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2004-03-29 第159回国会 参議院 災害対策特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年三月二十九日(月曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  三月二十六日     辞任         補欠選任      本田 良一君     谷  博之君  三月二十九日     辞任         補欠選任      田村 公平君     段本 幸男君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         日笠 勝之君     理 事                 大仁田 厚君                 太田 豊秋君                 大渕 絹子君                 白浜 一良君     委 員                 加治屋義人君                 柏村 武昭君                 小泉 顕雄君                 田浦  直君                 段本 幸男君                 鶴保 庸介君                 今泉  昭君                 勝木 健司君                 谷  博之君                 藤原 正司君                 簗瀬  進君                 大沢 辰美君                 大門実紀史君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣防災)        )        井上 喜一君    副大臣        内閣府副大臣   佐藤 剛男君        総務副大臣    山口 俊一君        財務副大臣    石井 啓一君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        森元 恒雄君    事務局側        常任委員会専門        員        伊原江太郎君    政府参考人        内閣府政策統括        官        尾見 博武君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    塩田 幸雄君        国土交通省住宅        局長       松野  仁君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る二十六日、本田良一君が委員辞任され、その補欠として谷博之君が選任されました。     ─────────────
  3. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会内閣府政策統括官尾見博武君、厚生労働省社会援護局障害保健福祉部長塩田幸雄君及び国土交通省住宅局長松野仁君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 どうもおはようございますと言いたいところですが、もう十二時過ぎてもおりますので。  ふと思うんですが、いつも思うんですが、災害というのは、災害というのは何かとてつもなくやってきて、それでそれが過ぎ去った後、どうしても僕たちの中で忘れがちなところがありまして、どうしても、僕は長崎県出身で、ちょうど長崎水害があったときに、うちの実家がもう百年以上続いたふろしき屋なんですけれども大臣、聞こえますか。
  7. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) はい、聞こえます。
  8. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 もうちょっと大きな声で言いましょうか。  うちの家業はふろしき屋なんですけれども、やっぱり災害になると洪水が起きて、結局そのふろしきは全然駄目になってしまうわけですよね。そうすると、やっぱり一家困るわけですよね。じいちゃんは嘆くわ、ばあちゃんは嘆くわ、うちの母ちゃん、父ちゃんも嘆くわ。そんなんでやっぱり、被害者としてはどうしても、どうしてもやっぱり全額負担してもらいたい、そういった意識があるんですけれども。  こういう仕事をしていて、やっぱりいろいろ考えるんですけれども、じゃ人が亡くなったときにどれだけの補償をするべきなのか。その基準があって、その基準を立てたときに、じゃ家をなくした人の基準というのはどうなるんだろうかという、そういう論議が常に繰り返されると思うんですが。  僕は思うんですが、やっぱり災害に対して常日ごろから緊張感を持ち、昔あった連帯というものを町ぐるみや、町ぐるみ、そしてまた市、県という地方自治体部分でもちゃんと今後やっぱりそういったシステム作りをしていかないと、やっぱり急な対応というのは不可欠だと思うんですけれども、急に対応するというのは。  僕は非常に、非常に印象に残っているのが、物すごい落胆したのは、僕はそのころ参議院でも何でもありませんので、一般市民なもので、テレビで見ていてあそこはどこだったですかね、北海道の落盤事故のときですね。あれは正確な日にちでは、僕の記憶したのでは、道知事がその現場に駆け付けたのが三日後か四日後。その道トップですよ、その道トップの方がその現場に駆け付けたのが三日後、四日後。どんな大切な用事があったか知りませんが、道民の人の命や、そういったせっぱ詰まった状態において、そのトップの方が駆け付ける駆け付けないでどれだけ勇気付けられるか。そういったものを、そういったものを含めて今日は御質問したいと思うんですが。ソフトの部分、ハードの部分も含めて今日は御質問したいと思うんですけれども。今回の被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案について、今日は大臣の、その他関係方々に御質問したいと思います。  防災行政国民生活を守る上でとても重要なものだと思っております。しかし、行政取組だけで安全を確保することはできません。自助共助公助のそれぞれがしっかりとかみ合ってこそ本当の安全が確保されるのではないでしょうか。  そこで、井上大臣にお伺いします。自助共助公助のバランスはどのように保たれなければならないとお考えですか。また、防災行政に対する御決意をお聞かせ願えますか。
  9. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 日本は大変災害の多い国であります。災害が起こりますと人間の命やあるいは財産に大きな影響をもたらすと、被害をもたらすということでありまして、我が国としては、もう常に災害につきましては最重点課題一つとしてこれまで取り組んできたと思いますし、これからもそういう心構えを持って取り組んでいかなくてはいけないと、こんなふうに思います。  制度もだんだんだんだん整備をされてきておりまして、あと残っておりますのはこのたび審議をいただく住宅再建の関連の制度でございます。こういう制度が完成してまいりますと、あとは被災後の復旧ですね、対応をいかに的確に早くやっていくかと、こういう課題が主として残るかと思うんでありますけれども、この制度運用を的確にできますように心掛けていかなくちゃいけないと、こんなふうに考えている次第であります。  ただ、やっぱり今お話がありましたように、災害のような場合、これは安全保障も含めて私はそうだと思いますけれども、みんなの財産はみんなで守るというような考え方基本にないと十分な対応ができないんじゃないかと、こんなふうに思います。災害の場合、全く同じでありまして、自分でやるべきことは自分でやっていく、国とか自治体と共同し合っていくところは共同でやっていく、あるいは国と自治体でやっていくようなところは国と自治体が協力してやっていくということでありまして、その限界がどこにあるかということ、これが大変難しい問題でありますけれども、一応のやっぱりめどは付けておかないといけないと思うんです。ダブってそれぞれやる、そういう必要性というのは余りないと思うんであります。  このたび問題になりますのは自助と、特に今回の制度公助でありますから、そこの境界をどうするかということでありますが、私は、住宅というのは私有財産制度の中では一番のこれは中心を成すものであります。大変住宅は重要なものです。人間生活には欠かせないものでありますけれども、しかし、これにつきましてはそれぞれの個人責任を持つというのが現行の私は制度だと思いますし、そういう考え基本にして制度を作っていかないといけないと、こんなふうに思います。  自助でありますから、まず家を建てる、そのためには融資制度もありますし、あるいは保険制度もあります。火災保険あるいは地震保険制度に入るというようなこと、あるいは耐震化なんかにつきましても十分地震備えられるような、そういうような建物を建てていくというようなことも私は必要だと思うんであります。  公助の場合、国がなかなか建築本体にまで入り込んで助成をしていくというのは、私は今の時点といいますか、いうのは難しいというふうに思いますし、恐らくこういう考え方というのはそう簡単には変わらないと思っております。やはり国として援助をするところは、住宅を建てやすくする、それはもうもちろんそういう制度であるんでありますけれども建築費本体の、建築費に対して助成するというのではなくて、その周辺部分ですね、そういったところにまで制度を広げていく、それがおおむね限界じゃないんだろうかと考えておりまして、このたびの制度もそういうような考えの下に作って、この法案として提出させていただいたと、こういうところでございます。  確かに、どこまでが自助で、どこまでが共助で、どこまでが公助かというのは大変議論のあることだと思うんでありますけれども、大まかな考えとしては今申し上げたとおりでございます。
  10. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 ありがとうございました。是非前向きな、前向きな進歩的な防災行政の改革をやってもらいたいと思っております。  これについての一の質問に対してのちょっと補足なんですが、今回、被災者生活再建支援法施行から約五年ぶりに改正案提出となったわけですが、現行法課題、そして改正案提出経緯改正案ポイントについて御説明願いたいと思います。
  11. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) お答えを申し上げます。  現在の被災者生活再建支援法は御案内のように平成十年に成立いたしまして、全壊世帯最高で百万円、これは家財道具の調達でありますとか引っ越し費用とかそういうものに要する経費でございますが、支援するものとして成立をいたしました。  同法の附則に一つ宿題が載っておりまして、住宅が全半壊した世帯に対する住宅再建支援在り方について検討を行い必要な措置を講ずるということにされておるわけでございます。同時に、附帯決議におきましては、法施行後五年を目途として総合的な検討を加え必要な措置を講ずるということにされているわけでございます。  この間、住宅再建在り方等につきましていろんな勉強をしてまいりましたが、なかなか集約できずにいたということがございました。国会の中でも先生方もいろんな御議論取組があったように承知しておりますが、なかなか容易に決着が見なかった、こういう状況がございました。  こうした中で、昨年度に知事会の方から、この安定した居住確保という問題をこのままにしておいてはいけないのではないかという観点から、被災者生活再建支援する上での重要課題一つであるという認識の下に、三百億円新たに拠出をするということを前提にして支援制度創設の要望がございました。これを受けまして私ども概算要求をさせていただきまして、平成十六年度の政府予算において住宅再建等に要する経費について最高二百万円の支援を行う居住安定支援制度創設されたと、こういう経緯でございます。  今回の法律案はこの予算を執行するためのものでございまして、ポイントといたしましては、支援金支給限度額を百万円から三百万円に引き上げること、あわせて都道府県が拠出した運用資金を取り崩し可能なものとすること等が中心ポイントになっているのであります。  以上でございます。
  12. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 ありがとうございます。  済みませんが、できるだけ分かりやすく手短によろしくお願いいたします。ちょっと質問が、できる限り時間を使って質問したいと思いますので、はい、済みません。  今回創設される居住安定支援制度には被災者に対する家賃補助ども含まれておりますが、家賃補助制度に盛り込んだ経緯を含め、居住安定支援制度の概要についてお聞かせ願いたいと思います。
  13. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) まず、家賃補助制度を入れた趣旨でございますが、中央防災会議専門調査委員会の報告におきまして、住宅所有、非所有にかかわらず、賃貸住宅への入居等に係る負担軽減などを含めた総合的な居住確保支援していくことというふうな提言がございます。住宅再建といいますと、ややもすれば持家優遇みたいなイメージがありますが、やはり賃貸住宅に入居されているような非所有の人についてもきちっとした支援が必要ではないか、こういう問題意識で今回制度創設についてお願いをして家賃補助について認められた、こういうことになっているわけでございます。  居住安定支援制度ポイントでございますけれども、ごく簡単に申し上げますと、従来の生活再建支援金百万円に加えまして居住関係経費対象とする制度創設する、簡単に言いますと、再建又は新築等の場合は二百万円を上限、大規模半壊の場合は補修するに当たって百万円を上限賃貸入居の場合は五十万円を上限とするということでございます。建て替えの、対象経費につきましては、建て替え、補修に係る解体撤去整地費借入金関係費家賃等対象にしているものでございます。そうした結果、今申し上げました支給限度額が三百万円に引き上がると、こういうことでございます。
  14. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 ありがとうございます。  どうも済みません、本当はアドリブでやりたいんですけれども自分言葉じゃないとなかなか表現がしにくくて。本当に委員会でも自分言葉で本当分かりやすく説明したいんですけれども、どうしてもこういう正式なものになってしまうと自分も読みに入ってしまう自分がいまして、本当に分かりづらいところもあると思うんですが、極力努力しますので。  今回の改正案では、被災した住宅再建のための解体撤去費などの周辺経費支援対象としています。また、衆議院委員会では建築費本体支援対象とするべきという議論があったと聞いております。しかし、住宅耐震化したり地震保険加入するといった事前備え被災住宅再建については自助基本であり、個人資産のある住宅本体再建に多額の税金を投入することは住宅所有していない納税者が納得するかどうかなど、国民のコンセンサスが求められていると思います。そのような議論がある中で、被災者居住安定を支援する実効性ある制度を作るために政府としてぎりぎりの判断を示されたことは、大きな僕は前進だと思っております。高く評価されると思っておるんですが、ここで井上大臣にお伺いいたします。  個人住宅に対する備えについては自助基本とすることと、今回の創設される居住安定支援制度整合性についてお聞かせ願いたいと思います。
  15. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) これまで、この住宅再建というのは大変生活安定という面から見ますと重要なものだという、こういう認識があったわけでありますけれども、一般的な制度としてそれができていなかったわけでありまして、このたびこういった制度ができますということは非常に大きな前進であり、私どもの立場からいえばこれ画期的な制度じゃないかと、こんなふうに思います。  今、ただ一点問題になっておりますのは、建築費そのものにも金が使えるようにすべきだという、こういう議論があるわけでありますけれども、やっぱり住宅につきましては自分でこれは責任を持って建てていくものだ、維持管理をしていくべきものだと、こういう私は基本、今の社会基本はそうだというふうに考えているわけでありまして、そういう意味におきましては、今回の制度助成対象といいますのは、建築費そのものには入っておりませんけれども、その周辺部分助成対象にいたしておりまして、そういう意味ではぎりぎりといいますか、できるところまでは助成対象としていったと、こういうことが言えると思うんであります。  今は住宅制度につきましては融資制度もございますし、あるいは税の減免の制度もございます。それから地震保険制度もあるわけでありまして、極力そういったものを活用しながら、やっぱり家は自分で建て自分維持管理をしていくという、そういうお考えの下に是非お願いをしていきたいと思います。特にこれから問題になりますのは、先ほども御答弁申し上げましたけれども、やはり耐震化のそれを工事をしておくということですね、これが非常に大事なことだというふうに思います。  現に、大きな新聞の一つにもこういう論説が出ているんです。公費をつぎ込んでいくということは、そういう努力をしなくなるんじゃないか、つまり、努力をした者が損するんじゃないか、こういう制度は問題があるんじゃないかという、そういう視点からの論説もあるわけでありまして、私どもといたしましては、やはり自助努力でできるところはしていく、しかしながら、その周辺部分についてはできるだけのことはしていく、そういう考えの下に今回の法案を提出させていただいたということでございます。
  16. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 ありがとうございました。  阪神淡路大震災では、犠牲者の八割が家屋倒壊などによる窒息死や圧死だったそうです。住宅への耐震化が浸透していれば犠牲者の数は大きく変わっていたはずではないでしょうか。しかし、この十年で公共ビル耐震補強新築の超高層ビルなどの耐震化は著しく進んでいるように思います。住宅の方の耐震化促進されているように思えませんけれども、ここで質問させていただきます。住宅の方ですね、大臣住宅の方の耐震化が余り促進されていないような気がするんですけれども、ここで質問させていただきます。  阪神淡路大震災個人住宅耐震化の進み具合についてお聞かせください。あわせて、住宅以外の建築物耐震化状況も御報告していただければ有り難いと思っております。
  17. 松野仁

