○森本晃司君 いよいよ国会も会期末になってまいりまして、この
委員会でいろいろと
大臣等々に
質問をさせていただくのも終わりに近づいてまいりました。私自身にとって最後の
質問ではないかと思っております。公明党の森本でございます。
道路問題等々もいろいろと
議論をさせていただきました。
私は、今日提案された
景観緑三法、これは多くの
国民が
期待していたものに違いないと。私は、この
委員会でこの問題について
議論できること、大変うれしく思っているところであります。
日本の自然は美しいとよく言われます。しかし、
日本の
景観は美しくないともよく言われるんです。で、もうそう言われたときに私は、残念ながらそれを自信を持って否定することはできないと思っております。いろいろと派手な
色彩や
デザイン、ばらばらであったりする、あるいは電線が至るところに、美しい
景観のところに張り巡らせているということ、これは
日本じゅういろんなところを歩いてみて実感します。
私は旅をするのが好きでありまして、この六年間、ほとんど
日本列島全部を歩き回りました。また、同時に、私はそのときカメラで
日本のすばらしい
景観を撮るのを
一つの趣味ともしておりまして、随分撮りました。しかし、美しい景色だなと思ってカメラを構えてファインダーをのぞいてみますと、そこに非常に邪魔になるものがある、電線がしかりであります。それから、派手な広告物がすばらしい建物のすぐ横にあるというのを、ぶち壊しだなと残念に思うことが物すごくあります。
私の県の奈良県の写真を撮りますと、この人の右に出る人はいないと今も語られております今は亡き入江泰吉先生がよくおっしゃっていました。当時まだ
日本のガードレールは白しか色は使えなかったときであります。入江先生はよく嘆かれたのは、せっかくの奈良のこのすばらしい写真を撮るときに、突然真っ白なガードレールが入ってくる、写真はぶち壊しだと、よく私にも何とかならないのかとおっしゃっていただいたことが今も耳に残っております。
幸い、旧建設省でそのガードレールの色をいろいろと変えること、あるいは形を変えることもできまして、その点については随分改良された。それだけに、あと今度はガードレールだけではなしに電線等々を含めて美観を伴うようにやっていかなければならないんではないだろうかと、こう思っておるところでございます。そういう
意味で、今回この
法律に取り組むことができること、すばらしいことであります。
先般、私は伊勢市のおかげ横町へ行ってまいりました。ここはかつては電線が張り巡らされており、それから
看板もそれぞればらばらでございました。建物もばらばらであった。この間行ったら、もう見事にこれは整理がされている、美観が保たれている。伺うと、この伊勢市で
電線地中化をやったり
屋外広告物の撤去に取り組んだところ、
平成四年には年間
観光客三十五万人であった
観光客が、
平成十四年には約三百万人と九倍にもなっているということでございます。もう確かに行ってびっくりしました。もう大変なにぎわいであります。
また、私の奈良県の橿原市に環濠村で有名な今井町というのがございます。ここは同時に、江戸
時代の建物が残っているところでございます。多くの大名が泊まったりした家もそのまま残っている、非常に歴史的建物の多いところでございますが、この今井町も歴史的建造物群保存
地域、地区などの制度を活用して
町並み保存を図りました。
そうしますと、
平成七年から
平成十四年にかけて
観光客が一・六倍になったというふうに聞いておるわけでございまして、この
景観三法を整理していくこと、これを推進していくこと自体が、今、小泉内閣が掲げ、さらにまた、
石原大臣が
観光担当
大臣になっていただいたわけでありますけれども、そういった
観光立国ということを大いに進めていくことのできるものであって、
我が国の豊かな、
景観を美しくし豊かにし、多くの
観光客、そして多くの人々の心と目を養っていく、慈しんでいく場になるかと思いますが、そういう
意味で大変な意義があると思います。
この三法に取り組む
大臣のまず所感をお伺いしたいと思っております。