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2004-03-25 第159回国会 参議院 国土交通委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年三月二十五日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         輿石  東君     理 事                 岩城 光英君                 鈴木 政二君                 池口 修次君                 大江 康弘君                 森本 晃司君     委 員                 佐藤 泰三君                 斉藤 滋宣君                 鶴保 庸介君                 藤野 公孝君                 松谷蒼一郎君                 佐藤 雄平君                 藤井 俊男君                 弘友 和夫君                 大沢 辰美君                 富樫 練三君                 渕上 貞雄君    国務大臣        国土交通大臣   石原 伸晃君    副大臣        国土交通大臣  林  幹雄君        国土交通大臣  佐藤 泰三君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       斉藤 滋宣君        国土交通大臣政        務官       鶴保 庸介君    事務局側        常任委員会専門        員        伊原江太郎君    政府参考人        総務省自治財政        局地方債課長   佐藤 文俊君        総務省自治税務        局長       板倉 敏和君        国土交通省鉄道        局長       丸山  博君        国土交通省航空        局長       石川 裕己君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推  進に関する特別措置法案内閣提出衆議院送  付) ○国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国土利  用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正  する法律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 輿石東

    委員長輿石東君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  まず、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推進に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会国土交通省鉄道局長丸山博君及び国土交通省航空局長石川裕己君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 輿石東

    委員長輿石東君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 輿石東

    委員長輿石東君) 東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推進に関する特別措置法案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 藤野公孝

    藤野公孝君 おはようございます。  ただいま委員長の方から御案内のございました東京国際空港羽田空港における緊急整備事業の円滑な推進に関する特別措置法案について質疑を行いたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  御案内のとおり、この羽田空港は、大変人気のあるといいましょうか、需要の高い空港でございまして、人気というのは、需要が非常に高うございまして、着陸回数発着回数も今もうぎりぎり、二十八万回という、管制もフル動員しての目一杯の運用をしておる。それから、現実に一年間でこの空港を御利用になるお客様の数も、正確にはあれですが六千万人を超えるといったような大変な利用客の多さがこの空港重要性といったものをもう如実に表しておるわけであります。  我々の国民生活において、本当に、今やたまに使うものではなくて、本当に国民の足としてこの航空輸送サービスというものはなくてはならない不可欠なものであるし、また国民経済といいましょうか経済活性化といいましょうか、そういう観点からいたしましても、この航空をしっかりしていく、充実したものにしていくということは本当に我が国の発展にとっても非常に重要なことだという認識を私自身持っておるわけでございます。  もう今、全国に九十五、供用されている空港がございまして、およその全国ネットワーク航空ネットワークサービスというものはほぼ概成しているというか、むしろこれからはその質を高めていく、能力を高めていく、そういうもう時代に入っているんではなかろうか。特に、地理的、環境的あるいは需要が多いといったような面で大都市圏首都圏等大都市圏空港をこれからやはり機能強化充実していかなくちゃいけないということは、これは異論がないと私は思っております。  いろいろ、やり方についてはいろんな問題があると思いますが、そのこと自体について、重要であるということについての認識についてはほぼ国民的合意があるものだと、このように思っておるわけでございますが、このたび、この緊急整備ということで法案を提出され、十六年度から着手したい、四本目の滑走路について整備を着手したいということにつきまして、私は基本的に大切なことであるという認識を持っておるわけであります。  加えて、この前の大臣所信表明あるいはその後の質疑等でもございましたように、国際化への対応ということで、かつて、深夜、早朝のチャーター便ありましたし、それから今度は、昨年、金浦空港羽田との間の一日四便ですか、これのチャーター便という国際サービスも、徐々ではありますけれども羽田から展開をしていっている現状の中で、この新しい緊急整備事業というものが本当に円滑に、法律に書いてありますように円滑に推進されるよう願うものですが、空港需要をただ満たすといったようなことだけではなくて、このプロジェクトには経済効果全国的な波及効果も含めて経済効果あるいは雇用拡大効果等、今非常に求められております都市再生あるいは経済再生、そういった面からの大きな効果も期待されるんではないかと思うんですけれども。  大臣にお伺いいたしたいんですけれども、今るる申しましたけれども大臣の方から、今回のこの羽田の再拡張事業緊急性国家的見地等を踏まえた緊急性というものについてどうお考えになっているか、お尋ねいたします。
  6. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) ただいま藤野委員意見開陳の中でお示しされましたように、羽田空港許容量二十八万回、年間。これがもうフルの状態になっておりまして、地方やあるいは外国からの増便要求というものに十分こたえられない現況があるわけでございます。これを早急に拡大していくということが国際化あるいは交通ネットワーク整備という面からも緊急の課題であると認識をしているわけでございます。四本目の滑走路ができますと、二十八万回からおよそ四十一万回の年間発着が可能でございますが、このうち三万回程度は海外に割り振らせていただければと考えております。  この経済効果については、今、委員がおっしゃられましたとおり、全国で見ますと、雇用では十八万人増、あるいは生産増加額も二兆円と、単なる航空ネットワーク充実航空産業発展ではなくて、観光振興とか地域の都市再生とか、かなりすそ野の広い経済波及効果が望まれるのではないかと思っております。  二〇〇八年にはお隣の中国北京オリンピックもございますので、早期供用開始を目指して全力で取り組ませていただきたいと考えております。
  7. 藤野公孝

    藤野公孝君 今、二〇〇八年の北京オリンピックもにらんでアジアでの航空ルートいろいろ充実といったことも視野にあるというのを伺いまして意を強くいたしましたが、ただ具体的に、この大都市圏空港整備するとなると、何も東京だけの問題ではございませんが、いろいろ騒音問題、飛行ルートの問題、これをうまく地元と解決しませんと、無理やり開港開港というか供用を開始しても、いろいろ問題を引きずっていくというような大変困難な事態も予想されるわけで、そういう意味で、是非この騒音対策関係地元対策関係というようなものをしっかりしていかなくちゃいけないんじゃないかというふうに思うわけでございますが、飛行ルートに関しましてちょっと御質問をいたしたいんでございますけれども。  いわゆる通常、今の既存のルートに割と近いと思うんですけれども基本ルートというようなもので、千葉県なりあるいは東京湾江戸川区なんかを含んだ基本ルートだけではなくて、いろいろもう少し首都圏でその騒音問題を分担というか分散しよう、みんながこの痛みを分かち合おうというような観点だろうとは思うんですけれども、この基本案プラス首都圏全体で分散した、分散ケースと通称言われているこの案を提示されまして、神奈川県あるいは都心を北上するといったようなルートも含めて、今、幅広く合意を求める意味でも着陸ルートを提示されておるということでございますけれども、この分散ケース基本案基本ケースと、この二つの特に分散ケースを提示された理由につきましてまず一点お伺いしたいことと、この案につきましてのそれぞれの関係地方団体、具体的に言いますと、東京都、神奈川千葉、それぞれの地元との調整状況について現状をお尋ねいたします。
  8. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 飛行ルートの案につきましては、去る二月九日の羽田空港拡張事業に関する協議会、ここで基本案分散案を提示させていただきました。  基本案は、安全上問題のないルートであること、離発着それぞれ一時間当たり四十回、年間四十・七万回を処理できるものであること、騒音については、環境基準を満たすことは当然でありますが、さらに東京湾をできるだけ活用して処理することなどを基本とした、基本的考え方として最もオーソドックスと考えられる案を基本ルート案として提示をさせていただいたものでございます。  二月九日の協議会では、この基本案に加えまして分散案分散ケースというのを提示してございますが、これは、昨年六月のこの協議会で、千葉県知事から、首都圏全体で騒音を共有すべきであるという御意見も出たということもございまして提示したものでございます。具体的には、四十・七万回の発着容量を安全に処理可能であり、環境基準を満たすという範囲の中で、東京湾上や東京都、神奈川県上空にルートを一部分散するというものでございます。  これらの飛行ルートを作成するに当たりましては、事前に関係自治体ともお話をさせていただいておりますけれども、二月九日の協議会飛行ルートを正式に提示して以降、二十日には浦安市、二十五日には千葉県の議会全員協議会、さらには二月の二十六日、二十七日に千葉県の関係十四市への説明等々を行ってまいってきておりまして、また本日、あした、また二日にわたりまして千葉県の関係市十四市への追加説明ということを行う予定でございます。東京都の関係の区に関しましても説明を行っておりまして、三月十五日には江戸川議会全員協議会でも飛行ルート案説明をしておるわけでございます。  私どもとしても、これまでも関係自治体説明をし、意見交換をし、理解を求めてまいってきておりますけれども、今後とも関係自治体理解を得るよう努めてまいりたいと考えております。
  9. 藤野公孝

    藤野公孝君 今、石川局長の御答弁にもありましたように、この分散ケースといいますか、首都圏全体でこの騒音の被害、痛みというか、これを分かち合ってほしいという千葉県サイドの心情というか気持ちも私も分からないわけではありませんし、やはり全体、ただ空港を造るだけでは飛行機の円滑なる運航はできないわけでございますので、大変御苦労の多い仕事だと思いますけれども、どうぞ地元、特に千葉県等を含めまして更に精力的に御調整いただくようにお願いしたいと思うわけでございます。  この飛行ルートの件と若干関係はあろうかとは思いますけれども、実際、滑走路そのものを今後どうやって、どういう工法といいますか、形で造っていくのかというのを大変関心のあるところでありまして、聞くところによりますと三つルートがあると。  従来方式といいましょうか、埋立て、一部桟橋も組み合わせる方法も。それから浮体メガフロートとよく言われている浮体。それから、全体をもう桟橋にしてしまうと。この三つ工法が今いろいろ専門家を含め検討をされてずっときておりまして、ここが決まらないと、実際予算が付いても着手ができないということになるわけでございますけれども、大変、それぞれ業界もありますし、みんな関心を持っているところであります。環境問題もあるし、他の、船舶への航行とかいろんな面があるわけですが、いろいろ検討がなさっていると思いますけれども、この難しい工法決定の問題、具体的に今後どのような手順でこの決定がなされていくんだろうか。大変これは関心が高いと思いますので、御答弁いただきたいと思います。
  10. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 新設滑走路工法でございますけれども平成十四年に羽田空港拡張事業工法評価選定会議で御議論いただきまして、今お話がありましたように、桟橋工法、それから浮体工法、それから埋立て・桟橋組合せ方法三つ工法が提案されておるわけでございます。  この三工法とも、この会議においては、特に致命的な問題はない、工費工期についても大きな差が認められない、いずれの工法も適切な設計を行うことによって建設が可能であるというふうな結論を得ているところでございます。さらに、維持管理費を含む工費工期確実性を担保するための契約方式として、設計施工を一体的に発注するということを基本とする契約方式の採用ということが提案をされております。つまり、設計施工を一体として発注するということでございました。  したがいまして、具体的な工法につきましては、十六年度予算成立後できるだけ早く行いたいと思っておりますが、この入札契約手続という中で工法も併せて決定されるということになるわけでございます。
  11. 藤野公孝