    政府参考人松野仁君) お答えいたします。  国土交通省では、国内の住宅約四千四百万戸のうち約一千四百万戸、また、非住宅につきましては三百四十万棟のうち約百二十万棟、これらが耐震性が十分ではないと推計しております。これらの住宅あるいは建築物耐震化を推進することが大変重要な課題認識しております。  阪神淡路大震災が発生いたしました平成七年に制定いたしました耐震改修促進法がございますが、多数の者が利用する公共性の高い建築物所有者に対しまして、耐震診断あるいは耐震改修の実施の努力義務を課して耐震化促進しているところでございます。  また、耐震診断改修を促すための支援措置として、国土交通省では、地方公共団体住宅公共性の高い建築物に対して耐震診断あるいは耐震改修費補助を実施する場合には、その地方公共団体に対しまして補助を行う制度を設けるとともに、耐震改修費に対する住宅金融公庫による低利融資制度減税制度の適用などの措置を講じてきているところでございます。  今後も、こうした制度の一層の普及を図りまして、耐震診断あるいは改修促進に努めてまいりたいと考えております。
  18. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 是非よろしくお願いします、はい。何事も、来てからということじゃなく、やっぱり事前のそういったものが、どれだけ人の命を救ったり、災害に対しての恐怖から人を保護したりできるものですから、是非前向きな姿勢でやってもらいたいと思います。  補足なんですけれども地震保険との関係のことなんですけれども政府として、今回の居住安定支援制度地震保険との関係なんですけれども役割分担在り方、そして自助に当たる地震保険加入向上のための取組についてお聞かせ願いたいと思います。
  19. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) お尋ねに対してお答えを申し上げます。  地震保険お話が出ましたけれども、今回の居住安定支援制度は、基本的には個人住宅につきましては自助あるいは共助世界として対応すべきものである、そういう前提を置いた上で、ただ、自力ではなかなか自立できないという方々に対しましては、その自助努力を後押しするという形での公助、そういうものを考えるべきじゃないか、こういうことでございます。  したがいまして、私どもといたしましても、その自助世界ということになりますと、今、先生指摘になりました地震保険というものが当然ございます。それから、耐震補強というものも大きな柱としてございます。そういう地震保険につきましても、現在、残念ながら農協等建物共済等と合わせましても三〇%程度の普及しかございませんので、この普及促進というのは重要な課題であると認識しております。  具体的には、保険会社等々との協議の中で、できるだけ安い掛金で、それは加入促進されるようないろんな知恵を出していく。あるいは、税制についても、所得税の控除みたいなことについてもお願いをしていく。こういうことで加入促進を図っているところでございます。
  20. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 ありがとうございました。是非努力してもらいたいと思います、掛金を安く。  補足なんですけれども三宅島などの長期避難世帯への特例ということなんですけれども、おとといの三宅島、新しい村長さんが初めて島を視察されたというニュースがありましたけれども、全島避難してから三年以上が経過しても島民の人が島に戻ることができない状況にありますね。避難した島民には現行被災者生活再建支援法支給されていますが、実際の帰島後の生活再建のために不十分という声もあります。  そこで、お伺いしたいと思います。今回の改正案では、このような長期避難世帯に対してどのような取組をなされようとしているんですか、お聞かせください。
  21. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) お答えをいたします。  今、先生指摘三宅島の長期避難でございますけれども、三年を経過して、残念ながらガスのために戻れない状況が続いておりますけれども、私どもとしては、三宅島の新しい村長さんの御意向なんかも承知しておりますので、帰島に向けた準備ということをいろいろ加速させていきたい、こういうふうに考えております。  今御指摘生活再建支援金法世界でありますけれども、既に長期避難世帯特例として百万円、いわゆる生活再建支援金の百万円の支給というものの対象となっておりまして、ほとんどの方がそれを受給されておるという現状がございます。  ただ、避難解除をして帰島されるという場合に当たっては、やはりもう一度引っ越しをしないといけないということだと思いますし、家財道具等もそのまま使えるかどうか、こういう問題意識を持って、二度目になりますけれども、例外的な扱いとして最大限七十万円の支援金支給するということを予算措置として認めさせていただいたところでございます。これは、ただ全体の三百万円の枠の中でのお話ということに整理させていただいているところでございます。  以上でございます。
  22. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 今回の改正案は、被災者居住安定支援制度創設するなど、被災者の住まいの確保、つまりハードですよね、はい。阪神淡路大震災では、被災者生活再建の多くの仮設住宅災害復興公営住宅が建てられました。しかし、そのようなハード的支援だけでは真の生活再建を手助けできたと僕は言えないと思うんです。公共住宅などで孤独死や自殺者の多発といった現状を見れば明らかなんですけれども被災者の真の生活再建のためには心の再生、心の再建が可能となるようなソフト的支援も僕は重視するべきだと考えているんですけれども、そこで御質問いたします。  阪神淡路大震災やその後の災害において国や地方が行っている心のケアの対策をお聞かせください。
  23. 塩田幸雄

    政府参考人塩田幸雄君) 災害被災者方々につきましては、災害によって肉親、縁者、あるいは財産をなくすということでございまして、精神的に大きなダメージを受けておられる方が多いことから、心のケアというのが非常に大切であると考えております。我が国におきましてこうした被災者に対する心のケア対策が重視される契機となったのは、御指摘阪神淡路大震災であったと思います。  阪神淡路大震災の際には、心のケアを必要とする方々に対しまして、兵庫県を中心にいたしまして精神科救護所の設置あるいは巡回健康相談等が実施されたところでございますが、国といたしましても、関係の都道府県あるいは関係の団体にお声を掛けまして専門家の派遣をお願いしまして、兵庫県と密接な連携を取って対応したところでございます。  兵庫県におかれましては、この阪神淡路大震災以降の心のケアに関する様々な取組をされ、その蓄積を基に、今年の四月一日に、心のケアに関する実践的研究あるいは研修を行うために兵庫県こころのケアセンターを設置されると聞いているところでございます。これは全国でも初めての取組でありまして、震災に関する心のケアに関する特化した機関としては初めてでございますので、厚生労働省としてもその成果につきまして大いに期待をしているところでございます。  このように、被災者の心のケアにつきましては、災害発生時にニーズに応じたケアを実施できる地方公共団体中心になって対応するわけでありますが、日常的にも地方公共団体の保健所あるいは精神保健福祉センターにおける心のケアの相談、あるいは医師、保健師、精神保健福祉士などに対する専門家の研修、また保健医療従事者向けの災害時の心のケアの対応ガイドラインを作るなどの取組を行っているところでございます。  今後とも、国、地方公共団体、連携いたしまして、被災者の心のケア対策の充実に努めてまいりたいと考えております。
  24. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 新聞の一節なんですけれども阪神大震災の被災地兵庫県の復興住宅被災者が人知れず亡くなっていく孤独死が依然なくならない、肉親者との死別、病気、ストレス、あれから九年、亡くなった理由は様々でも、それぞれの死は重い課題を突き付けているという一文があったんですけれども、ちょっと早いんですけれども、最後の質問になるんですけれども、その前にちょっと、自分ながらに阪神大震災を受け止めて、自分は衝撃的だったものですから、朝テレビをつけたら高速道路のつぶれたところが出ていまして、一体何が起こったんだろうと思いながら、どんどんどんどん死者が増えていく。  僕は文教科学委員に属しているんですけれども、常に思うんですけれども、やっぱり連帯というものを、家族が家族であった時代、周りが周りを気にしていた時代、僕は国だけが、国だけが、じゃ支援や補強、そういったのを促進するだけじゃなく、やっぱり地域社会が人を守るんだ、人というのを助けるべきなんだ、そういったボランティア精神に初めて気が付いたときが僕は阪神大震災なんだと思うんですよ。  そして、やっぱりこれから九年たちますと、だんだんだんだん、やっぱりだんだんだんだん人の心というのは忘れていく。嫌なことは忘れますよね。これは自然な僕は摂理だと思います。だれしも、大臣でも嫌なことは極力忘れようと、悲しいことは忘れていこうと思うのが人間かもしれませんが。それに対する教訓を常日ごろ、常日ごろキープさせる、国民の皆さんの意識の中で常に持たせるということは僕は必要なことだと思うんです。  だから、役割分担というのはどの辺のところなのかなと。国がやること、そしてまた地方行政がやること、そして町やその小さいコミュニティーがどうやって連携を保ちながら人を救うか。災害といっても、大きなものだけが災害ととらえるのか。小さな、小さなところで台風が通過した、そこで人一人が亡くなっても、じゃそれは小さな災害で見過ごすのか、そういった問題ではありません。大きかろうと、大小を問わず、災害災害なんです。その中で生まれるものをもっと僕たち日本全国民がもっときちんとした形でとらえていく、そして教訓として残していくというシステムをちゃんと作らなければ僕はいけないと思うんです。  やっぱり大臣お願いしたいのは、是非是非、任期中にでも災害があったときにはすぐに駆け付けていただきたい。どれだけその地域の人間が、地域の人間大臣が駆け付けることによって勇気付けられるか。ああ、最高トップの人が来てくれたことによって勇気付けられる、その勇気というものは僕は絶大だと思いますので。そして、ハードも確かに必要ですけれども、ハードも確かに必要ですけれども、やっぱり心のケアというのは僕は本当に必要なものだと思います。  最後に、大臣質問なんですけれども補足なんですけれども、ソフト的な支援というのは僕は車の両輪のようにやっぱり促進していかなければいけないとても重要なことだと思っております。この部分で是非井上大臣に御所見をお伺いしたいんですけれども、よろしくお願いします。
  25. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) いろいろと有益な御指摘をいただきましてありがとうございました。  確かに災害というのは、いったん起こりましてもすぐ忘れてしまうような傾向があるわけでありますけれども、神戸の、阪神・淡路のあの大震災というのは、都市の直下型の地震でありまして、非常に被害も大きかったというようなこと、多くの人命も失われたと、こういうことから、それでも割合とまだ記憶にとどまっているところが多いと思うのであります。ともかく大きな災害であったために、この阪神淡路大震災を契機にいたしましていろいろな制度の見直しが行われてきた、制度の充実が行われてきたことは、これは災害対策という点からは、これはある程度評価をされてしかるべきものじゃないかと私は思います。  国として何をやるべきなのかということでありますが、やはり基礎的なことですね。今のお話にありました、ハードといわずソフトといわず、基本のところはやっぱり国でやるべきだと思うんです。例えば観測体制ですね。観測をきちっとして知見を積み上げていく、それを土台に研究をしていくというようなこと、それを現実に生かしていくというようなことも必要でありましょう。あるいは公共施設の耐震化を図っていく、例えば小中学校の学校でありますとかあるいは体育館ですね。これは、常時人がおりましたり、あるいは避難をする場所でありますから、そういうようなところ、これは国だけではなしに公共団体もそういったことに本当にこれからもっともっと力を入れていくべきだと思います。あるいは河川だとか道路だとか、あるいは海岸堤防ですね、こういうようなことも重点を置いてやっていかないといけないと思います。  それから、国と県が共同してやる部分というのは、経済的な側面の支援生活面の支援ですね、これなんかは恐らく国と県が共同してやる。それからさらには、自助を助けるような制度を国とか県が考えていく、こういうようなことですね。こういったことが国が中心になってやっていくべき分野だろうと思います。しかし、基本は、これまで申し上げましたようにやっぱり自助ですね、自助中心住宅なんかの場合は考えていくべきことだと思います。耐震化もその中身に含まれる、そういう対策だと考えるわけでございます。  精神的なケアの面でありますが、私も昨日、神戸でこころのケアセンターというのが竣工いたしまして、出席をしてまいりました。今、厚生労働省の方からお答えありましたように、これは心の悩みを持つ人、トラウマですね、そういう人たちの相談に乗るとか、あるいは研究を深めていくとか、あるいはそれに関係する人材を養成をして派遣をしていくとか、こういうようなことをするのが昨日竣工いたしました兵庫県のケアセンターなんですね。私はこんなことも必要だと思いますし、そのほか医療なんかにつきましても、これはもっともっとやっぱり配慮していくべきところがあると思います。  あるいは兵庫県で、御承知の方はあると思うんでありますが、復興担当教員制度というのがあるんです。これは子供までやっぱり心のケアをする必要があるということで、特別に先生の定数を確保しまして、そういう生徒を対象に授業をしているわけですね、授業といいますか心のケアをしているわけでありまして。  私は、ですから、やっぱりああいう神戸、淡路のような大震災でありますと、単に物的なものの損傷だけではなしに、あるいは生活面だけの影響だけではなしに、そういう精神面のそういう被害といいますか影響も大変大きなものがあると思うんでありまして、正に基本のところ、こういう面での例えばトラウマなんかにつきましての研究なんというのはまだまだこれからのようでありまして、こういう面につきましても大いにもっと力を入れていくべき分野だというふうに考えております。
  26. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 大臣、ありがとうございました。是非大臣には、そしてまた総理には、是非そういった被害があったときには、現地に本当、迅速にどんな危険を冒しても僕は行ってもらいたいなと思っています。  たまたまイラク自衛隊派遣法のところで、僕は、自分が、国会議員が責任を持ってボタンを押して自衛隊を派遣するのに、何で国会議員が行く気持ちがないんだと思いまして、僕は余りこの国会という社会の中で順応していこうとは余り思いませんので、本当国会議員らしい国会議員になろうなんて一切思いませんので、一言言わせていただきたいんですけれども、僕は常日ごろ思うんですけれども、疑問ばっかりが頭の中に投げ掛けられて、国会議員というのは一体何なのかなと。国民から選ばれて国会議員、国会ということにやってきて、いろんな審議することも確かに必要かもしれない。審議も確かに必要かもしれないです。だけれども、今の時代、何が政治不信を招き、いろんな意味で見えにくくしているのか。確かに、この中で議論していることは確かに重要なことだと思います。だけれども、やっぱりそれが外に見えなければ、私たちはこういうことをやっているんだよということをちゃんときちんとした形で見せなければ、見えないものは見えないんです。  やっぱり大臣が、じゃ──いやいやまだ、よろしいですか、もうそろそろ終わろうかなと思っているんですが、済みません、終わろうと思っているんですけれども。  いやいや、僕は思うんですけれども、簡単に言うと、災害対策なら災害対策で、こうやって論議しているわけですから、いち早く僕らが現地に立つとかそういったシステムを作るとか、党なら党、各党災害支援をするなら災害支援で、各準備委員会じゃないですけれども、そういった機関があって現地にふっと行くとか、そういったものを常日ごろ国民の気持ちになって、そして僕たちは国民の代表なんだということで表していかなければいけないなと常日ごろ思っています。いや、それができなければ、いつでも国会議員を辞めなきゃなといつも思っているんですけれども、イラクの件は党の方に言われまして、今はいろんなことが起きるからやめてほしいと言われたので引きましたけれども、近い将来行ってこようと思っているんですけれども、行かないと自分のプロセスが成り立たないんです。  何でもそうですけれども、何でも、僕は災害もそうですけれども、やっぱり教訓を得たら、それを忘れないで、次には絶対これだけの、これだけのことはやろうという準備というものを常日ごろ持っていなければ、おれはいけないと思っております。  大した質問ではなかったんですけれども、やっぱり僕は、災害というものは常に、常日ごろ教訓として忘れないで、それを次の災害に向けて、次の災害に向けて準備しておくのが僕は必要だと思います。そしてまた、是非この大臣の任期中に、是非教育の部分でも災害に対して子供たちに、そして大人たちに、災害というものは自然に来るのであって、自然なものを、家族を守るため、そして周りの人たちを守るために、こういった準備をしておけば極力最低、最低これだけは守れるんだよというぐらいの基本的な教育は、僕は教育を推進してほしいと思っております、はい。  どうも今日はありがとうございました。どうも。  どうぞ副大臣
  27. 佐藤剛男

