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池田幹幸君 非常に美しい答弁なんですが、私は、一年、一年とおっしゃるけれ
ども、一年どころか、あんた、もっと短いでしょう。
これ、第一部会のこの問題で審議始まったのは昨年の九月ですよ。九月二十五日が第一回。いわゆる
銀行に対して仲介業務を認めようという
お話がこの審議会の中に持ち込まれたのが十一月ですよ、初めて持ち込まれたのが。ですから、わずか二か月ぐらいでとんとんと我々が昨年審議したこの
法律を改正するということになったんですね。この問題はちょっと後でしますけれ
ども、私は、そんな美しいものじゃなしに、実際これをやりたいという勢力があったということと、もう
一つは
金融庁の姿勢だというふうに思っているんです。
先に
金融庁の姿勢の問題について問題にしたいと思うんですが、私は、去年決めた
法律を今すぐまたひっくり返すというこのやり方、これ今に始まったことじゃないんですよ。同じことが生保、生命保険、ありましたでしょう、あれ。あれは一年どころか同じ国会で、最初には予定利率の引下げはしないという
法律出しておきながら、後で予定利率の引下げをやるという
法律出したじゃありませんか。とんでもないやり方があのときやられました。実際、その予定利率の引下げ法案通ったけれ
ども、予定利率の引下げを申請してきたところなんかどこにもないですね。そんな状態が今起こっておりました。
こういったところに今回の
金融機関に仲介業を認める改正案が出てきたわけです。さっき言いましたように、この改正案は十一月に突然出てきているんです。
金融審議会でだれが持ち出したのか。永易
委員、東京三菱常務ですよね、この方がこれを持ち出しました。そのことで、私、記録をちょっとずっと見てみましたら、大体あの審議会では永易
委員がこの問題をずうっとリードしています。
で、そうなったわけですが、春に決めた
法律をひっくり返して、秋になったら
金融機関にも扱わせるよということで強引に持ってきたんですね。誠に一貫性がないんです。一貫性がありませんよね、こういう点では。
それで、見ますと、いろいろ業界誌もやっぱりいろいろいろいろ書いています。その中から見ながらずっとやっていくと、何と、結局、私、見付けたのは、十二月十九日付けで、「
金融機関への証券仲介業の解禁に関する私
どもの意見」ということで、全国
銀行協会、それから地銀協会、信託協会、ずらずらずらずらと
金融機関が全部足並みそろえて意見を出しているわけです。大体がそのとおりなんです。ここに書かれてあるとおりに今度の報告書が書かれているんですよ。先ほど
平野委員が疑問とされた「もはや国民に対して
説明できない
段階にきている」というのは、ここにあるその「もはや」の
意味は、こんなところに入っていないんですね。この
銀行協会の意見書の中にあるんですよ。物すごい圧力なんですね。同じ文章がここに出てくるんです。
ちょっと言い方としては違うんですが、顧客
情報の活用という観点からは小売業や税理士・会計士等についても同様である。このような一般事業会社を想定して既に証券仲介業を解禁しており、本
理由をもって
銀行を証券仲介業から除外することは一般事業会社等と平仄が取れないと言っているんですよ。もはや、もはやというのは、この圧力が強くなって、もはやもうこれやらなければいけなくなったということじゃないかというふうに私はこれを見て納得しておるわけなんですが。だから、結局
銀行の要求なんですよね。
銀行の要求。
そこで、私は、余りにも、一国会あるいは一年後に前に否定したことをすぐひっくり返すようなやり方は余りに無定見だと思うんです。
しかし、無定見だと思うんですが、一歩翻って考えてみますと、
竹中大臣はそんな無定見な方じゃないだろう、やっぱり用意周到でやられたんじゃないかと。ちょっと頭出しして、国民の反応を見ながら、うまくそれを通して、その次の
段階に持っていくという極めて計画的なやり方だと。二回目はもうその最初にやったやつを換骨奪胎して変えていっちゃうと。そういう正に計画的なことでこれを取り組んでこられたんじゃないのかと。このことについては、正に昨年から
金融庁自身が、
竹中大臣が旗を振って取り組んでこられたんじゃないのかというふうに思うんです。
無定見なのか、計画的なのか、どっちですか。