    藤野公孝君 将来にわたってこの羽田空港を安全に航空機がこれを使用していく、あるいは安全に管理されていくものでなくちゃいけないということで、技術的な面もいろいろ検討が今後あろうかとは思うんですけれども是非、この緊急整備ということでございますので、後で後悔のないような決定がなされるように期待しております。  今回の法案、実は一番の大きなところは地方公共団体東京都でありますとか神奈川県、横浜市等、地方公共団体の無利子付けといいますか、この羽田空港整備事業に対する資金の供与といいましょうか、こういう無利子付けの制度を創設しないと今までのスキームではこれやっていけないということで、今回、特別措置法案ということで出されておるわけでございますけれども。  今回、地方公共団体に無利子付けによる協力を求めるという初めて、本邦初公開、初めての手法を、もちろん合意をもってやられているわけですが、そこに至った経緯についてまずお伺いしたいのと、それに併せまして、この再拡張事業を本当にきっちり早くやりませんと、さっきのオリンピックのこともございますけれども一般財源も、やはりただ地元の、関係地方公共団体協力を得るだけではなくて、一般財源もきちんと確保すべきではないかという気持ちも大変強く持つものでございますけれども、この点について併せてお伺いいたします。
  12. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 羽田空港の再拡張事業でございますが、大変大きな期待と効果をあるわけでございます。  そういう中で、緊急に整備すべきプロジェクトでございますが、多額の事業費が要するということでございます。空港整備特別会計財政事情、大変厳しゅうございまして、着陸料等自己財源のみでこの巨大な再拡張事業早期完成を図ることは困難な状況にございます。このために、今お話がございましたように、一般財源確保するということも大事なことでございますが、あわせまして、羽田空港の再拡張あるいは国際化により極めて大きな経済波及効果あるいは利便性の向上が見込まれる地方公共団体から無利子付けによる御協力をいただくということで、この再拡張事業早期完成を図るというものでございます。  この結果として、この再拡張事業につきましては、滑走路整備事業費約六千九百億円を見込んでおりますが、このうち約三割を一般会計から、約五割を財政投融資からでございますが、約二割を地方からの無利子付けという形で御支援をいただいた財源スキームにより整備を進めてまいりたいと、こう考えております。  なお、関西国際空港あるいは中部国際空港というものは、整備主体が違いますけれども、同じように、受益のある地方公共団体からの出資あるいは無利子付けというふうな形での御協力をいただいて事業を進めているところでございます。  それから、空港整備特別会計全体につきましても、政府予算全体の中で公共事業関係費が対前年マイナスという時代に、私ども空港整備特別会計につきましては、対前年比七・一%増という形の、額として千六百四十四億円、全体でございますが、の一般会計の受入れというのが盛り込まれているところでございます。  私どもとしては、二〇〇九年新設滑走路供用開始国際化ということに向けて、関係者の御協力を得ながら必要な資金確保に努めてまいりたいと考えております。
  13. 藤野公孝

    藤野公孝君 もう大変国民から私はこれは期待されていると思っておるんですが、大変な重要なプロジェクトだと思っております。先ほど質疑でも出しましたように、飛行ルートの問題あるいは工法問題等、難しい問題もまだ残されていますが、本当に積極的にこの調整を進められまして、円滑にこの緊急事業が進められるよう祈念いたしまして、私の質問を終わります。
  14. 藤井俊男

    藤井俊男君 おはようございます。民主党・新緑風会の藤井俊男でございます。  藤野委員からも今御指摘をいただいておりますけれども、若干重複する面もあろうかと思いますけれども、限られた時間、数点お伺いをいたしたいと存じます。よろしくお願いいたします。  まず、法案提出背景であります。  法案の第一条では、その趣旨として「東京国際空港における航空機発着回数の大幅な増加及びこれによる国際航空運送事業に係る航空機の定期的な運航確保が喫緊の課題」であるとして、同空港緊急整備事業の円滑な推進を図ることをその目的としております。今後とも国内航空需要の増大が見込まれる中、既にその能力の限界に達しつつあると認識を示しております。確かに、乗降客数着陸回数ともに着実に増加傾向を示しておりますけれども法案趣旨ではそのことよりも、むしろ国際化の達成に重きが置かれているような気がしてなりません。  そこで、法案全体の提出経緯について、その背景を伺うとともに、国際線成田国内線羽田という原則を変え、あえて国際化を目指すことになった理由をお伺いをいたしたいと存じます。よろしくお願いします。
  15. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 委員の今の意見の御開陳の中でございましたように、その発着容量がもう既に羽田は満杯に来ております。地方空港からの増便の御要求、あるいは国際定期便等々の要求もあるわけでございます。  そんな中で、四本目の滑走路ができますと、四十一万回と一・四倍の発着容量確保することができます。こんな中で、三万回程度をその国際定期便等々に充てたいと、こんなふうに考えておりまして、あくまで成田国際線拠点空港首都圏においては羽田空港国内線拠点空港という基本的な考え方に変わりはないということも是非理解を賜りたいと存じます。
  16. 藤井俊男

    藤井俊男君 そうしますと、大臣、あれですね、航空政策の転換ということではないわけですね、確認の意味で。
  17. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 先ほど答弁させていただきましたように、十四万回ほど、十三万回ですか、ちょっと端数をはしょって言いますと、そのうちの三万回を国際定期便等々に回したいと。これも近距離の国際線というものを念頭に現在検討していると御理解いただきたいと思います。
  18. 藤井俊男

    藤井俊男君 先ほど質問も展開されておりますけれども、次に地方自治体負担であります。  本来、第一種空港である羽田空港は、国が設置管理者であります。整備に要する費用は自らが、国が負担することになっております。しかし今回、地方財政再建促進特別措置法の規定上、新たに地方自治体が国に無利子付けするための立法措置が必要なことから、本法案が提出されております。  石原大臣は、さきの衆議院委員会で、羽田空港の再拡張事業国家戦略的プロジェクトと称しておりましたね。それを、特に強調を石原大臣やっておりましたけれども、そこに地方公共団体の無利子付けを求める法案を提出することは、若干ちょっと矛盾も感じるかなという気もしないわけでもないわけであります。  空港整備は、初期投資が莫大でございますから、かつ、その整備を緊急に行う必要から、新たなスキームが必要となったのでしょうけれども、過去に本法案と同様の趣旨法律があったのかなどうなのかなと、ちょっと疑問を感じます。また、そこまでしなければならないほど、この空港整備特別会計財政状況が逼迫している状況なのかどうか、この辺をお伺いしたいと思います。
  19. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 羽田空港の再拡張事業全国的にも大変大きな効果を示すわけでございますが、特に東京神奈川というものに対しましては非常に大きな経済効果をもたらすものだと考えております。さらに、羽田空港利用者のうち、大きな割合を占める東京神奈川、そういう方々の利便性も大きく向上させる、あるいは東京神奈川都市再生あるいは観光振興に大きく寄与するということでございます。  そういうふうに特別に大きな言わば受益があるという地方公共団体に対しまして、私ども協力をお願いしているわけでございまして、一方で、先ほど申し上げましたように、空港整備特別会計、対前年プラス一般公共事業が入ったといえ、非常に厳しい状況でございまして、羽田以外の拠点空港整備あるいは地方空港整備、さらには航空路維持管理等々でございます。一方で、着陸料の軽減というふうなことも求められている中で、非常に厳しい特別会計運用を行っているわけでございます。  そういう意味で、この事業を緊急に行うためには、先ほどお話申し上げましたように、一般会計からの資金確保いたしますけれども、あわせて、今申し上げましたような受益の大きい関係地方公共団体から無利子付けという形での御協力をいただくというものでございます。  具体的には、六千九百億円のうち、おおむね約二割になりますが、約一千三百億円の御協力をいただくというふうな形になって、御協力をいただくという形の御回答をいただいておるわけでございまして、内訳としては、東京都が一千億円、神奈川県、横浜市、川崎市、それぞれおおむね一千億円ということでございまして、こういう御協力をいただいて、私ども羽田空港の再拡張国際化という事業緊急整備に努めてまいりたいと考えております。  それから、なお……(発言する者あり)済みません、百億でございます、済みません。失礼しました。失礼しました。神奈川県、横浜市、川崎市はそれぞれ百億でございます。失礼しました。  それから、先ほど申し上げましたように、関西国際空港あるいは中部国際空港、こういうものにつきましても、整備主体は違うわけでございますが、受益のある地方公共団体からの出資、無利子付けという御協力をいただいているところでございます。
  20. 藤井俊男