    ○副大臣(佐藤剛男君) 副大臣の佐藤でございます。  ただいま委員の重要なる御指摘災害時における国の特別災害チームを作ったりしまして現地にまで行けと、そういうことを見せろという、おっしゃる点でございますが、実は私、昨年の九月二十六日、十勝沖で大地震がありました、朝の四時五十五分でございましたが。その折に、井上大臣それから総理から、とにかく十二時間以内にチームを作って行けということで、私が団長になりまして、市ケ谷の自衛隊の本部の屋上から五十人の団員を連れまして現地に参りました。十二時間以内にスタートいたしました。スタートしましたのが四時半でありました。  そういうことで、地方公共団体と調査を聞き、直ちに現地において先生の御指摘の安心感、それからその対応ぶり、これをはっきりとお見せしたところが最近の状況でございます。井上大臣の指示の下、総理の大きな指示の下に動いたわけであります。  また、豪雪がありまして、つい最近北海道に。その折にも、三十センチぐらいなのが二メーターぐらい降ったともう悲鳴を上げておったわけでありますが、私は団長で関係省庁を連れまして、そして現地に赴きまして所要の対策を取ったところでありまして、委員の御指摘、非常に重要なことであります。それを目に見える形で進めていくということが、井上大臣の下で仕える身としまして全力を挙げてさせていただきたいと思っています。  以上でございます。
  28. 大仁田厚

    ○大仁田厚君 いやいや、副大臣ありがとうございました。  そういった前向きな姿勢が僕は政治不信を払拭したりするものだと思っておりますので、是非前向きに前進的に、それで何というのかな、どうしてもパフォーマンスと見られがちなんですけれども、じゃアメリカやフランスやいろいろ諸外国が、じゃ現地に行ったときにやっぱり格好いいじゃないですか。やっぱりそういった、おれたちやっぱり命を懸けているんだって、この国で国民から選ばれたためにこうやっておれは命を張っているんだというところを見せていく必要性が僕は十分にあると思います。  それで、勇気というものを国民に投げ掛けられたらこの国はどんどんどんどん変わっていくと思いますので、是非みんなで努力して、みんなで頑張ってこの国をいい方向に進めていくことが僕は必要な時代だと思っております。そしてまた、心豊かな国づくり、この災害対策というのはそういった部分では重要なポイントを占めていると思いますので、是非皆さんの努力前進的な国づくりを推し進めてほしいと思います。  どうも今日はありがとうございました。どうも。
  29. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 前回の災害対策特別委員会で、私は井上防災担当大臣と、日本の憲法に沿って、居住権は基本的人権であり、その国が守るべき生命、財産を自然災害によって失ったということは、その守られるべき財産を失ったことに当たるわけだから、国がそれに対して支援をしていくのはごく当たり前のことではないかという論調を展開をさしていただきました。  その中で、日本は経済的に戦後すごく成長してきて豊かな国になったのに、災害弱者に対してはまだ非常に情けないことしかできていない国であるということも強く主張させていただきました。そして、災害被災者住宅再建に公費を入れることに前向きに取り組んでいただきたいと強く要請をいたしましたけれども、残念ながらまだ前向きな答弁が得られていないで今日に至っています。もちろんその間、その後、衆議院災害対策特別委員会の中で本法案の審議が行われてまいりました。  この法案改正案前提になったのは五年前、いわゆる九年前に阪神大震災が起こって、その後の対応の遅さ、国の対応の遅さから、市民団体や全国知事会が、住宅再建をするために、自立を支援するための何らかの制度が必要であるということで、全国知事会は自らの財政の中から拠出金を出して基金を作るということを行いました。そして法制化がされて、その中で、さっき大仁田議員が国会議員とは一体何なんだというふうに投げ掛けましたけれども、衆参両院の全国会議員が、五年後はこの住宅再建に対して充実施策が図られるように見直しなさいという附帯決議、附則を付けて、そして五年後に見直しなさいという附帯決議を付けて今日五年目を迎えています。  そういう状況であるならば、国会の意思というのは一体どこにあるのかということを私も言わせていただきたいと思います。あのとき、五年前、法案を成立させたこの日本の国会は、立法府としての国会は、今回の見直しの中に、住宅再建ができる、直接自立支援になる、そういう政策拡充をすべきであるということを全会一致で議決をしたということをまず申し上げておきたいと思います。  そしてさらに、この動きを受けて全国知事会は、去年の七月ですね、自然災害被災者支援制度創設等に関する緊急決議をして、前に基金で出した三百億円のほかに住宅再建に必要であるならば更に基金をあと三百億円積み増しをしようということを申し合わせて国会陳情に参りました。これを制度化してほしい。それを受けて、鴻池防災担当前大臣は前向きに取り組みたいという御答弁をされて、そして十六年度の概算要求の中で、この政策を実現すべく予算を計上した概算要求をしたわけでございます。しかし、そのことは、実現が今は少し後退をしてしまっているという状況にあると思います。  さらに加えて申し上げれば、平成十二年度の十二月に、国土庁は被災者住宅再建支援検討委員会を立ち上げまして、二年間の検討結果を加えました。そのときの報告書の中では、住宅は単体としては個人資産であるが、阪神淡路大震災のように大量な住宅が広範にわたって倒壊したときには、地域社会の復興と深く結び付いているため、地域にとってはある種の公共性を有しているものと考えられる、実際、被災者住宅生活再建が速やかに行われなければ、地域の経済活動は、活性化をし、その復興を促進することにはならないと、こういうふうに報告書で述べられていますよね。  そして、さらに中央防災会議は十四年の報告書の中で、十四年の七月ですね、行政としては、住宅所有、非所有にかかわらず、真に支援が必要な者に対して、住宅再建、補修、賃貸住宅への入居等に係る負担軽減などを含めた総合的な居住確保支援していくことが重要である、国は、現行支援に加えて、安定した居住確保のために支援策を講ずるべきであると、こういうふうに総理に答申をしている。  これらを総合的に、国会の動き、知事会の動き、そして内閣が諮問をした各委員会の答申、これらを受ければ、当然今回の法改正の中に住宅本体の補修費というようなものが明快に入ってきて当たり前なのに、そのことができない状況を私は非常に残念に思います。  井上大臣は、先ほども新聞の世論を代読されていましたけれども衆議院委員会の場所でも、朝日新聞の論調を踏まえて、まだ十分に醸成をされていないような御答弁があったように思うのですけれども、それでは、井上大臣は、その被災者、特別な災害ですよ、国が守れなかった災害ですよ、その災害住宅を失った人たちに対して公費で助成をする、そんな全額出すなんてもんじゃないでしょう、自立するためのわずかな部分を出すことに対して、まだ時期尚早だと考えていられるのでしょうか。
  30. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 今るるお話しになりましたけれども、正にそういう考え方を土台にいたしまして提案いたしましたのが今御審議をいただいている居住の安定制度に関する法律の改正なんですね。  確かに、住宅というのは非常に大切でありますし、地域社会を構成する上から、また住宅というのは必要である、だれしもそれは否定をしないわけでありますけれども、したがいまして、国も県も一緒になりましてそういった再建のために協力をして支援をしていこう、こういうことであります。その場合に、どの程度まで支援ができるのかというその問題があるわけです。二百万円ですね、今度居住は二百万円です。二百万円も支援をするという、そういう制度なんですね。  これはもう画期的な制度でありまして、その中に今御指摘部分が含まれるか含まれないかでありますが、これは今の住宅制度、要するに個人の、これはもう私有の財産の、本当に私有財産的なその部分ですね、これについてはやっぱり建築をする、維持管理をしていくというのは本人の責任じゃないかと。それができやすいようにできるだけの支援をしていこうというのが今の私は全体の最大公約数だと、こんなふうに考えております。  これは、今新聞の話出ましたけれども、朝日新聞だけじゃないんです。読売新聞もそうです。産経新聞はもうちょっと、この制度はいかがなものか、自助努力を阻害するんじゃないかというような、そういうような意見ですね。ほかの新聞も余りよく分かりません、主張は。しかし、やっぱり公費を建築費につぎ込んでいくことについては、これはやっぱり慎重に検討しないといけないよというのが私は大勢なんじゃないかと思うんですよね。  しかし、我々は何とか住居の再建については支援をしていきたい、こういう気持ちでありまして、それがまた皆さん方の気持ちでもあったわけでありまして、そういう中でぎりぎりどこまで支援していけるのか、こういうことを検討いたしまして、政府といたしまして今日のような制度に仕上げたということでありまして、何かいろんなことを言われますが、私はこれ大進歩だと思いますよ、これは。本当に、一歩じゃないんです、百歩の前進だと、こういうように私は御理解をいただきたいと思います。
  31. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 私は、大臣の政治家としての考え方がもう少し前面に出てきていいのではないかなというふうに思っているわけですけれども、世論、世論といいますか、そういうものと被災者である立場にある人たちの思いというのは、多少私は乖離をしていると思います。政治はそのときにどちらの側に立つかというときに、私たちは政治家として弱い立場、災害被害者である弱い立場の人の側に立って判断をするのが本来のあるべき政治の姿じゃないかと思っているわけでございます。  民主党は、この出されてきました政府案が非常に不十分であるということで、衆議院において修正案を野党共同提案で出させていただきました。しかし、その修正案の提出にもかかわらず、衆議院で否決をされるということで、誠に残念な結果でございます。しかし、今回、衆議院では四年後の見直しについて附帯決議を付けることができました。  これまで、私が先ほど申し上げましたように、各界各層の人々の努力に対して、政府としてどうこたえていかれるのかお聞きをしたいと思います。  総合的な検討の内容として、建築・補修費、本体への支援制度創設に向けて広範に検討すべきと考えますが、大臣お答えいただきたいと思います。
  32. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 私どもは、この法律案をベストのものと考えまして提案をさせていただいたものでございまして、そういう意味では是非とも早く成立をさせていただきたいと思っています。  ただ、附帯決議にありますように、時の経過とともにいろんな考え方も出てくると思います。これはもうここの附帯決議にありますとおり、我々は検討させていただくということであります。
  33. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 大臣、ベストというのはどういうことですか。ベストと言われるなら、なぜ、じゃ去年の十月、概算要求をされたときに、今の制度の仕組みとは多少違う仕組みで概算要求をされたんですか。それが受け入れられなかったんでしょう、財務省に。それでこういう形にならざるを得なかったんでしょう。鴻池前大臣考えていた制度の中身とはずっと後退しているはずですよ。それなのに、今、大臣はベストとおっしゃる。これは、とても私、国会の審議をしている者としては情けない答弁だというふうに思いますよ。  今日は、そういう意味で、財務省にも総務省にも参加をしていただきました。  財務副大臣にお尋ねをいたします。  概算要求ゼロ回答、そして大臣同士の、財務大臣防災大臣の復活折衝によってようやくこの制度制度化される、予算付けがされてきた経過について詳しく述べてください。
  34. 石井啓一

    ○副大臣(石井啓一君) 平成十年の被災者生活再建支援法制定の際の附帯決議や、また昨年の七月の全国知事会決議等を踏まえて、昨年夏の概算要求時点で、内閣府より、被災者居住安定制度創設を含む制度拡充について御要望がございました。年末にかけて両府省間で制度創設の是非を含めて事務的な折衝を行ってきたところでございます。  住宅本体の取扱いに関しましては、当初の内閣府の要求においては特段の条件付けはなかったわけでございますけれども、財務省といたしましては、まず個人住宅は典型的な私有財産でありまして、この維持については、地震保険加入耐震補強など、個人自助努力基本であると。公的資金による現金給付といった直接的な支援策の創設には問題が多いのではないかという点、また自然災害以外の、例えば失火による類焼等で住宅を失う方もいらっしゃいますので、自然災害の場合のみに直接的な支援を行うことは公平性の観点からも問題があるのではないか、こういった点から、予算の原案段階においては制度の新設自体をお断りをしたところでございます。  その後、防災担当大臣と財務大臣との間の復活折衝に際しまして政府として再検討を行いまして、個人の資産形成の公費による直接助成という形を取らないこととした上で、解体撤去費やローン利子など、災害被災者住宅再建、補修する際に負担する経費を幅広く対象とするなど、支援の充実を図ることとしたところでございます。  今回の制度改正につきましては、財政当局といたしましても、非常に厳しい財政状況ではございますが、被災者支援策の拡充という趣旨を最大限尊重といたしまして、国として可能なぎりぎりの範囲で財政面での支援策の拡充に踏み切ったものでございます。  以上であります。
  35. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 財務副大臣、国が基本的な人権として居住権の確保、そしてさらに生命、身体、財産を守るべき国の責務ということを明快に防災基本法にもうたわれていますけれども、こうした、じゃ国の責務はどうなさいますか。個人には、資産形成は個人の責務でやれと振っておきながら、この個人資産を失わせるべく自然災害を防げなかった国の責務ということについては、それではどういうふうにこたえていくのですか。
  36. 石井啓一

    ○副大臣(石井啓一君) これまで井上大臣からも御答弁あったかと存じますけれども、やはり私有財産の下では、財産というのは個人が自由にかつ排他的に処分できる代わりに個人責任の下に維持することが基本でございますので、そういった点で考えますと、住宅は典型的な私有財産である、こういったことから、今回の制度創設に当たってもそういった私有財産という基本を踏まえながらも、住宅再建の直接的な住宅本体支援ではございませんけれども生活再建をするスタートに当たってぎりぎりできるだけの経費を今回認めさせていただいたということで御理解を賜りたいと存じます。
  37. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 財務副大臣に聞きますけれども、国に入ってくる税金と地方に入ってくる税金の違いはありますでしょうか。
  38. 石井啓一

    ○副大臣(石井啓一君) どういう意味で違いとおっしゃっているか分かりませんけれども、税金という意味では変わらないと思いますが。
  39. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 地方がその税金を自分たちの独自の制度を作って個人住宅再建に支払うことは、それでは今の、あなたのさっきの御答弁では違法ということになりますか。
  40. 石井啓一

    ○副大臣(石井啓一君) 恐らく鳥取県とか宮城県の事例をおっしゃっているかと思いますが、そういう各地域で被災状況を踏まえた各地方自治体の独自の御判断も、それはそれであろうかと存じます。
  41. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 整合性がないじゃありませんか。国は公費を入れられない、地方では同じ税金なのに地方が入れる支援策についてはそれはいいんだと。これは衆議院質疑のときに井上大臣も、地方は金があるならどんどん入れればいいんだと、こういうふうに言っていられました、私は見ていましたのでよく覚えていますが。そういうふうな感覚であるとすると、地方の税金も国の税金も公費というとらえ方で見れば全く同じものであるのにかかわらず、地方で独自にやる住宅再建支援はよくて、国がそれには助けられないというこの論理矛盾をどう説明なさるのですか。財務大臣、答えてください。
  42. 石井啓一

    ○副大臣(石井啓一君) 先ほど申し上げましたように、地方は地方の独自の御判断があろうかと思いますけれども、地方の独自支援策があるからといってそれを国全体の施策に広げる、すなわちそれをそのまま国の施策とするということはなかなか難しいんじゃないかと思います。
  43. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 これまでもそういうことっていろいろあったんですよ。地方で様々な条例が作られてくる、地方でおおむね三分の一程度の条例が作り上げられると、国で法制化をしなければならないというようなことに追い込まれて法制化をしてくるというようなことがずっと起こってきていたんですね。  そういうことからすると、今度の鳥取の事例、宮城県の事例、そして兵庫県の事例などは、正に地方がもう黙っていられなくて、独自に立ち上がって制度化を始めている。これに対して、国はまだ財務大臣のような、井上大臣のような答弁の仕方をしている。国会が数歩後れている状況なんですよ。本来ならば国がリードをしてこうした災害被災者を助けていくようなことは積極的に制度化して地方に下ろしていくべき政策であるにもかかわらず、こうしたことが今現実に行われている。  今日は三宅島の議員の方も見えているそうですけれども、こうした国会のありようをどんな思いで見ていられるかと思います。本当に御推察をしたいというふうに思っているんですけれども、そうした今状況にあります。  財務大臣はそうやって答弁をしますけれども、これから先、何年後になるか分かりませんけれども、地方の声が高まってきて、財務大臣が私有財産について国で支援できないというこの一線を越えなければならないというところが必ず来ますよ。今ももう一歩、半歩越えていると私は思っているんですけれども、更にそれが拡大をしていく時期が来ると思っています。それが四年後の見直しのときにきちっと成就していかれるように、強く要望しておきたいと思います。  総務大臣にお聞きをいたします。総務副大臣にお聞きをいたします。  阪神淡路大震災後の被災者生活再建支援するために、全国知事会が本当に積極的に取り組んでまいりました、この九年間。そして、この法制度化に向けて積極的な動きをしてまいりました。総務省はこうした全国知事会の動きをどのように評価をされているのでしょうか。
  44. 山口俊一

