○森本晃司君 公明党の森本でございます。
総理、拉致問題解決、一歩前進のために大変な御苦労もいただきましたこと、感謝申し上げる次第でございます。
また、言うならば、総理が目指された、官から民へ、民間でできることは民間でやるという問題の中で大きく取り上げられたこの高速
道路の
民営化の問題でございますが、いよいよ最後の大詰めになってまいりました。私も、参議院にこの
法案が送られてから毎回
質問に立ちまして、この
民営化法案の抱えているいろんな問題点やあるいは後世のために問いただしておかなければならないことをいろいろと
質問してまいりました。
今日は総理がこの場にお見えいただいておりますので、先ほど来の
質問と重なる点もございますけれども、もう一度この
民営化問題について総理のお考えをいろいろ聞かせていただきたいと、このように思っている次第でございます。
振り返ってみますと、この高速
道路、昭和三十八年、名神高速
道路が開通いたしました。我々関西人にとってはすごい時代が来たなということを実感したんです。三十八年ですから、ちょうど私も総理も学生時代でございます。
石原大臣は六歳ぐらいの御時であったんではないかと、このように思うわけですが、ちょうどその翌年は東京オリンピックであり、そして新幹線の開通、日本列島が大きく変わりつつある、戦後の経済復興の大きな象徴が高速
道路と新幹線とオリンピックであったんではないだろうかと、こう思うわけであります。
その高速
道路が
公団の有料料金方式でやってまいりまして、均衡ある国土の発展のために、あるいは日本の国土の整備のために、あるいは世界の経済と対抗するためにも、高速
道路が七千キロ整備されてきたわけであります。私はこの高速
道路が果たしてきた役割というのは大変大きなものがあったと思っております。
しかし、その高速
道路の中で、
公団の有料方式制度でいくのはいつまでもそれでいいんだろうかという問題が起きてきました。
一つは、不採算
道路でもどんどんどんどん建設していっていいんだろうか、二つ目は、コストは高いままなっているがこのままでいいんだろうか、三つ目は、
公団の抱えているファミリー
企業との不透明な
関係はこれでいいんだろうか、そういった問題も同時に上がってきました。そこで、小泉総理が就任になって、先ほども冒頭に申し上げましたように、この
公団を改革しようと、大変な構造改革の決意をされたと、そして今日に至っているわけであります。
その間、
民営化推進委員会の中でいろんな議論がございました。そして、十三年の十二月、閣議決定になってからいろいろと議論を重ねた。最後に
民営化委員会の中は先ほど来話があったように分裂状況にもなった、これは誠に残念な結果であったと思うんですが、同時に国会でもいろいろ議論を重ねてきまして、私は、この
民営化問題は、総理の決断とそして多くの人々の議論によって大きく前進したものだと将来に向かって期待をしているわけであります。
十三年の十二月に閣議決定されて二年半が経過しましたが、その間我が党でも、私が
道路公団民営化検討プロジェクトチームの座長を務めておりまして、この問題に取り組ましていただいた。十四年の十二月十日に我が党の基本的方針をまとめて、そして発表し、申入れもさしていただきました。そのときに、大きく三つに分けて申入れをいたしました、発表させていただきました。それはどういうことかと。
一つは、今後の高速
道路の整備の在り方で、九千三百四十二、これはやるんだと。私は何度もこの
委員会で申し上げておりますが、
道路というのはつながってこそ、ネットワークになってこそより生きるものであると。九千三百四十二をやるかやらないかの議論もありましたけれども、私は、そういうふうに我が党も決めました。ただ、そのやり方については、料金収入を最大活用してやるやり方と、もう
一つは新しい直轄方式を検討してもいいんではないかと、こういう点も申し入れました、発表さしていただきました。
二点目はどの問題に取り組んだかというと、利用者にとってメリットのある
民営化でなければならない。料金が下がる、あるいは先ほど来話のあるサービスエリア、より快適なものになっていく、それから同時に、ETCを大いに使って、そしてコストダウンやあるいは多彩なる料金の在り方、既にもう実現いたしましたけれども、ここで私は
質問させていただいたことでございますが、身体障害者の皆さんのETC利用に対する補助の在り方も、搭載器に対して一万円出るということも既に決定して大きく進んでおります。そういうこと。
それから三つ目に、
公団民営化の在り方、債務の返済。これは、我が党は最初五十年と申し上げておりました、この十四年の十二月十日時点で。しかし、政府・与党案で四十五年、更に五年縮めようということになったのは非常に良き結果だと、私は思っております。
今までの議論の整理を私はさしていただきましたが、この問題を取り組もうと決断された総理が、いよいよ参議院で採決されるというときに、この
公団の在り方についてどのように考えておられるのか、また、この政府案が通過することによってこれからのいろんな高速
道路はどのような方向に行くのか、さらにまた、この議論の中で無料化という話が衆議院の方でありましたけれども、こういったことも含めて、総理の今の考え方を、重なるかも分かりませんが、御披露いただきたいと思います。