    藤井俊男君 何か答弁にちょっと誤差があるようでございましたけれども、次に地方自治体負担であります。  新聞報道によりますと、地方自治体の無利子付けについてはただいま航空局長から答弁がございましたけれども、総事業費で約二割、一千三百億円を計上しておると。東京都が一千億だと、神奈川県と横浜川崎市が計三百億円を負担する内容になっております。ただいま東京議会も開催されているようではございますけれども平成十六年度分として約、都議会で十五億円が予算化されております。  神奈川三団体の動きはどのようになっているのでしょうか。このことはいわゆる神奈川口構想との関連もあるのでしょうが、この構想がうまく進展しない場合の神奈川三団体の対応にどのような変化が生じるのか関心を持っております。新聞ではいろいろ報道されておりますので、そういった中で、今、地方自治体は非常に財政が厳しい状況でございます。  どこの市町村においても厳しい、また都道府県においても厳しい状況下の中で、かなりの負担を余儀なくされることは明らかでございますので、無利子付けを行うことはこれは可能なのかどうか、各自治体の起債等による利子負担の見通し額等についてはどうなのか、併せてちょっとお聞かせを賜りたい、このように思います。
  21. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 無利子貸付金約千三百億円でございます。これにつきましては、基本的に地方公共団体、借入れ等で資金を調達することになると思いますけれども、この利子負担額というものについては、その時点での金利あるいは償還条件ということによって異なりますけれども、償還期間三十年という場合にはその利子負担は三十年間で合計しておおむね五百億円から六百億円程度になると思われます。  一方、羽田空港の再拡張国際化による東京神奈川への経済波及効果というものが極めて大きいものだと考えておりまして、生産額の増加年間一兆円以上、雇用増加年間十万人以上と考えておりますが、地方税収の増加というものにつきましても年間六百億円以上というふうに私ども見込んでおるわけでございます。  そういう意味で、地方自治体の財政、非常に厳しい状況ではございますが、無利子付け、それに伴う金利負担ということにつきましては今言ったような数字でございます。是非地方自治体協力をいただいて私ども拡張事業早期完成を図りたいと、こういうふうに考えております。
  22. 藤井俊男

    藤井俊男君 理解しないわけでもないわけですけれども経済波及効果あるいは雇用の問題、税制の問題、今、航空局長から答弁なされておりますけれども、償還三十年を見ても五百から六百億があるということの中で、神奈川議会は非常に厳しいと聞いておるんですけれども、この辺の関係はどうとらえていますか。
  23. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 各自治体で、議会等でいろんな御議論がされるということについて、私がコメントする立場にはないと思いますが、基本的にこの無利子付けというものにつきましては、工事がこれから二〇〇九年までへ向けて長い期間が掛かるわけでございます。そういう意味で、それぞれの議会で同意をいただいた上で御協力をいただけるというふうに考えております。
  24. 藤井俊男

    藤井俊男君 事業費の削減と地方自治体負担軽減について伺いたいと思います。  大臣伺いたいと思うんですが、先ほども出ておりましたけれども中部国際空港における約一千億円にも上るコスト削減ですね、縮減はトヨタ方式として大いに注目を集められまして、それが着陸料の低減にも効果を発揮しております。私も先般この中部国際空港を見てきましたけれども、すばらしい今取組をいたしておりまして、感銘を得た一人であります。  一方の羽田空港は、国が事業主体であるとして会計法上等の制約もあると承知しております。しかし、法律を制定してまで地方自治体から貸付けを受け事業を行うということは、先ほど大臣からも答弁がありましたけれども、これは初めての試み、前代未聞の、先ほど藤野委員からも指摘ありましたけれども、前代未聞の出来事なのかなと、こういう気がします。  そこで、私は、入札契約方式の工夫、民間ノウハウの活用等による、今後ともできるだけコスト縮減をすべきと考えております。まず、羽田と中部でのコスト縮減策の違いと、羽田での具体的なコスト縮減策について伺いたいと思います。  あわせて、コスト縮減された場合、約二割と言われている地方自治体負担比率自体を減らす意思があるのかないのか。これが一千三百億の計上をいたしておりますが、これをどんどん減らす考えを持っているのかどうか。この辺もお聞かせを賜ればと思います。大臣からちょっと。
  25. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 中部国際空港につきましては、御案内のとおり、千億ぐらいのコスト削減がされたわけでございますが、そのうちの、済みません、数字はちょっと忘れましたけれども、半分ぐらいが金利の削減で、金利の低下でございましたし、半分ぐらいが工事料の削減というようなことが行われたわけでございます。あわせまして、中部国際空港株式会社がトヨタ方式によるコスト削減につきましては一千億でございまして、金利差が三百四十億円、土地造成が約六百億円というような形でコスト削減が行われたわけでございます。さらに、中部国際空港、いわゆるトヨタ方式という形でいろんな、資金の、物資、資材の調達のときに努力をされているわけであります。  私ども、今度、羽田空港でございますが、羽田空港につきましてもコストの削減に努めてまいりたいと考えております。  まず最初に、この予算編成過程におきましても、これを大規模発注を行うということで管理費を削減する、低減する、あるいは新しい滑走路の敷地面積を最小化するという努力もさせていただきました。このような空港計画の見直しということで既に約一〇%のコスト削減というものを行ってきたわけでございます。  さらに、先ほど説明申し上げましたが、十六年度に予定をしております入札契約手続でございますが、設計施工を一括して発注するという方式の採用、あるいは、これは一般競争国際入札ということにもなります。そのような入札手続の過程において、さらには民間事業者の技術提案を受けてコスト縮減を図る仕組みの導入などにより更なるコスト縮減に努めてまいりたいと、こう考えております。  それから、これから無利子付けの額についてでございますが、私ども拡張事業をこれからやっていくわけでございますが、再拡張事業が完成し、事業費が大幅に削減されるということになった場合には、その時点で改めて関係地方公共団体と相談をさせていただきたいと、こういうふうに考えております。
  26. 藤井俊男

    藤井俊男君 是非、今、航空局長が取り組まれておりますので、更なるコスト縮減に努力をされていただきますようお願いをいたしたいと存じます。  ここまでの議論でも明らかになってまいりましたけれども空港整備特別会計は、地方自治体の支援がなければ、空港そのものではない再拡張事業さえままならない状態のようであります。採算性を度外視した一県一空港あるいは二空港政策の推進や、世界的にも例の少ない航空燃料税や高い着陸料など、航空分野の国際競争力が問われる中、我が国は近隣アジア諸国に比べ何歩も後れているのではないかと感じている人は少なくないはずです。  平成十六年度予算では一般会計から約一千六百億円投入されておりますが、その半分以上は航空燃料税相当額であります。これに関連し、定期航空協会などは羽田拡張事業の実施に当たって一般財源を重点的に投入すべきであると主張しております。  そこで大臣に、空港整備特別会計の在り方についてどのように認識をお持ちなのか。先ほど藤野委員より一般財源関係については質問もなされておりますけれども答弁聞いておりますと経済波及効果等々言っておりますけれども、どのように大臣認識を持っておるのか、見解をお聞かせを賜れればと思います。
  27. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) ただいま藤井委員が御指摘されましたとおり、一般会計からの受入れは平成十六年度予算で一千六百億円強でございます。このうちの大半が燃料税ということも正にそのとおりでございますが、前の年と比べまして百八億円の増となっております。  公共事業全体がマイナス三・五%となる中で、この百八億円、七・一%ということは、引き続いて一般財源の重点配分に努力をしていかなければままならないし、またそれをやっていかないと空港整備というものが完成していかないということの証左であると御理解をいただきたいと思っております。  しかし、その一方で空港整備事業の配分ですね、九十五ある空港の。これについては大都市圏拠点空港羽田とか関空とか、そういうところに投資を二五%ぐらい対前年比で増やす一方で、一般空港に対する投資額というものはその分マイナス四・二%ほど減らすといったような、選択と集中を行うということを基本に配分を行わせていただいているところでございます。
  28. 藤井俊男

    藤井俊男君 次に、首都圏第三空港問題の再燃化についてお伺いしたいと存じます。  国土交通省の資料によりますと、羽田空港の国内旅客数は年々増加を続けております。資料を見ますと、二〇〇二年の五千九百五十万人から二〇二二年には何と八千五百五十万人への予測をされております。また、成田空港需要増加することでしょう。  ということは、将来的にまた首都圏第三空港整備検討すべき時期を迎えるのではないかと私は考えざるを得ません。空港は五年あるいは十年でできるものではございませんので、第三空港整備するしないは別といたしまして、早めに必要な検討を行うべきと私は思っておりますけれども、この辺について見解を航空局長から承れればと思います。
  29. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 羽田拡張によりまして、当面の間は首都圏航空需要の伸びに対応できると私ども考えておりますけれども、将来の旺盛な航空需要を考慮すると、羽田の再拡張後もいずれ首都圏空港容量が不足する可能性も考えられますから、考えられますことから、首都圏第三空港について長期的な視点に立って引き続き検討を行うことが必要であると考えております。
  30. 藤井俊男