    ○副大臣(山口俊一君) ただいま委員指摘のとおり、全国知事会の皆さん方、これまで随分こうした制度創設に向けて御尽力、御努力をしてこられました。そういったことに関しては、正直、大変評価をさせていただきたいと思っております。  また、そういった動きの中で今回御審議をいただいておる支援法の一部改正案というのも出てきたんではなかろうかなと思っておりますが、ただ、先ほど来の御議論にありますように、いわゆる住宅本体の分が入っておりませんねみたいなお話があるわけでありますけれども、実は先般、三月の十七日に全国知事会の方からも文書をいただきまして、附則とか附帯決議云々というようなお話はありますけれども前進考えられるところであるというふうなお話も実はいただいておりまして、やはり今回の法改正というのはそうした知事会の皆さん方始めいろんな方々の御努力の結果、先ほど大臣は百歩と言いましたが、大きな前進をしたんではないかというふうに考えております。
  45. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 総務省としては、鳥取県とかあるいは宮城県、兵庫県などのように、あるいは三宅島のことも入ると思います、あるいは十勝沖地震のことも入ってくるというふうに思いますけれども、こうした地域独自の災害再建、いわゆる住宅再建支援策について、総務省は今後どのような取組をしていくことになるのでしょうか。
  46. 山口俊一

    ○副大臣(山口俊一君) これまでも、実は災害に関しまして関係地方公共団体の実情を十分にお聞きをして、地方交付税あるいは地方債による地方財政措置を講じて、その財政運営に支障が生じないようにということで対処をしてまいりました。  御案内の、御指摘もございました宮城県、鳥取県の地震の際も、実情をお伺いをして、財政状況を勘案をして、その財政運営に支障が生じないようにというふうなことで措置をさせてきていただいておるところでありますが、ちなみに特別交付税に関しましても、鳥取県の場合は十四兆余り、地震だけで、災害だけでですが、あるいは宮城県の場合は十一兆ということで措置をさせていただいております。ただ、もう委員も御案内と思うんですが、ごめんなさい、億でございます、失礼いたしました、兆じゃありません。もう御案内だと思うんですけれども、やはりこの特交措置というのは国庫関連災害復旧事業費あるいは罹災の世帯数等客観的な指標を基本として実は配分をしておりまして、例えば先ほどお話がありました宮城県とか鳥取県が独自に住宅支援をやっておるということに着目したということではございません。
  47. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 そこが非常に私は残念なんですよね。もう国会の総意、国会の中ではそのことをもう前進させろという声で圧倒的多数ですよ。そういう中で議論が進められてきて、既に阪神・淡路から九年たっているんですよ。前回法改正からもう五年もたっている。  こういう状況ですので、是非、防災担当大臣の下で総務省、財務省きちっと連携を取って、四年後の法改正に向けてこの住宅本体への支援在り方、どうするかということを検討をしていただきたいと思います。  三人の大臣、副大臣にそれぞれ御決意を伺いたいと思います。是非前向きな御答弁をお願い申し上げます。
  48. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 私は、衆議院の方でも申し上げたんでありますけれども、各都道府県には都道府県独自の特別の事情があることがあると思います。したがいまして、全国的な制度だけではカバーできないところがあろうと思うんでありまして、そういう特別の事情のあるときに県の独自の税財源で対応するということはあり得ると私は思います。そういう場合は、恐らく今の建築費だとかというようなことじゃなしに、もっと特別な理由で、特別にここだけは手当てしないといけないぞというふうな、そういうところに着目した支援制度助成制度じゃないかと思うんであります。それは決して私どもは否定するものじゃございません。  私は、今の私有財産制度の下では住宅本体に対する建築そのものへの助成というのは非常に難しいと思うんですよね。これは、確かにそこまで助成をしろという方もあります。それはよく承知をしておりますけれども、それが全体の世論になっていく、考え方になっていくというのにはまだまだ距離があるんじゃないかと、こんなふうに思います。  ただ、せっかく附帯決議を付けていただいておりますので、真摯にこの附帯決議につきましては、附帯決議趣旨につきまして検討をしていきたいと、こんなふうに考えます。
  49. 山口俊一

    ○副大臣(山口俊一君) 今、大臣の方からお話があったわけでありますが、地方独自の事情というふうなお話も実はございまして、そういったことになりますと私どもとしても関係省庁といろいろ御相談をしながら、同時に附帯決議もいただいておるところでありますので検討してまいりたい。  ただ、現状も実はこの住宅本体周辺部分に出すわけですから、その分本体に御自身で回せるお金も出てくるというふうなことも一面あるわけでありますので、しっかり新しい法律の下での効果等々も見極めて検討させていただきたいと思っております。
  50. 石井啓一

    ○副大臣(石井啓一君) 今回の制度は従来の制度と比べましてやはり大きな前進が私どもはなされたんではないかというふうに思っておりますが、この附帯決議の御趣旨も踏まえてまた見直しが行われることと存じます。
  51. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 附帯決議の中には、残念ながら、国と地方の役割分担を踏まえつつという余計な言葉が入っているんですよね。それ違うと思うんですよ。政治というのは、国と地方が連携をして災害に立ち向かっていく、災害から自立していくという考え方でなければならないというふうに思うのですけれども、是非、連携をして頑張るという言葉を、それぞれ副大臣お答えいただけませんでしょうか。
  52. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) じゃ、石井副大臣からどうぞ。
  53. 石井啓一

