行うと予想をされているのか、あるいはそれに伴う今の問題、検討してほしいという、申し上げたことを含めて、どのような職員の配置が考えられているか、そのことについて、何か総務省、把握ですか。
  115. 政府参考人(須田和博君)(須田和博)

    政府参考人須田和博君) 競争試験を行おうという意向を有する公平委員会がどの程度あるかというお尋ねでございましたが、平成十四年十月に、公平委員会を設置しております人口十五万人以上の市、これは全体で百二十五団体ございますが、これを対象としました意向調査によると、そのうちの十団体が意向があるとの回答を寄せております。この点、今後、地方分権の進展に対応できる優秀な人材の確保等、競争試験を行おうとする公平委員会に対するニーズが増えていくのではないだろうと思っております。  また、事務局を設置された場合にどの程度の人員が配置されるべきかとの点でございますけれども、この点につきましては、やはり個々の市町村の職員規模ですとか、やはり事務処理の能力、いろいろあろうかと思いますけれども、そういった意味で、一概にはちょっと申し上げられないと思っています。
  116. 又市征治君(又市征治)

    ○又市征治君 それじゃ、最後大臣にお伺いをしますが、現実は首長や幹部による政治的あるいは情実人事がこの公平委員会あるいは人事委員会などになしとはしません。こうした点でいうならば、公平委員会採用や試験、昇格の試験をする、これはやらないよりもやることはいいことですけれども、現実の公平委員に情実を排して試験の公平性を担保できるだけの人格が当然のこととして必要になってくるわけですが、時々そういうところで、マスコミをにぎわす氷山の一角として、情実人事がやられている問題などが出たりします。特に、小規模な町村などでこのことが危険性があるわけですが、そういう点では、実態が首長に身近な有力者などがこういうところで就任をさせられているというケースがそういうところに多い。試験の主宰者となるなら、公平委員は一層中立的、公平な、首長の影響力から独立したこういう適任者がやはり必要になると思うんですけれども、先ほど来から申し上げた、こうした人格あるいはそうした人々を採用していくためにどのような措置が必要だとお考えになっているか、是非とも大臣の最終的な見解をお伺いしたいと思います。
  117. 国務大臣(麻生太郎君)(麻生太郎)

    国務大臣麻生太郎君) そこに書いてありますように、人格が高潔、地方自治の本旨及び民主的で能率的な事務の処理に理解があり、かつ人事行政に関して識見を有する者と、日本全国にそういう立派な方がどれぐらいいらっしゃるかよく知りませんけれども、少なくとも、各地方において、これは比較対照の問題ですから、その地域においてはほかの人に比べてはという方でやっぱり選んでいただく以外にないんであって、欠点を挙げていったら幾らでもあろうと思いますが、しかし基本的には、これは最終的に議会の同意が要るということになっておりますので、議会の同意が要るというところで担保していただくということ以外にちょっと、その人について、いろいろ私どもとして、中立公正な人事行政というのを推進するのにふさわしい方ということ以外には、それがどうしてふさわしくないのかと言われると、私どもとして返答のしようが、かなり、数字で挙げられるような話ではありませんので、そういったことが基本的には、従来でいきますと、その地方の名士とか弁護士とか、職員のOBとか学校の先生だったとかいう方が多いように数字の上からは感じられますけれども、最終的には議会の同意を得るというところで担保されておると考えるべきではないかと思っております。
  118. 又市征治君(又市征治)

    ○又市征治君 時間がもう過ぎましたので。  ちょっと今の大臣答弁はいただけません。私は、共同設置の問題であるとか、独立性というものを大事にしてほしいということで、一番冒頭、ちょうど大臣、席立っておられたところだったんで、その点をお聞きになっていなかったからそういう答弁になったと思いますが、是非その点は、ここの大変な大事なところですから、独立性、公平性、公正性、今後の確保のための措置もまたいろいろと御検討いただきたい。  その点申し上げて、終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  119. 委員長(景山俊太郎君)(景山俊太郎)

    委員長景山俊太郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。     ─────────────
  120. 委員長(景山俊太郎君)(景山俊太郎)

    委員長景山俊太郎君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、佐藤雄平君、谷林正昭君、内藤正光君及び野沢太三君が委員辞任され、その補欠として高橋千秋君、岩本司君、小川勝也君及び有村治子君が選任されました。     ─────────────
  121. 委員長(景山俊太郎君)(景山俊太郎)

    委員長景山俊太郎君) これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  122. 八田ひろ子君(八田ひろ子)

    八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。  ただいま議題となりました地方公務員法及び地方公共団体一般職任期付職員採用に関する法律の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行います。  まず、地方公務員法改正部分については、人事機関が職員の苦痛、苦情を処理すること、公平委員会職員競争試験、選考を行うなど機能充実すること、部分休業制度研修の指針、人事行政運営の公表などはおおむね妥当なものであると思います。  しかし、任期付職員採用改正には重大な問題点があります。  その第一は、任期付職員の本格的業務への採用は、公務の継続性の確保を不安定にするものであるからです。任期付き職員は三年過ぎれば公務員でなくなります。次の民間企業など再就職先を探すことになります。その業務の継続性を確保するためには、期限を切って退職させる制度では公務の継続性の確保という行政の責任を果たすことはできません。  さらに、住民のセンシティブな個人情報の保護などが危険にさらされかねません。  第二には、今回の任期付職員は常勤であっても短時間勤務であっても本格的業務を担うことが予定されており、これまで補助的業務を担うとされている非常勤職員とは違います。任期付短時間職員は定数には算入されないため、職種によっては公然と常勤職員の代替とされる危険性があります。また、常勤の任期付職員は、業務の縮小、廃止部門への採用により、住民サービス低下につながる縮小、廃止をより円滑に進めるなど、正規職員削減のための制度となるものだからであります。  第三に、今日の非常勤職員の待遇と比較しても、実態的には任期定める点で一層の不安定雇用となるからです。  今日の地方自治体における非常勤職員は増加してきており、任用形態も多様で実態さえも十分つかまれておらず、実態と制度の乖離もありますが、反復連続して採用され長期に勤務している非常勤職員も多いと言われております。したがって、原則三年の任期定める短時間勤務職員は、現在の非常勤職員と比べても一層の短期雇用となる場合さえ出てきます。これでは待遇の改善とは逆行するものであります。  今回、公務にまで有期雇用契約を導入することは、住民サービスの後退だけでなく、社会全体の不安定雇用を蔓延させ、社会保障の支え手の崩壊、地域経済への打撃を与えるとともに、地方自治体財政にも悪影響が及ぶ深刻な事態に道を開くものであります。  以上の理由から、全体としては法案に反対するものであります。
  123. 委員長(景山俊太郎君)(景山俊太郎)

    委員長景山俊太郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  地方公務員法及び地方公共団体一般職任期付職員採用に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  124. 委員長(景山俊太郎君)(景山俊太郎)

    委員長景山俊太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  125. 委員長(景山俊太郎君)(景山俊太郎)

    委員長景山俊太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十三分散会