    藤井俊男君 分かりました。  次に、中部空港開港による成田、関空への影響についてお聞きをしたいと思います。  来年二月の開港が予定されております中部国際空港でございますけれども、現在急ピッチでその整備が進められております。中部地域は国内有数の製造業集積地であり、航空貨物の国際拠点空港としてもその役割が期待されております。  現在、中部圏九県で生産された輸出貨物航空便重量ベースのうち成田空港が六一%を占めており、その多くが今後中部を利用することになるでしょう。このことにより成田空港発着の貨物便が中部へ、中部へのシフトで空いた成田へ関空等の旅客機が移り、逆に移ってですね、そのとき関空はいかにという状況に陥るのか、ちょっとその辺が懸念を持ちますので、私は、そこで中部国際空港開港を契機として、成田、中部、関空の機能分担についてどのようにお考えを持っておるのか、お聞かせを賜れればと思います。
  31. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 三大都市圏航空需要というものの見通しでございますけれども平成十四年の交通政策審議会航空分科会で需要予測をしておりますが、そこにもございますように、国際航空旅客というものにつきましては、現在の名古屋空港あるいは成田空港関西国際空港、三大都市圏需要それぞれが増加するということに予想されております。  したがいまして、中部国際空港開港によって中部は中部で増える、関西は関西で増える、関東は関東で増えるということでございますが、国際航空貨物につきましては、現在の名古屋空港の施設が狭隘ということで、今、先ほどお話がございましたけれども、現在は中部圏で生産をするものの輸出の一五%程度しか名古屋から出ていないということでございます。  中部の国際空港開港した後にはこのような施設面の容量制約がなくなるわけでございますので、相当程度中部国際空港から中部で生産されたものが輸出される、輸出をされていくというふうに考えられます。具体的には、現在の名古屋空港の国際航空貨物の取扱いの全国シェアが二〇〇〇年度に三・七%でございますけれども、二〇〇七年度の予測としては、それが六・二%まで増加するのではないかと予想をしているところでございます。  それで、成田と関空と中部の機能分担の考え方でございますが、我が国の三大都市圏の人口あるいは経済規模あるいは権益というものはかなり大きなものがございます。例えば、首都圏一都七県の人口はスペイン一国の人口を上回るものでございますし、GDPでもイギリス、フランスを上回っているものでございます。関西二府七県の人口というのもオーストラリア一国を上回るわけでございますし、GDPでもカナダを上回っているわけでございます。中部におきましても、中部九県の人口及びGDPというものについては、例えばオランダ一国を上回る水準ということになっているわけでございまして、こうした人口集積あるいは経済活動等を背景として、それぞれの三大都市圏においては国際航空旅客あるいは貨物の発生ということで全国の八割を占めている状況でございます。  したがいまして、それぞれの空港首都圏の国際航空需要には成田、関西の国際航空需要には関空、中部の国際航空需要には中部ということで、それぞれで適切に対応していくということが基本だろうと考えております。
  32. 藤井俊男

    藤井俊男君 若干、航空局長、今の答弁と重複する点があろうかと思うんですが、私は先ほど首都圏の第三空港について伺いました。首都圏での新空港整備は非常に困難と言わざるを得ないと思っておりますが、そのような状況において成田、関空、中部の国際拠点空港の機能分担、戦略的に行う必要があると私は思っておりますが、ただいまもそれぞれの例を出して答弁されておりますけれども、そのためにはやっぱり国際拠点空港における旅客の采配ですね、采配、乗り継ぎ。時間の短縮を図るため国内線のダイヤ設定等が、適切にやっぱり行っていかなければならないと思っております。  一方、ダイヤを設定するのはもちろん航空会社ですから、国の関与にも限界があると思うのでありますけれども、そこで国際拠点空港の機能分担、そういう国際競争力を確保しながら策を練っていかなければならないと思うんですね。この辺についてお聞かせを賜れればと思います。
  33. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 国際拠点空港として国際、国内の乗り継ぎ利便の向上ということが大事なことだと思っております。今度、来年開港いたします中部国際空港は、正にその国内、国際の乗り継ぎの利便の向上ということがかなり図られるということで、エアラインからも大いに開港の期待が寄せられているところでございます。  首都圏におきましては、成田首都圏の国際空港、国際拠点空港でありますし、羽田は国内拠点空港でありますが、成田につきましてもすべてが国際線ということではなくて、成田から日本国内へのフィーダー輸送というものも昨今充実をしてきておるわけでございます。逆に、羽田につきましても、羽田は国内の基幹空港でございますが、その中で一部国際化をすることによって更なる機能向上を図っていくということだろうと思っております。
  34. 藤井俊男

    藤井俊男君 ありがとうございました。  次に、飛行ルート案についてお伺いしたいと思います。  先ほども指摘されておりますけれども、二月九日に開催された第四回羽田空港拡張事業に関する協議会におきまして飛行ルート案が提示されましたが、再拡張後の騒音被害等のマイナスの影響を最も受け住民に深刻な被害を及ぼすとして、千葉県を始めとする関係自治体から決議や意見書等の形で反発の声が巻き起こっております。  開港には大きな犠牲を払った成田空港問題の元凶ですけれども、ボタンの掛け違い等あると言われておりますけれども、この教訓を生かさずして事業を進めるならば成田の教訓とは一体何だったのかなと、こんな気も私は持つところでございます。  そこで、まず、ここまで千葉県が反発するに至った背景には国土交通省の説明が不十分だったのかなという気もするんですけれども先ほど飛行ルート関係については航空局長さんからもお話ありましたけれども関係自治体にはそれぞれお伺いして理解を得るように努めておるということで努力の弁もございましたけれども、交渉経過及び今後の対応についてもう少し詳しくお聞かせを賜れればと思っております。そういうことでお願いします。
  35. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 飛行ルート案につきましてですが、昨年の一月、国土交通大臣関係の八都県市で構成される協議会を立ち上げたわけでございまして、ここの第二回の協議会、三月に行われましたが、ここで飛行ルート案をお示ししてございます。さらに、その第三回、六月でございますが、この時点で千葉県知事から首都圏全体で騒音を共有すべきという御意見がございました。その後、検討を重ねまして、今年の二月九日の第四回協議会において飛行ルート案を提示させていただいたものでございます。  これらの飛行ルート案を作成するに当たりましては、私ども関係自治体といろいろと相談を行ってきたところでございまして、特に千葉県に対しましては私自身も含めて数十回にわたり意見交換をしてまいってきたわけでございます。さらに、二月九日に提示をする前の二月二日でございますが、千葉県の関係する十四市の市長さんに対して事前の説明をしているというようなことをやってきておりますし、二月九日以降も、関係の市あるいは千葉議会、さらには東京都の関係の区等々に対して説明をしているわけでございまして、我々も今まで関係自治体説明に努めてきたというふうに考えております。  ただ、お話ございましたように、現時点において、千葉県あるいは千葉関係、県議会等々から御意見意見書が出ておるわけでございまして、これらにつきまして現在できるだけ早く回答すべく慎重に検討を行っているということでございます。
  36. 藤井俊男

    藤井俊男君 是非理解を得られるよう、御努力をお願いしたいと存じます。  そこで、飛行ルート関係分散案ですけれども、埼玉県も影響するということで聞いているものですから、私、埼玉なものですから、国土交通大臣佐藤大臣も埼玉でございますのでこれは若干聞いておかなくちゃまずいなと、こんな気もいたしておりますので。  分散ケースの南風悪天候の場合、一部ルートが埼玉県に掛かってきて、ゴーっとこの響きがどのぐらいの運用比率及び騒音値のレベルになるのか、埼玉県の場合ちょっと気になるところでございますので、埼玉も成田に一番近いところは三郷、八潮、川口、鳩ヶ谷、草加と、私のところは越谷ですから若干越谷も幾らかかするかなと、こんな気がするんですが、ちょっとお聞かせ賜りたいと思います。
  37. 佐藤泰三

    ○副大臣佐藤泰三君) 第四滑走路建設に当たりまして、それに伴います飛行コースにつきましてでございますが、私ども運用上最もオーソドックスなものとしましてまとめた基本線の中で新たに埼玉県上空を飛行するルートはございません。ただし、千葉県サイドから強い要望がございまして、一ルートだけが新たな、埼玉県上空を通過します。これは千葉県サイドの要望でございます。  具体的には、南風運用の悪天候のときに神奈川東京を具体的に経由しまして埼玉県の南部、川口、鳩ヶ谷、草加、三郷、八潮を四千フィートの水平飛行をいたしますと、このとき一機当たりの騒音は、最も高い747—400の場合で平均すると約六十九デシベルと予測されております。これは現在の南風の悪天候時における船橋市、市川市等と同様な値でございます。また、このルートでは極めて限られた地理的範囲内においてうるそうなりますので、離陸便と明確な高度差を設ける必要性がございます。  安全性を考慮すると制限的な運用にならざるを得ないわけでありまして、一時間当たり十五便程度、時間的には早朝から午前八時三十分くらいの間で運用がされるのが限度でございます。したがって、このルート運用比率は着陸機の〇・五%未満だと考えております。  以上でございます。
  38. 藤井俊男

    藤井俊男君 佐藤大臣の御活躍に大いに期待をいたしております。よろしくお願いいたします。  じゃ、もう一つ、ちょっと鉄道局長せっかく来ておりますんで、私は鉄道の出身なんでございまして日ごろお世話になっておりますけれども空港アクセスですね、JR高崎線の東京駅乗り入れから地下鉄浅草線を経由しての羽田行きのこの関係ですね。どうも地元の人、大いに期待をいたしておりますので、この辺についてお聞かせを賜ればと思います。
  39. 丸山博

    政府参考人丸山博君) 航空は速達性が命でございます。それで、アクセス鉄道をいかに早くするかということが旅客の利便上大切なことであることはもう間違いないところでございます。  そこで、高崎線の東京乗り入れと都営浅草線の接着についてのお話がございました。  まず、高崎線の東京駅乗り入れについてお話をさせていただきたいと思います。  JR東日本は、現在、神田駅付近で東北新幹線が通っておりますが、その高架を重層化するということによりまして、上野—東京間に新たな新線を引くと、そのことによりまして、宇都宮、高崎、常磐線の一部の列車を東京駅まで乗り入れて、さらには東海道線と直通運転という計画を十四年の三月に発表いたしました。  それで、東日本は二十一年度の供用開始を目標といたしまして、現在調査、設計等を進めております。さらには、地元説明も行っておるところでございますが、神田駅周辺で地元理解が十分に得られているという状況にはないということでございます。  それから、都営浅草線の東京接着でございますが、これは運輸政策審議会平成十二年一月に答申を出しておるわけでございますが、そこの中で、二〇一五年までに整備に着手することが適当である路線という位置付けになっておるところでございます。  現在、東京都を中心といたしまして検討が行われているところでございます。どういう形で東京駅に浅草線を接着するかということにつきましては、今、三案程度有力な案が出ておるところでございます。そこの中で一番有力な案は、東京駅の駅前の南地区の再開発と一体的にこれを整備しようということであるわけでございますが、現在、最有力の今申し上げました案を中心に検討が進められているという状況でございます。
  40. 藤井俊男