    ○副大臣(石井啓一君) 見直しをする際には、当然のことながら各省庁よく協議してやるということになるかと存じます。
  54. 山口俊一

    ○副大臣(山口俊一君) 財務副大臣お話しのとおりで、しっかりと連携をして、本当に何がより効果的なのかということで考えていきたいと思います。
  55. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 最後に井上大臣にも、地方と国とよく連携をして災害に立ち向かうという御決意をお願いします。
  56. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 政府は一体でありますから、各省によってそう考え方が違うということはないと思います。一体になりまして地方の方とも話をさせていただくということでございます。  ただ、私、今議論を聞いておりまして、何かこう、予算要求をしますとその時点でもう何か関係各省が合意するというような感じに取られているようでありますけれども、これはいろんな考え方が各省によってあるわけですね。それぞれの省がそれぞれの考え方予算説明をする。場合によりましては、そうでない中間的なもっと別なアイデアが出てくる場合もありますし、なるほど財務省の言っているとおりだなというふうなことで、それを中心にまとめられることもありますし、いやいや、要求官庁の、ああこの意見ごもっともだということで、それを中心にまとめられることもあります。要は、よく議論をしまして政府として納得したところで決まるわけです。  非常に分かりやすいように、昔でいえば大蔵省が悪いんだと、これで片付けるところが非常にあったわけですよ。これは、ある意味のこれは責任逃れでありまして、私は政府というのはそういうものじゃないと思います。これはもう政府一体として考え方をまとめて、これでいこうということでやっておりますんで、今後につきましても同じようなことで対応していきたいと、このように考えます。
  57. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 ありがとうございました。  財務副大臣、総務副大臣は、私はこれで質問ありませんので、委員長の方でよろしくお願いいたします。
  58. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) じゃ、石井、山口両副大臣、御退席いただいて結構でございます。御苦労さまでございました。
  59. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 それでは、あとは尾見政策統括官とそれから大臣質問をしていきたいと思います。  まず統括官にお聞きをいたします。  本改正案では実質的なことはすべて政令以下にゆだねており、制度の内容が極めて不透明でございますが、法施行令、特に施行規則ではどのようなことを規定するのか。政府が四月一日施行に向けて既に準備しているとのことですので、その内容について明確に示されたいと思います。
  60. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) お答えをいたします。  まず、政令の見込み事項でございますけれども一つ支援対象経費の追加でございます。これは、住宅再建に係る解体撤去整地費あるいは債務に係る利息、債務保証料等、今回居住安定支援関係して認められた支援対象経費を追加するものでございます。その他、今回追加となる経費について二分の一の概算払ができること、それから法適用自然災害要件、これは隣接の市町村の場合は十戸じゃなくて五戸以上であれば適用になる、もうこの部分でございます。それから、大規模半壊世帯の定義でございます。その他、支援金の限度額は内閣府令で定める、こういうことを決めさせていただく予定であります。  内閣府令の見込み事項でございますが、居住安定支援のための支援金の限度額、例えば解体撤去、ローン利子等で二百万円とか、家賃等で五十万円と、そういうことを決めます。それから、支給対象経費の算出額でございますが、解体撤去につきましては、雑損控除との関係で三割を控除して七割までということになります。それから、ローン利子につきましては、ローン減税との関係で一%を超えて三・五%まで等々のことが決まります。それから、支援金の申請期間でありますが、これは、家賃につきましては二十五か月、その他については三十七か月、こういうことを決めさせていただきます。それから、長期避難解除世帯特例、これは三宅島の関係等でありますが、それについて決めさせていただく、こんなことになっております。
  61. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 これまでも法の施行状況の把握について被災者生活再建支援法関連調査というのが国土庁それから内閣府で毎年実施をされてまいりました。その報告書の冊子が作られていますけれども、その内容を調べてみますと、大変中身が分かりやすく、それで被災者がどういうふうに考えているかというようなことも詳しく載っていて、非常に有意義なものだというふうに思いますが、これの作成について継続をし、そしてさらに毎年公表をしていくべきだというふうに考えますけれども、この点についてはいかがでしょう。
  62. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) 本法の円滑な運用を図るために、制度運用状況課題などについて調査分析することを目的といたしまして、法制定時より予算を計上して、法が適用された自治体支援金支給された被災者に対して調査を実施してきているところでございます。その結果については適宜御要請をいただければ公表するということにしておりました。  今後につきましても当然調査は継続して実施をいたしますし、調査結果につきましてはホームページ等を活用し公表してまいりたいと思っております。
  63. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 先ほど統括官は、今度支援をする災害対象が、今まで十戸だったのが隣接する市町村についても五戸以上の全壊の世帯がある場合に該当するというようにおっしゃいましたけれども、この全壊五世帯以上とした、変えた根拠は何でしょうか。
  64. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) 一つは、まず現行制度の方から御説明させていただきますと、現行制度被災市町村の全壊世帯が十戸ということになっているわけであります。  この考え方でございますけれども、そもそもこの被災者生活再建支援制度は都道府県の相互扶助に基づいて対応しようということでありまして、本来被災都道府県が単独でこの制度が行われなければこういう支援を行うということに相なるわけでありますが、その共済というか相互扶助制度を使ってまでやるということになると、それが一定の規模というのは当然あります。一戸でありますと独自に対応できるかもしれませんが、ある程度のまとまりがあれば、まとまりがあったものについてこの相互扶助制度の適用を受けよう、こういうことが一つあります。国といたしましても、やはりその程度の規模の災害であれば国としても関与して必要な助成をするということで現在の制度が成り立っております。  そういう考え方から十戸という数字が出てきておりますが、これは具体的には、例えば災害救助法の場合の適用が、一番人口の少ない五千人規模のところで三十戸滅失という数字があります。その場合に支援法適用になるわけでありますけれども、そういうものを一応念頭に置いて、さらには、関連する制度でありますとか、例えば弔慰金の、災害弔慰金の場合の制度でありますとか、そういうことを念頭に置いて総合的に判断して決めさせていただいたということでありまして、今回の五戸は、そういう前提をそのままに置いて、実際この五年間に、実際に被災状況なんかを見てみると、ある一つのまとまった災害で、ここまでは、この市町村までは十戸だったと、隣が例えば八になった途端にこれは外れてしまうということについては、被災市町村とか被災者の間でやっぱり一種の公平感ということを考える必要があるんじゃないかと、こういうことでこういう五戸というのを打ち出したわけでございます。
  65. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 そこまでおっしゃるなら、自然災害本体の方も、人口十万人以下の市町村については十戸じゃなく五戸とすべきだったんじゃないですか。そこまで踏み込むべきだったんじゃないですか。
  66. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) 今申し上げましたように、制度基本としては、さっき、国が関与して助成するもの、あるいは都道府県間でこの相互扶助制度を適用してやらなきゃならない程度の災害の規模という基本は、やはりそのまま維持すべきだと。この辺については知事会等とも御議論した結果でこういうことに相なっているというふうに思っております。
  67. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 済みません、質問がちょっと飛び飛びになっちゃって、ごめんなさい。  さっきの調査、関連調査のことなんですけれども、その関連調査では、自由回答という形でその心情を書いてあるわけですけれども、その中で、支援金支給前提となる対象物件が限定されていて、事務手続も極めて煩瑣であるなどという意見が非常に多いんですよね。  今回、今回の改正に合わせて、被災者支援金の円滑かつ速やかな支給が受けられるように、これらの課題を見直し、制度をより使い勝手の良いものにすることが極めて重要であるというふうに思いますが、その手続の簡素化あるいは被災者の要望事項に対してもしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  68. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) まず、現在の百万円の支援金対象の品目について、対象品目の拡大というお声があるのは承知しております。ただ、この間、知事会等ともいろいろ御相談、御意見を伺っている中で、なかなか具体的に、じゃ、どういう品目かということは余り大きなお話としては出てこなかったというふうな事実があることだけ申し上げておきます。  あと、今回の支援金支給について円滑かつ速やかに支給をするというための運用面でのお話でございますけれども、例えば現行制度では通常経費と特別経費の概算払を受けるというふうにまず考えたときに、支給申請書というものがあります。それから、それぞれの通常経費と特別経費ごとに内訳書というのがあります。それは別様で作ることに例えばなっておりますけれども、それですと、共通の、住所とか氏名とかいろいろその中の記載事項がありますが、それを何度も書かないといけないと、こういう問題もあると。今度、対象経費が増えますと、書類もまた増えていくということも考えられますので、これは今、簡略化できないかということで、知事会等と検討させていただいているところであります。これは運用面の言わば通達というか、そういう世界での整理になるというふうに思います。  円滑かつ速やかな支援金支給ということに関しましては、先ほど政令事項で御説明させていただきましたけれども、何といっても概算払というようなものを活用するのが一番よろしいんではないかというふうに思っておりまして、限度額の二分の一を概算払できるように政令で措置するということにいたしているところでございます。
  69. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 できるだけ手続の簡素化に努めていただいて、それで、早急に手続が完了して支援金が受けられるような体制強化を図っていただきたいと思います。  現行制度では、年齢制限とか収入制限というのが掛かっております。そして、調べてみますと、三十代、四十代の中堅ファミリー世帯への支援が非常に薄い状態になっていると思われます。総務省の全国消費者実態調査結果によれば、三十代、四十代世帯の平均年収は六百万円から八百万円であり、現行制度の年収、年齢要件から見てほとんどが除外をされてしまうという状況ですね。一方、資産ということで見てみますと、六十歳以上の高齢者世帯の平均保有資産と比べて、三十代、四十代世帯は、その三分の一から二分の一程度にしかすぎません、資産で比較をするとね。だから、一概に所得、収入、月々の収入があるからといって住宅再建がよりスムーズにいくということにはならないと思うんですよ。しかも、ファミリー世帯、いわゆる三十代、四十代の人たちは、いわゆる子育ての世代でありまして、多額の教育費も掛かります。  このような世代の被災者が、賃貸住宅家賃補助を含めても本法の支援はほとんど受けられないというこの縛りですね、この制限について私は大変な問題だというふうに思っているんです。特に働き盛りの人たちに直接に行き渡るような支援でなければ、地域経済の復興とか、あるいは災害からの自立というようなことはますます遠くなっていくんだろうというふうに思います。  年収、年齢要件の妥当性、特に三十代、四十代の中堅ファミリー層への支援について、私は、今のままの制度が適用されないならば何らかのほかの制度が必要なんじゃないかと、こう思うのですけれども大臣、このことはどう考えますか。働き盛りの人たちには今度のこの法改正においても全部除外をされてしまうんですよね。もちろん、年収五百万円以下の世帯の人たちは対象になりますけれども、それは全体から見ても多くない数なんですよ。こういうことでは私はならないと思うのですけれども、いかがでしょうか。
  70. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) この生活支援制度といいますのは、五年前に制度が発足いたしましたけれども、想像が付きますように、こういう新しい制度につきましては、この対象をどうするのかということは非常に大きな私は議論になったと思うんですね。これまでは自分でやっていたんですから、それに、そういった人たちに対してこれを支援をしていくんですから、べたにやるというのはどうなのかというような議論がありまして、そんな中で、これは中央防災会議だったと思いますけれども議論の結果、真にこの支援を必要とする人に限定してやるんだと、そういうことで制度を発足させようじゃないかというようなことに相なりまして、それじゃ真に支援を必要とする人とはだれなのかというような議論になりまして、おおむねその対象者が五〇%ですね、五〇%、被災者で五〇%というようなところに線を引こうじゃないかということで、具体的に、何といいますか、検討して決めたのが今の制度なんですね。  ですから、これをまた検討してとなりますと、これ、大問題になりまして、なかなかおっしゃるようにはいきませんので、これはこれとして、一応中央防災会議考え方を踏襲しまして、今回は制度を設計させていただいたということでございます。
  71. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 私が訴えていることが御理解をいただけないのかな。  本当に必要としている世帯というのはやっぱり子育て中の世帯であり、日本の経済とか社会全体を立ち上がらせていくためにも支援が必要と私は思うんですよ、三十代、四十代の世帯に対して。だから、この年齢制限を取ることによって支給対象が少し広がってくるのではないかなと思うのであえて質問をしているわけですので、この次の改正、あるいはここは施行令とかでできるというふうに思いますので、十分に検討していただきたいと思います。尾見統括官、あったらどうぞ。
  72. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) この点については今大臣からも御説明を申し上げたところでありますが、具体的に真に支援の必要な者ということについては、様々な議論を経て、当時の立法府と政府お話をした上で決められた制度の根幹になります。したがって、現在の被災者生活再建支援法でも三条で、要するに支援対象者ということで、ここの収入要件と年齢要件は法定されているということで、政令以下に委任されておりませんので、そういうことで、かなりベーシックなものだと思います。  それともう一つ、今、先生がおっしゃった五百万超のいわゆる中堅の方々もやはり大変困難な状況にあると思います。それから、子育て支援と、そういう観点も必要なんじゃないかという御議論はよく分かります。分かりますが、本制度は、現在の世の中の中で残念ながらいろんな年齢層ごとに恐らく問題を抱えてみんな厳しい状況にあると思います。そういう中で、この制度一つのセーフティーネットとして、相対的にというか、相対的により厳しいと考えられる、例えば中高年の場合は再就職とかそういうのは非常に厳しいという現状があります。そういう現状なんかも考えてこういう制度が組み立てられているというふうに承知しているところでございます。
  73. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 私も、今度のこの改正案の中でローンについて支援ができる仕組みができていますが、しかしそれもこの年齢制限とか収入制限が掛かってくるんでしょう。若い三十代、四十代だったらローンは組むことが可能なんですね。住宅再建の意欲も非常に強いと思うんですよね。そうした利子補給とかそういうものにこれを使うことができないということが問題だと私は思っているので、何とかいいお知恵を絞っていただけないかと思って今日は取り上げました。よろしくお願いいたします。  それから、被災者支援を受ける対象かどうかという見極めを前年度の収入によって決めるということになっていますよね。そこは早急に支給をしていくためには、前年度の所得額で決めていくのは私は妥当な線だというふうに思うのですけれども被災者によっては、たった今もう収入の道が閉ざされてしまっていて、収入が激減をしていくことが明々白々という被災者も中にはいらっしゃるのではないかと思うのですが、そういう人たちが役所に行って手続をしたら、この今までのスキームとは別に追加的な特例的な措置で、被災者被災したことによって収入が途絶えたあるいは激減したという証明がなされれば、そこで支給対象になることができるというような特例措置考えてはいただけないでしょうか。その激減する世帯というのは非常に多くなってくると思うんですけれども
  74. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) お答えを申し上げます。  やっぱり制度運用する上で対象世帯の認定に係る基準日を設ける必要がある、これは先生も御理解を示していただいたところでありますが、その際、特例的なことでありましても被災後の状況の変化、こういうことまでを考慮すると、今災害との因果関係についても触れられましたけれども、等の問題が生じて、やはりその明確な線を引きませんと、何か制度間の、被災者間の公平というようなことも確保するということが厳しくなってくるんじゃないかと思います。被災後に例えば収入が減ると、いろんなケースもあると思います。それを一つにはその災害によるものということで、例えば税務当局の証明書なんかではっきり確認をできるということが本当にできるのかどうか、そういう問題もあると思います。それから、ほかの事情の場合との限界線のようなこともいろいろ出てくるんではないかと思います。  それから、これはやや役人的だといってしかられるかもしれませんが、被災後の状況も、例えば世帯構成員の数なんかも変化していきます。そういうものも、これを認めるんだったらこれはなぜ駄目なのかというようなことについてやはり統一的な考え方を整理するというのはなかなか困難だと思いますので、遺憾ながらやはりここは一つ基準日でがっちり決めさせていただくということで運用するということにさせていただいておるところであります。
  75. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 そういう答弁になると思っていましたので、今回の附帯決議の中でも、生活再建のためのニーズは被災世帯により多様であることを考慮し、弾力的な運用を図るように努めることということで、私たちは第一条で規定をしたわけなんですよね。その弾力的な運用の中にその収入の激減をした世帯に対する特別な配慮というのを入れていただきたいと思うんですよ。  地域には民生委員制度みたいなものもありますし、町内会が形成されているということもあります。町内会長さんや民生委員の立会いの下で、本当にその被災者生活が困窮するほど収入が激減をしている、所得が激減しているということが証明ができれば、私はそれは対象とするというようなことはやっていただけるんだろうと思いますよ。生活保護世帯を認定するときにもそういう町内会や民生委員がきちっと認定をするという仕組みもありますので、是非そこらは考えていただいて、今ここで否定されるなら否定しないでいただきたい、是非前向きに取り組んでいただきたい、御答弁いただけるなら前向きな御答弁でお願いをしたいと思います。
  76. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) 答弁しないの。
  77. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 しないの。残念ですね。答弁していただきたいですね。  私たちが、国会議員が附帯決議として持ってくるにはそれだけの理由があって盛り込んできているわけですから、ここは役人的な旧来の型にはまった自己保身的な考え方でなくて、大いに被災者に有利な立場に立って政策作りをやることがより国民の側に立った政治、小泉さんが言っている国民本意の政治ということになるんじゃないんですか。そこを是非、それができなければやっぱり政権交代以外にはないですよね。そういうことになるんですよ。是非お願いをいたします。  それから、制度を、この今回の法改正についてその制度趣旨が周知徹底がされているかどうかということなんですけれども、どういう形で広報していくつもりでしょうか。
  78. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) 居住安定支援制度趣旨及び具体的内容につきましては、この御審議でめでたく法案を通していただきましたら、直ちにいろんな形で国民及び地方公共団体方々に対して周知の徹底に万全を期してまいりたいと思っております。  なお、具体的に申し上げれば、直接の当事者といたしましては、基金がございますが、基金はリーフレットとかパンフレットを作成をしておりますので、今回の制度についてそれを取り入れた新しいそういうパンフレット等を作成して、それを、具体的な被災があった場合、あるいは多くの都道府県とか公共団体にそれを配布をさせていただく。同時に、都道府県とか市区町村におきましては広報紙における広報をするというふうに考えております。また、具体的に災害が起きましたときには、そういうリーフレット、パンフレットのたぐいの広報資料を活用して、必要に応じ説明会のようなものを開催をして御説明するということにいたしているところでございます。
  79. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 くれぐれも、国民が、ああ今度は国で制度ができたから三百万もらえるようになったんだと、地震保険入らぬでも大丈夫だとか、耐震の家をやらなくてもいいんだというようなことにならないように、積極的にその周知徹底をさせていただきたいというふうに思います。  それから、この制度、いわゆる居住安定支援制度の導入によって地方公共団体は非常に業務量が増大をすると思われるわけですけれども、そうした市町村に対してどんな支援をされていきますか。
  80. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) お答えいたします。  今後、制度の内容と運用上の留意点について地方公共団体に対して通知をさせていただく予定でございます。そういうことによって周知をするとともに、今度、知事会、市長会、町村会と連携をさせていただいて、分かりやすい手引書の作成、配布、それから研修会の実施等、特に窓口業務を担当する市町村職員に対する周知徹底を図っていきたいと、これが第一であります。  それから、大規模な災害が発生した場合の被害認定業務、これも増えてくることになりますが、これにつきましても都道府県職員の例えば応援を仰ぐとか、被災市町村の過度な負担を軽減するための方策について、知事会、市長会、町村会と十分相談して対応していきたいと思っております。
  81. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 住宅耐震化向上についてお尋ねをしていきたいと思います。  老朽の木造住宅の倒壊によって多くの人命が失われていくということは阪神淡路大震災のときに経験をしたわけですけれども、ある有識者によりますと、政治の責務として、生きた被災者の声を聞くばかりでなく、犠牲となった被災者の声なき声にも耳を傾けるべきだとする。いわゆる阪神淡路大震災犠牲者にとっては避難所の生活環境や生活再建課題なのではなく、耐震性が不十分な住宅に住んでいたこと自体に無念さを感じる、最大の課題はそこだったんだということを多分天国で訴えているんじゃないかというふうに思うのですね。犠牲者の視点に立てば、阪神淡路大震災の残された真の課題は、住宅再建というよりは、実は不十分な住宅耐震化の現状をどうするかということになるのではないかと思います。  政府としてこの課題に対してどのように対応していくのか、また公共施設の耐震化を計画的に早期実施する必要があると考えますけれども、これらの取組について、大臣から聞きましょうか、お願いいたします。
  82. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 御指摘ごもっともでございまして、そのとおりだというふうに考えます。  私は、国としてこれからどういうところに重点を置いていくかといいますと、やっぱりこれ、観測体制とかそれを土台にした災害予測ですね、こういうのはやっぱり大事だと思いますし、個人の立場からいいますと、やっぱり耐震化の工事を進めていくということが一番大切だというふうに思います。  この耐震化の工事につきましては、私は、原則的には市町村が一番の責任を負う立場じゃないかと思うんですけれども政府といたしましても、例えば融資制度だとか、あるいは税の制度ですね、こういったことで幅広く支援をしていく必要があると思いますし、また、政府の場合はこの耐震化なんかについての助成制度もありますけれども、これはやはり特定の場合、大変公共性の強い場合ですね、こういうのに特化せざるを得ないと思うんですね。だから、一般的にはやっぱり都道府県、特にやっぱり市町村にこれを力を入れていただきたいと思います。  そういう意味で、この現状についてのPR、それから自治体取組についてこれからお願いをしていくということが大切だと思います。
  83. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 今またそこで公共性ということが出てくるんですけれども、その公共性は大切ですけれども、しかし、国は国民の生命、身体、財産を守る責務を負っているということを是非お忘れにならないで、耐震化に対する予算確保を十分にしていただきたいと思います。  以上で終わります。  ありがとうございました。
  84. 白浜一良

    ○白浜一良君 冒頭に井上大臣にお伺いをしたいと思います。  自然災害に遭うと、今日もいろいろ御議論がございましたけれども、当然、自助共助公助という全体的な体制が必要なことはもう言うまでもございません。特に実際、災害に遭ってみたら公助があるというのは随分やっぱり励みになるし、やっぱり立ち上がるきっかけになるわけですね。  そういう面でいいますと、いわゆる生活再建という面でいいますと、あの大惨事でございました阪神淡路大震災までは何にもなかったわけで、あの不幸な大惨事を経験して何らかの制度が必要だということで、これ五年前にできた。五年後の見直しということで今回改正になっているわけですね。  ですから、当然、いろいろ今日も議論がございましたが、公助という面で見ると手厚い方がいいに決まっているわけでございます。ただ、今日の議論を聞いても分かりますように、基本的に、基本的な私有財産である住居に税金を入れていいか悪いかというのは、認めるか認めないかという、こういう議論はなかなか平行線で結論が出ないわけでございます。  そういうことはそういうこととして、本委員会附帯決議はまだ決めておりません。採決後に附帯決議を決めることになっておるんですが、その中に、四年後の見直しというのが入っているんですね。それで実際、施行されてみて、いろんなケースを勘案していただいて、当然もう見直すべきものは見直すんだという、そういう、何か原理的な掛け合いやっているんじゃなしに、実際、施行後の実態に即して見直すべきものは見直していくんだという担当大臣としての前向きなお答えをまず前提として伺っておきたいと思います。
  85. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) この衆議院附帯決議のときに、私どもは実は政府としての意見をあるかというふうなことで聞かれましたときに、やっぱり五年ぐらいたっていろんな実績が出てくるとかいろんな考え方が出てくる、それを整理をするというのはまあまあ最短の期間じゃないかというような話を申し上げたわけですね。  ですから、ある種のやっぱりこの期間の経過というのは必要なんでありますが、しかし、最終的に四年という具合に決まりましたので、我々も四年の間にできます限りいろんな検討をいたしまして結論を出していきたいと、こんなふうに思います。  率直に、今、これはこうだけれどもこれは駄目だとかいいとか、そういうあれのところ、今のところ全く持っておりませんので、真っ白な白紙の状況で、我々の主張は主張としてこれは御理解いただけると思うんです。私の立場といいますか、政府の立場としましてこれは申し上げています。  それはそうでありますけれども附帯決議検討につきましては、この附帯決議に即しましていろんな検討をさせていただきたいと、こんなふうに考えております。
  86. 白浜一良