    藤井俊男君 ありがとうございました。
  41. 森本晃司

    ○森本晃司君 公明党の森本でございます。  東京国際空港緊急整備事業法案について質問をさせていただきます。  先ほど来の中でも申し上げられていることでございますけれども羽田というのは非常に需要が高まっておりますし、また、これからもそれが増大していくということは言えるわけであります。また同時に、羽田空港国際化と国際都市にふさわしい国際交流機能を確保するという点からも早期に完成を望むところでございます。羽田空港拡張滑走路、一日も早く多くの皆さんに御利用いただけるようにしていただきたいと、まず最初にそのことを申し上げたいと思います。  ところで、コスト削減の話も先ほど来は出ておりますけれども、一つは、成田国際空港中部国際空港、それから関西国際空港と今日まで事業が進められてまいりましたが、それと比べまして、羽田空港拡張事業、一ヘクタール当たりのコストというのはどれほどになるんでしょうか。
  42. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 成田、中部、関空の各空港について事業費を計画面積で割り算するというふうにしますと、一ヘクタール当たりのコスト、これをそういうふうに考えますと、成田が約十九億円、中部が約十四億円、関西は一期事業の場合で約二十九億円、二期の事業の場合は、計画ベースでございますが、約二十一億円となるわけでございます。  羽田の再拡張事業の場合は、滑走路整備事業として計画している約六千九百億円の事業費に対応する面積約百九十ヘクタールで割り算をいたしますと、一ヘクタール当たり三、約三十六億円ということになるわけでございます。
  43. 森本晃司

    ○森本晃司君 三十六億ですか。
  44. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 約三十六億円でございます。
  45. 森本晃司

    ○森本晃司君 一ヘクタール当たり三十六億円ですね。ちょっと最初に三百とおっしゃったんで、こっちが三十六億円だと伺っております。  それにいたしましても、これ、関空とか中部とか、関空も第二期で二十一億ですから、羽田のこの拡張工事、極めて割高であるということを感じるわけですけれども、これに対して局長はどう思っておりますか。
  46. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 羽田の再拡張滑走路整備事業でございますけれども、今お示しした数字は、中部や関空のように空港施設全体を対象にして面積で割ったということではございますが、この新しい滑走路というのは、一本滑走路を造るということでございまして、単純な比較はできないかもしれませんが、いずれにしても、この新しい滑走路の立地条件というのが一つあろうかと思います。  それが、一つが多摩川の河口に造るわけでございますが、水深が深い、あるいは海底の土質がやや軟弱と。それから、滑走路がかなりの高さを必要とします。それから、多摩川の河口部に言わば滑走路島というのが約千メートル張り出すような格好になりますので、川の流れをせき止めないというか、川の流れを透過させるという特別な構造を採用する必要があるというようなことがございます。  それから、現在の空港に近接した工事ということになりますので、例えば夜間における工事が多用化されるというふうな工事上のコスト、さらには、周辺は船舶のふくそう海域でございますので、工事のために使用できる区域が限られたものであって、一時に投入できる建設上の機械や船舶の数が限られている、そういう意味で作業効率がほかと比べて低いというなど、コスト的には不利な条件があることは事実だろうと思っております。
  47. 森本晃司

    ○森本晃司君 繰り返しになりますが、中部や関空と比べてこんなにも大きな差が出るということは、やっぱりこれはよく考え直さなければならないんではないかと思うんです。  中部国際空港、これは非常にコスト削減に取り組みました。造成工事分で約六百億円、それから金利低下分で三百四十億円、それから施設整備の見送りで六十億円、総計約一千億程度の削減が可能になるというふうに聞いておりますし、新聞でもそういった数字が出ておるわけでございます。  国土交通省は、今コスト革命、コスト構造改革、こういう取組を十五年度から開始されているわけでございまして、これからもまたいろいろと議論されるでありましょう高速道路につきましても、コスト削減のために四車線から二車線にする、そういったことで、四車線でキロあたり四十億掛かるものが二車線にすることによって、追越し可能の二車線にすることによって一キロ当たり三十億円、約三割のコスト減を図ることができます。  納税者の立場から、公共事業の無駄を省くという、こういった点からも、この羽田についてもよく考えなければならないのではないかと思っております。可能な限りのコスト削減をやるべきではないかと思っておりますが、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
  48. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) ただいま森本委員の御指摘は、私も、一ヘクタール当たりに直した数字を見まして、一割の既にコスト削減を行っているのにこれだけ高いということは、かなりやはり割高なんだなと。この高いことが、先ほど御同僚の藤井委員の御議論の中でもございましたように、発着料が高くなる等々の旅客やあるいは航空ネットワークを維持する上で大きな支障を来す要因になってはならないと強く感じたところでもございます。  やはり更なる工夫というものをしていく必要があるんだと思います。設計施工を一括で発注するとか、一般競争入札をして、まあ安かろう悪かろうはこれは困るわけですけれども、様々な取組でこのコストをできる限り下げていくという努力をするということを肝に銘じて、これからの事業に取り組んでいきたいと考えております。
  49. 森本晃司

    ○森本晃司君 先ほど来、工法についても三種類があるというふうに言われております。また同時に、設計と発注、設計も工事も一緒にするということでコスト削減に努力していただきたいんですが、その中の一つで、これだけ掛かるのに、おやと思うところがあるんですが、これ現在の羽田滑走路の標高というのが六メートルですね。今度新滑走路で計画されている高さ、これは工法いろいろありますけれども、それは二十三メートルという常識で考えて余りにも高いんではないかと思うんです。  私、二十三メートルというのはどれぐらいかなと思って参議院の議員会館の高さはどれほどだというふうに伺いましたら、議員会館の高さは二十六・三七メートルであります。あの議員会館の一階から屋上までのそれに近い高さの滑走路羽田に造られるという。私は技術的には全く素人でありますけれども、果たしてそんな、今は六メートルでいっているんですが、そんな高さのものが要るんだろうかなというふうに考えました。  伺いますと、羽田拡張の新滑走路橋の高さというのは同滑走路の進入表面が東京湾第一航路を航行する大型船舶の高さに抵触しないように二十三メートルに設定されていると伺いました。ただし、この進入表面の基準は本来構造物の固定物件に対する規制を行うための表面でありますけれども、アメリカにおいては進入表面以外に無障害物表面と言われる航空機運航上の基準表面が導入されているというふうに伺っております。仮にアメリカと同様の無障害物表面を羽田新設滑走路に適用するとした場合に、同滑走路の高さは計算上によると約八メートルにすることができるはずだと、こういうことが言われております。  また同時に、この羽田拡張について建設グループが国に提案したものがあります。これは建設費を大幅に削減できるというところであります。  この建設グループの発表によりますと、建設費が高くなっている最大の理由は、東京港の第一航路を航行する船舶は航空法に定める障害物の制限表面に抵触させないようにするため、先ほど申し上げましたが、滑走路橋の標高二十三メートルと極端に高くしていることによると。標高を六メートルに抑えると、沈下を見越した埋立て土の高さは約三十メートルで済み、二十三メートルの標高の場合の五十メートルに比較して、一立方メートルの埋立て建設単価を約三千円として計算して九百億円少なくできるのではないか。また、いろんな航空機連絡誘導路あるいは進入灯火等、滑走路を低くすることによる経済メリットが比例して安くなり、トータルでは二千億円程度も縮減できるという話がここに書いてあります。こういう発表がされています。また、連絡誘導についても、本来、船の安全やテロ対策からもその下を航行させるようなことは考えない方がいいんじゃないだろうか、こういう御提案がございます。  日本においてアメリカと同様の基準をそのまま導入することには、これはいろいろと検討する必要はあるとは思いますけれども羽田拡張事業のコスト高の一因としてこの滑走路の高さが関係していることというのは、これは事実であろうと思うんです。コスト縮減の意味からも、可能な限りこの新たな基準表面の考え方を導入して滑走路の高さを低くすべきではないかと考えるのですが、いかがでございますか。
  50. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 御指摘のように、私ども航空の安全はもちろん考えていかなきゃいけないわけでございますが、同時に船舶の安全ということも考えなければいけないわけでございます。こういう中で、制限表面の基準というのは本来、建造物等の固定物件に対する規制を行うための表面でございまして、船舶等の移動物件を規制するものでは必ずしもないわけでありますが、航空機と船舶双方の安全な運航確保するというための基準としてこれまで用いてきたわけでございます。  ただ、今、先生御指摘のように、新たな基準表面の考え方をも導入して検討すべきだという御提案でございます。繰り返しになりますけれども航空機と船舶双方の安全確保ということは大前提でございますが、御指摘の米国の基準のほか、国際的な基準表面等々もあるようでございます。いろいろな考え方があるようでございますが、いずれにしてもよく研究の上、私ども検討してまいりたいと、こう考えております。  さらに、なおちょっと滑走路の高さについてちょっと御説明を申し上げさせていただきたいのは、今は北側の滑走路の高さのことでございますが、これは実は先ほど申し上げましたように、多摩川の河口部に約一千メートルほど張り出すわけでございますので、そういうことからして多摩川の流れの影響をできるだけさせないということとか高潮の問題等々ございます。そういうものも考慮した上で、考慮する必要があるというふうにも考えておりますが、いずれにしましても、今の基準表面の考え方ということにつきましてはよく勉強させていただきたいと考えております。
  51. 森本晃司

    ○森本晃司君 私も直接専門家の方、私はそういう知識はございませんので、専門家の方とお会いさせていただいて意見を聞かせていただきました。どうぞ、この高さについてはコストダウンというところからもよく御検討をしていただきたいと、このように思うところであります。そして、コスト削減に向かっていただきたいと思います。  次に、成田空港における本邦、我が国の企業の発着枠の状況を見ますと、外国社は六〇・四%、それから我が国の航空会社三九・六%となっています。しかし一方、海外のロンドン、パリ、ニューヨーク、これを比較してみますと、ロンドンのヒースローでは外国企業が五二%で自国の企業が四八%、パリでは外国企業が五一%で自国企業が四九%、ニューヨーク、JFKでは外国企業、自国企業それぞれ五〇%ということになっています。  こういうのが大体普通ではないかと思うんです。日本の航空会社の歴史によるところもありますけれども、いかにも日本の会社が少ないんではないかと。国家戦略的観点からも、また国益という点から見ても、外国と日本のシェアを同じように同一に是正すべきではないかと私は考えております。  今度の羽田拡張事業によりまして、発着容量が一日百六十六便、一年に十二万二千回、現在よりも一・四倍増すというふうに聞いておりますが、国内航空のボトルネックを解消することを目的として地域のニーズもあり期待はしておりますが、首都圏都市再生など図るためにも国際化への対応も極めて重要であります。  再拡張後、国際定期便、年三万回程度から導入すると、こういうふうに言われておりますけれども、三万回では少ないんではないかと思います。十二万回あるんですから、増加するうちの、その程度の、その半分程度は、六万回ぐらいはやっぱりすべきではないかと。そうでないと、訪日外国人一千万は、観光立国を今うたってそれを進めているわけでございますけれども、そういった観点からも我が国の企業の発着枠の是正の観点も含めて私は取り組むべきだと思っておりますが、航空局長考え方をお尋ねします。
  52. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 羽田空港拡張に伴いまして約十三万回の増になるわけでございますが、羽田空港先ほど申し上げましたように国内の基幹空港でございまして、将来の国内線需要予測を考えますと、やはり相当程度強い需要、強い増加要因がございます。したがいまして、まず国内線発着回数というものを想定した後、その余裕枠という意味国際線を約三万回程度と考えておるわけでございます。  ただ、これによりまして、成田空港の問題の御指摘もございました。成田空港につきましても、今おっしゃるような状態でございます。基本的には、私ども、あらゆる機会をとらえて本邦社の枠の拡大ということも図ってまいりたいと思っておりますし、成田空港自体の整備によって、成田空港全体の発着枠の確保ということ、拡大ということも図ってまいりたいと思いますが、羽田空港国際化ということにつきましても、今申し上げましたような形で、まず国内線需要に対応した後、余裕のある部分で国際化を図っていく、これは逆に本邦企業にとっても一つのビジネスチャンスだろうと考えております。
  53. 森本晃司

    ○森本晃司君 最後に申し上げさせていただきたいと思いますが、先日来の質疑の中で、大臣が、観光振興で金の掛からないことであればすぐにやると、このように御答弁もいただいておりました。先日の審議の中で、私は、訪日外国人一千万に向けて、殊に韓国との関係を申し上げました。チャーター便、これは四便から八便に是非していただきたいということと、それから今の一時間当たりの羽田の処理可能数は、ファイアーブレーキ十六回、それから公用機等の枠が三十回、こういう状況から見ますと、金は掛からずにこの四便から八便へすることができるのではないかと思っております。  時間が参りましたので、私、この主張をさせていただいて、終えさせていただきます。  以上です。     ─────────────
  54. 輿石東

    委員長輿石東君) この際、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推進に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会総務省自治財政局地方債課長佐藤文俊君及び総務省自治税務局長板倉敏和君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 輿石東

    委員長輿石東君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  56. 輿石東

    委員長輿石東君) 引き続き、東京国際空港における緊急整備事業の円滑な推進に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。
  57. 富樫練三

    ○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。  羽田の再拡張問題について伺います。  この再拡張問題というのは、様々な問題、たくさん問題を抱えているというふうに私は考えています。例えば、四本目の滑走路建設、本当にこれが必要なのかどうかという問題や、あるいは四十万回を超える離着陸というわけですけれども、限られた空域の中で安全性がきちんと保たれるのかどうか、こういう疑問であるとか、あるいは飛行コースの下に住んでいる住民の騒音被害、これをどう解決するのかという問題とか、あるいは莫大な建設費用、これをどうするのかという問題もあります。さらに、この再拡張と関連をして、臨海部の再開発、都市再生問題、こういう問題とも絡んでいる大変大事な問題であるというふうに思っています。  すべての問題について質問する時間がありませんので、まずは、この建設のための財源の問題について、先ほどからも議論がありましたけれども伺いたいと思います。  先ほどからの答弁の中で、六千九百億円の金が掛かるということ、そしてそのうちの二割、約千三百億円が自治体からの無利子の借金だということ。神奈川が県が百億円で、横浜川崎市がそれぞれ百億円、合計三百億円、プラス東京の一千億円。そして、そのお金は地方自治体が起債をすると、借金をして国に無利子で貸し付けると。先ほどの例えばという事例で答弁がございました。十五年据置きで十五年返済、すなわち三十年で返済するというふうにした場合には大体五、六百億円の利息があるだろうと、こういうお話も、答弁もございました。  で、これほどの地方負担をしてまで無利子で国に貸し付けるというわけですから、よほどの事情がなければこういうことはあり得ないというふうに、通常ならば、常識ならば思います。そこで、それ以上のメリットが地方自治体にあるんだという話、前例としては、こういうやり方というのは関空でもやったではないかと、こういうお話もありました。  まず伺いたいのは、関空でやったというふうに言いますけれども、関空の場合は国が責任を持って造った飛行場ではなくて、これは民間の会社であります。国が直接やる羽田とは全く異質の問題であります。これを同一視して、関空でやったんだから羽田でもやるんだという理屈は成り立たないと思いますが、いかがですか。
  58. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 国際拠点空港として羽田、でありません、関空が整備をされているわけでございますが、地元に特別の受益があるということで、地元からの御協力を得ているということでございます。特別の受益の大きい地方公共団体に無利子付けあるいは出資その他の形で協力を求めているということにつきましては、同じことだと考えております。
  59. 富樫練三

    ○富樫練三君 その地域や地方自治体受益があるから地方自治体が無利子で国に金を貸すのは当たり前だと、こういうことがもしまかり通ったら、国のやる仕事というのは、どんな仕事であってもそれはその地域に必ず利益はあります。マイナスになるような事業をやることはありません、普通ならば。いろいろな公害の問題とかが起こるとしてもですよ。大体やるときはみんな地元受益があるから、これは河川改修だって、ダム造るんだってみんな同じですよ。そういうときに、国の方が金が少ないから地方自治体が借金してまで国に無利子で金を貸しなさいと、こういう理屈は成り立たないということだと思うんです。  もう一つ、先ほど地元にメリットがあるんだということで、大体五百億から六百億ぐらいの利息を地方自治体が払うわけですけれども、これに対して、将来の税収が約年六百億円ぐらいあるから、これはもうプラスになるんだと、あるいは雇用効果があるんだと、こういう説明がありました。確かにこれは、約六百億の利息を支払うという地方自治体負担はこれは確実です。借金して利息払わなくちゃいけないというのは確実です。だけれども、その結果、税収が年六百億円入ってくるんだというのは、これは不確実です。決まっていることじゃありません。ましてや、例えばこの地域でみなとみらい、あの神奈川で開発をしました。あのときに、最初の予測は雇用は十五万人増えるんだと、あれで。実際どうですか。増えたのは五万人ですよ。三分の一。要するに、負担は確実、そしてプラスになる分、メリットは極めて不確実というのがこの事業であります。こういうことを地方自治体に押し付けていいのかという問題です。どうですか。
  60. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 先ほど申し上げましたように、地方自治体利子負担額というのは三十年間で合計しておおむね五百から六百億円程度と想定しているわけでございまして、一方で、地方税収の増加というのは年間で六百億円以上と見込んでいるわけでございます。一方では、三十年間でそのくらいの数字でありますし、一方では、見通しでございますけれども年間でそのくらいの数字が出てくると申し上げているわけでございます。
  61. 富樫練三

    ○富樫練三君 私の質問とは全然かみ合ってないのでね。地方自治体負担は確実、メリットは不確実、こういう仕組みになっているということを言っているわけなんですよ。それでいいのかということなんですけれども、まあ次に進みます。  総務省、おいでいただいていると思いますけれども、国有資産等所在市町村交付金、これの特例措置というのが今回一緒に行われます。  現在、羽田飛行場については減額されているわけですけれども、今まで年間どのぐらい減額して、金額は幾らかということと、今度新しい滑走路が造られた場合に、これは供用開始から十年間特別措置が取られるということになりますけれども、その場合にどのぐらい減額されて、金額は幾らになるか、これを教えてください。
  62. 板倉敏和

    政府参考人(板倉敏和君) 国有資産等所在市町村交付金に関する御質問でございます。  まず、現行の羽田空港等一般の空港に適用されております二分の一の特例でございますけれども、これは昭和四十二年度から平成十五年度までの二十七年度間にわたり適用されてきたものでございまして、羽田空港に関します交付金額は十五年度分で三十九億円と聞いております。  今後、新たに造られます滑走路年間交付金額の見込みでございますけれども、現在の工事費等をベースに試算をいたしますと、最終的に支払われるといいましょうか、交付される額が年間二十五億円程度になるのではないかというふうに見込んでおります。
  63. 富樫練三