    ○白浜一良君 実際、施行してみて、いろんなケースを懸命に受け止めて考えていただきたいと、このように思います。  それから、これは被災された方への支援制度なんですけれども、これは私、新聞で読んだんですが、東大の生産技術研究所の目黒先生ですか、こういうことをおっしゃっております。自主的に事前耐震補強を行った人とそうでない人の間で不公平が生じると、事後支援重視の政府を批判していらっしゃるという、こういう、新聞にも報道されておりました。  確かに、事前の準備というのもこれは大変災害という面では大事なことでございます。それで、いろんなのが、準備があるんですが、今日は二つだけ申し上げたいんですね。  一つは、地震保険、これがなかなか普及率が低いんですよね。今、幾らですか、昨年三月末で一六・四%、加入率がですね。火災保険は大抵入っていらっしゃると思うんですが。これ、いろいろ原因があると思うんですね。実際、地震が来るという実感性がお持ちでない方が多いということもあろうかと思います。それから、ちょっと保険料高いんですね。今、保険の種類が違いますけれども、ああいう入院保険とか一杯、外資系の損保がやっていますね。コマーシャルして、やって、随分国民も分かりやすいから入っていらっしゃるんでしょう。  そういう意味で、これは大臣、担当ではないんですが、事前備えという意味ではやっぱり、何というかな、もっと分かりやすい地震保険、金額でも入りやすい地震保険、これを国民の皆さんに普及すべきじゃないかと。そういう意味で、これは金融担当大臣になるんですかね、財務大臣になるんですか、金融担当大臣ですか、ともよく防災という観点から、大臣、一度お話しになって、そういう、保険会社の方にもっと国民に分かりやすいそういう地震保険、非常に加入しやすい保険を民間で開発して国民に啓蒙しなさいよというような督促をされたらいかがでしょうか。
  87. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) お説のとおりでありまして、私も同じようなことを考えておりますが、何せ今の現状のこの制度をきちっと理解する必要があると思うんですね。  なぜこんなに、こんな保険料率になっているのかとか、それはいろいろ考え方はあると思うんですね、どうしてこういう事故率の考え方なのかとかですね。それから、実績ですね。実際、保険料と支払との関係がある。これも損保の会社がやります場合と農協とどうも違っているんじゃないかというような感じもするわけでありまして、それはどう違っているのかというようなことで十分勉強しまして、何とか、この地震保険に皆さんが加入できるようにするのにはどうすりゃいいか、よく検討したいと思います。それで、一応勉強しましてよく、勉強不足だと思いますね、もう少し私どもも勉強しまして、それからあと所管のところといいますか、関係のところと話をさせていただきたいと、こんなふうに思います。
  88. 白浜一良

    ○白浜一良君 そういう、目に見えない努力なんですけれども、そういう一つ一つがやっぱり実って、国民の皆さんが御理解をいただけると思うんですね。ですから、そういう努力お願い申し上げたいと思うわけでございます。  それからもう一つは、いわゆる住居の耐震工事ですね。これも専門家はよく言います、耐震工事していたら実際被災されても随分違うと、そういう損壊度が全く違うというふうに言われるわけでございます。それでこれは、住居の耐震工事というのはいわゆる政府補助制度があるわけでございますが、今日、住宅局長、来ていただいているので、ちょっと説明していただけますか。
  89. 松野仁

    政府参考人松野仁君) お答えいたします。  現在、住宅耐震化の推進策を講じているところでございますが、現在の、平成十五年現在で申し上げますと、耐震診断あるいは耐震改修、これに補助を実施する場合に、地方公共団体に対しましてその費用の一部を補助するという制度を設けております。  ただ、現在のところは、平成十五年現在でございますが、補助対象地域が限定されているというようなこと等によりまだこの戸建て住宅に対する補助の実績が上がっていないという状況ではございます。
  90. 白浜一良

    ○白浜一良君 これ、大臣御存じだと思いますが、耐震の診断は平成十年度とかからそういう補助制度ができたみたいですね。それから、いわゆるこれは個人住宅です。十四年度から、今お話ございましたように、いわゆる耐震改修補助金、個人住宅に出ているわけでございますが、これ使われていない、全く、使われていないんですよ、せっかくこの制度を作ったんですが。  それで、これ、松野局長、これ何か解決策考えていらっしゃいますか。
  91. 松野仁

    政府参考人松野仁君) 現在、ただいま申し上げましたとおり、補助対象地域の要件などが限定されていること等によりましてまだ実績が上がっていない状況でございますが、このために、平成十六年度の今回の、現在、審議され、成立いたしました十六年度予算予算案におきましては、国の耐震改修費補助制度をより利用しやすいものにしたいということで、木造密集市街地に限定しておりました対象地域要件をおおむね一般的な住宅市街地であれば補助対象になり得るというような制度拡充を盛り込んでおります。  当該補助事業につきましては、住宅市街地総合整備費というものの中で設けておりまして、一応そのめどとしては十七億円程度ということではございますが、これは全体の大きな枠の中で運用できる制度になっておりますので、地方公共団体の要望額がこれを上回る場合にありましても全体枠の中でできるだけ対応してまいりたいと思っておりまして、一層の耐震改修促進を図ってまいりたいと考えております。
  92. 白浜一良

    ○白浜一良君 それで、今お話聞きますと、平成十六年度からいわゆる対象地域を、今までは密集市街地でもう極めて限定されていたと、今回は地方の中心都市の市街地まで全部拡大されるので増えるだろうということではございますが、なかなかこういう制度を作っても一般の国民の皆さん分からないんですよ。  だから、松野さんにお願いしておきますが、これ、予算が通ったので速やかに、こういう補助金出ますよということを、少なくとも、松野さんのお立場でいいますと、もう本当に現場の宅建業者まで分かるように、そういう住居の改築の相談とかですね、それは宅建業者が受けるわけでございますから、そういうときに、こういう補助金出る、耐震工事もできますよという、そういうことを現場の業者の皆さんまで告知できるというか、分かるようにしっかり業界を指導していただきたいと思いますが、いかがですか。
  93. 松野仁

    政府参考人松野仁君) 御指摘のとおりだと思います。  また、さらにもう一つは、これは公共団体が補助を行う場合に国が入れるという、その補助をすることができるという間接補助の姿を取っておりますので、是非地方公共団体にもこの補助制度を、公共団体の地域の中でその制度運用できるような制度自体を設けていただいて受け入れられるようにしていただきたいことと、御指摘のとおり、工務店まで含めてこの制度ができたと、拡充されたということを周知していきたいというふうに考えております。
  94. 白浜一良

    ○白浜一良君 今、住宅局長からお話ございましたが、大臣、確かに公共団体の役割が大事なんですね。やっぱりその地域の住民の方がよく分かっていただかないと。そういう分かっていただくためには、やっぱりそういう自治会とか町内会とかですね、またそれに情報を与える地方自治体の役割が大きいわけで、これ大臣、十四年度も十五年度も使われていないんです、実際。  十六年度、いよいよ明日、あさって、しあさってですか、から十六年度が始まるわけでございますが、制度が拡充されるわけで、少なくとも、日本全国が一番いいんですけれども、少なくとも東海地震とか東南海・南海地震とか、極めて予測されている、またそれに対する措置法を作った地域はこれは緊急を要するわけでございまして、そういう面で、防災という大臣の立場から、総務大臣の方にも申入れしていただいて、速やかにそういう地元自治体がこういうことを、その当該地域の住民にこういう制度がありますよという、告知できるようなそういう御努力をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  95. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) こういう制度といいますのは、もう必ずこの公共性ということが要求されるわけでありまして、どういう公共性説明をするのかということだと思うんですね。かつてのように、密集地域を絞りまして、そこに災害が起これば大変だということでそういうやり方もありましょうし、それじゃなかなかその支援ができないということで、今回、対象広くするというようなことでありますけれども、何といいますか、今のお話のように、例えば緊急性みたいなものを一つのメルクマールにして制度を組み立てていくというようなこともこれは検討に値すると思うのでありまして、御指摘がありますので、総務省の方ともよく御相談をさせていただきたいと思います。  まだあれでしょうな、通達は出していないんだろうと思うんだけれども、出していればまだ難しいと思うのでありますが、これからということでありますればよく話をさせていただきたいと思います。
  96. 白浜一良

    ○白浜一良君 それじゃ、よろしくお願いしたいと思います。  松野さん、結構でございます。
  97. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) 松野局長、退席していただいて結構です。
  98. 白浜一良

    ○白浜一良君 それから、先ほどからこの本改正案施行の話が出ておりますし、一部新聞報道もされているんですが、順調にいきますと、今日は議了採決されると、本委員会でですね、何もなければ水曜日の本会議で本法案が成立するという予測がされるわけでございますが、この改正案が本院を通過したとして、先々のことなんでうかつなことは統括官、言えないでしょうけれども、要するに四月一日から施行考えていいわけですか。
  99. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) 四月一日施行に向けて万全の準備をしているつもりでございます。
  100. 白浜一良

    ○白浜一良君 それで、前提といたしまして、これも先ほど少しお話に出ておりましたが、実際、被災地、災害が起こって被災地が生じましたら、どのぐらいの損害かという、本改正案に伴ったそういう識別をせなあかんわけですね、地元が。そのためには、地元の地方公務員の皆さん、担当される方、今地方もやっぱり財政難でどんどんどんどんやっぱり人員カットしているんですよ。そんな大変な中で任務遂行されるわけで、十分な研修体制が必要だと。何かホームページとかパンフレットだけばっと流してそれで終わりということじゃ、ちょっと理解が進まないんじゃないかと思うんですけれども、これはいかがですか。
  101. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) 先生のおっしゃるお話としては、一番大きいのはその被害被害の認定の業務だと思います。  それにつきましては、手元の資料ですと、例えば、平成十五年度、厚生労働省と連携して実施している研修がございますけれども、これは、例えば北海道、東北、関東ブロックだとか、幾つかのブロックに分けて研修会をやっておりまして、その中で、ここに今、手元にございますけれども、認定基準運用指針だとか、あるいは写真なども入っている参考資料だとか、こういうものを説明をさせていただいているというところでございます。  そういうことで、今後も、これについては、新しい制度の改正に伴ってこれも見直しをしていかなくてはいけませんので、できるだけ早くそれを手当てをして、また説明等に遺漏のないように対応していきたいと思っています。
  102. 白浜一良

    ○白浜一良君 じゃ、もう従来されているように、地方に赴いてブロックでやるんですか。まあ都道府県でいうと四十七か所になるから大変、で、ブロック体制でやるんですかね。そういう研修はちゃんとやりますよというふうに理解していいわけですね。丁寧にしていただきたいと思います。
  103. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) ええ、そういうふうに努めていきたいと思います。
  104. 白浜一良

    ○白浜一良君 それで、先ほど言いましたけれども、なかなか自治体の職員の皆さんも手薄なんで、少なくとも、そういう認定作業も含めてスムーズにはかどるためには、隣接市町村の、まあ大きな市町村でその市町村だけで充足できる体制組めるというところはいいですよ、だけれども、いろんな市町村の段階がございますから、やっぱり隣接の市町村がやっぱり応援し合うと、何かあったときに。そういう日常的な制度、体制というものを作るべきじゃないかと思うんですが、この点はどうなっていますか。
  105. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) 御指摘のように、各市町村のすべてに建築関係に例えば明るい職員が必置されているとか、その数が多いということではないように思います。宮城の北部地震のときの状況も調べてみましたけれども、多くの公共団体では、比較的建築関係の資格を持っておられる職員の方の多い市でありますとか、あるいは宮城県自体とか、そういうところから応援を仰いで被害認定の業務をやっているということが分かっております。  私ども、常日ごろから、応援、相互に応援するとか、都道府県から市町村に応援してもらうための一種のルール作り、協定みたいなものをしっかり準備していくようにというようなお話をしておりますが、具体的にそういうまだ協定の形できちっとされているものについては残念ながら余りないと思いますけれども、そういうことについてもきちんと対応していきたいと思っております。
  106. 白浜一良

    ○白浜一良君 消防なんかでしたら、まあほとんど応援し合える体制できているんですね。ただ、やっぱりそういう道筋を作らないと、こういう被災災害が起こって、直ちにそういう再建支援するために、そういういわゆる速やかに認定しなきゃならないと。それも慣れている人がやるわけじゃないんで、だから、そういう日常的にできる体制を、今統括官おっしゃったようにしっかり現場を指導していただきたいと、このように思います。  それから、もう一つお伺いしたいのは、応急危険度判定士いうんですか、これはこのぐらいのクラスだと、こういうふうにこの住居の倒壊した状況を見て判断する方、これが一級、二級建築士の皆さんが都道府県で研修受けてそういう資格を取られるということなんで、そういうふうに伺っています。伺っていますが、実際この都道府県の体制見て、この判断士の皆さんが災害あったときに、その地方自治体の役所の皆さんと一体になってばばあっとこう判断するような体制になっておるんですか。
  107. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) 応急危険度判定士につきましては、これは阪神・淡路の震災が一つの契機だと思いますけれども、やはり建築物の倒壊の危険性でありますとか、あるいは建築物の中が落下する可能性があるのかどうかとか、そういうことで災害直後からかなり集中的にそういうものをチェックして、宮城の例ですと、七千余りの建築物についてそれを調べられて、危険なものが千二百でありますとか注意が幾つとか、そういうような判定をしていただいております。それは非常によく機能されていると思います。  一方、被害認定に当たってこの災害応急危険度判定士の活用がどういうことだったかというのも関係の地方の方に聞いてみましたけれども、残念ながら、余り多くは活用されてないという現状があります。まず、お仕事の中身は、確かに建物の壁とか柱がどの程度傾斜しているかとか、共通の点が非常に多いように思います。ですから、その活用の可能性というのは当然あるんじゃないかと思いますけれども、こっちの被害認定の方は、市町村の罹災証明ということを通じて、最終的には、例えばこの支援制度支援金支給に当たる全壊になるのか半壊になるのか、今度ですと大規模半壊になるのかということに直結する、行政行為に直結するものということもありまして、今のところは、できれば行政機関の中にいる建築のノウハウを持った人に応援してもらうということで、活用されていないというのが現状なんじゃないかと思います。  これとても、きっちりとした主体性を持った上で専門家のその能力を補完的に活用させてもらうということは十分可能だと思いますので、そういう問題についても検討していく必要があるんじゃないか、こういうふうに思っております。
  108. 白浜一良

    ○白浜一良君 まあ、被災家屋が少ない場合は役所が出向いてそんな短期間のうちにできるかも分かりませんが、ああいう都市型の災害の場合、阪神・淡路もそうでございましたけれども、それはもう役所ではとてもできないですよね。ということは、日常的にそういう役所を核にしてそういう判定できるような、そういうボランティアというんですか、応援してくれる体制を作らなあきませんね。まず、それを、しっかり日常的にそういうチームワークを作ってほしいということと、作るべきだということと、その中に、建築士さんだけじゃなしに、いわゆる損害保険の鑑定士さんっていらっしゃいますね、これは民間でやってはるから物すごく詳しいんですよ。その被害状況を見て、ぱっとそういう、どんだけ保険出すかというのを決めはるわけですから。そういう方も、これは建築とは全然関係ない、縦割り省庁でいうと所管が違うんで難しいかも分かりませんが、幅広いそういうボランティアのチームを組んで、それ、そういう人たちがそういう役所をサポートしてもらうというような、そういう体制を作られたらいいんじゃないかと思うわけですが、いかがでございますか。
  109. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) 先生おっしゃいますように、急に多くの仕事をする場合に、やっぱり専門家の能力を活用させていただくということは大事なことだと思っていますので、今の災害応急判定士のお話でありますとか損害保険の鑑定人のお話もそういうものの一つとして受け止めたいと思いますけれども。  ただ、一点だけ、損害鑑定人につきますと、現在の被害認定基準につきましては各省庁とも共通の基準になっておりますが、損害保険の場合は、基本的なところでそう変わらないんですけれども、一応別建てみたいなことになっていまして、直ちにそのノウハウがどこまで活用できるのか、それはちょっと今後調べてみないと分からないところもあります。意見もお聞きして取り組んでいきたいと、こういうふうに思っております。
  110. 白浜一良