    ○富樫練三君 そうすると、今までのところは三十九億円、昭和四十二年からそういう制度でやってきたと。そうすると、全部毎年三十九億円とは限らないと思うんですね、評価が違いますから。だんだん上がってきたのかと思うんですけれども。しかしながら、二十七年間ずっと減額を、半分減額してきたと。言わばこの交付金というのは、地方自治体から見れば、通常でいえば固定資産税として納まってくる部分が、国の施設や資産については国から交付金として固定資産税に見合う分として出しているものですよね。それが二分の一ですから、昭和四十二年からですか、四十二年からですね、ずっと言わば固定資産税を二分の一減額してきたと、こういうことですよね。  これから新しい滑走路ができると、今度は四分の一減額ですから、今までの二分の一の更に半分、四分の一で年間二十五億円納めると今言いましたね。ということは、年間百億の固定資産税を納めなくちゃいけないんだけれども、七十五億円はまけてもらっていると、こういうことですよね。それを十年間やるわけですよね。十年間やれば、その評価が同じだとすれば、七百五十億円まけてもらうということですね。  地方自治体からは無利子で借金をして、地方自治体に払うべき税金は十年間で七百五十億円まけてもらう、こういう仕組みなんじゃないですか。どうですか。
  64. 板倉敏和

    政府参考人(板倉敏和君) 今申し上げましたのは、四分の一という形で年間二十五億円ということでございます。おっしゃりますように、特例が全くなければこれは四倍になるではないかということは、数字的にはそのとおりかと思います。ただ、一般の空港に適用されておりますその二分の一特例というのがございますので、今回特例を講じなくても五十億円程度ということになりますので、七十五億掛ける十倍というのは若干数字的には大きいかなと、大き過ぎるんではないかなという感じがしておりますが。
  65. 富樫練三

    ○富樫練三君 私は言われた数字を言っているだけで、大きいかどうかというのは、これはあなたが言った数字で私が言っているんであってね、大きいかどうかの評価というのはあると思いますけれども、しかし、いずれにしても、地方自治体からは借金すると、国はその元金はもちろん払いますよ、地方自治体に対して、もちろん払いますよ。だけれども、しかし利息分だけは地方自治体の方で払っておいてくれよと、こういう話ですよね。それからもう一つは、国が地方自治体に払うべき税金は十年間で七百五十億、大きいか知らないけれども、少なくとも計算上はそのぐらいはまけてくれよと、こういうわけですね。  総務省に伺いたいんだけれども、そういう借金の仕方というのは正常な借金の仕方なのかという問題なんですよ、地方自治体にとって。通常、借金というのは、建設事業債であるとか、地方債というのは、例えば学校を作るであるとか、そういう形になってきますよ、借金したものというのは。それが普通の借金ですよね。そうじゃなくて、赤字地方債という、いわゆる経常経費、これは本来認められないんだけれども、不健全なんだけれども地方財政が厳しいからやむを得ず赤字地方債認めようじゃないかと、特例としてやってきたと。  今度のこの借金は何かというと、借金したものは国の方に渡すだけであって、物には何にもならない、地方自治体の、中身は空っぽですよね。で、借金の利息だけはきちんと残る、こういう仕組みですよね。そういう借金の制度というのは地方自治法の観点からいって認められるのか、地方財政法上はちゃんと位置付けられているのか、この点はどうですか。
  66. 佐藤文俊

    政府参考人佐藤文俊君) 地方財政法第五条において、地方公共団体地方債をもって財源とすることができる場合が列記してありますが、その中に「貸付金の財源とする場合」というのがございます。
  67. 富樫練三

    ○富樫練三君 その貸付金というのは意味が違うんですよ。国が本来やるべき仕事を地方自治体が肩代わりして貸してやるためのその貸付金のための借金じゃないですよ、それは、地方財政法で言っているのは。これは意味が全然違うということをまず指摘しておきたいと思います。  その上で、これはちょっと大臣にこの問題の最後に伺っておきたいと思うんです。  今私が言ったようなやり方というのは、今国が、少なくとも、例えば三位一体だとかと言っています、我々はその三位一体のやり方というのはいいやり方だとは思いませんよ、だけれども、しかしながら、地方財政を確立するためにそういうことをやろうというのを今改革と言っているわけでしょう。地方分権以来ずっと流れとしてあるのは、地方財政を確立するためにどう税源を国から地方に移譲するかと、この議論をずっとやってきているわけですよ。どうやって地方財政確立するかですよ。国からお金をどうやって地方に移譲するか。ところが、今のこの法律は、金の流れは全く逆なんですよ。税金はまけろ、無利子の借金はよこせ、これでしょう。やることが反対じゃないですか、大臣。閣僚の一人としてどうですか。
  68. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 根本がちょっと違うと思うんですけれども、押し付けたんじゃないんですね、これ。無利子付けをやってくれって、やらなかったらひどい目に遭うぞのようなことは一切なくて、首長さん方が考えて、メリットがあると考えたからこそ議会に諮って、議会のコンセンサスを得ないと、この無利子付けも行われないわけであります。そこがやはりちょっと根本的に、議論を聞かせていただいていて、違うのではないかと思っております。  そして、論理的には、富樫委員のおっしゃるとおり、国家的プロジェクトだと私も御答弁させていただいている以上は国が全部やれればやったらいいんだと思いますが、国の財政事情が大変厳しい中で、地方公共団体の御協力なくして早期の完成、すなわち事業費確保が少なくなれば工期が長くなるという単純な理屈から、やはりそれを早期に達成するために御協力を願えないかということで、私も阿部市長さん、中田市長さん、あるいは都知事、また神奈川県知事のところにも参りまして、御協力をお願いして、首長さんたちが御了解をいただいて、首長さんたちが御了解をいただいても、もちろん議会がございますので、議会で御議論をいただいて初めてお金が出るということで、この県民皆様方の利益というものは一体どこにあるのかということを市長さんも知事さんたちもお考えになっての決断であると認識しております。
  69. 富樫練三

    ○富樫練三君 押し付けたんではないと、協力をお願いしたら県知事以下市長さんも協力をしてくれたんだと、こういう話のようです。私は、全然違うと思うんですね。  これはお願いしなきゃ、地方自治体の方から私の方で無利子で貸し付けしますからどうぞやってくださいということではなかったんだろうと思うんです、協力をお願いしたと言っているからね。仮に、今、地方財政というのは大変な中で、そういうことを言ってきたら、それはやるべきではないということを言うのが国の本来の姿だったんじゃないですか。本来国がやるべきことというのは、そうじゃなくて、地方自治体がわざわざ借金して、利息まで払って国に無利子で貸してくれるなどというのはやめるべきでしょうと言うのが本来国のやり方、こういうことだと思うんですね。  こうやって無利子で貸し付けるぐらい地方自治体の方も金があるというか、余裕があるというか、裕福だというふうに見られたのかもしれませんけれども、現実は私はそうじゃないと思いますよ。そういう点では地方自治体、大変なことになるというふうに思います。こういうことはやめるべきだということを主張して、次の問題に入らせていただきます。  この問題について、千葉議会先ほども議論がありました十四市、それから浦安市、浦安市の市長さんから抗議書が大臣のところに届いていると思います。この抗議書、抗議文については、こういうふうに言っているんですね。浦安は、過去、昭和四十八年当時に、東京国際空港羽田騒音で悩まされて要望書を出したと、しかしながらきちんと解決されていないということですよね。新たにまたそういう被害が起こると。  千葉議会の決議と意見書の中では、国は再拡張事業を一方的に進めていると、国から示された飛行ルートは到底認められない、関係十四市は意見書を出したんだけれども、民主的なプロセスを遵守して千葉県と関係自治体及びその住民の理解を得る責任が国にはあると、こう指摘をしています。その中では、飛行ルートの問題、通過高度の問題、深夜、早朝などの飛行時間の問題、発着回数四十万七千回にこだわらないという問題、それから騒音測定の見直しや情報公開の徹底、こういうことが要求されています。  私は、この内容は当然のことであって、国はこの要請にきちんとこたえて、関係自治体や住民の理解を得ることが事業の大前提だというふうに思いますけれども大臣はどう認識していますか。  これは判断の問題ですから、しかも、この意見書は大臣あてに出されていますので、大臣から答弁をお願いします。
  70. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) まず、済みません、事実関係から御説明させていただきたいと思いますが……
  71. 富樫練三

    ○富樫練三君 時間がもう来ているんだよ、時間が来ているんだよ。
  72. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 現在、私ども千葉県からいろいろな御意見をいただいております。  二月九日に私ども案を出させていただいたわけでございますが、その当日に、千葉県あるいは関係十四市から、分散ケースについて更に更に検討してほしいという、あるいは浦安方面での低空騒音への抜本的な改善を求めるなどの要望が、意見書が出されております。私ども……
  73. 富樫練三

    ○富樫練三君 それは分かって聞いているんだからいいんだよ。
  74. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) はい。分かりました。  私どもとしては、今現在、各方面に説明をし、理解を求めるというところでございますが、このいただいた御意見につきましては、現在できるだけ早く回答すべく慎重に検討を行っているところでございます。
  75. 富樫練三

    ○富樫練三君 大臣
  76. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) ただいま航空局長が御答弁したとおりでございます。
  77. 富樫練三

    ○富樫練三君 改めて聞きます。  地元の人たちは、地元理解が大前提だと、こう言っているんですよね。理解しないまま一方的に強行するのはまずいと、こう言っているんですよ。これは当たり前のことなんですよ。被害を受ける人たちが、被害を受けるような今飛行ルートが提案されていると。これに対して、そのまま進めてもらっては困る、こういうふうに言っているのは当たり前でしょう。これに対して、一方的な強行はしない、こういう態度を取るのは当然だと思うんですよ。  大臣、どうですか、最後にこの点について。局長はいいですよ、局長には聞いてないんだから。大臣、このことをきちんと受け止めること、ここが大事だと思いますよ、事業を進める上でも。
  78. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 地元の皆様方の御理解を得るべく、引き続いて努力をさせていただきたいと思います。
  79. 富樫練三