    ○白浜一良君 大臣、何かこれ、御意見ございますか。これ、縦割りなんで、建築士さんでいいんですよ、建築士さんでいいんですが、まあ忙しいしね、いざとなったときにわっと応援してもらえるかどうかも分からないんで、ちょっと所管的にいうと他省庁の、そういうよく、そういう家屋の倒壊状況を把握できるような、そういう人たち、能力持った人たちにも応援してもらうような、そういう体制を組んだらどうかということを私、統括官に申し上げたわけでございますが、特段御意見ございますか。
  111. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) まあ、この被災地、被災者につきましては、実際自分の家がどういう具合に判定されるのかとか、あるいはどういう危険さを持っているのかということを的確に早く知りたいというのは、これはもう当然のことだと思うんでありまして、都道府県とか市町村が中心になってやるとは思うんだけれども、実際、規模の小さい災害ならともかくも、多少大きくなりますとなかなか市町村独自ではこれできないと思うんですね。  だから、そういう意味で、やっぱりある程度広域的なことを考えて、今言われますような、広域的にぱっと支援できるようなそういう体制作りといいますか、こういう支援者をきちっと確保していく、できれば何か組織のようなものを作れれば非常によろしいんじゃないかと思います。
  112. 白浜一良

    ○白浜一良君 よく御検討いただきたいと思います。  時間が参りましたので最後の質問にしたいと思いますが、今回の法改正で、二年以内に被災市町村に戻って居住する世帯に対し、移転費、物品購入、補修に必要な経費を七十万を上限支給する、こういう内容が組み込まれているということなんですが、三宅島の本当に島民の方はもう大変な難渋をされているわけですね。郷里に帰りたいという気持ちは一杯あっても帰れないという、そういう状況で御苦労をされているわけでございます。その例から見ても分かりますように、戻るときにいろいろこういう費用が出るということになっているんですが、どういうタイミングで実際的に支援してくれるかということが、タイミングが大事なんですね。何か、帰って落ち着いてから書類手続して支援くれるというんじゃ、これは同じ支援をいただいても有り難みがないというか、こういういよいよ帰るというそういうタイミングでやっぱりそういう支援金を差し上げるというのが大変効果的な使われ方になるわけでございます。  そういう面で、これも、政令になるんですか省令になるんですか知りませんけれども、そういうタイミングよくこの制度を生かすということが私大事だと思うんですが、最後にその辺のお考えを確認して質問を終わりたいと思います。
  113. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) 長期避難解除世帯支給特例につきましては、避難指示解除後に必要となる移転費、物品購入費、修理費に対して支援するということで、現在内閣府で府令で規定すべき準備をしておるところでございます。そこで、基本的には避難指示が解除された後で支出する経費、こういうふうに考えています。  これから先、まだこれは仮定の問題でありますけれども、帰島に向けて仮にその諸条件が整ったときに、いろんなステップを踏むと思いますけれども、ここで考えておりますのは、避難指示解除ということで、その段階は、直後に島に行かれる方もいるかもしれません。それから、まだ東京の方に、東京とかその他におられている方もいるかもしれません。しかし、東京におられる方についても、帰島の意思が何らかの形で明示されて帰るということであれば、避難指示解除後であればこの支給というようなことができると、こういうことに相なるだろうと思います。  その他、その辺について、まだ実は子細に詰めておりませんが、概算払の活用だとか、そういうことも含めて、おっしゃった趣旨を十分に体していけるように考えていきたいと思っております。以上です。
  114. 白浜一良

    ○白浜一良君 終わります。
  115. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 日本共産党の大沢辰美でございます。  当改正案を受けて、今議論が続いているわけですけれども、各マスコミは、私が見た新聞では、この法案は半歩前進被災地の闘いは続く、支援対象など課題山積み、公助の原点の議論を、第一歩にも笑顔なく、などなど、被災地の厳しい声が報道されています。    〔委員長退席、理事太田豊秋君着席〕  現行法ができてこの五年間、旧国土庁による被災者住宅再建支援在り方に関する検討委員会も一年八か月掛けて検討されました。そしてまた、中央防災会議も一昨年、行政としては、被災者生活再建支援するという観点から、住宅所有、非所有にかかわらず、真に支援が必要な者に対して住宅再建、補修、賃貸住宅の入居者に係る負担軽減などを含め総合的な居住確保支援していくことが重要であると提言をされていますね。そして私は、住宅等の支援在り方がこの本当に五年間もうずっと問われ続けてきたと思うんです。  だから、今ずっと論議がありましたから、個人自助努力やお互いの助け合う共助のみでは住宅再建は非常に困難であったことが私は証明されたのではないかと思うんです。だから、今、個人住宅に私は今税金を投入するかどうかの今ずっと論議もあったわけですけれども、その理由が私は成り立つかどうかという前に、大臣住宅本体の公的支援がなければ被災者住宅再建は困難であることをお認めになるのか、それとも住宅本体の公的支援がなくても大多数の住宅再建は可能だという認識になっているのか、一応大臣のまず見解をお聞きしたいと思います。
  116. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 住宅再建をするかどうかというのは被災者の意思によると思うのでありますけれども、少なくとも、今回のこの制度というのは、住宅再建しようとする人に対して支援をするという制度でありまして、住宅再建に大いに役立つだろうというふうに考えております。    〔理事太田豊秋君退席、委員長着席〕
  117. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 先ほどの論議の中で大臣は、住宅再建支援に対する支援在り方として、国民全体のコンセンサスが得られないことを挙げられたと思うんですが、私はその点については、阪神淡路大震災のときも、今三宅島の人たちが避難していますけれども、全国から私たくさんの支援が寄せられたと思うんです。そして、住宅再建についても全国から多くの皆さんの署名が集められました。だから、国民のコンセンサスと言うならば、十分に私は得られたと思っていますが、その点はどうでしょうか。
  118. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 私どもは、こういう制度を作り上げますその過程におきまして、政府部内におきましていろんな検討をすることは当然でありますし、いろんなところの意見は聞くわけですね。確かにおっしゃるように、住宅の建築について公費をつぎ込むべきだという意見もありますけれども、私は度々申し上げますように、朝日新聞とか読売新聞とかその他の新聞が、やっぱりそこには、公助というものと個人住宅というものとの間には一定のやっぱり線引きがあってしかるべきじゃないのか、考え方の整理をする必要があると、こういうことを言っているわけでありまして、この制度自身が住宅再建に大変役立つだろうということはだれしも認めているわけですね。まあまあいいところで線を引いて公助を決めたんじゃないのかなというのが大方の見解だったんじゃないかというふうに理解をしております。
  119. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 じゃ、大臣は結局、国民のコンセンサスを得ることができたならば、今私得られていると思いますけれども個人住宅への住宅支援は可能という考え方でしょうか。
  120. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 国民意識がどう動くかは別にいたしまして、私有財産制度前提にする、そういった場合に、個人住宅でありますとか個人住宅用の土地、宅地につきましては、私はこれに対する助成というのは最後まで問題として残る部分だろうと、こんなふうに思います。したがって、遠い将来のところはいざ知らず、私有財産制度というものを前提にする限りにおきましては、この考え方を変えるというのは非常に難しいことじゃないのかなと、こんなふうに思います。
  121. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 私は、兵庫県で阪神淡路大震災を経験された大臣が、災害という特別な事態、住宅を失われたという特別事態、住宅を焼かれたというその事態の中で公的支援をどうするかということを私はお尋ねしているわけですね。そこを私は原点にしてこの法の論議をしていただかないと、一般論でやっていたならば私はそういう答弁になると思うんです。そこをしっかりと踏まえてこれからの質問に対してお答えをいただきたいと思います。  私は、この五年間の被災者支援の実態というのを皆さんのところに資料として、第一というのがありますが、そこにお配りをさせていただきました。この五年間、本当にすごい各地での災害が発生して、おうちを失っています。そして、半壊世帯、半壊住宅の方もたくさんいらっしゃいます。そういう中で、今度の改正によってこの人たちは、この被災者支援がどのように改善をされるのか、説明をしてくださいますか。
  122. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) お尋ねは、今後の災害について今回の制度がどういうふうな適用のことになるかという数字という意味でしょうか。
  123. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 この五年間の災害の一覧表を資料でお渡ししていますね。この被災者の皆さんが、もしこの改正がやられたときにはどう改善されるのかという点でございます。
  124. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) ここの全壊世帯につきましては、これを例えば再建をするという形になりますと、二百万円の、最大限二百万円の給付が予定される世帯ということに相なるというふうに考えます。  半壊世帯につきましては、このうち規模半壊世帯というものが対象になりますので、それにつきましては、具体的にどのくらいのものがこれの対象になるのかということは今計算をしておりません。  それから、家賃の補助でありますとかそういうものにつきましては、全壊後にどういう住み替えになるかということにもなりますので、そういう意味では、全壊世帯の方が一〇〇%例えば再建するとしたらどうというような仮定を置いた議論はできるかと思いますけれども、その辺のところの言わば住み替えパターンというようなものがこれからいろいろあろうと思いますので、直ちに明確な数字で申し上げることはできないと思います。
  125. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 確かに、資金、支給金額は増えたわけですが、その内容については増えると思うんです。でも、この表を見ていただいたら分かりますように、私は、全半壊、その人たちもすべて被災者として支援金が支払われたのは約二三%にすぎないわけですよね。ですから、この改正案によってどう変わるかといっても、余り変わらないのではないかということを指摘をしたいわけです。  次に、もう一つ比較したいのは、阪神淡路大震災被災者に対して行われた支援措置の内容と、そして今度改正案にある支援措置の内容について比較をしてみました。これが配付資料の二であります。  その左の方に、①倒壊家屋解体撤去費、いわゆる住宅関連支援ですね。これは、解体撤去費は、阪神大震災では所得制限なしで、再建の意思のあるなしにかかわらず一戸当たり平均二百一万円、公費で撤去されました。改正案では、解体撤去費用は再建しなければ一切出ません。  ③のローンのところですね、利子補給について。阪神大震災では利子補給のみで、平均百七十一万円が支給されました。だけれども改正案では、解体撤去費用、ローンも含めてすべての支援策の上限が二百万円となります。  ⑤の民間住宅家賃補助については、阪神大震災では百二十六万円の支給です。だけれども改正案では上限は五十万円ですね。  だから、私は、今回の改正案では居住安定支援制度創設と言っていますけれども、今でも住宅再建ができなくて苦しんでいる阪神大震災の被災者に対して行われた支援より、私は、改正案の方が金額でも低い水準であると思いますが、これで改正と言えるのでしょうか。その点についてお聞きします。
  126. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) 今、先生阪神淡路大震災のときに取られた措置と、それから今回の改正案についての比較をされてお話があったわけでありますけれども阪神淡路大震災の際に取られた支援措置、いろいろございます。ございますけれども、私どもは、できる限りその中から今回の制度に反映できるものについては反映しようと、こういう考え方で、被災した住宅の解体整地費とかあるいはローンの利子関係、それからローン保証料、家賃補助、それから住宅建て替えに係る諸経費、こういうものを幅広く支援対象経費に加えた、こういうことであります。  基本的なところを申し上げますと、今回の制度は、阪神・淡路のような超弩級の災害ではなくて、この資料にもありますように、この五年間では十幾つという災害で、年に二、三度は起こる、起こり得る災害について適用するという考え方でございますので、阪神・淡路のように、ある意味で国、地方も特例的な措置をやった、あるいは基金事業というようなものについて、これもいろんな取組がされたと思います。そういうものと同列に論じることはできないのではないか、こういうふうに思っております。
  127. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 阪神淡路大震災特例でやったと言いますが、確かにこの比較をしたら、私は今の改正案基準の方が低いという指摘をしました。だけど、今なお阪神淡路大震災で、この前質問いたしましたけれども住宅から強制撤去させられるような、家賃、そして家賃が払えなくてそういう状態に追い込まれているという実態も皆様に訴えをさせていただきました。  そういう特例措置をやったというこの大震災でも、こんな状態の中で、今、私は今、尾見さんが答弁された、私は大きな災害、そして今私が一覧表で出している、何か通常起こり得るという表現がされたんでしょうか、この災害とはまた違うんだという表現されましたけれども、私はこれはおかしい見解だと思うんですね。大きい災害であっても小さな災害であっても、一人の、また一軒の家を失うということは同じなんですよね。その観点はしっかりと押さえて、どんな災害にも対応できる法の改正を求めていきたいと思います。  私は、本当にこういう状況を、ずっとこの改正案を皆さんとともに、この五年たったらこの法案を改正したい、いいものにしていきたいという思いで今日まで頑張ってまいりましたけれども、本当に問題点がやはり残されたままになっていますね。それは、今もちょっと指摘がありましたけれども、年齢、年収、これが限定されているために非常に困難を来している問題ですね。内閣府がこれは調査している実態調査なんですが、夫婦共働きだと支援金を受け取れる収入制限から外れてしまうと。子育てや親御さんの介護などで一番出費の多い世代である収入の層に支援がないのはおかしいという意見も寄せられて、それを内閣府は受け止めていると思うんですね。  私はまた阪神淡路大震災でも実態調査を行いましたけれども、やはりその内容を見たら、年齢層は三十代という報告もありましたが、四十代、五十代が中心になっています。世帯主の年収は六百万から八百万円というその層が大体二三%を占めていると実態調査も出ています。ですから、この調査を見れば、やはり年齢制限、所得制限というのは非常にこの支援を狭めてしまうということがこれまでの経験なんですから、これはどうしても外していただきたいと思うんですが、その調査の結果をどう受け止められますか。
  128. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) 今、先生がおっしゃった調査につきましては、私、今ちょっと手元に資料ございませんけれども。アンケート調査のことをおっしゃっているんですか。ああ、そうですか。  このアンケート調査でいろんな御意見はあるとは思います。毎年やっております調査で、被災者の方あるいは公共団体の方からいろんな御意見があります。その中に、年収・年齢要件についての見直しを求めるお声があることは承知をしております。  ただ、先ほど来御説明させていただいておりますように、この年収・年齢要件につきましては、この被災者支援制度の言わば骨格になっている部分だというふうに承知をしておりまして、これは法成立のときに、これは議員立法でありますけれども、各党の中でいろんな議論があって、その中で政府の方とも十分調整をされて、制度の骨格を決める事柄として真に支援が必要な、真に支援が必要な範囲というのはどういうふうにすべきかということについて様々な御議論があった上で定められたものだと思っております。本法においても、支援金支給と並んでこの収入要件、年齢要件が法定化されているというのは、そのことを如実に物語っているものだというふうに思います。  だからといって、この点については一切見直しとか、そういう議論があり得ないのかというふうに、私どもはそこまで申し上げておりませんけれども、この制度の根幹的な議論でありますので、そういう意味では実際上、今の支給の状態を見てみますと、この五年間で七八%、全体の七八%ぐらいに支援金が渡っていると、こういう事実もございますので、直ちにこの問題について見直しを行わなければならない事態であるというふうには言えないのではないかと思っております。
  129. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 真に必要なという言葉を時々使われましたけれども、私は、災害による被害がどのくらい重い負担になるかというのは、実際に被災を経験した人、その人でないと分からないんですよね。  阪神大震災の後の被害実態調査というのも私たちやりました。その生活を取り戻すために平均二千四百八十八万円必要という被害実態が出されています。私は、震災を受けた人たちがゼロから出発だという言葉を使われる方がありますが、そうじゃなくて、マイナスから出発なんだということなんですね。失って何もなくなって、そしてまた借金が残っているわけですから、マイナスなんですよね。そこをこの法案の皆さんが、真に必要な層だとか、年齢だとか、所得の基準を何かきっぱりと決めないといけないんだという言い方をしていますけれども、そうじゃないんだということを一点押さえていただきたいと思うんです。  今も七八%の人に支給をしていると言われましたが、じゃ二二%の人たちは支給されていないという実態ですね。私は、全半壊、半壊ということを強く言っていますけれども、その人たちから見れば実に七七%の人が支援がされていないんですよ。これでは再建できないということがはっきり言えるということを、この改正案を私は受けて、強く改善をしなければ住宅再建できないということを強く申し上げて、もう一点、今、阪神淡路大震災の問題でお聞きしましたけれども三宅の問題でお聞きしたいと思います。  御存じのように、今日も三宅の村会議員の皆さんがこちらに傍聴に来られています。私たち災害対策特別委員会も、昨年、現地を訪れさせていただいて実態の調査をさせていただきました。そこで、三宅島の住宅再建支援についてでございますけれども、今回の改正によってどのようにこの支援が、今避難していらっしゃるわけですけれども、変わるのか、そして改善がされるのかという点をまずお聞きしたいと思います。
  130. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) 三宅島の問題でございますけれども一つには、生活再建支援金について先ほど来御説明させていただきましているように、避難解除後に必要となる例えば引っ越し経費でありますとかいろんな家財道具の購入費でありますとか、そういうものについて七十万円を上限として二度目の支給を行うということ、これは三百万円の枠の中でございますけれども、そういうことを特例措置として規定させていただいているということが一点であります。  それから、三宅島につきましては、長期避難特例ということで、今、全世帯といいますか、そういうものが全壊世帯としてみなされて支援法の適用があるということになっておりますので、今後、避難解除後、帰島されて住宅を例えば再建する等の事態になったときには、今回の被災者再建支援制度の拡充ということで、居住安定支援制度の適用がなされるというものと考えております。
  131. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 三宅村が、昨年、被害の実態調査をされていると思うんですが、その結果はどういう状況になっていますか、教えてくださいますか。
  132. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) ちょっと私の記憶のあるところであると思いますけれども、統一的な被害調査かどうかは分かりませんが、私が三宅島の住宅についてある現象としてはどういうことがあるかというのは、一つはシロアリの被害というものがあります。シロアリの被害で、家に帰って家の面倒を見るということがないということも起因して、それがかなりの程度及んでいる住宅があるんじゃないかということが一つです。  それから、屋根が火山ガス等で傷んで、それで住宅の本体の中、住宅の中に雨水が入っていろいろ腐食するというような事態になっている部分、さらには、土石流じゃありませんで、泥流ですね、泥流でもって住宅の中に土砂が堆積をしているというような住宅、それによって毀損されているところもあると思いますが、そういうような被害状況があるのではないかというふうに思っております。
  133. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 その被害は私たちも見てまいりましたので、分かっております。  今、私がお聞きしたいのは、被害実態調査、いわゆる被害費用という数字が出ていると思うんです。その数字について教えていただけますか。
  134. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) 済みません。直ちにちょっと、把握しておりません。
  135. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 私が、新聞報道ですけれども、調べさせていただいた結果、被害実態調査の現段階での修繕費ですね、これに掛かる費用は平均二百九十六万円と書いてありますね。そして、東、島の東部ですね、この全壊に近い住宅では二千五百五十八万円必要だと出ていますが、これは間違いありませんか。
  136. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) 新聞記事ということでございますと、新聞記事には確かに見出しに住宅修繕費二百九十六万円という数字が躍っておりますが、内容的には火山ガス濃度が比較的高い東部の全損に近い住宅、今、先生指摘になった数字もありましたが、そういうようなものを全部ひっくるめての被害の見込みであるというふうにこの記事からは読めると思います。
  137. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 実態の調査をされた結果の報告ですから、間違いがないと思うんです。そうすれば、被災者の人たちが今避難していらっしゃって、やっと島に帰れるようになった段階で、この住宅再建するにも、そして修繕をするにも、平均が二百九十六万円掛かるという、そしてひどいところでは二千五百万余り。私は、阪神淡路大震災の今数字を出しましたけれども、その人たちも二千四百八十八万円必要だったという、だから、本当にこの数字は的確に出ていると思うんですね。  そうすれば、今度の改正案でこの人たちは救済できないということになりますが、特別な措置検討されるかどうか、お聞きしたいと思います。
  138. 尾見博武

    政府参考人尾見博武君) 今、担当者からその説明を受けましたけれども、この調査は三宅島が行った調査だというふうに私ども承知しておりません。民間のコンサルタントが一種の社員研修用にというか、そういうことでまとめられたのではないかというふうに承知しました。そういうことではないかと思います。  実際問題として、三宅村の住宅被害というのは、なかなか体系的、組織的に現況を把握するというのは難しいということを言わざるを得ないと思います。もちろん、一時帰島それから二泊三日とか三泊四日の帰島も含めて、多くの方が自宅の点検に行かれたり、あるいはその際にいろいろ手直しをされたりというようなことをされていると思いますけれども、まだ全体ですね、避難指示が将来解除されて全容についてきちっと把握をできた段階でないと、その辺のところはきちっとしたその状況は把握できないのではないかと思っております。  いずれにしても、今、私どもは、三宅村、東京都との間でこういう住宅の問題についてもいろいろ相談する場があります。三宅島の帰島準備プログラムも明日には出させていただく運びになっておりますので、こういう問題についても実際本当にどのぐらい掛かるのか、そういうこともきちっと視野に入れていかなくちゃいけないというふうに思っております。
  139. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 大臣、私は、これは民間に村が委託したのではないかなという、新聞報道ですから。でも、数字的には、私たちも現場災害特別委員会で見てまいりましたから、大体数字的には被害実態は合っているのではないかなと思うんですね。  じゃ、その人たちが帰るという希望が持てるように、今の段階からこういう調査の結果どう対応すれば、どう特別措置を講じれば三宅の人たちが安心して帰れるようになるかということが今政府に問われていると思うんです。今も、村と都と相談しながら、そういうテーブルがあるとおっしゃいましたけれども、そういうテーブルがあるということも聞いています。あるならば、余計、現段階からそのことを進めることによって避難している人たちが安心して計画が立てられるようにするべきだと。特定の、正に改正案に基づく内容では救済できないと思いますので、その点、大臣からお伺いしたいと思います。
  140. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 三宅島の皆さんが三宅村の方へお帰りになるのは、少なくとも生活上安全だということがもう大前提だと思うんですね。これにつきましては、科学的なそういう一つの数値もあろうと思いますし、あるいは三宅島の皆さん方あるいは東京都、まあまあこれぐらいだったらいいんじゃないかというような、そういうような大方のコンセンサスが得られるような状況、安全な状況の中で私は帰島が始まるんじゃないかと思うんです。  帰島の場合は、今問題になっております住宅だけのことではなしに、実際、いろんなことを検討して準備をして実行していかないといけないわけでありまして、それにつきまして三宅島、東京都、国の方でいろんな検討をやっております。かなり細かい検討をいたしておりまして、各項目、事項ごとにどういうような支援ができるのかとか、どこまでやるのかというようなこと、これは生活のこと、それから基盤整備のこととか学校のこととかいろんなことがありますけれども、それらにつきまして一々細かく検討をいたしていると承知をいたしておりますけれども住宅のこともいろいろと御指摘のような問題あるかも分かりませんけれども、これは今回の制度によりましてひとつ住宅再建をやっていただきたいと思うし、これを含めて、これだけで三宅島の人たちが島へ帰るということはできないわけでありまして、できます限り円滑に帰島できますようなことを関係者の中でよく協議をして協議に従って実行していきたいと、そんなふうに思います。
  141. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 本当に抽象的で、いろいろある、住宅のこともその一つだとおっしゃいましたけれども、私は、住む家があるかどうかが帰る前提になると思うんです。そこをきちっと押さえていただいて、これからの検討課題の私は特別措置対応考えていただきたいということを強く申し上げたいと思います。  そして、私は最後に、本当に阪神淡路大震災の問題と三宅の問題を中心住宅再建をどう進めていくかという点での、この改正案を通じての論議が重ねられたと思います。確かに金額的には百万円から三百万円という支援金額は上がりました。しかし、今ずっと述べましたように、いろんな条件があって多くの人たちが受けられないという実態もあります。  できるだけすべての人たちがこの支援策を受けられるような状態に作ることも大事だと思いますし、そして今、個人住宅に対しての支援在り方ということで非常に大臣はかたくなにおっしゃっていましたけれども、私は一つ共通して認識を一致できたのは、国民のコンセンサスが得られれば個人住宅への再建支援は可能という方向も考えられるような含みがあったように思うんです。今後の見通しも私はまだ今はっきり言えないと思いますけれども、やはり今被災者の人たちが望んでいることは、元の住んでいたところに帰りたい、そこで自分の住みかを構えて生活をしたいというのが被災者の声なんですよ。そこへ向かってやはり政府は、もちろん地方自治体も頑張っています。そういう方向を検討する、私は大臣の、最後の今日の質問の見解をお伺いしたいと思います。
  142. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) この生活再建は単に住宅のことだけで解決できる、そういうようなことじゃないと思うんですね。住宅も大切でありますし、そのほかもろもろの対策が必要でありまして、全体として被災者生活再建できるようなそういうことをやっていくということだと思います。  何でもかんでも国でやれるというような状況ではないと思います。それは、国は国としてやるべきことはやりますけれども、自ら努力をしてやっていただきたいことにつきましては、是非そういう努力お願いをいたしたいということでございます。
  143. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 終わります。
  144. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。     ─────────────
  145. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、田村公平君が委員辞任され、その補欠として段本幸男君が選任されました。     ─────────────
  146. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) 本案の修正について大沢さんから発言を求められておりますので、この際、これを許します。大沢辰美さん。
  147. 大沢辰美

    ○大沢辰美君 私は、日本共産党を代表して、被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨説明をさせていただきたいと思います。  余りにも多くの犠牲者を出した阪神淡路大震災から九年余り、元の生活を取り戻したい、私はこの悲痛とも言える被災者の願いにこたえることが政治の責任であるということを胸に刻み、今日までその実現を目指して取り組んでまいりました。  そして日本共産党は、阪神淡路大震災の直後から、個人補償による被災者生活住宅再建を行うことを強く求めてきました。自力でどんなに頑張っても生活住宅再建は困難、公的支援が絶対に必要という切実な願いと、全国の支援の声を背に現行被災者生活再建支援法が一九九八年五月に成立しました。  しかし、この法律は阪神淡路大震災被災者の実態から出発したにもかかわらず、阪神淡路大震災被災者には適用しませんでした。そして、支援対象世帯を全壊等世帯に限定した上で、被災前年の世帯全体収入、そして世帯主の年齢などの要件を厳しく設定をしました。また、使途制限が実情に合わないなどという問題を抱え、極めて低い水準のものでした。そして、この間の自然災害の実態を通して、この不十分さが、限界がいよいよ明らかになってきました。  今回の法改正に当たっては、実態を踏まえ、被災者生活住宅再建を実現できる支援に充実させることが求められています。  提案されている被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案は、現行法の附則に基づく住宅再建支援課題について結論を出したとしていますが、被災者被災自治体の一番の要望である、住宅の本体への支援を除外しています。また、支援対象世帯や使途制限については、厳しく限定した現行法の枠組みを見直していません。災害による被害は前年の収入にかかわらず被災者にとって重い負担となります。  人が住んでこそ街が成り立つという、支援対象を限定せず、住宅本体への支援を行った鳥取県では、住宅再建、街の復興が進んでいます。より多くの被災者対象被災者が一番必要とするものに支援することこそ、私は生活住宅再建、その街の復興に貢献することは明らかだと思います。  日本共産党は、被災者被災自治体の切実な声にこたえるために、三つの内容を盛り込んだ修正案が必要であると提案をさせていただきました。  以下、修正案の内容について説明をいたします。  第一に、被災者生活再建支援金支給対象経費として、被災世帯居住する住宅建築費、購入費又は補修費を支給対象経費とすること。支援金支給対象経費の内容を政令で限定をしないこと。  第二に、支給要件、支給金額を生活住宅再建に足るものにするために、収入合計額を二千万円以下に広げ、支給金額は一世帯当たり五百万円を超えない範囲まで引き上げること。  第三に、法改正施行後三年を目途に、施行状況を勘案して総合的な検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずる旨の検討条項を追加すること。  以上が修正案の内容であります。なお、本修正案に必要な経費は、平成十六年度でいえば約四十二億円であります。  議員各位の御賛同を心からお願いを申し上げまして、修正案の趣旨説明を終わります。  よろしくお願いします。
  148. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) ただいまの大沢さん提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。井上防災担当大臣
  149. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 本修正案につきましては、政府といたしましては反対であります。
  150. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、大沢さん提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  151. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) 少数と認めます。よって、大沢さん提出の修正案は否決されました。  それでは、次に原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  152. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  大渕さんから発言を求められておりますので、これを許します。大渕絹子さん。
  153. 大渕絹子

    ○大渕絹子君 私は、ただいま可決されました被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一、被災世帯が円滑かつ速やかに支援金支給を受けられるよう、概算払い制度の活用、書類の簡略化等による申請手続の簡素化を図るなど、運用上十分配慮すること。    また、生活再建のためのニーズは被災世帯により多様であることを考慮し、弾力的な運用を図るよう努めること。  二、居住安定支援制度創設趣旨及び内容について、国民及び地方公共団体等への周知徹底に万全を期すること。    また、業務量の増大が見込まれる被災地方公共団体等に対して、適切な支援が行われるよう検討すること。  三、大規模地震から国民の生命、財産を守るため、災害時に防災拠点となる公共施設等の耐震化を急ぐとともに、住宅、特に個人住宅耐震化に関する意識啓発に努め、その耐震化普及促進を図ること。  四、阪神淡路大震災のような大規模災害が発生した場合は、阪神淡路大震災における支援措置を参考として、必要な措置検討すること。  五、地方公共団体が、被災者居住の安定と被災地域の復興に係る被災者被災地域のニーズ、状況を踏まえた支援制度等を実施する場合には、地方公共団体との役割分担を踏まえつつ、適切な配慮を行うものとすること。  六、居住安定支援制度等の充実を図るため、本法の施行後四年を目途として、制度施行状況等を勘案し、制度の見直しを行うなどの総合的な検討を加えること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  154. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) ただいま大渕さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  155. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) 全会一致と認めます。よって、大渕さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、井上防災担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。井上防災担当大臣
  156. 井上喜一

    国務大臣井上喜一君) 本委員会におかれましては、被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案につきまして、熱心な御審議をいただき、ただいま全会一致で議決されましたことを深く感謝申し上げます。  ただいま議決になりました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存であります。  本法案の審議を終わるに際し、委員長始め委員各位の御指導、御協力に対しまして深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
  157. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  158. 日笠勝之

    委員長日笠勝之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十四分散会