    ○富樫練三君 終わります。
  80. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 社民党の渕上です。  空域の過密化と管制についてお伺いをいたします。  二〇〇九年に完成する四本目の滑走路によりまして、発着量が現在の年間二十八万回から四十一万回への増加を計画しておりますが、大変狭い空域に航空機が集中して今以上の過密となり、安全性が保てるかどうか疑問があります。しかも、四本目の滑走路は現在の管制塔から離発着、離発、着陸する飛行機の位置がはっきり確認できないのではないかと言われておりますし、また二系統で管制するという方法もあるようですが、これでは困難を招くおそれがあり、安全上も問題が生じると思われますが、考え方と取組についてお伺いをいたします。
  81. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 飛行場の管制塔からは滑走路上を走行する航空機、これを確認する必要があるわけであります。したがいまして、現在の管制塔で新しく新設する滑走路上の航空機を確認できるかどうか、こういうことについて十分な検証が必要だと考えております。  その十分な検証の結果、確認が困難な場合があるかもしれない、こういう場合にあっては新しく管制塔建設という方向で検討を行いたいと思いますが、そういう形で安全を確保することとしておりますけれども、いずれにしても、現在、その航空機を確認できるか否かということについて検証を進めているところでございます。
  82. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 騒音、電波障害についてお伺いをいたします。  国交省の飛行ルート案では騒音や電波障害などの問題が生じることが十分考えられますが、特に重量級の国際線航空機によって更に騒音が増大、拡大することは論をまたないと思います。騒音、電波障害対策をどのように考えて対策されようとしているのか、お伺いいたします。
  83. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 航空機騒音でございますけれども、離陸直後あるいは着陸直前の航空機騒音をできるだけ東京湾内を活用して処理をするということを基本飛行ルートを設定してございます。また、可能なところにつきましては、飛行高度を引き上げて一機ごとの騒音を軽減するというふうな対策を考えております。  例えば、木更津地区でございますが、飛行回数が現在から全体として一・四倍に増加いたしますけれども、一機ごとの、高度を引き上げることによりまして一機ごとの騒音値を三から六デシベル軽減をいたします。これによりまして、騒音の総量というものは現状より小さくなるように考えているわけでございます。それから、江戸川地区におきましても、高度を引き上げるということによりまして三から八デシベルの低減を考える、低減を図るということにしておりまして、騒音の総量を現状程度にしたいというふうに考えておりますし、浦安地区についても同様の工夫をしたいと考えております。  これによりまして、航空機騒音にかかわる環境基準でありますWECPNL七十のラインというものは居住地域には達せず、環境基準は維持できるというふうに考えております。さらには、できるだけ騒音の数を減らすということで努力をしてまいりたいと考えております。  それから電波障害でございますが、航空機による電波障害、これにつきましては、環境アセスの中でまず現況調査を行うこととしております。現況を把握した上で、再拡張による影響の予測というのを行いまして、必要があればその対策について検討していきたいと考えております。
  84. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 しっかり調査をやった上で、対策を十分お願いをしておきたいと思います。  次に、東京湾の環境についてお伺いをいたします。  空港拡張発着回数増加に伴う東京湾の環境保全と船舶の安全確保、さらには漁民の被害についてどのように把握され、それぞれどのような対策を行おうとしているのか、お伺いいたします。
  85. 石川裕己

    政府参考人石川裕己君) 新設滑走路が環境に与える影響でございますけれども先ほども御説明申し上げました平成十四年度の羽田空港拡張事業工法評価選定会議、これで先ほどの三工法についての予備的な検討を行いまして、いずれの工法東京湾の潮流あるいは水質等への影響について致命的な悪影響を与えることはないとの検討結果を得ておりますが、環境影響評価法に基づく環境影響評価手続というもの、これにつきまして、十六年度予算成立後、できるだけ早く手続に入りたいと思っております。方法書の手続というものを開始したいと考えております。その後、先ほど申し上げました入札契約手続の中で建設工法が確定していくわけでございます。その後、準備書あるいは評価書という環境影響評価法に基づく手続を実施してまいりたいと考えております。  それから、羽田空港の周辺の船舶航行安全対策でございますが、これにつきましても、十三年度及び十四年度に海事関係者、学識経験者等で構成される検討会というものを実施いたしまして、再拡張後の東京湾第一航路の形状等について合意が得られたところでございます。航空機の安全、船舶の安全、双方大事でございまして、今後は工事中の船舶航行安全対策ということも含めて検討を深めていく必要があると考えております。  それから、漁業に対する影響でございますが、これも今後実施する環境影響評価ということで、東京湾の潮流、水質、生態系への影響ということを評価することになるわけでございまして、その中で漁業に対する影響というものも検討することになろうかと思います。  以上でございます。
  86. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 羽田国際化成田の位置付けについて大臣にお伺いをいたしますが、本法案東京国際空港の再拡張事業への特別措置法でありますが、新たに拡張される四本目の滑走路等を整備することによって増加する発着容量国際定期便の就航を図ることも考えられています。  これまで首都圏における空港の役割分担として、先ほどお話ありましたし、考え方はある程度示されましたけれども成田は国際、羽田は国内との考えの下で整備が進められてきたように思います。現在におきましても、成田においては二千五百メートル平行滑走路の実現に向けた取組が行われておりますし、羽田国際定期便の就航となれば、これまでの航空整備というものが改めてまた違うというふうに認識されているのかどうか、なぜこのように変更しようとしたのか、お伺いをしておきたいと思います。  また、新東京国際空港建設に当たっては、特に国土交通省の担当者の並々ならぬ御努力、御苦労というものは察して余りあるものがあるわけですが、同時に千葉県民が多大なやはり犠牲を払っているという歴史的な経過もございます。しかも、羽田空港国際化千葉県財政や経済にも大きな影響を及ぼすと思われますし、今後、新東京国際空港、いわゆる成田空港の位置付けと建設の歴史的認識についてお伺いをいたします。
  87. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) ただいま渕上委員から御指摘のございました点は、成田空港の歴史的な変遷並びに空港行政における羽田空港成田空港とのすみ分けを変えたのか変えないのか、この二点ではなかったかと存じますので、御答弁をさせていただきたいと思います。  成田空港につきましては、昭和四十一年の閣議決定以来、住民の皆様方に十分な理解を得ることなく空港建設を進めたという歴史的事実があるものと承知をしております。このため、建設の過程の中で賛成派と反対派の対立構造が深刻化していったほか、一部過激派の介入を招いてその後の空港整備を遅らせる大きな要因になったものだと承知しているところでございます。  こうした過去の様々な経緯を踏まえまして、関係者によって話合いによる問題解決に向けた努力が積み重ねられてまいりましたことは最近の大変すばらしい情報ではないかと思っております。その結果、これまでの対立構造の解消が図られまして、地域と空港の共生という理念の下に地域の方々の御協力を得ながら空港を建設、運用する新たな時代を迎えつつあるのではないかと、こんなふうに考えております。  そこで、二番目の御質問に入るわけでございますけれども首都圏の国際空港需要というものはやはり年々増大しておりますし、国内の基幹ネットワーク等々の需要というものも深まってきていることは言うまでもございません。成田空港の四千メートル滑走路を有するというような性格上、役割というものは今後とも変わらない。羽田空港には四千メートル滑走路はございません。  再拡張後の羽田空港においては、委員御指摘のとおり、およそ容量が一・四倍の四十一万回弱になりますので、このうちの三万回程度国際定期便の就航に割り振りたいと考えておりますが、基本的な考えであります首都圏拠点空港、国際の拠点は成田、国内の拠点は羽田という考えに何ら変更はございません。  参考までに、平成十五年の六月十二日に開かれました羽田空港拡張事業に関する協議会羽田空港国際化についての基本的な考えを示しておりますので御紹介させていただきますと、成田国際線の基幹空港羽田国内線の基幹空港である、首都圏における国際ゲートウエー機能の強化を図ることによって国際都市に相応した国際交流機能を確保するとともに、羽田空港を有効活用する観点から、再拡張後、国際定期便の就航を図ると、こういうふうにこの協議会でも明確に整理をさせてお示しをさせていただいているところでございます。
  88. 渕上貞雄

    ○渕上貞雄君 終わります。
  89. 輿石東

    委員長輿石東君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。     ─────────────
  90. 輿石東

    委員長輿石東君) 次に、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。石原国土交通大臣
  91. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  地方にできることは地方にとの原則の下、国及び地方公共団体を通じた財政改革のための国の補助金等の整理及び合理化等を行い、地方の自由度や裁量を拡大するための三位一体の改革を推進する必要があります。  また、稚内から石垣までを合い言葉に国を挙げて取り組んでおります全国都市再生を一層推進するため、民間活力が十分でない都市を含む全国の都市において、地域の実情に応じた都市の再生を効果的に進めていく必要があります。  これらの必要性を踏まえ、国土利用計画法に基づく交付金制度を廃止するとともに、地域の実情を熟知した市町村のまちづくりに関する権限の拡充と併せて市町村の自主性、裁量性の高い財政支援制度を創設する等の全国都市再生のための基本的な枠組みを構築しようとするものであります。  このような趣旨から、このたび、この法律案を提案することとした次第でございます。  次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。  第一に、三位一体の改革に基づく法施行事務費の一般財源化の一環として土地利用基本計画の作成等に要する経費の財源に充てるための交付金制度を廃止するとともに、同じく三位一体の改革の趣旨に沿って地方の自主性、裁量性を大幅に拡大した都市の再生のための交付金制度を創設することとしております。  第二に、市町村へまちづくりに関する権限をできる限り一体化するため、都道府県が決定することとされている都市計画を市町村が決定できることとするとともに、都道府県が行うこととされている国道又は都道府県道に関する事業についても、市町村が行うことができることとしております。  第三に、行政とNPO法人等の民間まちづくり主体との協働により都市の再生を推進するため、NPO法人等が実施する事業等を都市再生整備計画に位置付け、支援することができることとしております。  その他、これらに関連いたしまして所要の規定の整備を行うこととしております。  以上がこの法律案を提案する理由であります。  この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
  92. 輿石東

    委員長輿石東君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十九分散会